平成15年度機構改革案に関する商学部教授会見解
10月3日に開催された商学部定例教授会は、同月1日の評議会に提示された「平成15年度機構改革案について」と題する事務局案(以下、「総務課案」と略す)について検討した。
国立大学の独立法人化に向けての流れが一気に加速化するなかで、わが横浜市立大学がどのような対応をするかが焦眉の課題となっている。また、周知のように、去る9月3日には市役所内に「市立大学の今後のあり方懇談会」が設置され、わが大学の存立意義、目指すべき改革の方向性が根底的に問い直されようとしている。今回の「総務課案」はそうした環境・機運下での改革案であることを認識しなければならない。市大の存立意義と改革方向が根底的に問われる以上、研究と教育を主務とする大学において、それらを支えるべき管理運営の方法と組織の根本的な変更を伴うのは理の当然であり、構成員たるわれわれは責任と自覚をもってこれに臨まなければならないであろう。
しかし、今回の「総務課案」は抽象的な改革理念と機構改革の骨子のみが提示され、その狙いがどこにあるか未だ不明な点が多々あるが、文脈と機構改革図からうかがわれる限り、そこに提起されていることは現組織の大々的な再編であることは明らかである。およそ、改革案なるものは現状に関する厳密な分析・評価なくしては画餅に帰す惧れがあり、実施プラン策定に至るまで綿密にして慎重な取り扱いを要する。
商学部教授会は検討の結果、全学の関係各機関に対してこの問題についての真剣な討議を呼びかけるとともに、以下のような措置を取られんことを要望するものである。
1.「総務課案」が提起する「教学組織の強化」および部局事務室の改廃などは教学に重大な影響を与えるため、学長および評議会は速やかにこの件を審議事項として取り扱われることを要望する。
2.事務機構改革問題は、1994年度に専門委員会が設置され検討が重ねられたという過去の経緯からも明らかなように、研究・教育の運営に直結し、細心の配慮を要する事柄である。それに鑑み、評議会内に、前回での議論も踏まえた事務機構改革問題の検討を主務 とする専門委員会を設置されることを要望する。
3.学内における各部局、すなわち学部、大学院、研究所は「総務課案」について早急に検討を始められることを要望する。
4.「総務課案」は教養部の廃止を提起している。教養教育は教育機関としての大学の根幹 にかかわるものであり、教養部と一般教育委員会は教養教育のあり方を含め、この問題について真剣に検討されることを要望する。
5.「総務課案」は時間的猶予について発表から決定まで1か月、実施まで6か月しか置いていない。この事案の重大性に鑑みるならば、これはあまりに拙速と判断せざるをえない。 全学の総意を結集するためにも、この問題について十分な時日を費やし、慎重に処理されることを要望する。
2002年10月9日
商学部教授会