「大学改革」に関する説明集会の開催要求

横浜市立大学小川恵一学長殿

(写し 中田市長 高井市大事務局長 相川市議会議長)

 

 先般大学主催で開催された「生まれ変われ!横浜市大 大学改革シンポジウム」での学長,市長の挨拶,及び,「大学改革推進・プラン策定委員会」幹事会からの第2回同委員会への報告において,現在大学では「在り方懇答申を踏まえて,独立行政法人化を念頭において」改革案を策定中であることが明白となりました.

 市側は「まず,決めるのは大学です」と言いながら,実際には,現行法に背離して教授会の改革案策定への関与を排除し,事務局長の同意した委員による「大学改革推進・プラン策定委員会」を作り,その幹事会を非公開にし,市側の考える改革案を「大学の案」として提案させようとしているのではないか,と危惧されます.

 これに対して,小川学長は,「要望」文書[1]を提出し,副市長との会見において4点の意見表明を行いました[2].これらは当然一般には大学を代表したものと受取られますが,実際には教授会はおろか評議会での正式な議論をも経たものではなく,専ら学長の責任による行動です.

 「在り方懇答申」に沿った改革案作りに対して,教員の多くが賛成していないことは,5月に行われた上記要望に対する2学部1研究科委員会の決議[3]をみれば明白です.学長は,これらの決議に対する自らの考えをも依然として明らかにしていません.

 学長の選挙前の公約「学内の叡知を結集する」とか,最近の発言「大学改革を率先して推進する」ということに照らしても,改革案作りの方針について,構成員に対して学長自ら直接説明することは,当然のことと思います.

 全学に対する「大学改革」に関する説明集会をすみやかに開催することを要求致します.

 

平成158月5日

 

横浜市立大学教員有志

代 表:一楽重雄(理) 矢吹 晋(商)

賛同者:佐藤真彦(総合理) 永岑三千輝(商) 市田良輔(理) 吉岡直人(理)

    大西文行(国際文化) 松井道昭(商) 山根徹也(国際文化) 平智之(商)

    本宮一男(商) 笹隈哲夫(木原研)


 以下は、2学部1研究科委員会の決議です.

要 望

横浜市立大学学長、小川恵一様

 横浜市立大学学長小川恵一氏は、市長からの諮問に応じ、さる49日に「あり方懇答申に対する要望」を提出した。この「要望」に記された内容は以下に述べる理由で、容認しがたいものである。

 「要望」に述べられている内容は「あり方懇談会」の答申の路線をそのまま無批判に追認しているものであり、学問の府としての大学のあり方を充分考慮したものになっていない。

 横浜市立大学が市民に貢献する大学であるためには、大学内部の議論も踏まえて意見を表明するべきである。 本学では、今まで「将来構想委員会」等の全学委員会や各部局で真摯な議論を重ねてきたが、今回の「要望」には、これらの議論の成果は反映されていない。

 本研究科委員会としては、大学改革の基本方針について学長が全学に対して誠実に説明されると同時に、今後の評議会等における議論において、今まで本学内部で積重ねられてきた議論の結果も十分考慮されるよう強く要望する。

 平成1551日                     総合理学研究科八景研究科委員会

 

平成15年5月1日

横浜市立大学国際文化学部教授会決議

 学長が市に対して提出した「あり方懇答申に対する要望」(H1549付けの文書)は、本学全体が進むべき改革方向を示したものでなく、また国際文化学部の意見を反映したものとは考えられない。またこの文書は、評議会で正式に配られ、承認されたわけではなく、教授会で確認された文書でもなく、大学の意見をとりまとめた上で作成された文書とは認められない。

 「あり方懇答申」とこれまで大学内の将来構想委員会などで検討された改革案を再検討し、学内の意見を集約して具体的な改革案を策定する委員会を立ち上げ、評議会で承認を得るよう学長に要望する。

 学長は責任を持って全教員・職員・学生(院生)に対して、大学改革の基本方針について直接説明することを要請する。

 尚、国際文化学部としてはこれまでに検討してきた中期計画等を中心として改革を具体的に進めるよう努力することを表明する。

 

 

 

平成1552

小川惠一学長殿

商学部長 川内 克忠 

 平成1551日商学部教授会において、以下の事項を確認し学長に申し入れることを決議しましたのでご通知申し上げます。

 学長による「あり方懇答申に対する要望」(平成1549日)は、評議会および教授会の議を経ていないことを確認する。

 将来構想委員会答申案中間報告、各部局から提出された中期目標・中期計画等を踏まえ、早急に全学の意見を取りまとめ、大学の改革案を作成し、市当局に提示するよう学長に要請する。



[1]この文書は,宛て先,作成者名などの入っていないものが出回ったため,通称「怪文書」と呼ばれているものです.その内容については,教員組合ホームページhttp://homepage3.nifty.com/ycukumiai/shiryo/0304010gakucho-shi.pdf

を参照願います.

 

[2] 5月7日に副市長に対してされたという4点の意見表明とは,次のようなものと伝えられています.1.49日付けの学長の「あり方懇答申に対する要望」において学長は、独立法人化を念頭におくとか「あり方懇」答申を踏まえるとしている。2.市議会の答弁で学長は、「あり方懇」答申を真摯に受け止め、事務局と協力して大学改革を進めると答弁している。3.大学内の議論の方向性は「あり方懇」答申と大筋で齟齬はない。4.57日に学長は改革への決意を表明したことを確認する。これらの4点を前提として、「大学への市長のメッセージ」が示されました。

 

[3]5月初めに採択された2学部1研究科委員会の決議は,末尾に掲げます.