横浜市立大学学長 小川 恵一様               平成159月11日

                              商学部臨時教授会決議定年退官補充人事・割愛人事に関する要請

 

昨年度、定年退官された長尾教授、片尾教授の後任人事(以上は昨年度内申)、来年3月定年退官する矢吹教授後任人事、佐藤宗弥教授、藩助教授および三上教授の割愛補充人事に関して、商学部教授会はそれぞれについて後任補充を決定し、公募手続きを行うよう学長に内申しておりますが、7月28日付で学長より「定年退官の補充人事は、昨年度の『学長見解』の通り、当分の間不補充」、割愛補充人事については「大学改革の方向性が決まるまでは、公募をかけないことが適当」との回答が学部長宛出されました。

7月教授会において、昨年度学長宛内申した長尾教授後任人事(社会構造論)について再度時期を変更して公募手続にはいること、矢吹教授後任人事(中国語―現代中国経済論または現代中国社会論を研究対象とする人)、割愛人事の佐藤宗弥教授後任(管理会計)および潘助教授後任(商法)について直ちに公募手続に入ることを決定し、学長に内申する決議がなされました。三上教授後任(民法、企業倒産法)については8月臨時教授会において公募手続に入る決定がなされ、学長に内申いたしました。

以上の経過説明において明らかのように、定年退官と割愛を合わせて商学部の専任教員6名が退官し、その補充人事が進められないことは、商学部のカリキュラムの運営上重大な支障を生ずることは明らかです。概算でも、教授7.5コマ、助教授6.5、合計44コマについて、学生への教育上の責任を果たせない事態が生じています。

さらに、今年度からの学部事務室廃止にともない、各事務担当者が付かなくなったことに加え、上記6名もの教員欠員が生じたままでは、大学院も含めて教務・入試業務の遂行に重大な支障を来たすことは明らかです。事務室廃止による学生の教務サービス低下に対する不満の増大に加え、入試のみならず教務上の過誤事件の発生が、いっそう懸念されるところです。

学長が、商学部教授会決定に従って【反して?】、上記の人事について市長に上申していないことは、理由はともあれ、学部自治ないしは学部教授会の人事権に対する不当な侵害であり、看過すべきでない事態であると考えます。

定年退官教員の後任不補充に関する「学長見解」では、教育研究に「重大な支障が生ずると認められる場合」には、凍結の対象としないとされていますが、まさに教育に「重大な支障が生ずる」事態が生じつつあります。また、今回の学長回答に言う「当分の間」が何時までなのかが不明です。

割愛補充人事については、唐突に「大学改革の方向性が決まるまでは、公募をかけないことが適当」との理由で公募手続が止められていますが、大学改革がどのような形で行われることになろうとも、「管理会計」「商法」「民法:企業倒産法」「社会構造論」「中国語=現代中国経済論または現代中国社会論」が現行カリキュラム上の位置づけから見て重要な科目であることは明らかです。「大学改革の方向性が決まる」のは10月と考えられているようですが、その時点で上記5科目の新しいカリキュラム上の位置づけをしていたのでは、4月採用人事の募集期間としては極めて短く、優秀な人材の獲得が困難であると思われます。以上の理由により、定年退官補充人事、割愛補充人事について、商学部教授会決定どおり、ただちに公募手続を開始されるよう要請いたします。           以上