教員組合ニュース(号外) 

2003年10月21日発行

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横浜市立大学教員組合 編集・発行

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学長会見特集号

 

20031014日、午後5時より緊急の学長交渉が開催されました。学長代行として柴田副学長との交渉となりました。出席者は以下のとおりです。

学長側  柴田副学長、葛西総務課長、小泉人事係長、田辺係員1名

組合側  藤山執行委員長、浮田書記長、高見澤執行委員、鞠執行委員、唐沢執行委員、小城原執行委員補佐

 

任期つき教員は、育児休業、介護休業が取れるか?(組合)

任期つき教員は、任期中に自由に転職できるか?(組合)

「検討していない」(柴田副学長)

 

小泉係長:それでは、柴田副学長の会見ということで始めさせていただきたい。

浮田:学長の代行ということでいいんですね(事務局、肯定)。

現職の全教員に任期制を導入する問題に関して、現職の教員が対象になるとすると、雇用条の大幅な変更になるが、これはどのような法律的根拠によるものか? 

柴田:任期に関しては任期法に従っている。

浮田:本当に、法的に可能であると考えているか。

柴田:任期制に関しては任期法に従っているが、プロジェクトR委員会では、法的に可能であるとした見解は出していない。だから、『原則として』といっている。法に従うのは当然だが、まだ、解釈についての議論をしていない。

藤山:法に従うならばできるであろうとの判断か。

任期法自体の検討はなされているわけですか。

柴田:もちろん。

藤山:このときにどういった問題があるのか検討しているか。たとえば、任期つき教員は育児休暇や介護休暇は取れるのかどうか。

柴田:法律的にはわからない。必要があれば検討したい。

鞠:法律的にもし問題があったらどうするか。

柴田:法に抵触すればそれはできない。法治国家であるから。

浮田:任期制について、本人の同意がなかった場合どうなるのか。

葛西:公立大学だと本人の同意が必要。法人化した場合、労働契約になる。

藤山:労働契約ということになるから事実上の同意ということになる。

浮田:「大枠(追加)」では任期制のメリットだけ並べられていて、デメリットが全然でていない

柴田:R親委員会でもそういう発言が出た。たしか、臨時評議会でも出たように思う。メリットだけではなく、デメリットが出た。メリット・デメリットの議論はした。

小城原:なぜ、併記をしないのか。これは検討の材料だ。逆の視点から見ればメリットかもしれないという書き方をしてもよいではないか。

藤山:任期途中で転職しようとする教員がいたときに期限付きの教員にそれができるか。

それを検討しているか。

柴田:現時点では検討していない

藤山:身分にも関わる重要事項なので、評議会で任期制を採用するかどうかの議論をするのが当然だ。

柴田:任期制は、大学改革案の中での問題ですから

藤山:こと任期制に関してはさまざまな問題を含む重要な事項である。

柴田:委員会に一応伝える。われわれはすべて議論したい。意図的にやめていることは無い。

 大学改革についての議論は、委員会で議論できる。すべてが大事。これだけが大事ということはない。

藤山:こと任期制に関しては評議会で審議すべき重要な事項である。

柴田:それはわかる。それだけを云々する。これだけを別個にしてやるということはできない。

藤山:学長代行の回答としては不満である

柴田:われわれはすべて議論したい。落としていることも気がついている。それをやろうとしている。意図的にやめていることは一切ない。問題をどんどん指摘していただいて、検討する。やるということだけは約束する。

岩崎:いくら良いプランを作っても、任期制ということになり、全員が退職ということになると、それを実行していく主体としての教員がボロボロ抜けて行ってしまうと思うが、そのへんについてはどう考えるか。

柴田:そういったところの不安をどう解消していくかというところは議論の余地がある。任期制を何故導入するかというと、優秀な人材の方に長くいてもらいたいということがある。評価システムがインセンティブにつながるようにしたい。

岩崎:優秀な教員にとって任期がついているということはマイナスに働かないということか。

柴田:任期があると不安だという声があるのは事実。「可能とする」というところの制度をこれから考えたい。

藤山:この法律上の問題で、今のところ様々な問題が指摘されているが、全然検討されていないということが非常に多い。

柴田:検討されていないというか、介護とか、育児とかそういったことで、全然検討されていないといわれれば、それは心外だ。

藤山:しかしこれは重要な問題だから。教員は選択しなくてはいけない。その際にこれらは非常に重要な問題だ。転職ができるかどうかの問題だって非常に重要な問題だ。任期制に同意せずこれを受け入れない場合にはどうなるのか。これの検討もない。場合によっては解雇ということを当局が返答せざるを得なくなる場合もありうる。そうしたら当然訴訟が起きる。

柴田:おっしゃるとおり。

藤山:そういった重大な問題もある事柄に関して、来週の評議会で決められるか。

柴田:それはまだ分からない。

藤山:こういった重要な事項については、きちっとした納得のいく回答が伝えられるという保証がない限りは、これは進められない事項である。それで、評議会として十分慎重に審議をしていただきたい。それをどのようにやる。日程的に。

柴田:私は勝手に日程を決めることは出来ない。

浮田:少なくとも7月の段階で、学長は9月の中旬には最終案に近い中間報告をまとめると明言している。これはほぼ最終案だと明言しているが、最終案に近いというにはあまりにも、検討中ということが非常に多い。

柴田:それは申し訳ないと思っています。

藤山:任期制導入に関する問題として、法人化法の精神としては、基本的には身分を引き継ぐということだ。国立大学の方はもう少しはっきりしている。国立大学法人法では「身分と権利」を引き継ぐとなっている。政府答弁でも、公立大学法人は基本的には国立大学法人の精神でやると副大臣が述べている。だから、基本的には移行に当っては、従来の教員の身分が保証されるということが当然の前提になっていると、組合は考えている。任期制が全員に導入されるということは、従来の無期雇用が有期雇用に転換されるということになる。これは身分が同じ形で続くということがなくなってしまう。これは非常に重要な問題だ。このことについては検討しているか。

柴田:そのことについては検討している。結論が出ていないだけだ。

藤山:どのような意見が出ているか。

柴田:これはいえない。いろいろな意見があるから。

藤山:それは検討して結論は出ていないのか。

柴田:全体を含めた結論になるから、一つ一つの問題に関する結論ということではなく、全体を含めた結論を出さないといけない。

藤山:その場合に、個別的な問題に結論を出さなければいけないわけだ。

柴田:それはやっている。民法の問題や介護の問題などに関してはやっていないが。

葛西:いつの段階でどういう形で導入するか、というのもいろいろある。今出来るものは今やる。15年からのものもあれば、16年からというものもあるし、法人化の前にやるものもあれば後にやるものもある。ということで、全部のことが一律にある時期にいっぺんにやるというわけではない。

 

在学生に対して、現行カリキュラムを保障し、

卒業に不利益が生じないようにすべきだ(組合)

「学生の卒業に関しては支障の無いように必ずします」(柴田副学長)                  

 

藤山:3番目の問題。在学生に対して、現行のカリキュラムを保証して、不利益が生じないようにしてほしい。これは入学時の契約関係であるので、当然のことなのだが。

柴田:学生が学業に支障をきたすということはない。

藤山:これはある意味では契約関係として当然の考え方だと思うので、ぜひともそのようにお願いしたい。

柴田:学長もしっかり配慮すると答えている。カリキュラムの検討についてはこれから十分していかないといけない問題もある。新しい大学のカリキュラム編成に関わる問題があるので、この問題は検討した上でお話しした。

藤山:そうすると答えられないということですか。

柴田:きちっとした学生の卒業に関しては支障のないように必ずしますという話はしている。

藤山: それと関連して、現職教員の負担の増加につながらないように配慮してほしい。

柴田:承っておく。 

 

浮田:4番目の問題に移りたい。これ(守衛室においての教員の出退勤確認)はどういう目的で誰の指示で行われたのか。

柴田:これは私は分からないので。

葛西:目的を申し上げると、服務に関する基礎的なデータ、ということ。

浮田:指示をしたのは誰か。

葛西:総務課の業務として行った。

浮田:総務課長の指示か。

葛西:総務課の業務として行った。

浮田:基本的には指示命令系統がある。葛西さんがそういう風に判断したのか。

葛西:業務だから。そう判断されても結構だ。

藤山:何故服務に関するデータが必要になったのか。

葛西:服務に関するデータ・・・。これは丁度市会の時期でもあり、事前の接触の中でいろいろなことを言われていたので、そのための基礎的なデータということだ。

藤山:柴田副学長は、今の総務の方の見解に対しどう思うか。

柴田:地方公務員として市民に説明していくというのは必要なことだ。市会を市民の代表と考えれば、これに答える義務がある。我々は講義はばらばらだから、データを取る場合には一週間、二週間とかととる必要があるかもしれない。

鞠:非常に大事だと思うのは、お互い教員であれ、職員であれ、互いを尊重する雰囲気が大事。それなのに、隠しカメラみたいにやるという姿勢そのものがよくない。

柴田:鞠さんもおっしゃっているように、対立関係を作るというのは何事に関しても良くないので、モチベーションを高めるようなそういう形でやれるものはやっていくことが必要だ。

葛西:対立として捉えられたとすればやり方に少し問題があったかもしれない、として我々の方も反省すべきことは当然ある。

鞠:少しじゃなくてこれは本当に問題だ。

藤山:市会の問題との関係では、持ちゴマの数など、今回の問題と連動している。だから、これに関しては、また時間を取って改めて議論をしたい。ただし、今回ああいう形で出退勤の管理をされたということは、これはしっかり事実として残る。今まで事務当局が教員に対しては行っていない。もし教員の勤務形態の実態を掴むのであれば、教員の勤務形態の特殊性をきちっと踏まえた形でないときわめて問題がある。

葛西:それで全てのことを把握するとかそういうことではない。門の所の出入りを見ているだけで、それ以上でもなければ以下でもない。誤解を与えた面があったのであれば、十分反省しなくてはいけない。今後説明責任を全うするために、協力いただければありがたい。外からかなり言われているというのは事実で。

藤山:これは勤務形態に関わっていて極めて重大な問題です。1992年に問題になった経緯があるので、そのあたりを含めて慎重にやっていきたい。大学としても事務当局のこのようなやり方に対し、極めて一面的であり、かつ学問・教育という特性を踏まえていないというこの二点を十分自覚してほしい。