読売新聞編集局長殿

 

 

1024日貴紙朝刊一面に、「横浜市立大学は23日までに、2005年度の独立行政法人化にあわせ、641人の教授、助教授など全教員に任期制、年俸制を導入することを柱とする大学改革案をまとめ、学内の評議会で決定した」と報じた。しかし、本件に関する他紙の報道が大学改革案を「まとめた」との記事であるのに対し、「学内の評議会で決定した」とする貴紙の報じ方は異例のものといわなければならない。「学内の評議会で決定した」と報じるならば、その決定のプロセスも報じなければ、本改革案が学内の総意を結集したものとの印象を対外的に与えることになる。

 本改革案とその伏線となってきた諸案(「あり方懇」答申、「大学改革案の大枠の整理について」、「大枠(追加)」)に関して、それらの本質的な諸論点について学内外で厳しい批判が相次いできた。本年、この6ヶ月においてさえ、幾度か開催された各学部の教授会、臨時教授会、付置研究所の教授会、評議会、臨時評議会、プラン策定委員会において極めて厳しい批判が続出し、事実、学部教授会においては都合8件の反対決議や教授会見解が表されてきているのである。今回の改革案は決して学内の総意を結集したものとは認めがたく、今後さらに検討を要する細部を数多く残している性格のものである。

 読売新聞社の新聞報道に関しては、横浜市立大学教員組合は以前にもその報道姿勢を批判し公平な記事とすべきことを主張した。今回の報道も初歩的な取材義務を回避したものであり、社会の公器としての責任を問われるものである。ここに、貴社の不公正報道に強く抗議するものである。

 

20031027

                             横浜市立大学教員組合