大学教育委員会(2003年11月11日)についての報告
改革案「横浜市立大学の新たな大学像について」について小川学長より説明
改革案は臨時評議会の了承を得たものとことわった上で配布資料「骨子」にしたがって説明
質疑応答はその大半が関美恵子委員(共産党)の質問に答える形で行われた
関:教員養成課程廃止の理由は?
学長:免許取得希望の学生が少ない上、採用も少ないので基本的に廃止の方向で検討しているが、決定はしていない。財政状況など総合的に判断する。
関:教授会の権限については学校教育法に「重要事項の審議」とあるが、学生身分等に限定する改革案はそれと矛盾しないか?
局長:「重要事項」の内容は設置者の判断となるので、矛盾はない。
関:改革案にある任期制、年俸制は法律から相当はみ出しているのではないか?
局長:任期法では大学の判断に委ねられている。独法化に伴い、私立大同様現行の労働法制でできる。
関:学生アンケートではリベラル・アーツ一般についてたずねている。市民の会によると、市大のリベラル・アーツ大学化には80パーセント以上の学生が反対している。アンケートには正確さが必要ではないか?
学長:学生にきちんと理解させればプラクティカルなリベラル・アーツの支持率はさらに高まるだろう。
花上(民主党):改革案を学長が取りまとめる過程で論議を呼んだポイントは何か?
学長:3学部統合の是非について議論されたが、これは対立ではない。人事委員会、任期制についてもいろいろ意見があったが、最大限取り入れた。
花上:木原研再編の方向性は?
学長:生命科学分野での実績を活かして、市大の売りとして位置付け、発展させていく。
花上:改革案についての今回の学内の論議をどう評価するか?
学長:教授会でも、プロジェクトR、幹事会でもいろいろな意見が出たが、なるべく養分にしながらまとめてきた。できればもっと時間がほしかった。
花上:もっと時間があればという点は気になるので、改革案実施の段階で後悔しないようにしてほしいが。
学長:たとえば任期制について、これから制度作りなど教員の意見を聞く余地がある。元気の出る大学にしたい。
若林(ネット):学部統合、教員養成課程廃止の方向というが、大学の規模はどうなるのか?
学長:学生定員は従来の一学年710名を前提とする。教員についてはこれから判断する。
若林:学生から寄せられた意見も公開を求めたいが?
局長:学生からの意見はいずれまとめて公表したいが、プライバシーの問題もある。
梶村(自民党):あり方懇でふれられた繰入金の見通しは?
局長:現在、財政当局と交渉中だ。学府のコース設定はあくまで例示であり、これから精査する。
関(共産党):教員組合によると、臨時評議会後に改革案の文書が変更された部分があるとのことだが、道義に反するやり方ではないか?
学長:人事委員会、任期制については評議会で読み上げたメモから変更はない。行き違いで、組合の誤解だろう。若干の文言修正については学長に任された。
局長:私も評議会に出席したが、学長の言うとおりだ。変更は絶対にない。出席していない組合がどこから情報を得たか知らない。
なお、花上委員の質問に答えて、前田副市長が改革案についての市側の評価を以下のように述べた。
21世紀にふさわしい見事な案をまとめていただいた。財政状況は厳しいが、改革案を最大限尊重してバックアップしたい。できれば今月中に設置者の方針を固めたい。
(文責 岩崎執行委員)