横浜市立大学商学部長 川内克忠殿
横浜市立大学国際文化学部長 黒川修司殿
横浜市立大学理学部長 馬来国弼殿
横浜市立大学医学部長 関原久彦殿
横浜市立大学看護短期大学部部長 藤尾ミツ子殿
2003年11月21日
横浜市立大学教員組合
執行委員長 藤山嘉夫
文部科学省は横浜市立大学問題に関わる重要な公式見解を示しました
横浜市立大学をめぐる問題は展開如何では、今後日本全国の大学の状況と学問研究の発展に極めて大きな影響を与えることになります。
全国大学高専教職員組合(全大教)は11月13日に公立大学に関する問題では初めて文部科学省と公式の会見を行いました。文科省から大学課大学改革官室の西山専門職が、全大教からは、三宅副委員長、森田書記長と横浜市立大学、東京都立大学、大阪府立大学の教職組の代表が参加しました。
1) 「大学像」への批判・異論・疑問や改革案作成過程についての批判などを、今、数多く提出しておくことが重要であることが明らかになりました。
法人化については定款の文科省認可が必要になりますが、文科省は「大学の教育・研究の自主性」が配慮されているかを「細にわたって聴取」することが強調されました。その際、地方公共団体と大学の双方から意見を聴取するが、「審査された経過」についても聴取すると明言しています。つまり、学内における公然たる異なる見解の存在やそうした見解の処理の仕方などが、重要な意味を持ってきます。そして、横浜市立大学問題に関しても「大学関係者ともいつでも会う」と述べました。「大学関係者」の誰が赴くかについては、教授会や評議会といった市大の教員組織が決めるべきことだと考えます。
2) 大学の人事に関しては「教育・研究にたずさわる者が責任を持つべきである」と明言されました。その視点で市大の3者構成の人事委員会には問題があると指摘しました。
今後は、この指摘を踏まえて「大学像」における「人事委員会」は、この改革案を提出した「プラン策定委員会」においてではなく、これについて強い疑義を提出していた教員組織において、つまり、教授会、評議会において見直されなくてはなりません。
3) 上記、人事に関する事項は文科省の強調する「大学の教育・研究の自主性」の根幹に関わる問題です。したがってこのことに連動して、「大学像」が前提とする理事長と学長を分離し、学長をこの理事長の下に副理事長と位置づける組織構成は再考されるべきです。
4) 全教員への「一律」任期制の導入に関して、移行については「大学の継続性」という性格を強調し、「一律に任期制をしき、誰を採用に誰を採用しないかというようなことを行うのは公権力の介入という視点からよいこととはいえないのではないか」、と明言されました。
任期制の導入には本人同意が前提となります。「労働契約」の形態においても当然です。それは、「誰を採用し誰を採用しないか」という「公権力の介入」を意味することになります。「大学像」の現職全教員に対する任期制の導入は直ちに撤回されるべきものです。
以上、文科省の公式見解にしたがって、各教授会、評議会は直ちに「大学像」の問題点を改める作業を開始すべきことを申し入れます。会見記録「全大教が、公立大学の法人化問題等で文部科学省と会見」を別添いたします。
03/11/19 全大教文書 「全大教が,公立大学の法人化問題等で文部科学省と会見」
(http://satou-labo.sci.yokohama-cu.ac.jp/031119zendaikyo.pdf)