横浜市立大学学長 小川 恵一様

 

          大学改革案に対する商学部教授会要望

 

                                           20031128

T 商学部教授会は、これまで以下の点につき強く主張してきた。

1.意思決定の手続の妥当性について2003911日教授会決定)

幹事会案が出された以降、評議会の十分な議論がなされておらず、正当な手続で大学の意思決定がなされたとは言えない。

2.人事委員会について2003102日、20日教授会決定)

国立大学法人法は、学問の自由と大学の自治を尊重する観点から、教員人事を大学の経営協議会ではなく教育研究評議会の権限とした(同法2134号)。この点に鑑みれば、教員人事は、学長の下にある教育研究審議機関の下で行われるべきである。したがって、教育研究審議機関の構成員だけでなく、経営審議機関の構成員や学外者を審査委員として参加させ、かつ曖昧な立場に置かれた「人事委員会」のような機関に、人事に関する事項の決定を委ねるべきではないと考える。

 3.任期制について2003102日、20日教授会決定)

教員全員について任期制を導入することは、大学教員の任期に関する法律等の現行法令に抵触する。

 4.理事長と学長の分離について2003911日教授会決定)

理事長と学長の分離は、経営による教学の支配をもたらす危険性があるので、その危険を防ぐ工夫も含めて、再検討する必要がある。

 

U 近時、市会や文科省において上記と同様の問題点が指摘されている。

1.11月14日市会大学教育委員会における議論

(1)理事長と学長の分離について

市議会議員から、学問の自由の観点から、学長の存在を侵してはならないのであり、学長と理事長が同一人であるのが原則である、との主張がなされた。

(2)人事委員会について

市議会議員から、学長の諮問機関である人事委員会に経営側から人が入るのは問題であり、また、それは教育研究機関の下に置かれるべきである、との指摘がなされた。

 2.文部科学省担当官の見解

全学大学高専教職員組合と文部科学省との会見20031119日)において、文科省の担当官は、次のような見解を示した。

(1)人事委員会について

人事の昇任、採用については、教育評議会で審議すべきであり、教育研究審議機関、経営審議機関の構成員と学外者という三者による人事委員会で人事を決定することについては、問題がある。

(2)任期制について

大学の自主性・自立性を守る立場から、大学の法人化への移行を契機として、一律に任期制を導入するのは公権力の介入という点から望ましくなく、教員の身分保障や労働法制から本人の同意なしにはできるかという問題がある。

 

V 以上のような状況に鑑みれば、商学教授会が主張してきた問題点は極めて重要であり、今後の大学評議会において再検討することを求める。

 

 

 

---------------字句修正版----------------- 

Sent: Friday, November 28, 2003 12:35 PM

Subject: 大学改革案に対する商学部教授会要望(修正版)

 

 

横浜市立大学学長 小川 恵一様

 

          大学改革案に対する商学部教授会要望

 

                                20031128

T 商学部教授会は、これまで以下の点につき強く主張してきた。

1.意思決定の手続の妥当性について2003911日、11月6日教授会決定)

幹事会案が出されて以降、評議会の十分な議論がなされておらず、正当な手続で大学の意思決定がなされたとは言えない。

2.人事委員会について2003102日、10月20日教授会決定)

国立大学法人法は、学問の自由と大学の自治を尊重する観点から、教員人事を大学の経営協議会ではなく教育研究評議会の権限とした(同法2134号)。この点に鑑みれば、教員人事は、学長の下にある教育研究審議機関の下で行われるべきである。したがって、教育研究審議機関の構成員だけでなく、経営審議機関の構成員や学外者を審査委員として参加させ、かつ曖昧な立場に置かれた「人事委員会」のような機関に、人事に関する事項の決定を委ねるべきではないと考える。

 3.任期制について2003102日、10月20日教授会決定)

教員全員について任期制を導入することは、大学教員の任期に関する法律等の現行法令に抵触する。

 4.理事長と学長の分離について2003911日教授会決定)

理事長と学長の分離は、経営による教学の支配をもたらす危険性があるので、その危険を防ぐ工夫も含めて、再検討する必要がある。

 

U 近時、市会や文科省において上記と同様の問題点が指摘されている。

1.11月14日市会大学教育委員会における議論

(1)理事長と学長の分離について

市議会議員から、学問の自由の観点から、学長の存在を侵してはならないのであり、学長と理事長が同一人であるのが原則である、との主張がなされた。

(2)人事委員会について

市議会議員から、学長の諮問機関である人事委員会に経営側から人が入るのは問題であり、また、それは教育研究機関の下に置かれるべきである、との指摘がなされた。

 2.文部科学省担当官の見解

全国大学高専教職員組合と文部科学省との会見20031119日)において、文科省の担当官は、次のような趣旨の見解を示した。

(1)人事委員会について

人事の昇任、採用については、国立大学法人法では教育評議会で審議することとしており本学の改革案のような教育研究審議機関、経営審議機関の構成員と学外者という三者による人事委員会での人事の決定には、問題がある。

(2)任期制について

大学の自主性・自立性を守る立場から、大学の法人化への移行を契機として、一律に任期制を導入するのは公権力の介入という点から望ましくなく、教員の身分保障や労働法制から本人の同意なしにできるかという問題がある。

 

V 以上のような状況に鑑みれば、商学部教授会が主張してきた問題点は極めて重要であり、今後の大学評議会において再検討することを求める。      下線部分修正』

 

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