小川 恵一 学長殿
大学改革案「横浜市立大学の新たな大学像について」に対する意見と要望
1.今回の改革案の策定にあっては、大学の将来を決定する重要な課題に対して評議会等での充分な議論を経ず、また情報が十分に公開されない状態で性急に決定されたことに対して、本研究所教授会は遺憾の意を表明したい。
2.本改革案において「木原生物学研究所については研究体制を見直し、医学研究科、総合理学研究科生体超分子システム科学専攻等との再編、及び(財)木原記念横浜生命科学振興財団への移管を検討する。」ことになっている。「市立大学あり方懇談会」答申においては生命科学の重点的・効率的な教育・研究体制の構築に向けての生命系の再編が唱われている。今回の改革案においては、本学における生命系再編の全体像が全く出されない状況で、本研究所のみの再編・移管案が突如提案されたことは納得しがたいことである。学長に対して本案策定の理由を明確にすることを繰り返し要請したい。
3.本研究所は約20年間生命科学の基礎と応用の架け橋になる研究を目指しつ、大学院教育、産学連携活動、地域貢献事業に努力し、それぞれ大きな成果を挙げてきたと自負している。しかし、今回の改革案策定においては、本研究所のこのような活動や実績に対して殆ど調査や評価が行われていない。今後の改革案の策定にあたってはこれまでの研究所活動を十分に理解した上で、本研究所がさらに発展し、また研究所教員が今後本学で十二分に力を発揮出来る体制にすることを切に希望する。
4.今回の大学改革は大きな痛みを伴うものである。その具体的な実施案を策定するにあたっては、明確な理由と公正さが強く求められることを特に強調させていただきたい。
平成15年11月13日
木原生物学研究所教授会