----------------

研究室日誌(http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/SaishinNisshi.htm

200484(1) イギリスにおいて使われ始めた「ニート」なることばを今日はじめて知った。日本の若者の「あきらめ」は、日本社会が作り出すものであり、日本社会の反映である。以下に、「玄田有史×曲沼美恵×村上龍」の議論をコピーして紹介しておこう。

ニート(NEETNot in Education, Employment, or Training

就職も就学もしていない状態にある若者

 

 

---------------- 

                              200484日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JMM [Japan Mail Media]
                   No.282 EXTRA Edition
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                           http://jmm.cogen.co.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2000
年に17万人、2003年に40万人、今年はさらに……。
           働くことにも学ぶことにも踏み出せない人が急増している

 『ニート  フリーターでもなく失業者でもなく』

       玄田有史・曲沼美恵 著 幻冬舎刊 税込み価格1575
 
 就職も就学もしていない状態にある若者
        ニート(NEETNot in Education, Employment, or Training
著者は経済学者の玄田有史さんとフリーライターの曲沼美恵さん。本書はニートの現
状を分析するとともに、彼らの生の声を伝え、またその増加防止策として中学生の就
業体験を提案するものです。

(本文より)
ニートは「働かない」のではない。「働けない」のだ。ニートは「働きたくない」の
ではなく、なぜか「働くために動き出すことができない」でいるだけだ。動き出すた
めに、未知の誰かからの早い時点でのきっかけを必要としているのだ。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344006380/jmm05-22
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 
■ 編集長インタビュー;マクロからミクロへ vol.4


 ●ニート(NEET:Non in Education,Emplyment, or Training)が象徴するもの
 
  □玄田有史 : 経済学者、東京大学社会科学研究所助教授
  □曲沼美恵 : フリーライター

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 玄田有史 × 曲沼美恵 × 村上龍
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

村上 知人たちに「ニートを知っているか」と聞いてみたところ、まだそんなに知っ
   ている人はいなくて、「働いてもいず、勉強をしているわけでもなく、トレー
   ニングも受けてない若者のことで、40万人いるらしいよ」と言うと、「何そ
   れ」と、10人が10人、嫌悪感のようなものを示すんです。だらしない人た
   ちだと思っちゃうらしいんです。それで面倒だなと思いながら、そこには就職
   難の問題もあるし、中高年のしわ寄せを受けている側面もあるし、そう簡単な
   問題ではないんだというようなことを10分ぐらいかけて説明するのですが、
   今度は「じゃあどうするの」と聞かれるわけです。「何だ、そいつら」という
   のと、「じゃあどうするの」というふたつのリアクションが、シンボリックな
   気がしました。
   
    ニートは社会的ひきこもりともフリーターとも違いますが、多少重なってい
   る部分があります。僕にしても、最初に社会的ひきこもりのことを知ったり、
   フリーターの問題を聞いたときには、第一印象としては、だらしないというか、
   バイタリティがないということがあったのは事実です。いろいろなことを知っ
   ていくうちに、そうとばかりは言ってられないとわかってくる。『ニート』を
   読んで、彼らが被害者だというのはちょっと違うかもしれないけど、なぜ日本
   は若者をこれだけ犠牲にするのかというのを感じました。

玄田 もともとニートという言葉がイギリス生まれということもあるんですが、弱い
   立場にある人は、パンクだったり、犯罪だったり、いろいろなかたちで社会に
   反抗するものだというイメージもあった。でも日本のニートは、反抗というよ
   り、なぜか諦めている。そんな反抗を放棄した人に対する攻撃には、歯止めが
   きかないところがある

村上 理由はひとつではないんでしょう。

玄田 反抗への諦め[1]というのは、国民性なんでしょうか。

村上 国民性というのも社会的な環境からつくられていくので、そういう意味での国
   民性といえばそうなのかもしれないけど。

玄田 おそらくニートは昔からいたんでしょうけど、特に増えたのはここ5年くらい
   です。村上さんが言われた40万人という数字は、2003年での25歳未満
   に限ったものなのですけど、その人たちは「職に就きたいと思いますか」と聞
   かれると「思わない」と答えます。そんな若者は97年にはまだ7万人ぐらい
   だったんです。「グループ」というのは10万人という単位を超えてはじめて
   広く注目を浴びるところがあって、そのくらいの人数では社会的な文脈の中で
   は議論の対象になりません。

村上 無視が可能な感じがしますからね。

玄田 それが突然増えはじめた

村上 例えば国民年金を払っていない人の割合であるとか、女性の結婚しない率とい
   うのも急に増えたという印象があって、相関関係にあるような気がするのです。
   わりの合わないことはしない、という一種の経済合理性が働いているというか。

玄田 最初にJMMにお邪魔をしたときに、統計上は失業者を自発的失業者と非自発
   的失業者を分けたりするけど、現実には分けられないという話題になり、村上
   さんがそれを文学的な現象だと言われたのを覚えています。ではその後に、働
   くことについて別の新しい見方が生まれたかというと、依然として自発、非自
   発という言葉のまわりでモヤモヤしてる。

村上 僕はあのときの座談会で初めて、失業に関して中高年より若年層のほうが深刻
   なんだということを知りました。

玄田 それまでは世間的にも若者の失業やフリーターも本人の自発的、合理的な選択
   の結果という解釈に終始してましたからね。ニートにしても確かにある面では
   経済合理的な行動という人がいるかもしれない。けれど合理性のためには前提
   として、自分で情報を収集して行動する、選択するというのがなければいけな
   い。でもニートを若者の自発的な行動や選択の結果と捉える見方には、取材や
   執筆の最初から最後まで、ずっと違和感がぬぐいきれませんでした。

村上 時間軸をどう取るかによって全然違って見えるということがありますね。経団
   連が武器輸出の見直しを言うというときに、確かに武器を輸出すればお金は入っ
   てくるかもしれないけど、それによって日本のある種のブランドが変質すれば、
   10年後、20年後にはダメージとなるかもしれない。パラサイトシングル、
   社会的ひきこもり、ニートはそれぞれ異なる存在だけど重なる部分もあって、
   共通点として、20年後がイメージできないということがあるような気がする
   んです。いまのような状態がずっと続いて、自分の置かれた環境が急激に悪く
   なるとか、ジリ貧になって生きにくくなるというイメージ[2]がない。

    特に曲沼さんのニートの人たちへのインタビューを読んで感じたのは、10
   年後を想像するのが怖いと思っている[3]のではないかということです。普通人間
   は10年後を想像すると怖いから、勉強したりトレーニングをしたりするもの
   だと思うのですが、イメージできないのか、しないのか。そのあたりがわかり
   ませんでした。ただ、それが彼らの特質なのかというと、財務省だって10年
   後の財政赤字がどうなっているか、イメージしたらパニック[4]になるしかない。
   世の中がよってたかって将来のことを見ないようにしてるような気もするので
   すが。

曲沼 インタビューの話が出ましたが、今回十数人に話を聞きました。インタビュー
   は個人的な体験だったので、ニートの誰々さんではなく、あくまで誰々さんの
   話としてしか語れないのですが、彼らから、10年後、20年後がイメージで
   きないというのは確かにそうなんだけれども、一方では見えるから怖い、とい
   うことも感じました。学校を卒業して職に就かないまま何年かがたつと、入り
   口はフリーターしかない。ではフリーターを10年やるとどうなるかは、報道
   を見たり聞いたりしていたらわかります。その不安で足がすくんでしまってい
   る。

村上 見えないわけがないですよね。

曲沼 ニート支援ということで、彼らには情報が足りないとか、彼らは現実がわかっ
   ていないと言われる方もいるのですが、少なくとも私がインタビューをして感
   じたのは、むしろ彼らはわかりすぎるほどわかっていて、だからどうしていい
   かわからない、ということでした。

玄田 いろいろな情報を持ちすぎるとかえって行動できなくなる。そういう意味では
   ニートにとっては「捨てられる」というのがひとつのキーワードかもしれませ
   ん。たとえば「やりたい仕事を見つける」というより「やりたくない仕事から
   切っていく」とか。もうひとつの今回のキーワードが「いっぱいいっぱい」で
   す。ニートはすぐ「いっぱいいっぱい」って言う。

村上 使いやすいんでしょう。人はそう余裕をもって生きているわけではないから、
   これ以上仕事はできないとか、これ以上睡眠時間は減らせないという意味では、
   みんな「いっぱいいっぱい」だと思うんですよ。イチローも「いっぱいいっぱ
   い」だろうし、ブッシュだって「いっぱいいっぱい」かもしれない。みんな
   「いっぱいいっぱい」の人生を送っているんだけど、ただ「いっぱいいっぱい」
   の容器が違うような気がするんです。曲沼さんがインタビューした人たちは、
   何に何が詰まっているのか、興味があります。ひとつ思ったのは、いい子でい
   るための努力で「いっぱいいっぱい」になっているということで、これは何と
   なくわかる。

玄田 本を読んだ20代や30代のサラリーマンも共感するようですね。自分も一緒、
   「いっぱいいっぱい」だって。

村上 「いっぱいいっぱい」という言葉に、我慢をしてるというようなニュアンスを
   感じました。普通インタビューというのは、その人のことを理解しようとして
   やるものですが、この本の場合、読むたびにわからなくなっていくようなとこ
   ろがあったんです。

曲沼 私もインタビューをしていて一番感じたのは「わからない」ということでした。
   テープを一字一句おこしても、何を考えているのか、何を言いたいのか、よく
   わからなかった。それで試行錯誤のうえ、彼らの言葉をそのまま書こうという
   ことになりました。

村上 彼らに比べると、昔の関門トンネルを掘っていた若者たちはわかりやすかった
   なと思いましたよ。

玄田 若者の問題は「わかる」ことより「わからない」ことの方が多いけど、だった
   ら「その存在をわからないまま、まるごと認めてみる」ことも、ニートには必
   要な気がしました。

村上 ただ「わかる」といっても、その人間の心の深淵なんかはわかるわけがないん
   です。ただその人が何をしたいのかとか、何のためにいまここにいるのかがあ
   る程度わかると、話しやすい、つきあいやすいというのがある。

玄田 そこが本人すらわかってないところがある。失業にも同じことがあって、失業
   のミスマッチは、年齢が合わない、スキルが合わないなど言われます。でも本
   当に増えているのは、希望する仕事が現実に合わないから失業しているという
   人なんです。じゃあその人たちに何を希望しているのかと聞くと、「自分の希
   望自体がわからない」って言う。

村上 昔は「何をやりたいか」と聞く人もいなかったですからね。

玄田 面接でも「やりたい仕事は何?」と必ず聞かれる。聞かれても与えられる仕事
   は全然違ったりするのに。『13歳のハローワーク』にしても、やりたいこと
   がなければいけないんだというふうに読んでしまった人がたくさんいると思う
   んですよ。それで「自分にはやりたい仕事がない」と立ち止まってニートにな
   る人もいれば、そう思いながらも何とか自分をごまかしながら正社員を続ける
   人もいる。でも、本当のところは、立ち止まるか、そうならないかは、ほとん
   ど紙一重です。

村上 みんな面接を怖がっているのは感じました。僕もちょっと怖くなったんです、
   やったことがないから。

曲沼 面接官が必ず聞きたいことというのが、彼らがどうしても聞かれたくないこと
   なんです。「何をやりたいのか」とか「この空白期間には何をしていたのか
   とか。「うちの会社で何をしたいのか」と聞かれても、入ってないからよくわ
   からないんですよ。

村上 どれだけこの会社に忠誠を誓えるかというのは、ちょっとナチスの尋問に近い
   ところがありますね。

曲沼 そんなの適当に答えておけばいいじゃないかと思うかもしれないけど、適当に
   できない不器用さがあるし。

村上 自分を偽れない人たちなんですね。

曲沼 そうなんです。それで思い出したのですが、本にも書いた「水元青年の家」の
   講座では、最後に模擬面接があったんです。そこで講師の方が、会社を辞めた
   経験のある人に対して、みんな会社を辞めるにはいくつか理由があるのだから、
   人間関係で辞めたとは言ってはいけない、ということを話されたんです。それ
   以外の、なるべくプラスになる理由を言ってください、と。でも実際の模擬面
   接になると、やはり人間関係が理由で辞めたと言ってしまう人がいる。なぜか
   というと、それは自分にとって避けて通れない問題だからだと言うんです。別
   の人は、就職したことがなくて、どうしても動機を聞かれたくないと言ってま
   した。それでその質問を飛ばして面接をすると、すごくうまくいった。消化し
   て言葉にする苦しさのようなものを感じました。

村上 想像ですけど、昔はひとつ工場ができると500人が必要になって、明らかに
   ひどいの以外は採っていたような気がするんです。10人の枠に200人が募
   集してきたりすると、面接する側もそういうわけにはいかなくなる。

玄田 面接対策でアドバイスを求められと、僕はすぐ「人の話を聞くときは一応ちゃ
   んとした姿勢で、5分に1回は頷いたりすることが大切だ」というようなこと
   を言ってしまうんですが、でもそのほうが「自分が思っていることをきちんと
   伝えろ」とか言うより、はるかに通じたりする。「玄田さんはフリーター擁護
   派なんですね」と言われたりするけど、擁護する気は別にないので、面接のと
   きに「何やってた?」と聞かれても「フリーターやってました」とだけは絶対
   答えちゃいけないと言います。フリーターは世の中では肯定されてない。コン
   ビニでフリーターしてたら、嘘でもいいから「万引き対策には自信があります」
   とか「おにぎりの並べ方には自信があります」と言わないといけない。

村上 擁護派か批判派かという分け方もマスメディアが好きですよね。

玄田 ラクなんでしょう、そんな分け方が。先ほどの20年後がわからないという話
   ですが、ひきこもりの問題でエッセイを書いてくれといわれたとき、僕は20
   07年までは寝てていいと書きました。その頃には社会の仕組みがかなり変わ
   るから、それまではウォーミングアップのつもりでいい、と。これには多少の
   根拠もあって、2007年には働く人が減り始めるし、団塊の世代のなかには
   引退する人も出てくる。消費税も上がるでしょうし、年金の夫婦分割も始まる
   し、郵政民営化もスタートする。社会のルールが変わらざるを得ないし、若い
   人たちにも同じ口調、論調では言えなくなる。実際先をみた会社では、若い人
   や女性を念頭に新しい働き方を求めて試行錯誤をすでに始めています。でもたっ
   た3年先という時間軸でさえ、それをイメージした具体的な発言や行動という
   のは少ない気がします。

村上 社会の側にはないですよね。ただ僕は2007年になっても、混乱はあるかも
   しれないけれど、経済的にはよくならないと思っているんです。玄田さんは
   「寝ててもいい」と言われましたが、そこは光のあてる角度によって違ってく
   ると思う。正直にいうと、トレーニングも何もしていない人に対して、僕はい
   までも抵抗があるのですが、それでも話を聞く限り、若い人たちの働く状況と
   いうのはひどいものがありますよね1日中マンションの看板を持って立って
   いる人がいますが、あれは木にくくりつけたら怒られるから持たせているだけ
   だと思うんです。あの仕事ならあるよと言われても、僕が若者でもやらない、
   ということはある。それが曲沼さんの言った、彼らには「見えてる」というこ
   とだと思うんです。

玄田 確かにそれは合理的なのかもしれないけど。

村上 こんなことして何になるんだろうと考えて、やらない。そこまでは合理的なん
   だけど、全体を俯瞰して見たときに合理的なのかどうか、そこがわかりません。
   ただ社会の側が選択肢を用意できているかというと、やはりできていないです
   よ。

玄田 あえて反論しますけど、村上さんがそういうことを言うのはあまりよくないと
   思うんですよ。フリーターというのは、看板を持って立っている単純な仕事ば
   かりなんだと、みんなが思うじゃないですか。でもかなりのフリーターは、い
   い仕事もしてるんです

村上 その話を伺ってからファーストフードの店で見るようにしているのですが、確
   かによく訓練されてますね。

玄田 特に儲かっている店は上手にフリーターを育てています。インタビューでニー
   トが「どうせフリーターになってもダメなんですよね」と平気で言うのを聞く
   と、おいおいそれは一般論だろうと思うんです。自分で勝手に連想して「そん
   なのやらないほうがいいや」と決めつけているふしがある。これはもう少しリ
   アルな方向に変えていかなければ、と。

曲沼 例えば自分にはスキルがあると実感するためには、誰かと会話をするとか、そ
   ういうことが必要な気がするんです。インタビューで「バイトしかしたことが
   ない」と言いますよね。「どこで」も言う。でも何をしてたかという、もう一
   歩先の話はあまり出てこないんです。それが2回、3回と話していくと、売り
   上げを計算して、原価はこのくらいで、ということはやっていたと言うんです。
   それは誰にでもできることではないじゃないですか。バイトだってこれぐらい
   の経験はしていると言えたり書いたりするまで、それが自分のスキルだという
   認識がない。それはどうせ自分はフリーターだとしか思ってないから、そうい
   うことを誰とも喋ってないからなんです。

    もうひとつの問題は彼らの持っている人間関係です。起業家セミナーに行っ
   た女性がいるのですが、結局はお金儲けのセミナーで、彼女は騙された、と言
   うんです。結局彼らに寄ってくるのはそういう人たちなんだ、というのがある。
   職から離れていくことでそういう世界が近づいてくる。彼らにとってそれがす
   べてになっているとしたら、それだけじゃないよ、ということをわかってほし
   いなと思いました。

玄田 でもやってきたことを書けないのは、ニートやフリーターだけでなくて大人も
   同じ。リストラされて再就職支援会社に行くと、最初に「アナタがこれまでど
   んな仕事をしてきたかを4、5行でいいから書いてください」と言われるので
   すが、これが書けない。

村上 終身雇用のもとでは必要なかったでしょうからね。

玄田 それでも苦しみながら書けた人から仕事はちゃんと決まってく。書けない人は
   どんなに資格があっても、英語が喋れても決まらない。書く内容は、何年部長
   をやったとかではダメで、ちょっとした誇りや失敗も含めて具体的に表現しな
   いと。本当は子どもにも、お父さんやお母さんが自分の仕事のケースについて
   喋らなければいけないのにやらない。かわりにとりあえず『13歳のハローワー
   ク』を買っといたから読んで考えてねと、自分が喋るのを放棄する材料に使わ
   れている可能性もある。それぐらい大人たちが自分の仕事を語らないままでやっ
   てきたツケの結果がニート急増かもしれない。

村上 それは喋らないですんできたということだと思うのですが、言葉じゃなくてパ
   ラダイムがないのだと思うんです。概念そのものがないから、いくら言葉を教
   えても仕方がない。問題が多層にわたっているうえに、さらに難しいのは、そ
   の問題を語るときの文脈がないことです。『13歳のハローワーク』はある特
   定の年代の層に向けたものですが、戦略として誰にこの情報を伝えようとして
   いるかまで考える必要がある。今日の話にしてもニートの人に向かって話して
   いるのか、あるいはニートを誤解してる大人に向かって話しているのか、とい
   うことを意識して話さなければいけない。そんな時代はこれまでなかったです
   からね。適当に集まって話していればよかった。

玄田 情報を伝えるという意味では、ひそかに努力してることがあります。ニートに
   ついて新聞や雑誌のインタビューを受けると、ニートを「働かない若者」「働
   く意欲の弱い若者」と書くのは実際と違うのでやめてほしいと言っています。
   特に「意欲のない」という言葉だけはやめてほしい。本の中でもニートは「働
   く希望を持てない」と書いています。

村上 一面から見ると、「意欲がない」というのも間違ってないような気がするんで
   すよ。

玄田 ただこれだけ自己責任、自己実現が求められる社会で、「私は意欲がありませ
   ん」というのを肯定的にとらえる社会的な文脈はほとんどないですよ。

曲沼 ひとつ言わなければいけないと思うのは、この本に出てきた人たちがニートの
   すべてではないということです。私がインタビューできた人というのは限られ
   ていて、それは就労支援の活動をしているところなどにアクセスした人たち
   す。アクセスの段階までは来れたから会えた。そこまで来れないのはどんな人
   なのか、まったくわからない状況です。ただデータを照らし合わせると、おそ
   らくはそういう人のほうが多い。社会的ひきこもりと重なる部分もあるのでしょ
   うが、そういう情報を知らないのか、知っても行く気がないのか、わかりませ
   ん。

玄田 現実には病気の人もいますし。

村上 自殺というものを考えると、生きているだけでいいということも言えます。親
   に養ってもらおうが何しようが、生きてるだけでいい。その次には犯罪を犯さ
   なければいいとか、いくつかの段階がかって、その一番上のほうに、好きなこ
   とをやってるとハッピーだよ、というのがある。人間関係で参っていて自殺を
   考えている人に、好きなことを探しましょうというのは逆効果です。ソリュー
   ションにしても、ソリューションの伝え方にしても、それぞれ違うものでない
   といけないんですね。

玄田 あと日系外国人で犯罪に近いニートもいるんだという意見も聞きました。でも
   その実態は、私にはわかりません。

村上 そういう人たちには例えばサッカー場を作るとか、バスケのコートや野球場を
   作るとか。認識しなければいけないのは、それがそのまま全体のソリューショ
   ンとなるような一個の正解はないということです。

玄田 本で紹介した、14歳でとにかく1週間は働いてみるというのは、どう思いま
   すか。

村上 いいと思いますよ。アイデアがあったらとにかく全部やってみたらいい。ただ
   そのアイデアで全部がうまくいくということではない。

玄田 もちろんです。1週間働いたからみんないい子になるということは絶対にない。

村上 もうひとつ確認しなければいけないのは、ニートを、社会が放っておいていい
   のかということです。社会的なリスクを考えると、僕は放っておいてはいけな
   いと思います

玄田 ニートは、どうしようもないということはないけど、状況を変えるのは決して
   簡単でないもの事実です。だからできるだけニートになる前に何とかしたほう
   がいい。日本人の平均寿命が長いのは、病気の治療がうまくいったからではな
   く、予防策がうまくいったからでしょう。病気になったからもうダメというこ
   とではないけれど、治療には相当なコストが個人にも社会にもかかる。だから
   対策も早い段階で広くやったほうがいい。

村上 話が変わってしまうのですが、不況が長引いて、地方では主婦売春が増えてい
   るらしいんです。夫がリストラされて、それでも教育費を減らすことわけには
   いかないから始めてしまう。レジのパートでは塾代が出ないというんですね。
   一般的にみればモラルにもとる行為なのですが、一方にはそういう状況に陥っ
   て自殺する人もいる。そう考えると、僕はまだ主婦売春のほうがいいんじゃな
   いかと思うんですよ。

玄田 そこまでして子どもをいい学校に行かせなくてもいいんじゃないかという選択
   肢はないんですかね。

村上 追いつめられていると、そこまで考える人は少ないでしょう。

玄田 そこで売春はやめたほうがいいとして、たぶん彼女を止められるのは、自治体
   でもなければ旦那さんでもなくて、主婦の仲間だけですよ。説得力をもって
   「そんなことしても子どももあなたも幸せにはなれないよ」とか言えるのは。
   ニートの問題でも、一番うまくやっているのは、金髪ピアスには金髪ピアスが
   一番、というような姿勢で、若者が前面に立って若者を支援しているところだ
   と思います。どちらがどちらに相談しているのかわからないような関係の人し
   か救えない。性教育などでも親や教師がいくら言ってもダメで、同年代の友達
   の「それ、まずいんじゃないの」という仲間の言葉しか、情報として入ってい
   かないらしい。

村上 シマウマというのは子どもの頃から走れるかというとそうでもなくて、母親と
   遊びながら覚えていくですね。乾季になって大移動するとき、それをやらな
   かったシマウマは途中で脱落していく。これは妙木浩之さんが言ってたことな
   のですが、子どもが親から、これは生きるために必要だからと言われ、自覚し
   ながらやってもダメらしいんです。これを教育のジレンマというそうですが、
   シマウマと同じで、遊びながら学んでいくような感じがいい。僕の子どもの頃
   の記憶でいうと、それはコミュニケーションスキルといったようなものではな
   くて、違う学年の仲間で遊んでいたときに何となくその感覚があったんです。
   ここまでやると4年上の兄ちゃんから殴られるからやめておこうとか、そういっ
   た感じです。それは親や学校からではなく、空き地だとか、危ないから行って
   はいけないと言われた場所に行って学んだようなところがあります。だから大
   人がやるべきことはたくさんあるんだけど、次の段階に行くと、それだけでは
   ちょっと違うという気もするんです。

玄田 最近、「働くことの意味は?」という問いが急に増えた気がします。昔も哲学
   の問いとしてはあったかもしれないけど、日常的に問われることはなかった。
   そういう本もたくさん出ているし、自分も書いているふしがないわけではない
   のですが、そこで提示されている、働くことの意味に、正直、ピンとこないん
   です。むしろ、どんなのがピンとくるのかというと、どっちかというと、わけ
   のわからない人の言うわけのわからない仕事の話だったりします。シンガポー
   ルでプラントのマネジャーになった人が、大変な状況で繰り返し自分に言い続
   けていたのが「開き直るけど、とにかく諦めないぞ」という話を聞いたことが
   あります。案外そういう一見、支離滅裂にきこえるかもしれないフレーズの中
   にこそ、働くことの本質があるのではないか。それなのに、意味を無理に整理
   すると本質がすり抜けてしまう。「やりたくないことを見つけろ」「儲けよう
   と思ったら儲けようと思うな」とかしか、働くことの魅力や良い意味での妖し
   さが伝わらないんじゃないかと思う。

村上 それはたぶん標語や格言ではなくて、言葉の渦じゃないかと思います。僕みた
   いにシンプルに「働くというのは生活費と充実感を得ることだ」と言う人がい
   てもいいし、禅問答のようなことを言う人がいてもいい。そういう言葉の渦み
   たいなものが、パラダイムになっていき、それを浴びることで自分なりに見つ
   けていくというような。

玄田 フリーターをちゃんと育てている店長などを見ていても、けっして見るからに
   立派そうな人というのではない。あきらかに昔ワルそうだったり、この人は仕
   事以外で何をしてるんだって感じの人だったり。子どもも、そんなわけのわか
   らない他人の大人ともっと出会えばいいと思うのですが、大人というと、親と
   か先生しかイメージできない。

村上 無理もないなと思うんですよ。自分が何をしたいかよくわからないということ
   でいうと、政府がわかっているかというとわかっていないし、メディアがわかっ
   ているかというとわかっていない。メディアが雇用の問題を語るときには、結
   局安定した正社員がいいというのが曖昧なベースとなって、すべての記事や番
   組ができていく。「なぜ努力しないんでしょう」と何時間喋っても、それは伝
   わらないですよ。

玄田 そういう中ではニートというのは、やっぱり意欲のない子で、いい学校、いい
   会社に入るというところから落ちた人ととらえられてしまう。でも『ニート』
   を読んでくれた人のうち、いい学校に入って、いい会社に入った人ほど、案外、
   「自分のことだ」「自分に近い」と思うらしいんです。僕の書くものなんて、
   伝わる範囲というのは本当に限られていて、30代から40代の男性で学歴の
   高い人が多い。でもニートの言う「人とつきあうのがしんどい」「根本的な自
   信に欠ける」というのは、実はエリートの多くにも共通している。

村上 人とつきあうのが苦手というので思ったのですが、僕が今日ちょっと饒舌なの
   は、3週間ほど箱根にこもって小説を書いていたこともあるんです。その間は
   あまり喋っていなかったし、ある種鈍感になっているんです。敏感になって、
   「あの人は自分のことをどう思っているのだろう」などと考え始めると、喋れ
   ないんですよ。結局それは小説家の自分というシールドがあるからかもしれな
   い。それをとっぱらって、何者でもない人間になってしまうと、コミュニケー
   ションをとるのが大変になってくる。誰にもニートになる要素はあるけれど、
   そういうシールドを持てるか持てないかというのが関係するような気がします。

玄田 シールド?

村上 自分の一番柔らかい部分を防御する盾のようなもので、それをいっぱい持って
   いる人は強い。それは経済力かもしれないし、暖かい家庭かもしれないし、恋
   人の存在かもしれないのですが。

玄田 ニートの人には、そのシールドがない感じがするなあ。

曲沼 やはり模擬面接のときに講師の人が、人にはいろいろな顔があるわけだから、
   別に仮面をかぶるのは悪いことではないと言ってました。どこかに悪いという
   意識があるんでしょうね。

村上 仮面というより、一種の戦略、ウェポンなのですが、例えば英語がペラペラだ
   とそれでひとつの自信になるじゃないですか。ピアスを開けたりするのもそう
   かもしれない。

玄田 演技というのも大事なんですよ。儲かっている企業の経営者を見るとそう感じ
   ます。学校の先生でも、人気のある先生は、クラスの30人全員に「先生は私
   のことを一番に思ってくれている」と思わせたりする。もちろん幻想なんです
   けど。同じ様に働いている人一人ひとりに「社長は自分に一番期待してくれて
   いる」と上手に思わせる経営者もいる。良い意味で上手に騙してる。

村上 従業員は経営者をよく見ているから、そのモチベーションをどう高めるか、戦
   略的に考えないといけないでしょうからね。

玄田 『ニート』を書こうと思いたったとき、そこにはすごく常識に対する違和感
   ようなものがありました。それはたとえば「本当にやりたいことがないといけ
   ないのか」だったり、「コミュニケーション・スキルってそんなに立派なもの
   なのか」だったりしました。

村上 僕がよく言うのは「やりたいことがあったほうが有利」ということで、「やり
   たいことがないといけない」ではないんですよ。

玄田 そのふたつは違いますよね。でも何か「やりたいことがないといけない」と強
   迫観念みたいになっていて、若い人がそこに追い込まれているような感じを受
   けるんです。

村上 それはあるかもしれません。「やりたいことがないといけない」「やりたいこ
   とを見つけましょう」というやり取りがある社会というのは、逆に「やりたい
   ことがあったほうが有利」という共通認識がないんです。むしろ「やりたいこ
   とがあったほうが有利」というのは常識のようなものだと思うんです。

玄田 議論にもならない、ということですね。

村上 それを言わなければいけない社会というのは、やはりパラダイムがないんだと
   思います。それがない社会では、ばかみたいに繰り返して言う必要がある。で
   もここがちょっと難しくて、「やりたいことがあると有利」というアナウンス
   は、自殺を考えているような人にとってはプレッシャーですよね。だから自殺
   を考えている層には「売春でもいいんだ。引きこもりでもいいんだ。生きてさ
   えいれば」みたいなアナウンスが必要になる。ただ同じことを社会全体に言っ
   てしまうと、子どもに届いてしまうので、弊害があります。

曲沼 インタビューをした人は共通して「やりたいことを探しているんです」と言っ
   てました。ただそれはそうとしか答えられないせいでもあると思います。「や
   りたいこと」というのは、履歴書の中で自分で唯一つくれる部分なんですね。
   働いた経験がなかったり、自分に自信がない場合、強い動機をつくるしかない。
   そこにこだわるのは、心境としてはわかりました。

村上 『13歳のハローワーク』に関するインタビューを受けていて気がついたので
   すが、「好きなことを探す」という言い方は、ちょっと違うような気がしたん
   です。探すのではなく、出会う。宝探しではないんだから、どこかに出かけて
   発見するようなものではなくて、普段通りに、普通に生きているうちに、誰で
   も必ず、すれ違うようにして出会う。そういうものだと思います。探さなけれ
   ばいけないと言うと、それは特別な行為を要求するのでプレッシャーですが、
   出会うものだ、と言えば、それは普通に生きていればどこかで接触するわけで
   すからね。

玄田 出会いやすい人と出会いにくい人はあると思いますか。

村上 その点に関して、今は格差があります。ただし、「好きなことがあったほうが
   有利」ということが、社会的常識になっていれば、平等です。子どもは大きく
   なったら何になろうかなと、自分は何と出会うんだろうと考えながら育つから、
   何かと接触し、出会ったときに、これはどうなんだろうと思いますからね。

玄田 アンテナを張っているからね。やりたいことというのと、欲求みたいなものは
   違うんでしょうか。「ニートには、欲求が本質的にないんじゃないか」と言う
   若者もいたけど。

曲沼 物欲がないというのは複数の子が言ってました。ひとりは「恋愛は無駄だと思
   う」と言っていて、その後会ったときに「初恋をした」と言ってましたが。

村上 物欲というか、ギラギラしたものがないというのは、先進国になった証じゃな
   いかなと思うんですよ。黒澤明の映画に出ていた人たちはギラギラしていたし、
   いまそういう子どもが見たければイラクへ行けということだと思います。今、
   飢えや寒さから逃れたい、という物欲がないのは当然で、それ以上の物欲は、
   どうやって生きていくかという問題をクリアしたあとで生まれるものじゃない
   でしょうか。

玄田 仮に自分が「どうしたら出会えるんですか」と聞かれたら、とにかく「ありが
   とう」といっておくのが一番手っ取り早いんじゃないかと答えています。有難
   い、ラッキーだというアナウンスをする練習をしていないと、チャンスが巡っ
   てきても手を挙げられない。

村上 それも何かに対して敏感になるということですね。

玄田 挨拶するのは、マナーだとか、当然ではなくて、「ありがとう」という言葉を
   本当にいタイミングで発することができる人は、出会う確率が高いと僕は信じ
   ています。

村上 ぼくは、子どもや若者に対しては、選択肢を示した上で、放っておくことも大
   事だと思うんです。選択肢を示すという作業はかなり大変ですけどね。

曲沼 出会うためには歩かなければいけないと思うのですが、そのためにはスタート
   地点を決める必要があると思うのですが、どうもスタート地点を決められない
   でうろうろしているような感じがしました。

村上 ここがスタート地点だとか、別に歩き出さなくても、今君がいるその場所で考
   えていていいんだとか、世界の果てまで行ってもいいとか、そういうアナウン
   スは、それこそバラエティに富んでいていいと思うんですが、どうなんでしょ
   うか。

曲沼 どうすればいいかというのは、たぶん本人たちが一番よく知っている[5]と思いま
   す。知ってるから苦しいのでしょうが。

                                 <終わり>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JMM [Japan Mail Media]
                   No.282 EXTRA Edition
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                   独自配信: 96,636
                   まぐまぐ: 18,718
                   melma 10,354
                   発行部数:125,708部(82日現在)

WEB】    http://ryumurakami.jmm.co.jp/
MAIL      info@jmm.co.jp
----------------------------------------------------------------------------
【発行】      有限会社 村上龍事務所
【編集】      村上龍
----------------------------------------------------------------------------
配信の解除、メールアドレスの変更は
http://ryumurakami.jmm.co.jp/kaijo.html
原則として、JMMオフィスでは解除手続きは代行いたしません。
----------------------------------------------------------------------------
広告に関するお問い合わせは ad@jmm.co.jp (Three Wings Associates)
広告に関する詳細は http://ryumurakami.jmm.co.jp/ad.html
をご覧ください。
----------------------------------------------------------------------------
 編集長からの質問への回答など、読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の
 告知なくJMMに掲載させていただく場合がございます。匿名などのご希望があれば、
 明記してください。また、掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。
 メールに記載された範囲でのプライバシーの公開から生じる、いかなる事態、ま
 た何人に対しても一切責任を負いませんのでご了承ください
----------------------------------------------------------------------------
最近、info@jmm.co.jpad@jmm.co.jpが発信元とされるウィルスメールが出回ってい
ますが、これはJMMサーバからではなく、ウィルス感染した第三者のマシンから送
信者アドレスを偽って送信されたものです。くれぐれもご注意下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  Copyright(C)1999-2004 Japan Mail Media
許可無く転載することを禁じます。




[1] 「あきらめ」()は、大人の社会でも耳にする。定款=諦観と。

 

[2] 昨日からの衝撃的ニュースのひとつが、「19歳の若者=餓死、体重30キロ」

 「ジリ貧」になり、「生きにくくなり、餓死していく現実。ニートの人々の未来(従って未来の日本)を象徴するかのような事件。

 

[3] 「勉強せず、職もなく、訓練も受けていない」若者が、「10年後を想像するのが怖いと思っている」なら、まだ正常。

 「怖い」なら、何らかの行動を起こす。

 しかし、どう行動していいかわからず、行動すればつねに出鼻をくじかれ、ということの連続で、「あきらめ」の境地に入ってしまっているというのが「あきらめ」の日本ニートということか。

 

[4] まさに、日本の政府中枢でも、「10年後の財政赤字」をイメージせず、「あきらめ」て、適当にやり過ごしている? 

 

[5] ? 「知る」とは?