―招へい短期 Invitation (Short-Term)−
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@ 次 ・ 2 次 |
受付番号 |
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系 別 |
@.人・社 2.数 物 3.化 学 4.生 物 |
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分科細目コード |
3607 |
分科名 |
経済学 |
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細目名 |
経済史 |
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平成17年度
( @次 ・ 2次 )
日本学術振興会外国人招へい研究者(短期)
受入研究者申請書〔兼申請カード〕
平成16年8月27日
下記の外国人招へい研究者を招へいしたいので、申請いたします。
−以下、申請書から抜粋−
=外国人招へい研究者(候補者)について=
氏名 (FAMILY) KAELBLE
(First) Hartmut
(Middle) |
【主な学歴(大学以降)】 学位 取得年 チュービンゲン大学およびベルリン自由大学で、歴史学・法学・社会学を学ぶ(1959-1965年) ベルリン自由大学 歴史学博士 1966 ベルリン自由大学 教授資格 1971 ソルボンヌ大学(パリ第一) 名誉博士 1997 |
【主な職歴】 1961-1971年: ベルリン自由大学助手・助教授 1971-1991年: ベルリン自由大学・教授 1991年~現在: ベルリン・フンボルト大学教授 この間、ハーバード大学、オックスフォード大学、ロッテルダム大学、社会科学高等研究院(フランス)などで、たびたび、客員教授を歴任。 |
【受賞履歴(受賞年)】(注)フェローシップは含まない。( )内に受賞年を記入すること フランス共和国パルム・アカデミック賞chevalier
im ordre des palmes académiques (2000年) |
【外国人招へい研究者が行っている研究の概要】 ケルブレ教授の研究分野は、広くは19-20世紀ヨーロッパ社会経済史の比較研究である。当初は、第二帝政期の経営者団体や企業家層の研究、欧米の社会変動に関する比較研究をおもに研究していたが、1980年代後半からは、ヨーロッパ統合の社会史や第二次世界大戦後のヨーロッパ社会史についてパイオニア的な仕事をつぎつぎ発表している。 とくに邦訳もされた『ひとつのヨーロッパへの道』(日本経済評論社、1997年、永岑三千輝他訳、廣田功解説)は、普通の人々の視点からヨーロッパ統合を見ることを提唱し、エリートの思想・行動に焦点を当てた、それまでの統合史研究に方法的反省をもたらす契機となった。本書の英語、フランス語、スペイン語の翻訳は、EU諸国研究者の高い評価を具体的に示している。 近年は、とりわけヨーロッパ社会の特質(家族制度、労使関係、企業構造、都市生活、社会保障制度など)、ヨーロッパ社会の相互交流、ヨーロッパ統合とヨーロッパ・アイデンティティー、ヨーロッパ統合とヨーロッパ市民社会など、多様なテーマを取り上げ、比較史的視野からヨーロッパ社会の特質とヨーロッパ統合の社会的基盤・背景について研究している。 |
【外国人招へい研究者の研究業績】(代表的な著書、論文及びその発表誌、発表年月日を記入すること。合計10篇。) 1.Industrielle Interessenpolitik in der Wilhelminischen
Gesellschaft. Centralverband Deutscher Industrieller 1895-1914, Berlin: de
Gruyter, 1967, 268 S. 2.Berliner
Unternehmer während der frühen Industrialisierung. Herkunft, sozialer Status
und politischer Einfluß, Berlin: de Gruyter, 1972, 302 S. 3.Historische
Mobilitätsforschung. Westeuropa und USA im 19. und 20. Jahrhundert,
Darmstadt: Wissenschaftliche Buchgesellschaft, 1978, 203 S.(英訳あり) 4.Social
Mobility in the 19th and 20th Centuries: Europe and America in Comparative Perspective,
Leamington Spa, Berg Publishers 1985, 179 S. (英訳、スペイン語訳あり) 5. Industrialisierung und soziale Ungleichheit.
Europa im 19. Jahrhundert. Eine Bilanz, Göttingen: Vandenhoeck &
Ruprecht, 1983, 237 S.(英訳あり) 6. Auf
dem Weg zu einer europäischen Gesellschaft. Eine Sozialgeschichte
Westeuropas, 1880-1980, München: Beck 1987, 194 S.(英訳、仏訳、スペイン語訳、日本語訳あり) 7.Nachbarn
am Rhein. Entfremdung und Annäherung der französischen und deutschen
Gesellschaft seit 1880, München: Beck 1991, 294 S. 8. Der
historische Vergleich. Eine Einführung zum 19. und 20. Jahrhundert,
Frankfurt: Campus 1999, 179 S. 9. Europäer über Europa. Die
Entstehung des modernen europäischen Selbstverständnisses im 19.und
20.Jahrhundert, Frankfurt Campus 2001, 268 S. 10. Wege
zur Demokratie. Von der Französischen Revolution zur Europäischen Union, DVA:
Stuttgart München 2001, 232 S. |
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【来日に関する予備交渉の経過】(過去の来日歴、候補者の過去(又は現在)の学振事業への採用の有無(プログラム名、年度) や、使用言語等も含む。) ケルブレ教授は、すでにわれわれが直接招聘にかかわるだけで2度の来日経験を持つ。しかし、「第17回よこはま21世紀フォーラム:ヨーロッパ統合と日本」(2000年10月)参加のための来日も、「東京大学学術交流奨励基金」による来日(2003年5月)のいずれも、1週間程度の短期間の滞在であった。1度目の来日の際、機会を改めて数週間来日し、講演・セミナーを開催して欲しい旨依頼しておいたが、国際的に著名な歴史家であり、きわめて多忙で、なかなか具体化しなかった。 2度目の来日の際、改めて依頼したところ、2年後であれば可能との返事をもらい、さらに本年3月、協力研究者の廣田功氏(東京大学大学院経済学研究科教授)がパリに出張した際、あらためて2005年5月来日の意思について再確認を行うとともに、「ヨーロッパ統合の社会史」に関する最新の研究成果を中心に、日本各地で5−6回講演・セミナーを開催することについて了解を得た。 過去2度の来日は、学術振興会の招聘によるものではないが、教授は、平成11年度~平成13年度文部科学省科学研究費補助金基盤研究(A)「ヨーロッパ統合の社会史の比較研究」(研究代表者・永岑三千輝)の共同研究に参加し、さらに、この共同研究の成果として、平成16年度日本学術振興会の出版助成金を得て刊行された『ヨーロッパ統合の社会史』(日本経済評論社、2004年2月)にも「第一章 ヨーロッパ社会史の研究史と統合の社会史」を寄稿した。 なお、使用言語は、英語、ドイツ語、フランス語の3ヶ国語である。 |
=招へい計画について=
【申請者(氏名 永岑 三千輝 )が行っている研究の概要と招へい研究者との関連】 申請者は、長年、現代ドイツ社会経済史、二つの世界大戦とナチズムについての研究を専門としてきたが、ケルブレ教授の『ひとつのヨーロッパへの道』(日本経済評論社、1997年、共訳者は雨宮明彦・金子邦子・古内博行)の邦訳に参加したのを契機に、教授の仕事とヨーロッパ統合史に深い関心を持つにいたった。 第一次世界大戦とヴェルサイユ体制、ナチズムとヨーロッパ戦争、そしてとくに第二次世界大戦の経験は、第二次世界大戦後のヨーロッパ統合の歴史的特徴を検討する際に不可欠であり、また、「民衆」、「普通の人々」の視点からヨーロッパ統合を論じる教授の視点は、申請者のナチズム研究、ホロコーストと独ソ戦・世界戦争の研究の方法と問題意識において共通するところも多い。 そこで、「第17回 よこはま21世紀ファーラム」の企画・運営に携わった際に、「ヨーロッパ統合と日本」をテーマに設定することを提案し、かつ教授にも、ヨーロッパ統合史研究の視点からアジア統合と日本の関係についても示唆を得るべく、歴史セッションでの基調報告をお願いした。上記の平成11-13年度科学研究費補助金の共同研究にも教授を研究協力者として参加していただいた。 さらに、統合史を越えて、現代ヨーロッパ比較社会史に対する関心は、申請者も研究分担者として参加している、平成16-18年度科学研究費補助金・基盤研究(B)「戦争と復興―占領と戦後再建の比較社会経済史―」(研究代表者・松井道昭・横浜市立大学教授)に関する共同研究にも引き継がれている。 この共同研究では、申請者は、ドイツの戦後復興期の社会経済史について、特に民衆意識の変遷に着目する視点から分担研究を行うが、その場合、「民衆」の視点、「普通の人々」の視点を含めて、教授の第二次大戦後ヨーロッパ社会の比較史研究、「消費社会」の史的研究は、有益な示唆を与えてくれるであろう。 |
【外国人招へい研究者の来日中の行動日程(研究が主として行われる研究機関及び訪問先等の概要)】 2005年5月6日―5月27日の滞在期間中、主として以下の研究機関において、申請者ならびに下記の研究協力者とともに共同研究を行い、かつ主にヨーロッパ統合史に関心を持つ若手研究者を対象とした講演・セミナーを開催する。 横浜市立大学(商学部・大学院経済学研究科) 東京大学大学院経済学研究科 東京大学大学院総合文化研究科・DESK(現代ドイツ・ヨーロッパ研究室) 法政大学(社会学部) 中央大学(人文科学研究所) 早稲田大学(商学部) 立命館大学(産業社会学部) 立正大学(経済学部) |
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