「特殊自動車」(ボックス型荷台の自動車)に関する国家機密文書(BA R58/871[1])
更新日:2006/05/25
キーワード:ホロコースト、ユダヤ人大量虐殺、大量殺害、皆殺し、ジェノサイド、
ガス室、移動型ガス室、CO、一酸化炭素、排気ガス、
ナチ、第三帝国、国家機密、警察、治安警察、保安部、親衛隊、ヒトラー、ヒムラー、
c f.一般的にも、たとえば、ドイツにおける公共放送WRDにおいて、このドキュメントに言及された。番組名と同じ内容の書物での公刊『ユダヤ人殺戮−ドイツ人とオーストリア人の報告−』(セルビアでのガス自動車の使用1942年3月についてはマノシェクの証言)。
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以下の文言が明らかにするように、ユダヤ人は人間としてではなく、物体として、「荷物」として扱われている。
秘密保持のためだけだろうか?
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ベルリン、1942年6月5日
II D 3 a (9)・・・ 作成部数一通のみEinzigste Ausfertigung。
国家機密Geheime Reichssache
I.覚書Vermerk
運転中および製造中の特殊自動車Spezialwagenの技術的改善の件
1941年12月以降、たとえばbeispielsweise、3台の車で97000を加工した。クルムホーフにおける周知の爆発が唯一の事故と評価されなければならない。その原因は、操作の誤りに帰せられなければならない。そうした事故を回避するため、関係部署に特別の指示が発せられた。指示は守られ、安全度は相当に高まった。
その他のこれまでに得られた経験から、以下の技術的改善が合目的的と思われる。
1.)過剰圧力を回避しながら一酸化炭素(CO)の速やかな注入を可能にするため、ボックス後方上部に内径10×1cmの二つのスリットをあける。この隙間に対し外部に簡単に動く薄板の蓋を取り付ける。それによって、過剰圧力が生じた場合、自動的に調整できるようにする。
2.)自動車の輸送力die Beschickung der Wagenは、通常、1uあたり9−10である。積載容積の大きいザウラー・特殊自動車Saurer-Spezialwagenの場合、このように利用することは不可能である。なぜなら、それだけ積んでも
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過剰積載Ueberlastungにはならないが、走行性Gelaendegaengigkeitの点で非常に効率が悪くなるからである。
そこで積載面積の縮小が必要と思われる。・・・・
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3.)排気口と自動車との間の連結管die Verbindungschlaeucheは、非常にしばしば錆びついてしまう。というのは、連結管が内部から落ちてくる液体によって腐食されるからである。これを避けるために、(ガス)注入用パイプは、(ガスが)上から下に流れ込むように取り付けられなければならない。それによって、液体の流入がさけれらる。
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4.)自動車の清掃を便利にするために、床の中央に密閉しやすい排水口が取り付けられなければならない。・・・・
5.)これまで取り付けられていた観察用の窓はなくてもかまわない。というのは実際には利用されないからである。・・・
6.)(ボックス内)照明器具は、破壊に対してこれまでより強いものとしなければならない。鉄製の格子をランプの上にアーチ上に取り付け、ランプ用の窓の損傷がもう起きないようにしなければならない。・・・・
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扉を閉めたとき、突然暗くなり、「荷物」が光に向かって突進する・・・ランプは前方に取り付ける・・・
7.)自動車の速やかで簡単な荷降ろしEntladungのために、外へ移動可能な格子をとりつける。それはU字型線路を小さな車で走らせるようにする・・・・・
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1942年6月23日付秘密文書
治安警察・保安部長官 ベルリン、1942年6月23日
II D 3 ・・・
1.)覚書Vermerk
41年1733号文書により、ガウプシャフト社に車台に取り付ける30台の特別ボックス発注
そのうち20台の車台・ボックスがすでに完成。
残り10台の車台が現在提供され、ボックスAufbauがとりつけられることになっている。
ガウプシャフト社には、現在必要となっている改善を行うことはできないのだが、すべてのボックスをガウプシャフト社で完成させることに決定。
名前の挙がった別の会社Sodomka社は、秘密保持の観点から不適当だからである。
-----------史料B--------------
1942年9月18日のガウプシャフト自動車製造会社の書簡
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----史料D-------
[1] 2004年12月ベルリン・ドイツ連邦文書館調査で、ハイドリヒの1941年から1942年の行動を調査する作業の中で、見つけコピーした一連の文書ファイルより。
冒頭のドキュメントはこれまでも何箇所かで紹介されてきたのをみたが、それ以外の関連する全ファイルを紹介したものは、管見のかぎりではないと思われる。
「ガス自動車」の存在も否定しようとする「否定論者」がいる以上、基本ドキュメントとして、全文及び関連書簡類をここに公開し、公然たる検討の素材にしておく意味はあるであろう。