"Serbien ist judenfrei"
セルビアは、ユダヤ人から解放された。
セルビアにもうユダヤ人はいない。
しかし、ヒトラー・ナチズム、親衛隊の見地からすれば、セルビアのパルチザンはユダヤの影響を受けたもの、ユダヤ人によって背後で操られている者、ユダヤ的勢力、ということではないのか?セルビアの抵抗運動はこの後も継続し、ドイツ敗北を押し進める要因となる。
とすれば、宗教的なユダヤ人だけが抹殺されたということか?
副題『セルビアにおける軍事占領政策とユダヤ人絶滅』
(2. Auflage, Muenchen 1995) (初版は1993)
ドイツの軍事史研究所(das Militaergeschichtliche Forschungsamt)の叢書の一冊・・・・この本は、ドイツ国防軍の犯罪、対ソ戦よりも前に、バルカン半島で行った「イデオロギー的絶滅戦争」の実態をはじめて解明するものであり、ドイツの軍事史研究所(公的機関)がいかに過去を直視しているかのひとつの証拠。
しかも、それは無風であったから行われたのではない。ドイツ国防軍の犯罪を暴くことに対する非難の声もあった中での、公開の選択である。(下記、序言、参照)そこに重みがある。
さまざまのドイツの公的機関が、きちんと自分の国・自分の国の国家機関の過去の行為を直視し、過去の国家の犯罪行為を真正面から認めていることは、その被害にあった諸国・人々に、ドイツの反省の真実性をなっとくさせる。
1941年7月のヒトラーの発言・・・スターリンの「パルチザン戦争の宣言は、かえって都合がいい、と。われわれに敵対するものを根絶することができる、と。
報復比率は、「殺されたドイツ人一人に付き、100人」
フランスの占領軍司令官シュトルプナーゲルは、同じような報復を実行する命令を受けたが、拒否した。そのため、解任された。
とすれば、解任覚悟で、不当な報復措置に抵抗することは、可能だったということになる。
上からの命令を、「命令は命令」と従順に従うことは、すくなくとも歴史の法廷では、許されないということになろう。