石橋湛山「小日本主義」
日本の対外侵略と膨張主義・帝国主義を批判
ヨーロッパで第一次大戦勃発(1914年8月)・・・日本の火事場泥棒的な行動
「アジア大陸に領土を拡張すべからず、満州も宜しく早きにおよんでこれを放棄すべし・・・・」
ご都合主義批判
「不抜の怨恨をシナ人に結び、欧米列強に危険視せられ、けっして東洋の平和を増進するゆえんにあらずして、かえって形成を切迫に導くもの・・・・」
青島領有→軍備拡張の負担
「露骨なる領土侵略政策と軽薄なる挙国一致論の跋扈・・・・」、「南洋の独領を奪取すべし・・・」
しかし、その膨張主義は、
「帝国百年の禍根・・・」
「鬼の留守に、油揚を取ろう」とするもの
「世界の公平な観者の大多数は、・・・深く日本の誠意を疑うに相違ない・・・」
「手出しのできぬ支那に向い、抜き身で無理やりにその承諾を迫って居る・・・」
「わが軍閥が、多年懐抱してきた侵略主義の理想・・・・」
「世界の列国に大利害の関係のある要求・・・・」
「邦人が調子をそろえてシナを侮蔑し、恫喝した軽薄、無遠慮、不謹慎な言論・・・・」
「27、28年戦役」すなわち日清戦争から積み上げてきた一切の獲得物を、元も子もなく、取り上げられるであろう」・・・・この予言は、数十年後ではあるが、第二次大戦の敗北・サンフランシスコ講和条約による日本固有領土への縮小ということで、現実となった。
「遠く日清戦争、なかんずく日露戦争から顕著になったわが国の領土侵略主義・・・・」
第一次大戦後、ヴェルサイユ体制下で。(1921年)
「朝鮮や、台湾、シナ、満中、またはシベリヤ、樺太等の少しばかりの土地や、財産に目をくれて、その保護やら取り込みに汲々としておる。」
「朝鮮・台湾・樺太も棄てる覚悟をしろ、支那や、シベリヤに対する干渉は、勿論やめろ・・・・」
欧米の帝国主義列強が植民地を所有しているから、自分も・・・・、
21世紀初頭の現在なら、「よその国が核兵器を持っているから自分も・・・・」、「よその国が軍隊をもっているから、自分も・・・・」、「米英中露のような普通の国=軍事大国に自分も・・・・・・」と。
世界諸国の軍隊の縮小、軍縮の推進、とりわけ核軍縮、そうじて諸国軍隊の「自衛隊化」こそ、そして、現在の自衛隊の「憲法許容範囲への大幅削減」をこそ、むしろ世界の先頭に立って推進すべきではないのか?
そのための、国際諸機関の充実・機能強化・民主主義強化をこそ、推進すべきではないのか?
せっかく、戦後60年間、守り続けたた憲法を変えてまで、自衛隊を軍隊に格上げしようというのは、真の意味での世界史的な流れには逆行するのではないか?
「小さな政府を」というが、一番大きな国家組織は自衛隊24万ー25万人ではないのか?
その規模の縮小をこそ、またそれを可能にする世界政策・平和政策(国連の民主主義的強化政策)をこそ、推進すべきではないのか?
現在の石橋湛山ならば、そのように主張するのではないか?
21世紀デモクラシーの先頭に立つものはどこにいるか?
21世紀、自由と民主主義を、口先で唱える(これは非常に多い)のではなく、実質において実現しようとしている「額に汗して春を待つ」人々は、どこに?