欧州における鉄道  〜TGVと新幹線〜

 

@    TGV

TGV(フランス語では「テジェヴェ」と発音)とはフランス国鉄(SNCF) が運行する高速鉄道のことである。1981年にパリ〜 リヨン間(パリ-南東線)を、当時の日本の新幹線を上回る最高速度 260 km/h で結んだ。日本の新幹線の営業速度を初めて塗り替えたことで世界の注目を浴びた。

 

A    線路の特徴

在来線の軌間が1067mmとなっている日本に対し、フランスを含むヨーロッパの多くの国では在来線も軌間は1435mmとなっている。そのためTGVはスピードを落とせば在来線をそのまま走ることができる。車両限界なども在来線とほぼ共通の設計になっているため、用地買収の難しい都心への新線建設の必要がない。そのため、在来線とは全く違う新規格である日本の新幹線計画に比べその点では大変有利である。

TGVがその車両性能を発揮し高速で走れる専用の線路はLGV(高速線)と呼ばれる。都心では既存の線路を走り、市街地を出ると連絡線から線形の良いLGVに入り高速走行することが多い。この様なことから駅舎は既存のものが多く、日本の新幹線の様に全く新しい鉄道と言ったイメージは少ない。

 

B車両の特徴

1981年の開業以来、一貫して営業運転での世界最速の座を守り通している。当初は260km/h運転であったが、1993年には300km/hにまで高速化された。また試験運転でも515km/hという驚異的な速度を達成し、この記録は今に至るまで破られていない。

編成の両端部に連結された電気機関車が牽引する方式で日本の新幹線とは大きく異なり動力集中方式という。動力集中方式は製造コストが低い、保守点検が楽であり、客室部が静か、路線への負荷が小さいなどというメリットがある反面、分割運転がしにくく、加減速が劣るというデメリットがある。

動力分散方式と動力集中方式の違い

動力集中方式と分散方式

M=電動車、T=制御車(客車)、L=機関車を示す。
ちなみに、長野行新幹線に用いられるE2系は6M2Tである。

資料:鉄道工学ハンドブック

 

新幹線は動力分散方式で、すべて専用新線で線形もよいため、台車が多い=モーター配置可能箇所が多い方が有利。

在来線を通るため車両幅は日本の新幹線の3.38mに比べ約58cm狭い約2.8mで、横3列シートと4列シートの車両があるが4列シートはかなり狭い。

走行地域・乗り入れ国に応じた多種多様な車両が存在する。イギリスへ直通するユーロスター、オランダやドイツへ向かうタリスもある。注1

シリコン整流方式、及び多電源の機構は、日本の国鉄401系・421系電車で量産化された技術である。

※注1ユーロスターとは、ロンドンとリール、パリおよびブリュッセルを最高300km/hで結ぶ国際高速列車。列車はユーロトンネル(チャネルトンネル)を通って英仏海峡を横断し、フランスとベルギーの部分は高速路線を使用する。ユーロトンネルが開通した同じ年の19941114日に開業した。

タリスとは、フランス・ベルギー・オランダ・ドイツの4カ国を結ぶ高速列車。

 

CEU外への進出

ユーロスター、タリスだけでなく、スペイン国鉄AVEや韓国KTXなど、独立路線としても輸出している。またアメリカへもアセラとして輸出された例もある。ドイツとの連合で臨んだ台湾高速鉄道では日本の新幹線に敗れたものの、中国本土では官民一体となった売り込みの結果北京・上海間高速鉄道計画での採用の可能性が高い。

世界中での採用実績、安価なコストなどがTGVの勝因と考えられる。ライバルの新幹線はコストが高く、採用実績に乏しい。

 

D考察

 EU統合によりますます国家間の距離が狭くなった欧州、それに伴うように高速鉄道もフランス一国から数多くの国が導入されるようになった。鉄道による国境の喪失はよりEUを深いものへと導いてくれるだろう。

 

 

 

 

参考文献    ガイドブック A06 フランス    地球の歩き方 地球の歩き方編集室著

参考ホームページ  http://www.tsubasa.to/dreams/html/02-03.html

          http://www.his-hotel.com/rail/europe/rail_tgv.shtml