責任の所在は、どのように考えるべきか?

 「ホロコースト現象」(マイノリティの差別→抑圧→殺戮)の再発防止のためには、ホロコーストにかかわる責任の所在をできるだけ具体的かつ総体的に明らかにしていく必要がある。


 ホロコーストの直接的な推進主体(ヒムラー・ハイドリヒ・アイヒマン・グロボチニク・ヘースなど)と間接的な推進主体(第三帝国国家機関・軍・官僚組織)、そして、ドイツをそのような状態に追い込んだ世界の水準と問題点(二つの世界大戦の原因・経過・結果)


戦争を生き残り、ニュルンベルク裁判で被告になったほとんどの人びとが、ユダヤ人大量虐殺を知らなかった、それはヒトラー、ヒムラー、ハイドリヒの行為だ、などとして、みずからとホロコーストの関係を否定している。すべての犯罪行為をヒムラー、ハイドリヒなどすでに死んでしまった人間に押し付けようとしている。
 (最近邦訳された、『ニュルンベルク・インタビュー』上・下、を参照されたい。)

 そうした第三帝国の国家と軍の主要な責任者の「無知」の主張、「自分は知らなかった、責任はない」との主張を、どのように検証し、どのように批判し、どのように把握するか?