ヴァンゼー会議:
議事録
(1947年春の発見の経緯:ケンプナー、テイラー等検察サイドの発見時の興奮)
1ページ:「国家最高機密(Geheime Reichssache)」:
作成部数30部、外務省保存のものは第16.
2ページ:ハイドリヒが召集の経緯。
3ページ:ユダヤ人問題最終解決の指揮は、
ライヒ(国家・帝国)保安本部(治安警察・保安部長官、すなわちハイドリヒ)。
4ページ:1941年10月31日までに53万7千人を国外移住Auswanderungさせた。
5ページ:総統のご許可をいただいた上で、これまでの国外移住Auswanderungではなく、東方への疎開Evakuierungをはじめることになった。
注記:国外移住禁止、東方への疎開開始は直接的には絶滅政策への大転換を意味しない、
Cf.拙稿「独ソ戦・世界大戦とドイツ・西欧ユダヤ人の東方追放 ――「ユダヤ人問題最終解決」累進的急進化の力学――」
6ページ:「疎開」の対象となるユダヤ人の41年1月時点の統計(総数1100万人)
7ページ:ソ連ユダヤ人の職業分布、
ユダヤ人は東方で労働配置Arbeitseinsatz im Ostenに。
8ページ:過酷な労働投入を生き残ったものは、「しかるべく取り扱う」
9ページ: 東方への「疎開」をいつ開始(Beginn)するかは、
「軍事的展開による(von der militärischen Entwicklung abhängig)」
10ページ: 「疎開」に関する各省庁の態度。
外務省「南東及び西部ヨーロッパでは深刻な問題なし」。
混血問題(ドイツ人とユダヤ人の混血)をどうするか・・・議論あり。
11ページ: 混血問題(続き)
12ページ: 完全ユダヤ人Volljudenとドイツ血統のものDeutschbütigenとの結婚の処理
13ページ: 第1ランクの混血者同士、あるいはそれとユダヤ人の結婚の場合。
14ページ: 内務次官シュトゥッカート・・・
あまりの行政事務が過ぎることを懸念し、
「強制不妊手術Zwasngssterilisation」を提案。
会議最後に、
総督府次官ビューラー・・・「この問題の最終解決が総督府(Generalgouvernement)から開始されるとうれしい。ここでなら輸送問題が対して重要でないから。また、労働配置上の諸理由がこの作戦Aktionの進め方を阻害することもないだろうから」と。
15ページ: 「ユダヤ人は伝染病を撒き散らす張本人
「やみ商売で総督府の経済秩序を混乱させる」
総督府ユダヤ人「約250万人のほとんどは労働不能」
総督府次官ビューラーは、総督府のユダヤ人問題の解決の指揮権が治安警察・保安部長官にあることを認め、「この地域のユダヤ人問題ができるだけ速やかに(so
schnell wie möglich)解決されるよう要請」。
引き続き、「解決のさまざまなやり方について議論」。
その際、大管区長(ガウライター)マイヤーからも次官ビューラーからも、最終解決を進めるための一定の準備作業をただちにそれに関係する諸地域自体で(in den betreffenden Gebieten selbst)進める、しかし、当該地域の住民が不穏になる事態は回避さるべきこと、といった見地が表明された。