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横浜市立大学の未来を考える
『カメリア通信』第38号
2006年4月5日(不定期刊メールマガジン)
Camellia News No. 38, by
the Committee for Concerned YCU Scholars
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ストロナク学長は速やかに回答せよ
平成18年4月5日
国際総合科学部 一楽重雄
去る2月28日に,横浜市立大学の教員の昇任に関して,以下のような質問状を学長に提出しました.それに対して,学長秘書を通じて,「3月15日の人事会議を踏まえて回答する」から,少し待って欲しいとの回答がありました.その後も2週間以上経過していますが,いまだに何の回答もありません.
学長は,4月4日の研究院全体会議と教授会において挨拶をしましたが,昇任に関することにはまったく触れませんでした.国際総合科学部教授会において藤野学部長は,「当初4月に発令を目指した昇任人事であったが,現在ストップしている.その事情は分からない」という趣旨の報告がありました.一年近くも昇任規程を作らず,作っても実行できないような執行部は,もはや退陣すべきではないでしょうか。昇任を待たされている教員に対してどのような補償措置を取るのでしょうか.あるいは,その責任は誰が取るのでしょう.
人事制度についてのかなめであったと思われる福島人事課長は,4月の定期人事異動で市大を離れました.公立大学法人になっても幹部クラスの人事が横浜市からの出向によるのでは,大学は市から独立して独自の展開をすることが出来ません.このような人事をしている限り,福島課長がそうであったということではありませんが,市大にいるあいだは市の意向に沿うことだけを考え,ともかく大過なく過ごし,その後横浜市のよいポストに移ろうと考えるのは人情です.幹部クラスは,大学固有の人事としなければなりません.
今年度の管理職は,ほとんどが留任しました.もちろん,例外はあると思いますが,「改革」に賛成の立場を取った多くのイエスマンたちによって,今年度も大学が運営されます.これでは,よりよい大学を目指して教員がまとまっていくということが出来ないのです.
以前の学部長など選挙で選ばれていたときには,教員の意向を代表して、それなりのことをしていた人たちにしても,理事長の任命となって,教員の意向を考慮することはまったく必要でなくなりました.これは,学長からコース長まで共通して言えることです.もちろん,その中にあっても,教員の立場を貫こうとして頑張っている人もいると思います.しかし,残念ながら,そのような努力は一般の教員の目にはまったく見えてきません.
選挙という方法は必ずしもその役職に最善の人が選ばれるとは限らず,悪しき意味での政治的な力が働くなどの弊害もありますが,選挙権を持つ人に対して責任を持つという意味で民主主義の基本であることを,いまさらながら痛感しています.このような組織では、学長からコース長までイエスマンであることが、自分の地位を守ることにつながります。これで競争力があり、市民が誇れる大学にすることができるのでしょうか。
同じ名前であっても,学長,学部長などは,以前とまったく違う意味になってしまいました.
教授会自治の回復は、何も教員のためにではなく、競争力があり市民の誇れる大学にするためにこそ必要なのです。
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昇任規程とその実施過程についての緊急質問状(要旨)
ストロナク横浜市立大学学長殿
2006年2月28725日
横浜市立大学国際総合科学部教員有志
賛同者氏名記一楽重雄 他5名入
先ごろ,昇任規程が明らかにされ,承認の人事プロセスが始動していると聞いています.このことについて重大な疑問がありますので,緊急に質問いたします.回答に当たっては,教員全体へ説明するための教員説明会の開催を求めます.
1.
昇任規程は大学の重要事項にあたり,学校教育法に基づいて教授会の審議が必要であると考えます.この点について,どのようにお考えですか.
3.2.
昇任規程は,12月20日に施行とされていますが,なぜ,2月まで発表されなかったのでしょうか.この理由をご説明ください.
4.3.
昇任規程の下部規程となる「内規」は,公表の取り扱いが決まっていない,とのことで教員全体に周知されていません.しかし,既に施行されている内規が「まだ,取り扱いが決まっていない」とはどういうことでしょうか,ご説明ください.
5.4.
既に,この規程に基づいて昇任人事が動き出していると聞いています.本来,教員一般に関わる人事手続きのうち重要なことについては,教員全体に周知の上,実施すべきものと思いますが,そのような手続きをまったくとられていません.この点,どうお考えでしょうか.
7.5.
現在,進んでいる昇任候補の推薦の過程が,推薦を行う管理職によってやり方が異なっているようです.当然,大学として一定のルールで行わなければいけないものと思いますが,いかがでしょうか.
6.
教員全体に,規程,内規,実際の手続き,および日程などを公表すべきであったと思いますが,いかがですか.また,コース長などが,候補を絞りこんだ事実はありますか.もし,あるとすれば,絞り込む基準はなんであったのか,また,その根拠は何によったのか教えてください.
7.
昇任審査が済んで資格があると認定されても「新しい労働契約」を結ばないかぎり,昇任の発令をしないのは,なぜですか.当該教員への不利益変更であるばかりか、助手の準教授への昇任のが滞る場合などには,授業にも重大な支障が出る可能性があります.この点,どうお考えでしょうか.
以上
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編集発行人: 矢吹晋(元教員)
連絡先:
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