Materialismus唯物論
唯物論
I |
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プロローグ |
唯物論 ゆいぶつろん Materialism 物質を究極的な実在とする哲学上の説。この学説では、意識現象は神経系の物理的・化学的変化によって説明される。精神的なもののほうが根源的だとする観念論(唯心論)に対立する。同じ唯物論でも、物質をどう考えるかによって、古来よりさまざまな立場がある。
II |
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物活論と原子論 |
タレスにはじまる古代ギリシャの自然哲学者たちの唯物論は、物質を生きて運動するものとみなす物活論である。またデモクリトスは、すべての現象を物質の最小単位である原子(アトモン)と、その原子の間にある空虚(ケノン)によって説明した。彼の原子論はエピクロスをへて、古代ローマのルクレティウスにうけつがれた。
III |
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経験主義と機械的唯物論 |
キリスト教が支配的な中世ヨーロッパでは唯物論はふるわなかったが、近代自然科学の発達とともにふたたび登場する。17世紀のフランスのガッサンディはエピクロスの原子論を復活させ、イギリスのホッブズは経験主義の立場から独自の唯物論の体系をつくった。ディドロ、ドルバック、ラ・メトリーといった18世紀フランスの啓蒙主義者たちは、その徹底した唯物論によって宗教的権威、とくにキリスト教の神学的教義を攻撃し、無神論をとなえた。彼らの唯物論はのちに機械的唯物論とよばれた。
IV |
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弁証法的唯物論 |
これに対して、マルクス、エンゲルス、レーニンらが主張する唯物論は、弁証法的唯物論といわれる。彼らは、みずからの生活手段(たとえば食物)を生産するところに人間の本質をみて、この生産活動によって人間の社会関係もつくられると考えた。そして政治、宗教、道徳、芸術などの精神的なものも、人間の物質的な生産活動から生まれてくるとした。
現代の哲学的唯物論は、進化論(→ 進化)から大きな影響をうけている。進化論の擁護者たちは、それまでの唯物論のようにたんなる無神論を主張するだけにとどまらず、もっと積極的に、地球上の多様な生物が神のような超自然的な力によってではなく、自然過程を通じて生まれてきたことを具体的に説明しようとしている。
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