エクステンション講座

第4回「世界大戦の克服とヨーロッパ統合」

講師    瀧川 貴利

第2部 社会の階層秩序と不平等                  

 

第6章 エリート、知識人、社会環境

 

エリート…通常は国の指導的立場にあるもの、すなわち政治、経済、行政、軍隊。しかし教会、団体、労働組合、文化、大きな学問期間において戦略的な決定を下す指導的な人々(140ページ)

第二次世界大戦後や冷戦後にエリートはどう変わったのかについて、東ヨーロッパと西ヨーロッパのエリートの違いなどについて考察されている。

 

社会環境…知識人、市民階級、労働者環境、農民の環境、小市民の環境

 

第7章 生活状態の社会的不平等と移動機会

 

○生活状態の社会的不平等

 

ジニ係数…曲線と対角線の間の面積(図7−1に細かい平行線を付けている)と、対角線・水平線・垂直軸でつくる三角形の面積との割合で示す(191ページ)

 

○社会的な移動性

 

ヨーロッパ社会では上昇の機会が改善されたのか、下降の危険が強まったのか。アメリカ合衆国と比較されている。

 

第8章 移民

 

ヨーロッパ:世界中に移民を送り出す大陸→最も重要な移民受け入れ大陸の一つ

第二次世界大戦直後の時期は難民(displaced persons)や被追放民(die Vertriebenen)。被追放民とは、ソヴィエト連邦や東欧から、第二次世界大戦後にドイツ連邦共和国に移住してきた人々のこと。

1950年代と1960年代の経済ブームの時期には、スペインやイタリアやポルトガルなどのヨーロッパからの労働移民が中心的になった。とりわけ1970年代と1980年代にヨーロッパ外のアフリカや近東出身の移民が増えてきた。このような移民の増加により、イスラム教が大きな宗教集団になった。ヨーロッパ全体では2000年ごろは約2000万人。一方アメリカ合衆国のイスラム教徒は約400万人。また1980年代後半と1990年代にはソビエト連邦の崩壊やユーゴスラヴィアの内戦により、ロシアや東ヨーロッパ出身の難民が増加した。