国会放火=炎上事件
事件発生当時、ミュンヘンからベルリンへの移動途中の列車にいたディミトロフが、ほかの3人(共産主義者、コミンテルン)の活動家とともに、蜂起を準備し、国会に火をつけたとして逮捕された事件。
裁判闘争ののち、無罪釈放された。
放火事件は、裁判の結果、ファン・デア:リュッベというオランダの「無政府主義者」(放浪者、事件の前に警察所管の無料宿泊所に止まっていた)の単独犯、とされた。
「単独犯」説への疑問
はたして、方々に火をつけた痕跡のある国会という巨大な石造建物を、単独犯が実行できたのか?
むしろ、秘密警察、突撃隊などが陰謀をたくらみ、選挙戦で共産党や社会民主党という左翼政党を弾圧するために、それによって圧倒的な議席を獲得するために、仕組んだのではないか。
警察の尋問調書、裁判におけるディミトロフの弁論
(ディミトロフ選集、大月書店、第2巻)
警察捜査当局に対する陳述書
法廷における冒頭陳述のための覚書
被告ヴァン・デル・リュッベの尋問から(法廷審理速記)
「小さい木造の福祉事務所を燃え立たせることもできなかったのに、
どうして大きな石造の国会議事堂を、
それもわずか15分で燃え立たせることができたのですか?」
証人ゲーリングの尋問から
(法廷審理速記)
法廷における最終陳述の速記
ソ連および外国新聞記者とのインタヴューから(抄録)
最近の説:ファン・デル・リュッベの単独犯行説
ヴァン・デル・リュッベ…逮捕時、上半身裸
炎上する国会(新聞報道写真)
ベルリンの新聞モルゲンポスト誌の国会炎上事件報道
放火犯逮捕、オランダ人共産主義者
裁判開始時点の法廷の様子(2列目に、トルグラーとヴァン・デル・リュッベ、3列目にほかの被告二人)
ディミトロフ(ブルガリア人共産主義者、コミンテルン活動家)
ゲーリングの出廷・証言
トルグラー(ドイツ共産党議員団長)とヴァン・デル・リュッベ…判決直前
ゲーリング出廷・証言
単独犯で国会炎上可能の科学的根拠
バックドラフト説
(「バックドラフトとは?・・・・ウィキペディア)
室内など密閉された空間で火災が生じ不完全燃焼によって火の勢いが衰え、可燃性の一酸化炭素ガスが溜まった状態の時に窓やドアを開くなどの行動をすると、熱された一酸化炭素に急速に酸素が取り込まれて結びつき、二酸化炭素への化学反応が急激に進み爆発を引き起こす。たちまち火の海となる「フラッシュオーバー」とは違う現象である。
日本では、普段ほとんど換気が行われない土蔵で火災が発生した場合などに、この現象が生じることが知られた。母屋が炎上すると隣接する蔵の内部も非常に高温となるが、給気されないために蔵の内部では目立った燃焼が起きない。しかし、火災の直後に蔵の戸を開けると酸素が取り込まれ、蔵の中の物が一気に燃え上がる。そのため、母屋で火災が起きた場合には、蔵の内部温度が十分下がるまで戸を開けてはならないとされた。
単独犯行・・・一貫したリュッベの証言(事実関係と矛盾しない)
バックドラフト