ヒトラーとスターリンの「悪魔の抱擁」
書評: アンソニー・リード/デーヴィッド・フィッシャー著根岸隆夫訳『ヒトラーとスターリン』上(死の抱擁),下(バルバロッサ作戦)、みすず書房,2001年 単 2001年9月 『図書新聞』2551号(9月29日号) 不倶戴天の敵であるヒトラーとスターリンがなぜ1939年8月に独ソ不可侵条約を結んだのか、その背後にあった国際的歴史的諸条件は何か、それを平易に説明した好著。
書評:アラン・ブロック著『対比列伝 ヒトラーとスターリン』(全3巻)、草思社、2003年8月25日刊 単 2003年11月 『図書新聞』第2654号(2003年11月15日土曜日) 驚嘆するのはブロックの学問的活動の息の長さと持続する頭脳の明晰さ、初版刊行時(77歳)、2003年11月現在89歳。改訂版を書く執念に敬意。翻訳者の良心的態度もすばらしい。ヒトラーとスターリンと言う指導者の個性をドイツとソ連の社会の歴史的個性と関連させてみていくのに有益。「歴史的人物を考察するには、その関心と情熱がどのような全体的事業に向けられたかを見なければなりません」(ヘーゲル『歴史哲学講義』上、岩波文庫、61ページ)という洞察を念頭に置きながら、独ソと当時の世界の全体的問題状況を見ていく必要がある。その示唆を与える。
上記は、
わたしの論文等業績リスト:その書評のうち、二本。