2002101日 平入試委員長から、今年および来年度の入試業務遂行に関する重大な意見書・公開質問状が出された。現場で重要な責任を負う委員長の質問であり、入試過誤問題の反省をもとに、学長、事務局はきちんとした対応を示す必要があろう。現場がいくら努力していても、何かあると、まず現場が責任を問われる。学長からは、前回の入試過誤に関し、当時の入試委員会に厳しい訓戒が与えられた。平委員長の上掲公開質問状によれば、入試管理委員会でも厳重注意したそうである。だが、その言葉は学長に、事務サイドでは入試管理委員会に出席している事務局長、総務部長等の管理職に、振りかかってくる。管理職諸氏は平委員長の質問、具体的問題提起にどう答えるのであろうか? 

学部運営、入試業務、研究教育等に「重大な支障」があることははっきりしているが、過労死や入試過誤問題が発生して、はじめて「重大な支障」があったと認めるということだろうか?この間、学長見解で主張している「将来構想委員会」も一回も開かれていない。学長は将来構想委員会すらきちんと稼動させないで、「凍結」措置だけ実施しているわけである。

 

念のために付言すれば、本学、商学部では入試委員長は責任と負担だけ多くて、手当てはない。すでに何回か言及したが、入試関係で献身的努力を払った長谷川教授は6年半ほど前、死亡した。多くの人は、その重要な原因が入試業務の過労だと、着任早々の私に話してくれた。商学部はこの間、何人も死んでいますよ、と。

 

前回の入試過誤問題の処分においては、学長責任は問われなかった。しかし、入試業務を統括する入試管理委員会の最高責任者は学長である。また、入試業務を含めた全学の教員の職務負担の状況を学長の指示のものに把握しておくべきは事務局長・総務部長の責任である。責任が問われなかったことは、なんら、責任がないことを意味しない。むしろ、深い意味での管理責任、道義的責任があるというべきだろう。ここではっきりと商学部入試委員長が、学部・大学院・入試業務における「重大な支障」を指摘し、公開で回答を求めたことは重大な意味を持つだろう。聞き耳持たず、何の反応も示さず、「重大な支障」でないといいはるのであろうか? いったい「重大な支障」とは、学長(事務局)の判断規準は何なのだろうか?

 

 

現場の切実な声−業務負担の増加で苦しむ現場の声−をしっかりうけとめ、人事問題等に対処することが学長の責任であり、誠実な態度だろう。管理主義的な上からの締めつけと問題が起きたときの上からの訓戒だけでは、問題発生を回避できないであろう。

 

現入試副委員長として、来年度入試委員会を構成することができるかどうか、誰も入試委員の引きうけ手がないのではないかとさえ危惧されるが、かりに構成されたとして、適切に業務をこなせるかどうか深刻な危惧を持ち――といっても、この組織責任は学部長にあり、一教授会メンバーの責務の範囲外であるが――したがって、平委員長の主張に全面的な共感を表明しておきたい。