2002年10月3日　大学HPの組織図などの箇所を見なおす機会はなかったが、和田さんのご指摘で新しくなっていることを知った

2002年10月3日　大学HPの組織図などの箇所を見なおす機会はなかったが、和田さんのご指摘で新しくなっていることを知った。そして、あたかも全学部・研究所の上に事務局長と総務部長以下の部署があるかのように、組織図を描いている。その法的根拠、法文上の根拠が問題になろう。と同時に、前回組織図を見て驚き、いちばん問題とした点、すなわち、意思決定機構である評議会や教授会が組織図からはまったく省かれているという点は、なにも改善されていない。事務の本音（事務的な大学理解）が出ているというべきであろう。研究教育に関する人事予算の審議決定権を教授会や評議会が持っているという大学としてのいちばん重要なことが、組織図から抜け落ちているのである。

研究教育に素人の事務が教授会、評議会の決定など無視できますよ、といわんばかりである。最近の行動を、組織図で直接的に表明すると、こうなるのであろう。そして、それは学則などの諸規定（人事や予算の審議権を明文規定している諸規定）を無視したものとなっているのである。（大学が法規則を無視して、学生諸君に法規則を守れといえるのか？）

暗黙のうちにじっさいにやってきたこのような無視の体制が、はたして研究教育を推進させたのかどうか、その総括が問題であろう。大学の発展がこのような組織理解（を持った人々）でできるのか、これが問題である。昨年4月以来の諸問題が示すように、大学の歴史と本質を良く知らないことから実に消耗な諸問題がつぎつぎと引き起こされたが、すくなくとも昨年4月以来、そのような大学無視、大学の現場無視によって研究教育が阻害されたということは、実感を持って言うことができる。ますます、「横浜市に大学を持つ資格なし」とささやかれていることが、本当らしく思えてくる。

全国のしかるべき大学は、研究教育が大学の使命であり、事務局はその支えとしての分業上のしかるべき職務に徹している。評議会の場で、事務局長が「大学経営に責任があることを自覚してください」といった趣旨の発言をしたといわれているが、評議会が大学経営（人事と予算など重要事項）の意思決定における主体的責任を負うという学則規定が、組織図にも示されているべきだろう。また、大学の本当の発展のためには、公立大学法人化法の諸規定にもよるが、大学教員が研究教育だけでなく経営にも責任を持つという体制が必要だろう。研究・教育のことを分からない人に、いちいち人事や予算に介入されては、大学の健全な発展はないであろう。私学のトップレベルを行く慶応が、その点では見習われなければならないだろう。

大学の組織図をどのように描くか一つ取っても、その大学の見識、その作成者の大学認識がわかるということであろう。

念のため、和田さんから教えていただいた全国主要大学の組織図HPをここにも紹介しておこう。

参考資料（「強調、追記コメントは永岑による」）

■■私立（早慶上智＆ＭＡＲＣＨ）■■

＜＜早稲田＞＞

組織図は検索でも出てこない。

組織というのも電話番号簿のみで、しかも

http://www.waseda.ac.jp/koho/guide/univ17.html

のように、本部たる事務は一番最後になっている。

＜＜慶応＞＞

検索により発見した組織図

http://www.keio.ac.jp/keio_sogo_master/pdf/soshikizu.pdf