「合法的革命」・・・憲法第48条、大統領緊急命令、を多用。
大統領緊急命令という「憲法上の規定にしたがっている」としつつ、
憲法のその他の重要条文・規程それ自体を無効化、憲法否定を実行する。
(現在の日本における重大な問題、「大きな転換」、敵基地攻撃能力の保持は、憲法違反では?
内閣・行政の独断専行、ともいうべき事態は、由々しいと思われるが、いかが))
憲法を守るための特例としての大統領緊急命令ではなく、憲法それ時代を換骨奪胎し、
民主主義・議会制を根底から否定する
1933年1月30日ヒトラー首相誕生(ナチ党と国家人民党の連立政権)
国家人民党は解散に反対したが、ヒトラーは即座に国会解散…3月5日選挙
・・・・議会で圧倒的多数を獲得すると!!
左翼、特に共産党に猛烈な攻撃(暴力行使)。
共産党は、ヒトラー政権誕生に対し、ゼネストを呼び掛けた
・・・ヒトラー・ナチ党は、これを階級闘争と内戦を扇動する「国民の敵」と糾弾。
市民層、保守陣営に潜在する共産主義・ボルシェヴィズムへの恐怖感
(それまでに、ロシア10月革命、特にドイツ11月革命以降、築き上げられた意識・感情)
ナチ党の選挙戦・・・ラジオ放送(野党には使わせない)と飛行機の大々的活用
政権として握った公権力(警察力)を活用
・・・ゲーリング=プロイセン州内務委員が、突撃隊と親衛隊を「補助警察」に。
「治安」を名目・大義名分にして、野党弾圧。
さらに、大統領緊急命令を活用・・・2月4日公布の「ドイツ国民を防衛するための大統領緊急令」
集会と言論の自由に制限を加え、政府批判を行う政治組織の集会、デモ、出版活動を禁止。
選挙戦・選挙宣伝における暴力の横行
国会(議事堂)炎上事件・・・2月27日夜。現場にいたファン・デア・ルッベ逮捕。
これを、共産党によるクーデター・国家転覆の陰謀、一揆だと決めつけ、
28日、大統領を動かし、非常事態宣言=「国家と国民を防衛するための大統領緊急令」(国会議事堂炎上令)を発布。
共産党の国会議員をはじめ急進左翼運動の指導者を一網打尽。
プロイセン州だけで約5000人を数日のうちに逮捕。
以上、詳しくは、石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』講談社現代新書、2015年、140−148。