2006.12.15

「改正」教育基本法成立

 

教育基本法「改正」までには、多くの問題がありました。

タウンミーティング 「やらせ」問題

全国で行われたタウンミーティングで、政府が参加予定者に「賛成」の意見を言うよう依頼していたことが次々と発覚しました。さらに、このようなタウンミーティングにかかった費用は、一回につき1000万円以上だといわれています。

会場の出入り口で閣僚を送迎やエレベーターまでの誘導係:4万円

エレベーターのボタンを操作する係(2回押すだけ):1万5千円

政府の方針を浸透させるために、世論を誘導しているのではないかという問題が指摘されています。

 

慎重審議を求める声

11月28日 日本経済新聞社の世論調査

◇教育基本法改正案について
「今国会成立にこだわるべきではない」55%
「今国会での成立が必要」19%
「教育基本法を改正する必要はない」11%

衆議院での与党単独採決後、実に66%の人が、教育基本法の改正を急ぐ必要がないと感じていました。

 

消極的な真の世論と野党の反対にもかかわらず、参議院でも与党の強行採決で、

2006年12月15日、教育基本法の「改正」が決まりました。

教育基本法の「改正」と私たちの未来

 

教育基本法の「改正」によって、私たちの生活はどのような影響を受けるのでしょうか。

 

@愛国心の法律による規定

・成績表に「愛国心」の項目ができ、評価の対象になりそうです。

・「君が代」を歌わないと処分されます。「君が代」を歌うこと自体が問題なのではなく、歴史背景から「君が代」に抵抗がある人にも歌うことが強制されるおそれがあります。

A「不当な支配」の意味が変化

 国が教育内容を支配することは禁止されていたのですが、こんどは、国の命令に従わないことが「不当な支配」とされ、禁止されてしまうおそれがあります。

B「男女共学」の削除

 男女平等の実現をめざす取組みがしにくくなるおそれがあります。そして、女性の社会進出を悪いことのように言う雰囲気が出てくるかもしれません。

C能力主義のもりこみ

 小学校でも、できる子、できない子にふりわけが進んでしまいます。そしてできる子にしか、お金と力をふりむけなくなります。

 

 こうしたことは、思想・良心の自由や、平等に教育を受ける権利を保障している憲法に違反しているはずです。現に、今の憲法とまったく違う自民党改憲案と合っているかを政府はチェックしています。このこと自体、違憲のうたがいがあります。