文献の探し方


◆何が専門文献か?

時々、皆さんが持ってきた参考文献は、学問的価値が全くないものが多い。
研究したいテーマのキーワードが決まっていても、
案外、卒論に参考になる専門論文とは何か、判断できないケースが多い。
では、専門知識がないという前提で、どのように参考になる文献と
価値のないものと区別すればよいか。

一つの目安として、その論文自体に参考文献リストがない場合、
基本的に専門的議論をしていないと判断してよい(例外もあるが)。

後、内容から判断するなら、問題を分析しているか、結論があるか、
空論ばかり羅列されているかどうか、も基準になるだろう。

「論文の書き方」と多少内容を重複するが、文章の中に
@分析目的、例えば「本論文は...を分析(解明、究明)するものである(することを目的とする)」。
A分析の結論、例えば「本論文の結論は...である」などがなければ、
参考価値のないものと判断してよい。

もちろん、ここでは分析の中身に全く理解できない場合の簡易判断方法の紹介であるが、
内容を理解する力があれば、分析内容から判断すればよい。
(この場合、「何が専門文献か」がもともと問題にならないはず)
◆文献検索:誰がどこでどんな研究を発表したか?

タイムラグあるいは読者層などの制約のため、書籍・新聞から
最新の研究情報を探しには限界がある。 むしろ、専門雑誌で提供される場合が多い。
コンピュータ発達のおかげで文献検索は非常にやりやすくなった。
例えば、このデータベースはかなり広範囲の経済学研究を網羅している。

国内発行の雑誌資料約1500誌に掲載された経済学関係の論文(1994/8-2006/3)
更新は2006年3月に停止

経済関係の雑誌約1000誌に掲載された経済学関係の論文(1997-2001/3)

◆文献検索:オンライン文献

→Google Scholar
このサイトに専門文献を見つけることができる。未刊行のものが多い。
特に各文献の下にある「引用元」が、役に立つ。

→『金融研究』
日本銀行金融研究所の研究論文。無料で全文をダウンロードできる。
さかのぼって1982年以降の論文が掲載されている。

→『フィナンシャル・レビュー』
新しい論文は、要約しか見ることができないが、過去の論文は全文ダウンロードできる。
ダウンロードできない場合、図書館で原文を探せばよい。

→『経済セミナー』
もともと経済学を勉強する学生向けの専門誌。連載などでホットな話題を
わかりやすく解説している。たまには論文も掲載されたりする。
ここで目次しかみることができない。図書館で原文を探すことができる。

→『郵政研究所月報』/郵政研究所
郵政研究所の論文がここでダウンロードできる。ただし、2007年4月までのみ。

◆文献検索:オンライン検索は、自分にとってあまり役に立たないが・・・

こういう話もたまに聞く。 「文献検索でやるとすぐ何百件のリストが出てくるし、
そしてその内の大部分が本学の図書館にないものばかり、、、」
オンライン検索する場合、どうしても上記のような問題にぶつかる。次の解決方法が考えられる。

<大学図書館で専門誌から直接探す>

大学図書館にある専門誌から直接探すのも一つの方法です。
図書館にあるもののうち、学部生にも参考できる経済学関係の専門雑誌はそれほど多くない。
リストアップすると次のようになる。
P3/F-8/
『フィナンシャル・レビュー』/大蔵省財政金融研究所
P3/K-128/
『金融研究』/日本銀行金融研究所
P3/K-8/
『経済セミナー』/日本評論新社
P3/S-115/
『証券経済研究 』/日本証券経済研究所
P3/K-29/
『経済分析』 / 経済企画庁経済研究所
P3/K-89/書庫
『経済資料研究』/経済資料協議会(資料案内)

書庫で入って過去3−5年ぐらい遡って調べるべきでしょう。