西洋経済史 総括(T.Y.No.3)
今年一年西洋経済史を受講して、単純な言い方になるが、本当にEUのことがよく分かった。いや、EUについて知らないことだらけだった。
この授業を始める前の僕の知識は、経済共同体であり、同じ通貨で統合しようとしている連合だ。そして、将来的には1つの国になろうとしているのかとさえ思っていた。
しかし、EUは、国々の文化は守り、言語も守るという。それが基本概念であるという。その上で、中央政府をつくり、移動を自由にし、労働も自由にした。
そんな中で、僕は興味を持った通貨統合、そして二重国籍について調べた。前者については知らなかった経緯、そしてルールなどを知ることができた。そこにあるメリットを知ることができたし、今後どうなるかという興味も持った。
そして次の二重国籍は考えがひっくり返る思いだった。僕の中では、生まれ持った国籍というのは、本当に特別な事情が無い限り一生大事にするものだった。でも、海外ではそうではなかった。むしろそういう考えの方が少なかったし、それは悪弊とまで言われていた。確かに日本は植民地化されたこともなく、単一民族国家に非常に近いといえる。(アイヌの人や、琉球の人もいるとはいえ)よって二重国籍に対し、必要も感じてこなかったし、無くて当然だという考えがあったのだろう。そこが欧州、またアメリカ等とも違うところであろう。
しかし、これからは文明の発達で世界がどんどん狭くなってきている。国際結婚も増えるし、海外移住者も増えることだろう。そういう人たちにとって、国籍というのは最大の保険だ。あると無いとでは、生活が違うだろう。そういう点ででも、二重国籍を認めるべきだ、というのが、二重国籍の容認を訴える人たちの主張だろう。
実際僕はその必要性を感じたこともないし、前述したとおり、一生大事にするものだと思っているので、日本国籍があればいい、という基本的な考えはかわらないが、しかし、そう主張する人の考えも分かる。本人の意思とは別に、そういう必要性がある人も多いだろう。その人たちのためにも容認してもいいのかな、とも思うようになった。
このように、知らなかったことを知ることはもちろん、今まで持っていた考えが変わることもあった。そしてヨーロッパの事例を元に、では日本はどうなのか、われわれにおきかえるとどういう問題がいえるか、などと、全部つながっている気がした。
いずれは東アジア共同体ができるかもしれない。EUも一朝一夕にできたものではない。長い下準備の元、やっと今の段階まで来た。東アジア共同体も今後何十年もかけていいものができるのだろうか。できるためにも、二重国籍のように、解決していかなければいけない問題が山積しているといえるだろう。
そしてそれを我々はただ見守るだけではいけない。1市民、いや、東アジアの1員として、作っていかなければならないのだ。
最後になりましたが、少人数ならではの双方向の講義は、ものすごい有意義だったし、何より楽しかったです。ただ話を聞く、というのではなくて、各自問題をさがし、調べ、それについてコメントするというのは何倍も理解度が高いはずです。
1年間ありがとうございました。