ドレスデン

ドレスデン Dresden ドイツ中東部の工業都市。ザクセン州の州都。エルベ川に河港をもつ。ドイツ最大級の大都市圏が形成され、産業・輸送・文化の中心地となっている。中心部はエルベ川南岸にあるアルトシュタット(旧市街)で、ここは第2次世界大戦で深刻な打撃をうけたが、今日では部分的に再建されている。エルベ川北岸には、ノイシュタット、アントンシュタット、アルベルトシュタット、郊外には、ロシュビッツ、ブラゼビッツ、レプタウなどの地域がある。人口は456300(1998年推計)

河港とハイテク産業がドレスデンの経済の中心である。光学・医学・オフィス用の機器、コンピューター、楽器、機械類などが製造されている。良質のドレスデン磁器も、かつてこの街でつくられたが、現在では近郊のマイセンで製造されている。市内には、ドレスデン工科大学(1828年創立)、音楽大学(1856)などがある。

2次世界大戦以前、ドレスデンはヨーロッパの文化的中心地のひとつだった。歴史的建築物として、再建された18世紀のツビンガー宮殿があり、いくつかの有名な博物館や美術館がはいっている。なかでも有名なのがゼンパー絵画館で、ラファエロの「システィーナのマドンナ」以下2000点以上の絵画コレクションがある。かつて作曲家のワーグナー、ウェーバー、リヒャルト・シュトラウスらが活躍したドレスデン国立歌劇場(1878)も第2次世界大戦で破壊されたが、戦後に再建された。ここでは、ロココ様式のカトリッシュ・ホーフ教会(173951)や、クロイツ教会(一部は15世紀)などのすばらしい教会や、技術博物館、歴史博物館、交通・軍事史博物館などもある。

ドレスデンが最初に文献に登場するのは13世紀のことである。14851918年、この街はのちに選帝侯、王となった強大なザクセン公爵家の主都として重要性をましていった。1718世紀、とりわけザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト1世が統治した16941733年に、ドレスデンは文化的中心地となった。この時期に、錬金術師ベットガーがマイセン磁器の技術を発明し、アジアから輸入されていた磁器がヨーロッパでも製造されるようになった。街は七年戦争で大きな打撃をうけたが部分的に再建され、華麗なバロック様式とロココ様式の建築やすばらしい博物館・美術館によって、エルベのフィレンツェとよばれるようになった。1813年、ナポレオン1世はこの地で最後の大きな軍事的勝利をおさめた。19世紀末には工業の中心地として発展した。 ザクセン(歴史)

1945213日、連合国軍の爆撃機数百機がドレスデンにはげしい空爆をくわえ、135000人の命をうばい、街の80%を破壊した。しかし、街の大部分は戦後再建されている。

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