重商主義Mercantilism 


絶対王政の重商主義・・・・フランスの財務総監コルベールの経済政策が代表的・・・・国内の貴金属こそ重要だとする重金主義に基づき、輸出拡大による国富拡大を図る。
    国営工場設立による産業振興、植民地拡大、




市民革命後の「固有の重商主義」

 その本質:

  産業資本の育成を至上目標とする政策体系

名誉革命前後から、フランスと対決

 絶え間ないゲリラ戦的通商破壊

 スペイン王位継承戦争など幾つかの戦争…スペイン領新大陸と今やおびただしい「金」を産出しはじめているポルトガル領ブラジルにおける商権の争奪

 戦勝ごとに有利な通商条約

 新大陸の諸植民地に優勢な商権樹立・・・「金」と「銀」に対する獅子の分けまえにあずかる

 

農村工業を基盤とする中産的生産者層の両極分解(マニュファクチャーの成長)

・・その成熟のなかから自生的な産業革命

 重商主義政策による保護主義政策…一八世紀中頃の状態

国内市場の発展・・・局地的市場圏から地域的市場圏へ、さらには統一的国内市場形成へ

全イングランド的な規模での社会的分業…繊維工業はヨークシャー西部ランカシャー一帯に、金属工業(製鉄および金物製造)は中部地方(ミッドランズ)に、

農・酪・醸造業は東部諸州に。…産業立地の地域的分化

中産的生産者層の両極分解―大量の賃労働者→国内市場

7つの海に商権を確立

.202 イングランド銀行…発券銀行



[1] 「貿易黒字」は、だれの所有になるか?

 「工業力を高め」た結果は、人間の生活を豊かにしたか? どのような意味でか?

[2] 重金主義と重商主義は違う。

「重金主義bullionism・・・広義の重商主義の原初的形態。

一国の富は地金銀の保持にあるとする思想およびこれに基づく政策のこと。ヨーロッパにおける絶対王政のもとで、王室財政の強化と結びつきながら行われた金銀鉱山の開発、貿易統制や植民地支配によって貴金属の獲得をめざす政策が中心。」(有斐閣『経済辞典』第4版)

 議会重商主義・固有の重商主義・・フランスのコルベール主義にみられるような絶対王政期の経済政策を普通、重商主義と呼ぶが、これに対して本来の、固有の重商主義とは、市民革命後の議会が推進した政策体系のこと。政策主体の違い。

 言葉の表面からすれば、「商業」を重視する政策.しかし、実態は? フリードリヒ・リストによる鋭い分析・・・・リストの『経済学の国民的体系』第29章「工業主義、学派から誤って重商主義とよばれているもの」

 有斐閣『経済辞典』・・・「固有の重商主義parliamentary mercantilism・・・マニュファクチュア期の産業資本の利害に従って、資本の本源的蓄積を推進するために行われた経済政策体系であり、市民革命後のイギリスに典型的にあらわれた。具体的には、貿易差額を最大にしようとする保護貿易政策、定住法に見られる労働力陶冶のための政策などが実施された。」

[3] 膨大なドルは、だれが、どのような形態で所有し、投資しているか?