現代日本の社会統計・公的統計による検証
人件費部分、必要労働部分は「人件費」部分であり、これが支払い部分である。それ以上の部分、剰余労働の部分が資本、法人企業の掌中にはいる・・・従業員全体の仕事=労働の成果としての剰余価値。そこから資本の取り分として利潤、営業利益。
財務省の付加価値統計は下記の諸項目からなっている。
人 件 費 |
支払い利子 賃借料など |
租 税 |
営業利益 |
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必 要 労 働 部 分 (働くものとその家族の生活の維持、衣食住の費用、しかるべき教育・文化・余暇の費用[19]、働くものがその社会秩序等を維持するために支払う所得税など国税と地域の共同的公共的生活の維持のために支払う地方税などを含む=具体的な勤労者(国民)の支出動向数値は、総務省統計局の家計調査[20]を参照) |
剰 余 労 働 部 分 (企業のものとなる。そこから企業が利子、賃借料・地代、国家的公共的諸制度の維持・国家の維持のため税金(法人税など)を支払い、残りが営業利益となる。この営業利益から、役員特別賞与、および資本準備金など資本蓄積・経営拡大) |
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下記の財務省統計をみると、勤労者が付加した労働のうち、だいたい70数パーセントを生活費=必要労働部分=労働力Arbeitskraftの維持と再生産のための費用として取得している[21]。
これを、労働時間、賃金統計(2003年)
(http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/13fr/mk13r.html)と組み合わせて、みると、常用労働者5人以上の日本全国の営業所の平均的な時間給(単位時間あたり貨幣額)などがはっきりする[22]。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/24/24-2fr/dl/pdf24fr.pdf
付加価値に関する最近の具体的数値は、財務省(旧大蔵省)の下記統計を参照。
付加価値とは?
付加価値の中の人件費=労働分配率、とは?
付加価値=人件費+支払利息・割引料+動産・不動産賃借料+租税公課+営業純益(営業利益−支払利息・割引料)
(1995-1999年の統計 www.mof.go.jp/ssc/1c002u1.xls・・・今回は省略,
(下記は日本全国の法人企業統計:1996‐2000年の統計www.mof.go.jp/ssc/h12.xls、ここのページには1−10表あるが、下記はその第5表。統計は、日本の全産業の法人企業統計であり、恣意的な統計でも、私的な統計でも、ほんの一部の統計でもない。日本社会全体の大量現象=その背後にある大量法則を確認できる)
第5表 |
付 加
価 値 の 構 成 |
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(単位:億円、%) |
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区 分 |
8 |
構成比 |
9 |
構成比 |
10 |
構成比 |
11 |
構成比 |
12 |
構成比 |
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付加価値 |
2,697,206 |
100.0 |
2,756,607 |
100.0 |
2,704,127 |
100.0 |
2,675,469 |
100.0 |
2,766,294 |
100.0 |
人件費
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1,965,808 |
72.9 |
2,031,204 |
73.7 |
2,033,555 |
75.2 |
2,019,617 |
75.5 |
2,025,373 |
73.2 |
支払利息・割引料 |
192,084 |
7.1 |
170,151 |
6.2 |
182,101 |
6.7 |
144,427 |
5.4 |
135,564 |
4.9 |
動産・不動産賃借料 |
254,076 |
9.4 |
255,199 |
9.2 |
273,979 |
10.2 |
249,560 |
9.3 |
256,993 |
9.3 |
租税公課 |
133,216 |
5.0 |
139,462 |
5.1 |
143,363 |
5.3 |
113,593 |
4.3 |
107,279 |
3.9 |
営業純益 |
152,022 |
5.6 |
160,591 |
5.8 |
71,129 |
2.6 |
148,272 |
5.5 |
241,085 |
8.7 |
付加価値率 |
18.6 |
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18.8 |
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19.6 |
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19.3 |
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19.3 |
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労働生産性(万円) |
734 |
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734 |
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712 |
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694 |
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702 |
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(注) 1. 付加価値=人件費+支払利息・割引料+動産・不動産賃借料+租税公課+営業純益(営業利益−支払利息・割引料) |
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2.
営業純益=営業利益−支払利息・割引料、
3.付加価値率=付加価値÷売上×100
4.労働生産性=付加価値÷従業員数
法人企業にとって、「売上に占める付加価値の割合」が、一つの重大関心であることは、上記の表の項目、すなわち、付加価値率をみてもわかる。売上高には、原料費・機会設備の減価償却費など、諸コストが含まれている[23]。