毎日新聞デジタル版記事より
兵器輸出停止を公表しないドイツ イスラエルとの「特別な関係」とは

イスラエル軍に空爆された避難所で、がれきなどを処理する市民ら=パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市で7月18日、ロイター
イスラエル軍に空爆された避難所で、がれきなどを処理する市民ら=パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市で7月18日、ロイター

 ドイツ政府が今年3月以降、パレスチナ自治区ガザ地区で戦闘を続けるイスラエルへの兵器輸出の認可を停止していたことが明らかになった。政府はなぜ、輸出の停止を公表しなかったのか。独・イスラエル関係に詳しいジャーナリスト、ベルナー・ゾネ氏に聞いた。

 ――独政府は、イスラエルへの兵器輸出停止を公表しませんでした。

 ◆ドイツにとって、イスラエル批判は難しいバランスが求められる。国内だけでなく、イスラエルにも(イスラエルと敵対する)アラブ諸国にも、ドイツがイスラエルへの支援をやめたという印象を与えてはならない。一方で、イスラエルには「(ガザで)多くの死者が出ている状況は容認できない」と伝える必要がある。ベーアボック独外相も、イスラエルに寄り添いつつ、ガザの人道状況に繰り返し懸念を表明している。重要なのは、ドイ…