(以下のドキュメントについては、『横浜市立大学論叢』社会科学系列、第56巻第3号,101-120ページに「特殊自動車とは何か-移動型ガス室の史料紹介-」という論文を執筆し、2006年2月1日現在、初校を終了した段階である)
「特殊自動車」(ボックス型荷台の自動車:写真)に関する国家機密文書(ドイツ連邦文書館所蔵:整理番号BA R58/871[1])
c f.一般的にも、たとえば、ドイツにおける公共放送WRDにおいて、このドキュメントに言及された。番組名と同じ内容の書物での公刊『ユダヤ人殺戮-ドイツ人とオーストリア人の報告-』(セルビアでのガス自動車の使用1942年3月についてはマノシェクの証言)。
以下の文言が明らかにするように、ユダヤ人は人間としてではなく、物体として、「荷物」として扱われている。
秘密保持のためだけだろうか?
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(治安警察・保安部長官という肝心の部署名を削除している・・・極秘中の極秘、国家機密中の国家機密、いかに秘密度が高かったか。IID.3aでは、普通ならなんのことかわからない。文書つづりの一連の文書[治安警察・保安部長官の部局名を明記した文書群]と合わせてみる時に、明確に意味・重要性が分かる・・・文書つづり全体19ページについては、ドイツ連邦文書館所蔵:整理番号BA R58/871、上述拙稿「特殊自動車とは何か-移動型ガス室の史料紹介-」を参照されたい。)
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ベルリン、1942年6月5日
II D 3 a (9)・・・ 作成部数一通のみ Einzigste Ausfertigung。
国家機密Geheime Reichssache
I.覚書Vermerk
運転中および製造中の特殊自動車Spezialwagenの技術的改善の件
1941年12月以降、たとえばbeispielsweise、3台の車で97000を加工(verarbeitet)した。クルムホーフにおける周知の爆発が唯一の事故と評価されなければならない。その原因は、操作の誤りに帰せられなければならない。そうした事故を回避するため、関係部署に特別の指示が発せられた。指示は守られ、安全度は相当に高まった。
その他のこれまでに得られた経験から、以下の技術的改善が合目的的と思われる。
1.)過剰圧力を回避しながら一酸化炭素(CO)の速やかな注入を可能にするため、ボックス後方上部に内径10×1cmの二つのスリットをあける。この隙間に対し外部に簡単に動く薄板の蓋を取り付ける。それによって、過剰圧力が生じた場合、自動的に調整できるようにする。
2.)自動車の輸送力die Beschickung der Wagenは、通常、1㎡あたり9-10である。積載容積の大きいザウラー・特殊自動車Saurer-Spezialwagenの場合、このように利用することは不可能である。なぜなら、それだけ積んでも
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過剰積載Überlastungにはならないが、走行性Geländegängigkeitの点で非常に効率が悪くなるからである。
そこで積載面積の縮小が必要と思われる。・・・・
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3.)排気口と自動車との間の連結管die Verbindungschläucheは、非常にしばしば錆びついてしまう。というのは、連結管が内部から落ちてくる液体によって腐食されるからである。これを避けるために、(ガス)注入用パイプは、(ガスが)上から下に流れ込むように取り付けられなければならない。それによって、液体の流入がさけれらる。
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4.)自動車の清掃を便利にするために、床の中央に密閉しやすい排水口が取り付けられなければならない。・・・・
5.)これまで取り付けられていた観察用の窓はなくてもかまわない。というのは実際には利用されないからである。・・・
6.)(ボックス内)照明器具は、破壊に対してこれまでより強いものとしなければならない。鉄製の格子をランプの上にアーチ上に取り付け、ランプ用の窓の損傷がもう起きないようにしなければならない。・・・・
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扉を閉めたとき、突然暗くなり、「荷物」が光に向かって突進する・・・ランプは前方に取り付ける・・・
7.)自動車の速やかで簡単な荷降ろしEntladungのために、外へ移動可能な格子をとりつける。それはU字型線路を小さな車で走らせるようにする・・・・・
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略