519日 このところ、427日以来だが、全国国公私立大学事件情報のHPが更新されないままになっている。管理人の方の健康が心配になる。在外研究などお元気な活動が原因だとうれしいのだが。全国の大学関係の貴重な情報をココから頂戴していただけに、再開が待ち望まれる。

 

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510日 米軍基地問題

 

·       【第47回】 元CIA顧問の大物政治学者が緊急提言
「米軍に普天間基地の代替施設は必要ない!
日本は結束して無条件の閉鎖を求めよ」 独占インタビュー チャルマーズ・ジョンソン 日本政策研究所(JPRI)所長

[20100507]
普天間問題で鳩山批判に終始する日本だが、批判だけでは何も変わらない。そもそも同基地の代替施設の不要論は米国内にもある。東アジア研究の大家で、元CIA顧問のジョンソン氏は、日本は同基地の無条件閉鎖を求めるべきだと主張する。

 

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5月6日 「首都圏ネットワーク」井上ひさし追悼企画の第二弾として、横浜市大「改革」に関する講演記事等が、公開された。

 

     井上ひさしさんの当時の講演と現在の市大や都立大(首都大)の現状を照らし合わせ、「改革」の意味を検証する課題があるだろう。

 

 

首都圏ネットワークの下記ページ参照。

 

《追悼》『法人化』に反対された井上ひさしさん(その2)

 

2010 4 30(金曜日) 02:20

 

《追悼》『法人化』に反対された井上ひさしさん(その2)

2010
430
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局


本事務局は、旧「横浜市立大学を考える市民の会」の方より、同会が200367日に横浜市開港記念会館で催した「横浜市立大学と附属2病院の存続・発展を求める市民の夕べ」に関する紹介と報告のホームページ資料をお寄せいただき、以下にこれを採録するものです。

井上ひさしさんは同「市民の夕べ」において、「都市の中の大学」と題して講演されております。当時の同旧「市民の会」によるホームページとともに、講演大意をまとめられた文章を掲載いたします。

·         2003.6.7 「市民の夕べ」 特集/「横浜市立大学と附属2病院の存続・発展を求める市民の夕べ」 200367日 於 横浜市開港記念会館

·         2003.6.7 「横浜市立大学と附属2病院の存続・発展を求める市民の夕べ」 ダイジェスト版

·         *井上ひさし氏講演「都市の中の大学」(大意紹介)*<テキスト>

·         *井上講演「都市の中の大学」を聴いて*<テキスト>

·         *集会参加者の感想・ご意見*<テキスト>


<リンク>「市長をつぎの選挙で落とせばよい」に割れんばかりの拍手 6月7日「市民の会」集会井上ひさし氏 特別講演『都市の中の大学』 2003年6月15日 総合理学研究科 佐藤真彦

以上

 

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422日 大学教員の勤務時間のあり方はどうなのか、しっかり考える必要がある。

 

20100422

勤務時間報告書の怪? 長崎県立大学(公立大学法人)のハラスメント

長崎県立大学懲戒処分事件を考える会
 ●勤務時間報告書の怪? 長崎県立大学(公立大学法人)のハラスメント?(その1)
 ●勤務時間報告書の怪? 長崎県立大学(公立大学法人)のハラスメント? (その2)

 長崎県立大学(公立大学法人)は、教員の労働管理を時間管理制(=タイムレコーダーなどによる労働時間の管理)で行っていたという実態と異なる主張をしてきた(そのように主張しなければ久木野教授の懲戒処分の理由が無くなる)ことから、昨年121日から労働基準監督署(労基署)により違法な労働管理を是正するように、すなわち教員の労働時間を把握して必要な時間外手当を支払うように行政指導を受けています。指導を受けている長崎県立大学は今年1月より3月までの教員の勤務時間を把握するため、次の「勤務時間報告書」を全教員に提出してもらい、それにしたがって時間外勤務手当を支払うように改善したと労基署に報告していたようです。……

 

 

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412日 全国国公私立大学の事件情報(本日付より):日本学術会議の提言

 

 本学の状況との関連で、一番目を引くところ・・・・・

第4章「21世紀の日本における学術のあり方に関する提言」

持続可能な人類社会の構築に資するべく学術の総合力を発揮するために、いかなる学術体制と政策が必要かを分析し、以下の提言を行う。

提言1:学術の総合的発展の中で「科学技術」の推進を位置づける

これまで推進政策のもっぱらの対象とされた「科学技術」は人文・社会科学を除外し、「科学を基礎とする技術」を主とする応用志向の強いものであり、今後「科学技術」に代えて、より広範な「学術」の概念が政策体系の中心に位置づけられるべきである。21世紀の人類社会の課題に応えるべく学術の長期的、総合的振興を図り、その中で「科学技術」の推進を明確に位置づけることにより、科学技術立国の実現を目指すべきである。

 

 

20100412

日本学術会議、提言「日本の展望―学術からの提言2010」

日本学術会議
 ●提言「日本の展望―学術からの提言2010」

提言「日本の展望―学術からの提言2010」

 日本学術会議は、我が国の学術研究の目指すべき方向を、今後10年から20年先を見据えた長期的視野から検討してきた結果を、提言「日本の展望―学術からの提言2010」として取りまとめましたので、公表します。
 併せて、上記提言の基となった日本の展望委員会の「13のテーマ別・分野別作業分科会提言」及び「31の分野別委員会報告」をそれぞれ公表します。

 本文はこちら 提言「日本の展望―学術からの提言2010」等

 

 

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48日 大学評価学会等の政府への要請行動は、まさに、長期的展望に立った高度知識社会の創造のために必要なことを示したものである。

 

---------全国国公私立大学の事件情報(本日付より)----------- 

 

20100408

国際人権A規約第13条の会・大学評価学会国際人権A規約第13条問題特別委員会、政府宛「国際人権A規約の第13条2項Cの留保撤回に関する要請書」

13条の会と大学評価学会特別委員会の要請行動
国際人権A規約第13条の会、内閣総理大臣鳩山由紀夫要請書
大学評価学会・国際人権A規約第13条問題特別委員会、国際人権A規約の第13条2項Cの留保撤回に関する要請書

13条の会と大学評価学会特別委員会が共同で要請行動を行いました

 2010315日(月)、国際人権A規約第13条の会(13条の会)と大学評価学会・国際人権A規約第13条問題特別委員会(大学評価学会特別委員会)は、2団体で共同して、「高等教育における無償教育の漸進的導入」の問題で関係機関への要請行動を行いました。要請先は、内閣総理大臣と文部科学大臣であり、民主党幹事長室と文部科学大臣政務官を訪問し、要請文を手渡しました。
 民主党幹事長室では、文部科学省担当の広野ただし副幹事長が応対してくださり、約30分にわたって懇談しました。副幹事長からは、「財政的に困難な状況なもとで、まずは高校教育から実質的に無償化に着手したところである」「要請の趣旨は政府にしっかりとお伝えする」などの発言がありました。参加者は、「2010年度予算案では、高等教育予算を充実させていく展望が見えない」「若者を励ますような姿勢を明確に示してほしい」「学生や父母の経済的困難は深刻さを増しており、まったなしの状況である」などと述べ、「留保」の撤回と、高等教育予算の増額、「無償教育の漸進的導入」の推進を強く求めました。
 文部科学大臣への要請では、高井美穂政務官が対応してくださり、執務の合間の慌ただしい時間でしたが、約20分間懇談することができました。政務官からは、「給付型の奨学金を前向きに検討していきたい」「財政支出を増額していくためには、国民が納得してくれる高等教育の質が求められている」「外務省からは、中等教育に関する132項(b)のみ『留保』を撤回する案も出されているが、われわれとしては(c)を含め前向きに考えていきたい」などと、率直な見解が示されました。政務官との懇談では、限られた時間の中でしたが、高等教育のありようについても突っ込んだ意見交換が行われました。
 このほか、要請行動の合間に、文部科学省の記者クラブで記者会見を行い、マスコミ各社に対し、要請行動の趣旨と「高等教育における無償教育の漸進的導入」の重要性を伝えました。参加した記者からも質問が寄せられました。また、参議院文教科学委員会委員の藤谷光信議員を訪問し、懇談しました。
 ここで少し個人的な印象を、2点に限って述べさせていただきます。まず、今回の要請を通じて、新政権が誕生したとはいえ、そして、国際人権A規約第132項(b)(c)の「留保」撤回を公約した政党が国会で多数を占めているとはいえ、これを実現させるには、わたしたちの運動と研究が重要であるということを痛感したということです。
 そして、高学費政策を転換させ「無償教育の漸進的導入」を推進していくだけでなく、「競争的な教育」を転換させていく課題を正面に据えることの重要性です。受益者負担論と自己責任論は一体的なものであり、この両者を克服していくことが必要です。「お金をかけても学ばない人間がいる。だから、税金は使えない」がごとくの論調がありますが、子どもたち、若者が苦しんでいる現状を社会的に捉えることが大切です。教育を権利としてとらえるとともに、社会との関係でとらえていくことの重要性を改めて感じました。
 今回の要請行動には、13条の会から代表の三輪定宣さん(千葉大学名誉教授)、碓井敏正さん(京都橘大学)ほかが参加しました。大学評価学会特別委員会からは、特別委員会代表の重本直利さん(龍谷大学)ほかが参加しました。
 要請行動が実現するに際しては、水岡俊一参議院議員および種田豊秘書のご協力を得ました。記して御礼申し上げます。      (文責:細川孝(13条の会運営委員会代表))

* 以下は、2団体の要請文です。川端達夫文部科学大臣宛の文書も同じ内容です。

2010315

 

内閣総理大臣 鳩山由紀夫 様

 

国際人権A規約第13条の会     
代表 三輪 定宣(千葉大学名誉教授)
碓井 敏正(京都橘大学教授)

要請

 第174国会の施政方針演説(129日)で鳩山由紀夫首相は、「……すべての意志ある若者が教育を受けられるよう、高校の実質無償化を開始します。国際人権規約における高等教育の段階的な無償化条項についても、その留保撤回を具体的な目標とし、教育の格差をなくすための検討を進めます。……」と述べられました。わたしたちは、今回の首相の発言を全面的に支持し、これを心より歓迎いたします。
 ぜひ本国会において、国際人権規約A規約(社会権規約)第132項(b)(c)の「特に、無償教育の漸進的な導入により」により拘束されない権利に関する「留保」を撤回することを求めるものです。そして、「無償教育の漸進的導入」のための施策を推進されることを求めます。

1.20098月の衆議院選挙で示された民意
 この間の急激な経済状況の悪化のもとで、格差・貧困問題はよりいっそう深刻化し、「構造改革」の矛盾は誰の目にも明らかとなりました。先に行われた総選挙では、これまでの政治のあり方に反省を求める民意が明確に示され、民主党を中心とする政権の発足につながりました。選挙の争点となり、国民から大きな期待が寄せられたのが、教育政策であります。政権発足後、政府は後期中等教育(高校教育)の無償化に着手されたのです。

2.国際社会から見直しを迫られる「留保」
 日本政府は、1979年に国際人権規約A規約(社会権規約)を批准する際に、上記の通り「留保」を宣言しました。この審議の際には「留保については諸般の動向をみて検討すること」が、そして19847月には「諸般の動向をみて留保の解除を検討すること」が、いずれも全会派によって附帯決議されています。
 以来30年間にわたって日本政府は「留保」を続けるだけでなく、「無償教育の漸進的導入」の理念に逆行する「有償教育の急進的高騰」を進めてきました。このようなもとで、国際社会からは、「留保」の撤回を求められるところとなっていることは周知の事実です。 
 しかしながら、昨年12月に国連の社会権規約委員会に提出された「政府報告書」では、「留保」撤回の意思は示されておりません。国連人権理事会の理事国として、そして日本国憲法をもつ国として、早急に是正されなければならないと考えるものです。

3.21世紀の市民社会にとって不可欠な「無償教育の漸進的導入」
 21世紀の社会は「知識基盤社会」であると言われます。一握りの優秀な人間をつくりだし、その者たちが社会を牽引していくのは、「知識基盤社会」ではありません。市民誰もが豊かな知識を有し、科学的な知識にもとづきながら社会的、人類的な諸課題に連帯して取り組んでいけるような社会が期待されているのです。
 「知識基盤社会」を実現するためには、高等教育までを含め、誰もが安心して学べるよう学習権を保障していくことが欠かせません。このことは国際人権A規約第13条の精神とも合致するものです。21世紀の豊かな市民社会を実現していく上で、高等教育までを含め「無償教育の漸進的導入」を総合的な施策のもとに、計画的に推進していくことが急務となっています。

以上

内閣総理大臣鳩山由紀夫 殿

国際人権A規約の第13条2項Cの留保撤回に関する要請書


 

2010315
大学評価学会・国際人権A規約第13条問題
特別委員会代表 重本直利(龍谷大学)

要請趣旨(以下の大学という表記には研究機関、短期大学を含む)
2004
41日より、文部科学省によって認証された評価機関による大学評価が法的に義務づけられました。言うまでもなく大学評価は教育・研究のありように直結するものです。また、学問の自由、それに基礎づけられた大学の自治の根幹に関わるものです。認証評価機関による評価、その他の評価機関による外部評価を含め大学評価のあり方は、今後の大学の帰趨を決する大きな課題と言えます。この評価にあたって、まず何よりも問われるべきは、その基礎的条件(土台)としての高等教育予算の評価です。周知のようにGDPにしめる日本の高等教育予算は、OECD諸国にくらべ著しく劣っており、速やかにGDP 1.0%水準の確保が求められています。また、この高等教育予算の低さは、国公私立大学の授業料を平均すると世界一の高さになり、国民の教育負担はすでに限度を超えております。196612月に国連において採択された国際人権A規約第132Cの「高等教育の漸進的無償化」について、日本国は依然として留保しています(なお同規約批准国中、他の留保国はマダカスカル一国のみです)。2001年における国連の「経済的、社会的および文化的権利に関する委員会の最終見解―日本―」では、日本政府に対して、この「高等教育の漸進的無償化」について、留保撤回に向けてとった具体的な措置を2006630日までに報告することを求めました。しかし、昨年12月に国連の社会権規約委員会に提出された「政府報告書」では、「留保」撤回の意思は示されておりません。また、依然として日本政府および文部科学省はこのための具体的措置を講じておりません。
174通常国会の施政方針演説(129日)で鳩山由紀夫首相は、「すべての意志ある若者が教育を受けられるよう、高校の実質無償化を開始します。国際人権規約における高等教育の段階的な無償化条項についても、その留保撤回を具体的な目標とし、教育の格差をなくすための検討を進めます」と述べました。大学の教育・研究の具体的営みおよびその評価は、大学の基礎的条件と密接不可分であります。すみやかに、国際人権A規約第132Cの留保撤回および大学の教育・研究の基礎的条件の整備に向けた具体的な措置を講ずることを求めるものです。

要請内容
1)大学の教育・研究に資する高等教育予算のGDP比率が先進諸国水準を大きく下回っていることには、大学評価にあたっての基礎的条件が大きく損なわれていると言えます。早急に先進諸国並の水準を実現するよう求めます。具体的には、今後数年の間に、GDP比率1.0%の達成に向けての数値目標および年次達成目標を設け積極的に取り組んでもらいたい。
2)「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」(196612月国連総会採択)第132項Cの「高等教育における無償教育の漸進的導入」に対する日本政府の留保をすみやかに撤回し批准してもらいたい。
3)また、上記の留保撤回と批准の後、国公私立大学の現行納付金(入学金、授業料等)の「漸進的無償化」にむけての年次毎の数値目標が設定され、それが実現されるような行政上の具体的な措置を講ずることを求めます。

以上

 

日時: 20100408 00:02
URL : http://university.main.jp/blog8/archives/2010/04/13.html

 

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45日(2) ヨーロッパ社会の第二次大戦後から今日までのヨーロッパ諸社会の統合の進展度を概括的に俯瞰するハルトムート・ケルブレの本(翻訳書)『ヨーロッパ社会史 1945年から現在まで』を、やっと3月末に刊行することができた。学部や大学院での研究入門、ヨーロッパ社会入門として活用されるとうれしい。

        img236-Umschlag20100330.jpg

 

      日本社会のこの十数年の「新自由主義」の跋扈は、ヨーロッパ社会とは比較にならない急激な格差拡大をもたらした。(ヨーロッパ社会も、経済的危機の中で、格差縮小から格差拡大の傾向にあるようだが、社会的チェック機能が日本よりは働いているようである。福祉国家のありかたをめぐる社会の諸勢力の力量の違いが反映しているであろう。また、その背後にある戦後史、いや戦争までの社会史が関係してもいるだろう。 

 

「経済格差を教育格差に繋げないために」は、経済的に不利な立場・社会的にある意味で排除された状況にある人・追い込まれつつある人(就職の決まらない大学高校の新卒既卒の若者の大群)の悲痛な叫びが、心ある経済人・政治家群により受け止められ、日本社会の長期的発展を真剣に考える経営人・経済人によって、経営の中において、あるいは政治の場で打開策が打ち出され実現されなければならないだろう。民主主義の今日における真の発展が、求められているということであろう。

 

 

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45日(1) 新首都圏ネットワークの紹介記事より。

 

http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2009/100325a.html

公益社団法人 経済同友会

経済格差を教育格差に繋げないために
−高等教育の機会均等に向けて−

2010
0326

教育問題委員会
委員長 北山 禎介
(三井住友フィナンシャルグループ 取締役社長)

提言要旨

本文

はじめに
1
.我々の問題意識
2
.高等教育の機会均等を阻害する様々な格差
3
.高等教育の機会均等を実現するための方策について
おわりに−さらなる議論に向けて

 

 

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323日 下記のように国立大学法人化も大問題だが、それよりも、「全員任期制」、法人理事長・副理事長など大学の経営と教学の全権力機構を、市当局(その派遣幹部)が握る本学は、首都大学、あるいは大阪府立大学などとならび、およそ大学内部の自主的創造的な自由な意思の統合という面で、根本的問題をはらんでいる。人事と予算をにぎるものに対し民主的意思形成を尊重するよう力を発揮できる大学内部のシステム、すなわち大学構成員による大学自治システム(大学の各組織における選挙制度の復活など)なしには、諦観・諦念に浸され、「いわれたことだけ」をやる空気が大学の隅々まで浸透することになるであろう。大学の空気は、「静穏そのもの」。しかし、その内実は?その精神構造は?

      国の方では、政権交代により、一定の方向転換が期待される状態になっているが、そして、横浜市も新自由主義者の全市長が職を投げ出して去ったのだから、一定の方向転換も期待されるが、そうではないか? 

このままでは、「新自由主義」の地方独立行政法人としての大学は、大学自治の真の拡大どころか、その逆であること、大学外部の市当局・その官僚機構の完全な自由を意味することが、予算削減圧力・文化系を中心とする分野の人員削減と相まって、この間のことで実証されたということになろう。

 

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大学大競争:国立大法人化の功罪/5止 描き切れない将来像

 「(国立大法人化の)背景に、(競争や市場原理を重視する)新自由主義思想で大学は変わらなければならないという考えがあった。法人化後の影を確認することが大事だ」

 2月17日、文部科学省の国立大学法人評価委員会総会。委員の寺島実郎・日本総合研究所会長が口火を切ると、他の委員も「行財政改革と重なり、(大学を活性化するはずだった)法人化の効果はかなり減殺された」「(外部資金を求め)大学の先生が浅ましくなった」「日本の高等教育が競争力を失いつつある」と続けた。

 国立大法人化は、行財政改革の一環として始まり、国からの運営費交付金が毎年1%削減された。国立大学法人法には「高等教育への財政支出の充実」などへの配慮を求める衆参両院の付帯決議があったが、一顧だにされなかった。

 浜田純一・東京大学長は3月3日、国立大学協会長に再任された際の会見で、「法人化で大学間格差が広がったのは事実」と認めた上で、「先の見えない時代だからこそ、大学が日本を支える役割は大きい」と訴えた。

  ■   ■

 「運営費交付金の削減方針を見直します」。昨夏の総選挙で民主党が作成した政策集の言葉だ。ところが、政権交代後も国立大への風向きに変化は感じられない。来年度予算案の運営費交付金も前年度比0・94%減と結局、減らされた。

 文科省幹部は「政策集は次の総選挙までに実現すべき政策。今回は、高校無償化という政権公約を実現する約3900億円を工面する必要があった。国立大がまったく無傷、というわけにはいかなかった」と明かす。

 来年度以降の見通しについても、財務省幹部は「国立大の予算総額は外部資金の獲得などで膨らんでいる。運営費交付金が本当に絞れないぞうきんか、という議論は今後も必要」と冷ややかだ。

  ■   ■

 現政権は、どんな「国立大の将来像」を描いているのか。

 鈴木寛・副文科相は1月、国立大の第1期中期計画が今年度で終わるのを機に「法人化の成果、今後の課題を検証したい」と、作業部会設置を表明した。

 鈴木氏は毎日新聞の取材に「国立大は、文化や価値観を生む拠点として重要だ。前政権の(運営費交付金の)削減方針は撤回し、これからどう増やすかを考えたい」と答えた。さらに少子化時代の国立大の数について、「いつも絞る話、削る話では現場の疲弊を招く。そんなメッセージは出さない」と明言した。一方、「どのように社会に貢献するか、大学自身が描き、国民に発信してもらいたい」と注文もつけた。

 国立大は、今後も社会から税金を投入する対象として認められ、存続できるのか。国民は、そこに何を求めるのか。岐路に立つ国立大は4月から2期目の中期計画へこぎ出す。=おわり(この連載は永山悦子、西川拓、江口一、河内敏康、高野聡、曽根田和久が担当しました)

 

 

 

 

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318日 下記に関する賛同署名は、1000名近くになったようである。政府が、日本と世界の民主主義的理性に耳を傾け、迅速に対応することを望む。

 

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「高校無償化」の就学支援対象から朝鮮学校を除外しないように求める大学教員の要請書を作成しました。

 

2010-03-17

18日(木)に文科省に提出行動を行います

記者会見

 時間 10時30分〜  

 場所 文部科学省記者クラブ

要請書提出

 時間 11時30分〜12時

 

記者会見、要請書提出には一般参加できませんのでご了承ください。後日報告いたします。

会場の関係で、要請書提出前に記者会見することとなりました。

 

賛同者(3月17日、992名)

 

賛同者一覧

賛同者一覧(最終提出版、992名、処理順)

「呼びかけ人」も含めて作り直しました。18日の提出後、しばらくしたら名簿の一般公開は停止する予定です。訂正がある場合などは、msk_univyahoogroups.jp(@は半角)までお知らせください。なお、非常勤講師や名誉教授等についても一律、大学名のみを記してあります。

 

 

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315日 下記の要望に賛同した。(全国国公私立大学の事件情報:本日付

 

**(転送歓迎)**

 

 「高校無償化」の就学支援対象から朝鮮学校を除外しないように求める大学教員の要請書を作成しました。

 

 要請書をお読みいただき、ご賛同いただけるようでしたら、3月15日(月)までに下記の要領にて、 メールでお送りください(事の緊急性に鑑み、期日までに届いた分を16日(火)には提出したいと考えています。短い期間ですがご了承ください)。

 

宛先: msk_univ@yahoogroups.jp

 

お名前:

 

所属大学:

 

職位(任意):

 

メッセージ(任意):

 

*提出する署名にはお名前と所属大学のみを記します。職位(教授、准教授、非常勤講師等)はデータの客観性を担保するために念のために確認させていただくものです。不記入でもけっこうです。

 

 すでにいくつものの声明が出されていますのが、今回の呼びかけは「大学教員として」という立場からのものです。この場合の「大学教員」は広く「大学の教育・研究に携わる者」として、常勤、非常勤、有期雇用などの区別を問わないこととします。もちろん国籍や居住地も問いません。

 

*メッセージをご記入いただいた場合、政府に提出するとともに、報道関係者に公開する可能性があることをご了解ください。不記入でもけっこうです。

 

*最新情報は下記ブログにて更新予定です。

 

http://d.hatena.ne.jp/mskunv/

 

 

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2010316

 

内閣総理大臣 鳩山由紀夫 様

文部科学大臣 川端達夫 様

内閣官房長官 平野博文 様

 

「高校無償化」措置を朝鮮学校に適用することを求める大学教員の要請書

 

 「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」案(以下、「高校無償化」法案)が国会で審議される状況の中、鳩山内閣が朝鮮学校高級部(以下、朝鮮高級学校)をその適用対象から除外する方針を固めたとの報道がなされています。私たちは、大学の教員として教育・研究に携わる者の立場から、朝鮮高級学校のみを適用の対象外とすることに反対します。

 

 現在、少なからぬ朝鮮学校出身者が国・公・私立大学において学んでいます。私たちは、大学の「国際化」という観点から、朝鮮学校出身者を含めて、多様な民族的・文化的バックグラウンドを持つ人びとが相互に対話できる空間を創造することこそが、大学人の責務と考えています。2月末には国連人種差別撤廃委員会において朝鮮学校の除外は人権保護の観点から問題があるという見解が表明されましたが、「子どもの権利条約」(1994年日本批准)において「民族上、宗教上もしくは言語上の少数者、または先住民が存在する国においては、当該少数者または先住民に属する子どもは、自己の集団の他の構成員とともに、自己の文化を享受し、自己の宗教を信仰しかつ実践し、または自己の言語を使用する権利を否定されない」(第30条)と定めていることを思い起こす必要があります。私たちは、教育の理念は、「子どもの権利条約」や「人種差別撤廃条約」に示された普遍的な人権に基礎づけられねばならないと考えます。

 

 高校無償化の対象から朝鮮学校を除外するとすれば、すでに公立学校・私立学校にくらべて大きな経済的負担を強いられている朝鮮学校の関係者に、さらに大きなハンディキャップを課すことになります。くわえて高校無償化の財源を特定扶養控除の圧縮によって確保することになれば、朝鮮学校生徒の保護者にとってはむしろ負担増となります。個々人の出自や信条にかかわらず、多様なルートで高等教育にアクセスする機会が日本社会に在住するすべての若者に等しく保障されねばならないと私たちは考えます。

 

 朝鮮高級学校の除外案が、「拉致」問題と朝鮮学校とを結びつける発想から出てきていることは明らかです。外交ルートで教育内容を確認できるかどうかという基準は、朝鮮学校の排除という方針を別のことばで表現したものに過ぎません。また、政府が第三者評価組織を設け、朝鮮高級学校の教育内容が「高校の課程に類する課程」であるかどうかを判断するとの報道もありますが、すでに多くの国立大学が高等学校専修課程の基準(修了に必要な総単位時間数2590単位時間以上、普通教科の総単位時間数420単位時間以上)を準用して朝鮮学校の入学資格を認め、文科省もこれを認めてきた以上、これはすでに解決済みの問題です。つまり今回の政府案は、外交上で解決されるべきことがらを教育問題に不当にすり替えるものに他なりません。

 

 のみならず、私たちは、朝鮮高級学校の排除が、今日の日本における排外主義的な風潮と軌を一にしていることを憂慮しています。近年、在日朝鮮人に対して公然と差別的な言動を行なう動きが現れています。最近では、数名のグループが京都の朝鮮初級学校に押しかけて、「朝鮮学校を日本から叩き出せ」などの罵詈雑言を浴びせる出来事が起こりました。朝鮮学校除外を主張する日本政府および政治家の姿勢は、そうした排外主義的・暴力的な行為の裏付けにすらなりうるものであり、鳩山首相が所信表明演説で述べた「友愛」の精神を自ら投げ棄てるに等しいものです。

 

 私たちは、鳩山由紀夫内閣総理大臣および川端達夫文部科学大臣、平野博文内閣官房長官に対し、高校無償化制度について、朝鮮高級学校を含む全ての外国人学校を対象とする制度とするよう強く求めます。

 

呼びかけ人(313日現在、あいうえお順)

 

板垣竜太(同志社大学)、鵜飼哲(一橋大学)、内海愛子(早稲田大学)、駒込武(京都大学)、坂元ひろ子(一橋大学)、高橋哲哉(東京大学)、外村大(東京大学)、冨山一郎(大阪大学)、仲尾宏(京都造形芸術大学)、中野敏男(東京外国語大学)、藤永壮(大阪産業大学)、水野直樹(京都大学)、三宅晶子(千葉大学)、米田俊彦(お茶の水女子大学)

 

賛同者

 

2010-03-13

賛同者一覧

賛同者一覧(31609:30時点、900名、処理順)

 

 

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312日 

[public-peace:9378] ユダヤ人の起源―歴史はどのように創作されたか(転送)

 

------------転送・転載歓迎-------------------------

 

ユダヤ人の起源 −−歴史はどのように創作されたのか

 

 

1960年代イスラエル、共に反占領運動を行った

広河隆一の同志であり親友である

シュロモー・サンドの著書

『ユダヤ人の起源 -歴史はどのように創作されたのか』

イスラエルでベストセラーとなった本書の日本語訳 出版記念イベント

 

 

古代ユダヤ人の子孫はパレスチナ人なのではないか?

創られた歴史を語る!

 

【日時】4月1日(木)

開場:1830分/開演:19時/閉演:2120

 

【会場】文京シビックホール 小ホール

(地下鉄春日駅・御楽園駅徒歩3分)

【内容】

●アーカイブス版DVD「NAKBA(ナクバ)」より

「ユダヤ人のアイデンティティ」上映 (監督:広河隆一)

    

●板垣雄三氏(東京大学名誉教授)による講演

    

●広河隆一(DAYS JAPAN編集長)による

     『ユダヤ人の起源』(シュロモー・サンド著)

     解説・講演

              

●DVD『DIGNITY(ディグニティ)』パレスチナ編上映

(写真:広河隆一/音楽:青柳拓次)

 

【入場料】500円(予約制)

 

【ご予約・お問い合せ】

広河隆一事務所 

FAX:03-3322-0353

E-mail: hiropress@daysjapan.net

【共催】広河隆一事務所/DAYS JAPAN

 

シュロモー・サンド(ユダヤ人・テルアビブ大学教授)の新著「ユダヤ人とは誰か」には次のような衝撃的な内容が書かれています。

 

聖書はいつ書かれたのか。その記述はどこまで史実と合致するのか? 

ダビデやソロモンの王国ははたして実在したのか?

イスラエルの考古学発掘調査は何を明らかにしたか?

ユダヤ人はローマに追放されて2000年間の離散をしたというが、それを否定する史料が多いのはなぜか。

イエメン、北アフリカ、カスピ海一帯で、改宗したユダヤ人の王国が誕生したのはなぜか。

ナチスが殺したユダヤ人たちは、ユダヤ「民族」ではなく、ユダヤ教に改宗した人々だった可能性はあるのか?

イスラエルを建国したユダヤ人たちは、どこから来たのか?

聖書時代のユダヤ人の血をひく人々は実はパレスチナ人である可能性が高いという説が、

初代イスラエル首相や2代イスラエル大統領の著作に書かれているというのは、本当か?

そのことについてイスラエルの遺伝子学者たちも示唆しているのは本当か?

それでは現在のパレスチナ問題とは

 

この本はイスラエルで出版され、19週にわたりベストセラーを続け、フランスでも賞を受けました。

さらに英語版に続き、世界でセンセーションを巻き起こしながら、13か国語に翻訳中です。

 

 

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パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭

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310日 今日は、1945年、東京大空襲の日。日本の基地問題、安保体制問題、などを考えるにはいい機会であろう。

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小林正弥です。普天間問題のシンポジウムの案内です。

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3.203.20

シンポジウム普天間いま

日本の選択を考える

●日米安保と環境の視点から

現在、鳩山政権にとって最大の“難題”といわれているのが、沖縄の普天間基

地問題です。 この問題は、沖縄県民だけの問題ではありません。仮に日米安保

を容認し、その「抑止力」を必要とすると考えたとしても、負担は日本国民に平

等でなければならないでしょう。普天間問題が日米安保体制そのものを脅かす

どの重要性・緊急性を持っているのか、大いに疑ってみる必要がありますし、

らには、この問題は、そろそろ冷戦時代の安保条約や「抑止力」という発想から

脱却しなければならないことを要請しているといえないでしょうか。

本シンポジウムは、2010 年1月に公表された340 名の本土の学者・知識人の

声明の趣旨を受けつつ、より広く、また深く、普天間をはじめとする沖縄基地問

題を考え、議論していく、第一歩として企画したものです。

 

発言:加賀乙彦(作家) 宇沢弘文(東京大学名誉教授)宮本憲一(大阪市立大

学名誉教授)ほか

講演:桜井国俊(沖縄大学長) 佐 藤 学(沖縄国際大学教授)

パネルディスカッション桜井国俊・佐 藤 学・川瀬光義

司 会 遠藤誠治・古関彰一・明田川融

主催:法政大学沖縄文化研究所・普天間緊急声明呼びかけ人(予約は不要ですが

人数把握のためあらかじめ連絡いただければ幸いです。

お名前、連絡先、所属を明記してください)

【日時】2010 3 20 ( ) 午後2 時〜 5 時(開場午後1時30 分)

【会場】法政大学市ヶ谷キャンパス外濠校舎6階 薩 (さった)ホール【アク

セス】JR 総武線市ヶ谷駅・飯田橋駅、都営新宿線市ヶ谷駅、東京メトロ有楽町

線市ヶ谷駅または飯田橋駅、 東京メトロ東西線飯田橋駅、東京メトロ南北線市

ヶ谷駅または飯田橋駅、いずれも徒歩10分【資料代】500 円/

【お問い合わせ】futenma.sympo.q@gmail.com

【予約】futenma.sympo@gmail.com(連絡先:0332649393

*    *    *

小林正弥

公共哲学ネットワーク代表

地球平和公共ネットワーク代表

           public-philosophy@mbj.nifty.com

http://public-philosophy.net/

http://global-public-peace.net/

 

【公共哲学ネットワーク/地球平和公共ネットワーク】

 

 

 

MLホームページ: http://www.freeml.com/public-peace

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31日 教員組合週報をいただいた。わが大学の今日の問題が、憲法の保障する大学自治とは何か、学問の自由とはなにか(「憲法23条」と解説:芦部『憲法』)を考えたことのある人、考えている人には、歴然とするであろう。

 

---横浜市立大学教員組合報2010.2.25-----

 

横浜市立大学教員組合報

 

組合ニュース

2010.2.25 

 

もくじ

 

 

 

●4(5)人目の休職者 〜 あいつぐ教員の休職

●結局たらい回しですか 〜 副学長・学部長等の異動人事

●数値目標 〜 大学を破壊する人件費削減数値目標

●年俸制規定改訂提案に関する対応

○代議員会・総会が開催されました

○執行委員選挙 〜 かならず投票を!

 

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●4(5)人目の休職者 〜 あいつぐ教員の休職

 

 

 

 教員組合が把握したところによると、八景キャンパスの教員から本年度4人目(休職のまま退職してしまった教員を含めると5人目)の休職者が2月より出た模様である。八景キャンパスの教員数は100名ほどなので、4〜5%の休職率となる。前号の組合ニュースでも触れたが、一般の労働者の休職率が0.5%程度なのにもかかわらず、東京都公立学校教員の休職率が1%にもなり問題視されているわけだが、本学の休職率はそれをもはるかに超える。

 

大学破壊以降に発生したこの問題の原因は明らかである。横浜市派遣職員によって強要された、全員任期制と過剰なコマ負担(さらには過大な講義、ゼミ負担)に他ならない。将来に対する展望もなく、労働がここまで強化されたならば、身体をこわすのは当然である。

 

なお、横浜市派遣職員は、この問題に関して(を含めて)、新たに書類書きを要求したり、研修を強要したりすることは厳に慎んでもらいたい。それらは貴方たち役人の保身には役に立つのかもしれないが、教員を更に疲弊させる。全員任期制を撤廃し、過剰なコマ負担(さらには過大な講義、ゼミ負担)を解消する。行わなければならない処方箋はあまりにも明らかである。

 

 

 

●結局たらい回しですか 〜 副学長・学部長等の異動人事

 

 学部長、副学長等の人事が出た模様である。八景キャンパスにおいては非常に高い組織率を誇る教員組合が、webに出るまで知り得なかったわけだから、完璧なまでに一般教員とは隔離された出来事である。

 

それにしても遅い。4/1付け人事を1週間ほど前に内示される横浜市派遣職員の習性からすれば十分に早いのかもしれないが、大学の人事としては非常識な遅さである。研究教育から離れ(あるいはもともとせず)、腹話術の人形に堕している人間の間で管理職を回している分には(空)回っているのだろうが、来年度のカリキュラムも固まったこの時期になると、まともな教員の場合、管理職減担を使おうにも、非常勤講師探しにすら困難を生じる。毎度のことながらコース長探しに苦労しているようだが、当然であろう。

 

普通の大学同様、秋にきちんと選挙を行い、一般教員からの人望を備えた管理職を確保した上で、カリキュラムや委員を決めていかねばならない。(空)回っている上級管理職はこのさいどうでもよいが、最低限の現業を動かさざるを得ないコース長や、入試、教務等委員の決定の遅れは、大学の業務自体をも危険に陥れる。

 

 

 

●数値目標 〜 大学を破壊する人件費削減数値目標

 

 

 

  前回の中期計画が大学を破壊している。「東大ですら達成していない」と声を荒上げた教員管理職もいたのにも関わらず、6年前(とうの昔に関内帰還済み)の横浜市派遣職員により、人件費比率50%という数値目標が現在の中期計画に入れられたそうだ。この間、入れ替わり立ち替わり現れた横浜市派遣職員は、設定されたこの数値目標を闇雲に守るべく、採用を押さえ続けた。大学業界をまったく知らない無知蒙昧は恐ろしい。入学定員の2/3が理科系であり、数多くの付置研究所を持ち、日本一の設備を誇る東京大学ですら人件費比率が50%を超えていた時期に、なんの根拠もなく設定された模様である。現在東京大学の人件費比率は49.9%になっているそうだが、入学定員の2/3が文科系の横浜市大ではあり得ない比率である。当局も、さすがにこの目標の非常識さに気づき、達成を諦めているようではあるが、毎度のことながらこの目標を設定した横浜市派遣職員は学内から消えている。

 

 今、新たなる中期計画が横浜市派遣職員中心に策定されようとしているが、6年前の失敗の繰り返しを恐れる。横浜市派遣職員が大学経営のプロであるはずもなく、また中期計画実施に責任を持つわけではない。無責任な計画は大学を抹殺しかねない。

 

 本学に余剰人員がいるとしたら、学生と直接ふれあっている教員や固有職においてではなく、それら現業部門を疲弊させることしかできない横浜市派遣職員が巣くう間接部門においてである。中期目標に入れるべき数値目標は、横浜市派遣比率0%以外にはない。

 

 

 

●年俸制規定改訂提案に関する対応

 

教員の給料表の改定についてとの副理事長(田中克子)名の文書

 

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 公立大学法人横浜市立大学職員年俸制規定に定める

 

 給料表の改訂を提案します。

 

 1提案内容

 

   公立大学法人横浜市立大学職員年俸制規定に定める年俸について

 

   3%程度の減としたい。

 

 2改定予定日

 

   平成22年4月1日

 

 3回答期限

 

平成22年2月16日

 

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を2日(火)に受け取り、10日(水)の拡大執行委員会での検討を踏まえ、12日(金)に下記回答書で対応しました。人事課を始め管理部門は、今横浜市派遣の公務員ばかりですので、今後も、民間事業所になったのにもかかわらず、あたかも公務員であるかのような間違った対応がなされないように、注意していきたいと思っております。

 

 

 

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 平成2222日に人事課より手交された

 

給与表の改訂に関する文書について下記のとおり回答を提出します。

 

 

(1)労働条件の一方的切り下げは認められない。

 

(2)提示された文書は杜撰に過ぎ、

 

給与改定についての明確な根拠さえ示されていない。

 

(3)2/2提示で2/16決着を図ろうというのは拙速で、

 

実質的な誠実交渉の意図がないと考えざるを得ない。

 

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○代議員会・総会が開催されました

 

 1/28(木)に下期代議員会、2/8(木)に下期総会が行われました。活動方針は基本的に堅持されておりますが、理科系の先生方からの提案もあり、研究費に関わる部分が、代議員会で、

 

      ○競争的研究費を廃止し、教員の基本的職務を支える基礎的研究費の維持・増額を求める

 

と強化された上で、さらに総会で

 

      ○学長裁量的経費の審査・配分基準の明確化および結果の公表を求める

 

という文言が強化されました。

 

 

 

○執行委員選挙 〜 かならず投票を!

 

 学長選も無く、学部長選も無く、人事権・カリキュラム編成権も取り上げられた教授会代わりの代議員会ですら、その半数しか直接選挙で選べないこの横浜市公務員の植民地において、選挙が保証された唯一の組織かもしれません。大学教員の意識の高さを示すべく、是非投票をお願いします。

 

 

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219日 昨日、たまたま大学食堂(シーガルホール)で昼食が一緒になった時、同僚から、「新学部長は・・・」という話を聞いて、驚いた。法人が決定して、すでに大学HPには掲載されているという。学部を構成する一般教員が全く知らないところで、学部長が決められ、ほとんどの教員は、4月になって、年に一回開催されるだけの形式的な報告事項だけの「教授会」において、新学部長がいかなる人物であるかを知ることになる、というわけである。全国のまともな大学(自治の機能している大学)なら、信じられないようなことが起こっていることは、誰にでもわかるのではなかろうか。

      そのような自治破壊状態において行われる「教員評価」は、どこに客観性があるのであろうか?

評価される側が、評価する側を評価するシステム(その一つの方法が秘密自由の評価権者学部長や学長に関する選挙・投票であるが)がないところで、ことは進められることになる。

さまざまのレベル・さまざまの構成体におけるピア・レヴューこそがますます求められる現在において、その逆を行っていることになる。

こうしたことが平気で行われるのは、そうしたピアレビューによる評価制度のない組織の出身者たちにおいてであろう。

 

 

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217日 教員組合ニュース(2月1日号)を掲載しておこう。

 

 

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浜市立大学教員組合報

 

 組合ニュース

 

2010.2.1

 

もくじ

 

●大学職員

●天下りより出向が問題

●文部科学省様助けて下さい

red tapeと説明責任

●4単位の憲法

 

 

●大学職員

 

 昨年末の組合ニュースでも紹介させて頂いた、『全大教新聞』の2009年12月10日号の記事http://homepage3.nifty.com/ycukumiai/kumiai-news/zendaikyo091210.jpg)が、ご好評をいただいているようで、こそばゆい限りである。各方面からご注目頂いた図表の横にもきちんと示してあるのだが、このグラフは、200169日の『日本経済新聞』に山本真一筑波大学教授(現広島大学教授)が寄せられた文章の中にあったデータをグラフ化したものに過ぎない。組合が市場原理主義の本拠地とも揶揄される日経を肯定的に引用するのも珍しいかもしれないが、さらに付け加えるならば、この山本真一という方は、大学教育に関する多くの著書をお持ちではあるものの、出自は文部官僚である。

この文章の中で山本氏は「国公立の事務局長はその年数が極端に短い。その上、公立では中堅職員についても短い」「公立では、昨日まで知事部局に勤務していた「素人」の職員が、人事異動の一貫でたまたま大学に来ているという状況があるからである」(「」も原典のまま)と指摘した上で、「公立では、大学職員そのものの専門性育成が課題ではあるまいか」とまで言い切っている。さらにこの文章を踏まえて日経は「国公立大学が独立行政法人化されれば、経営手腕のない大学は生き残れなくなる。人事システムの見直しが必要だ」としている。

 今回の大学破壊を肯定的にとらえる一般教員が一人もいないことは明らかだが、唯一よかったことがあったとすれば、入試、教務などの大学の生命線における、市派遣職員から専門職へのポストの置き換えだったかもしれない。学生課で学生を知り、教務課でカリキュラムを組み、入試課で社会の評価を実感する職員が、人事課、経営企画課などの間接業務にまで進ようになったらどれだけすばらしいだろうと、私学では当然のことに小さな夢を抱いた一般教員もいる。そして独立行政法人化にはそのような方向性があったはずである。

人を育てることがその主要任務である大学において、自前の固有職すら育てられないのでは、鼎の軽重が問われることになる。関内の地方公務員が固執する、Professor(教授)、Associate Professor(准教授)に任期制を強いるシステムは、日本を含む世界の非常識であるが、職員に将来展望を持ちづらくさせる任期制を強いるシステムも、特段の能力があるわけでもない出向役人が権力を振るうための具にしかなっていない。

 

●天下りより出向が問題

 

1月28日の各紙の報道によると、横浜市は、OB職員の外郭団体への「天下り」について、年齢、在職期間、役員報酬に上限を設けるなどの見直し案を公表した。本学の理事長、事務局長なども引っかかってくるであろう。但し、対応は十二分に可能である。国立大学のように「きちんと構成員の選挙で選ばれた学長」が理事長を兼務するならばポストすら一つ減らせるわけだし、事務局長も私学から得ることができる。

しかし、実際のところ、公立大学において天下りより大きな問題は設置者からの出向である。池田輝政、伊藤公一らの大学破壊の率先者はもちろん、独法化以前においても、関内での出世のみを狙って、短期的な功を焦り、長期的な視点もなく、大学を単なる踏み台としておかしくした輩は多い。

大学は、一人の学生が過ごす期間だけでも4年間かかるわけで、短期的に異動を繰り返す地方公務員にふさわしい職場ではない。また、公立大学職員になることを望んで公務員試験を受けるものがいるとも思えない。こういった大学職員としての素養がない地方公務員がいじくるから、公立学校は、学校と一蓮托生の教職員が運営する私学に劣ることになってきてしまっているのである。

独法化前後から脱出する教員が多く、毎年のようにゼミを変えられる学生が相次いだ。私立一流校が多くのOBに愛校心を持たれ、支えてもらえるのは、直接教わった教員が卒業後何年経っても学舎に残っていてくれるからである。強制的な配置転換によって公立高校の水準を私学より貶めた地方公務員は、まったく無反省に、全員任期制を強要して大学にまでその失敗を拡散しているのである。

 

●文部科学省様助けて下さい

 

 『朝日新聞』2010年1月10日29面の、文部官僚から東京都品川区立大崎中学校校長に出向している浅田和伸氏へのインタビュー記事である。「教職員の忙しさも実感した。多いと週20コマ近くの授業を抱え、それに加えて事前の準備や提出物の点検、採点をする」「土日も休み無く働く教員がいた」

 「多いと20コマ近く」との表現は、たぶん中学、高校の校時で18コマあたりを指すのであろう。横浜市立高校、神奈川県立高校のコマ負担が、標準16コマで14コマの教員もいるという状況なので、推察がつくところである。

中学高校の校時18コマは、大学の校時に換算すると9コマである。文部官僚出身の浅田氏は、中学校においてこのコマ数を多すぎるとしているわけだが、指導書もなくリピートの授業もほぼ無いために事前の準備がよりかかり、入試も自前で作らざるを得ず、自分自身の市場価値を維持するために研究を捨て去ることもできない大学教員に、9コマのコマ負担を強いるこの大学のカリキュラムは、浅田氏が指摘する区立中学以上に大問題である。実際、大学における9コマ36単位とは、履修する学生にすら週36時間の学習が必要とされる時間である。教師に9コマを負担させれば、要求される書類書きや最低限の会議参加だけで、確実に労基法が定める40時間を超える。

全国の労働者の休職率が0.5%程度なのに対して、東京都の公立学校教員の休職率が1%にもなり問題視されている(2009年11月の各紙報道)わけだが、本学八景キャンパスの教員の休職率はその数倍である。独法化前はほとんど休職者がいなかったわけで、強要する任期制に過剰なコマ負担、人事無策の責任は支配者たる横浜市派遣職員が取らねばならない。

 

red tapeと説明責任

 

独法化以降、役人に書かされる書類が増えている。「エクセルの枠だけ作る役人はいいよな」と減らず口をたたきながらも、言われたものは埋めているわけだが、こういった仕事が教員を疲弊させていることは間違いない。red tapeという英語もあるぐらいで、やたらに書類だけ作らせるのは役人体質そのものであり、学内に多くの横浜市派遣職員が巣くう以上、仕方が無いところもあるのかもしれないが、こういった“努力”にもかかわらず、はっきりしないのが、学内に入ってきたお金の流れである。

 キャンパスごとに業務も大きく異なっている本学においては、本来、事業部制の導入は容易なはずである。それにもかかわらず、どんぶり勘定の決算しか世間の目に触れないのは、重すぎる間接部門(本学の俗語で言う“2階”)の高コスト体質を隠すためのものとの疑いすら生じさせる。

 そもそも大学が説明責任を負うべきStakeholderは誰なのか。大学が行う個々の業務の受益者、そしてその費用負担をしてくれている人々は、その事業ごとに大きく違うであろうが、八景事業所でいうならば、まずは学生であり、背後で授業料を賄ってくださる保護者である。「あり懇」が大学叩きに使おうとして自前で用意してきた資料においてすら、教員一人あたりの学生数が7名であった商学部の学生一人あたりの経費は、学生納付金に、交付団体である横浜市が商学部学生一人あたりに対して国から得ていた地方交付税交付額(基準財政需要額)を加えると、その収入を下回っていた(黒字だった)わけで、ピンハネしている横浜市側に説明責任があったとしても、商学部が横浜市に対してどうこう言われる筋合いはなかったのである。さらに言うならば、国から交付団体である横浜市への商学部学生一人あたりの地方交付税交付額(基準財政需要額)ですら、高卒と大卒の生涯給与の差から国が得る税収の増加分より少ないぐらいの額なわけで、国に対しての説明責任があったかどうかすら疑問である。ましてや、予算の配分者面して間接経費を増やし、書類作りを強いる関内からの派遣者の存在は、特に八景事業所においていかなる正当性を持つのであろうか。

 そして、我々教員も学生に次ぐStakeholderであることは間違いない。間接経費といえば、本学の科研費間接経費の行方もすっきりしない。私学では、きちんと教学サイドが差配している間接経費が、本学では事務サイドにより差配されているようだが、個々の科研費による研究に対して責任を持つ教員は、個々の教員が得ている間接経費の使途に関して説明を受ける権利があるのでは無かろうか。

 

●4単位の憲法

 

 研究費の付加交付分が削られることになるらしいという噂が流れている。最も代表制に欠ける研究院が出所なのではっきりしないが、学長裁量扱いにするつもりらしい。既に教員組合では、現在の奨励交付金の審査・配分基準に対する疑問の声が強い。現行の審査・配分基準も不明朗なわけだが、学長裁量にして、学長の職にあるものが責任ある審査を行い得るのであろうか。本学は、人文・自然・社会の三分野に、医学・看護学を加えた、小なりとも総合大学である。そのような多分野に対する審査を学長が一手に引き受けても、非効率な予算の個所付けになるのが落ちであろう。さらに、現在の学長の顔を思い浮かべると、公平な判断を試みようとするかどうかさえ疑念が持たれる。

次期中期計画に向けて、改めて現行カリキュラムを見る。本学の教育をおかしくしている共通教養の問題の一つが、1年次の2単位化入門科目である。国内外の一般大学では4単位で行っている科目を2単位にしているわけだから、その後の教育に苦労するのは当然である。ところが、全ての科目が2単位として仕切られている中に、4単位という目立った数字を持つ科目があるのにお気づきであろうか。憲法である。これは、2単位化が強行された最終段階に居座っていた法学者が、その場で恣意的に変更したためにおかしなことになっているのである。

このような学長の下、学長裁量的に研究費の配分を行ったならば、研究の推進を行うものではなく、政治的に使われることになるのは想像に難くない。むしろ、大学破壊に手を貸すようなインセンティブとされる恐れも大きい。戦略的な研究奨励は国に任せ、大学は、基礎的な研究環境を整えることにその微々たる研究費を広く活用すべきである。そして、科研費を始め国の研究費は、大学の研究費に対しそのようなことを期待する仕組みになっているのである。

 

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115日 教員組合ニュース(12月19日)が、大学自治を巡る最新の情勢を伝えている。

2009.12.19

【教員組合週報】(HTML)

 

 

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13日 謹賀新年

     

     さて、今年は次期中期目標の策定に重要な年となるが、大学の改革はどのようになるであろう。

     大学の前に提示されている地球的人類的課題、その日本や横浜での具体的課題をどのようにとらえるか。

大学人一人一人に問われているのであろうが、それを民主的に吸収するシステムはない。

     その意味では、下からの民主主義、草の根からの民主主義の前進が、引き続きなお今年の課題であろう。その実現度に応じて、大学人の主体的な活動がより前進することになろう。