利潤率を引き上げるために、充用される不変資本(機械、設備、原料など)を節約することは、資本(企業、法人)にとって、激しい競争のなかでは、死活の重要性になる。
資本、企業のそのための激しい努力は、働くものにとっては、労働条件、働く条件の劣悪化や非人間化をもたらす。
このせめぎあいが、歴史の現実である。
長期的に見れば、人類は、資本の論理、資本の自由をできるだけ抑えつつ、人間的自由、人間の尊厳、人間的生活を守り、発展させてきたといえよう。
しかし、不況などになると、突然、「サービス残業」など非人間的な現実が押し寄せてくる。
第三巻
第一篇
第五章
不変資本充用上の節約
第一節 概説
第二節 労働者を犠牲としての労働条件の節約
第三節 発動、伝動、建物の節約
第四節 生産の排泄物の利用
第五節 発明による節約