法体系と地方公共団体の条例との関係に関しては、
------芦部信喜『憲法(第三版)』(岩波書店、2002年)、一三ページ:「国法秩序の段階構造」----------
国法秩序は,形式的効力の点で、憲法を頂点とし,その下に法律→命令(政令,府省令等)→処分という順序で,段階構造をなしている・・・・・この構造は,動態的には,上位の法は下位の法によって具体化され、静態的には,下位の法は上位の法に有効性の根拠を持つ、という関係(ケルゼンの法段階説) ・・・・
条約は公布されると原則として国内法としての効力を持つが,その効力は通説によれば,憲法と法律の中間に当るものと解されている。実務の取扱いもそうである。ただ、98条2項にいう「確立された国際法規」すなわち、一般に承認され実行されている慣習国際法を内容とする条約については,憲法に優位すると解する有力説がある。
地方公共団体の条例・法規は、「法律・命令」に準ずるものとみることができるので(第一七章二3参照)、それに含まれると解される。
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関係基本法体系と法秩序の段階構造(法令データ提供システム)
1. 憲法
2. 教育基本法
3. 学校教育法
4. 教育公務員特例法、
5. 大学設置基準
6. 国立大学法人法
7. 地方独立行政法人法(公立大学法人)
以上の基本的法体系・基準とそれらに依拠した学則の体系、および学部教授会規定を、人事案件に間しては、綜合的にきちんと整理して、検討する必要がある。
独断専行的、行政的介入は、違法なもの(地方自治体制定の「定款」や「条例」など。憲法の下位の諸法規が憲法規程・憲法原理を破壊して言い訳がない)として、排除・制止すべきものである。
本学の法解釈の問題性に関していえば、全法体系のなかで適切に条例を位置付けるのではなく、条例第一主義を主張する人々がいる。事務職員の規則を教員に強引にあてはめようとするやり方などにその態度が現れている。