関係基本法体系法秩序の段階構造(法令データ提供システム

1. 憲法

2. 教育基本法

3. 学校教育法

4. 教育公務員特例法

参考:関連見解関連意見

5. 大学設置基準 

6. 国立大学法人法

7. 地方独立行政法人法(公立大学法人)

 

以上の基本的法体系・基準とそれらに依拠した学則の体系、および学部教授会規定を、人事案件に間しては、綜合的にきちんと整理して、検討する必要がある。

 独断専行的、行政的介入は、違法なもの(地方自治体制定の「定款」や「条例」など。憲法の下位の諸法規が憲法規程・憲法原理を破壊して言い訳がない)として、排除・制止すべきものである。

 

 

 

 

 権利としての「大学の自治」の侵犯に対し、「全力を賭して戦う」のは、つぎのような「大学憲章」が宣言する大学の基本理念であり、大学人の義務である。

大学人も市民の一人であるが、まさに学問の自由・大学の自治は、市民・国民の知る権利の重要な構成要素であり、市民一人一人も、自分の知る権利が奪われる問題として、学問の自由、大学の自治を守るために、連帯する必要がある。

 

本学の法解釈の問題性に関していえば、全法体系のなかかた条例第一主義を主張する勢力がいることである。職員の規則を教員に強引にあてはめようとするやり方などにその態度が現れている。

法体系と地方公共団体の条例との関係に関しては、

 

------芦部信喜『憲法(第三版)』(岩波書店、2002年)、一三ページ:国法秩序の段階構造---------- 

国法秩序は,形式的効力の点で、憲法を頂点とし,その下に法律→命令(政令,府省令等)→処分という順序で,段階構造をなしている・・・・・この構造は,動態的には,上位の法は下位の法によって具体化され、静態的には,下位の法は上位の法に有効性の根拠を持つ、という関係(ケルゼンの法段階説) ・・・・

条約は公布されると原則として国内法としての効力を持つが,その効力は通説によれば,憲法と法律の中間に当るものと解されている。実務の取扱いもそうである。ただ、98条2項にいう「確立された国際法規」すなわち、一般に承認され実行されている慣習国際法を内容とする条約については,憲法に優位すると解する有力説がある。

地方公共団体の条例・法規は、「法律・命令」に準ずるものとみることができるので(第一七章二3参照)、それに含まれると解される。

 

 

 

 

----------総合理学研究科・佐藤真彦教授HPより---------------------------

 

日本国憲法23条(学問の自由)

憲法23条:

 

「学問の自由はこれを保障する」

 

国立大学独立行政法人化の諸問題より)

 


 

芦部信喜『憲法』岩波書店より


「憲法23条は、『学問の自由は、これを保障する』と定める。……学問の自由の保
障は、個人の人権としての学問の自由のみならず、とくに大学における学問の自由を
保障することを趣旨としたものであり、それを担保するための『大学の自治』の保障
をも含んでいる。」(134頁)


「2 学問の自由の保障の意味
 (1)憲法23条は、まず第一に、国家権力が、学問研究、研究発表、学説内容な
どの学問的活動とその成果について、それを弾圧し、あるいは禁止することは許され
ないことを意味する。とくに学問研究は、ことの性質上外部からの権力・権威によっ
て干渉されるべき問題ではなく、自由な立場での研究が要請される。時の政府の政策
に適合しないからといって、戦前の天皇機関説事件の場合のように、学問研究への政
府の干渉は絶対に許されてはならない。『学問研究を使命とする人や施設による研究
は、真理探究のためのものであるとの推定が働く』と解すべきであろう。
 (2)第2に、憲法23条は、学問の自由の実質的裏付けとして、教育機関におい
て学問に従事する研究者に
職務上の独立を認め、その身分を保障することを意味す
る。すなわち、教育内容のみならず、教育行政もまた
政治的干渉から保護されなけれ
ばならない。」(136頁)


「3 大学の自治
 学問研究の自主性の要請は、とくに大学について、『大学の自治』を認めることに
なる。大学の自治の観念は、ヨーロッパ中世以来の伝統に由来し、大学における研究
教育の自由を十分に保障するために、大学の内部行政に関しては大学の自主的な決定
に任せ、大学内の問題に外部勢力が干渉することを排除しようとするものである。そ
れは、学問の自由の中に当然のコロラリーとして含まれており、いわゆる『制度的保
障』の一つと言うこともできる。
 大学の自治の内容としてとくに重要なものは、学長・教授その他の研究者の人事の
自治と、施設・学生の管理の自治の二つである。
ほかに、近時、
予算管理の自治(財
政自治権)
をも自治の内容として重視する説が有力である。


 (1)人事の自治  学長・教授その他の研究者の人事は、大学の自主的判断に基
づいてなされなければならない
。政府ないし文部省による大学の人事への干渉は許さ
れない。1962年(昭和37年)に大きく政治問題化した大学管理制度の改革は、
文部大臣による国立大学の学長の選任・監督権を強化するための法制化をはかるもの
であったが、確立された大学自治の慣行を否定するものとして、大学側の強い批判を
受け挫折した。」(137頁)