11月30日(2) 「全国国公私立大学の事件情報」にアクセスして、本学元教授佐藤真彦先生HPが紹介されていることを知った。現在の教育基本法の初心・核心をしめすものであり、この貴重な現在の基本法の改悪で何が行われようとしているのかがはっきりする。教育基本法の理念と内容が優れたものであることは、その解説の崇高さにも反映している。このような優れた内容をもつ教育基本法を、「就職」、「良い成績」、「立身出世」などによって、また時の政府・与党・その支持者の利益のためにないがしろにし、切り刻んできたのが、教育基本法の歴史であろう。国民がなすべきは、この崇高な教育基本法・その理念を今こそ、全国津々浦々、草の根から活性化させることであろう。

 

 

文部省著作教科書『民主主義(上・下)』(19481949年刊)、「学校教育の刷新」「個人主義」

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ●(1)【学校教育の刷新】、(2)【個人主義】:文部省著作教科書『民主主義(上・下)』(19481949年刊)より

(1)【学校教育の刷新】、(2)【個人主義】:文部省著作教科書『民主主義(上・下)』(19481949年刊)より

 「日本国憲法」および「教育基本法」が施行された直後に、文部省著作教科書『民主主義(上・下)』(19481949年刊)が中学・高校用の社会科教科書として発行され、1953年まで使用された。そこには、戦前の国家主義・軍国主義とその無残な結末への痛切な反省とともに新しい「民主主義」実現への希望が熱く語られていた。その中から、【学校教育の刷新】および【個人主義】に関する箇所を抜粋した。半世紀以上たった現在、文部科学省と自民党政権が目指しているものは、皮肉にも、かつて自らが“熱く”語っていた「民主主義」そのものを否定し圧殺することにほかならない。

(1)【学校教育の刷新】(第十四章 民主主義の学び方、二)

 ・・・(略)・・・

 これまでの日本の教育は、一口でいえば、「上から教えこむ」教育であり、「詰めこみ教育」であった。先生が教壇から生徒に授業をする。生徒はそれを一生けんめいで暗記して、試験を受ける。生徒の立場は概して受け身であって、自分で真理を学びとるという態度にならない。生徒が学校で勉強するのは、よい点を取るためであり、よい成績で卒業するためであって、ほんとうに学問を自分のものにするためではなかった。よい成績で卒業するのは、その方が就職につごうがよいからであり、大学で学ぼうというのも、主としてそれが立身出世のために便利だからであった。そのような受け身の教育や、手段としての勉強では、身についた学問はできない。それどころか、多くの人々は、試験が済んだり、学校を出たりすると、それまで勉強したことの大半は忘れてしまうというふうでさえあった。

 そのうえに、もっと悪いことには、これまでの日本の教育には、政府のさしずによって動かされるところが多かった。だから、自由な考え方で、自主独往の人物を作るための教育をしようとする学校や先生があっても、そういう教育方針を実現することはきわめて困難であった。しかも政府はこのような教育を通じて、特に誤った歴史教育を通じて生徒に日本を神国であると思いこませようとし、はては、学校に軍事教練を取り入れることを強制した。「長いものに巻かれろ」という封建思想は、教育者の中にも残っていたし、政府の権力は反対を許さないほどに強いものであったために、日本の教育は「上からの権威」によって思うとおりに左右されるようになり、たまたま強く学問の自由を守ろうとした学者は、つぎつぎに大学の教壇から追われてしまった。このようにして、政治によってゆがめられた教育を通じて、太平洋戦争を頂点とする日本の悲劇が着々として用意されていったのである。

 がんらい、そのときの政策が教育を支配することは、大きなまちがいのもとである。政府は、教育の発達をできるだけ援助すべきではあるが、教育の方針を政策によって動かすようなことをしてはならない。教育の目的は、真理と正義を愛し、自己の法的、社会的および政治的の任務を責任をもって実行していくような、りっぱな社会人を作るにある。そのような自主的精神に富んだ国民によって形作られた社会は、人々の協力によってだんだんと明るい、住みよいものとなっていくであろう。そういう国民が、国の問題を自分自身の問題として、他の人々と力を合わせてそれを解決するように努力すれば、しぜんとほんとうの民主政治が行われるであろう。制度だけが民主主義的に完備しても、それを運用する人が民主主義の精神を自分のものにしていないようでは、よい結果はけっして生まれてこない。教育の重要さは、まさにそこにある。

 ことに、政府が、教育機関を通じて国民の道徳思想をまで一つの型にはめようとするのは、最もよくないことである。今までの日本では、忠君愛国というような「縦の道徳」だけが重んぜられ、あらゆる機会にそれが国民の心に吹きこまれてきた。そのために、日本人には、何よりもたいせつな公民道徳が著しく欠けていた。

 公民道徳の根本は、人間がお互いに人間として信頼しあうことであり、自分自身が世の中の信頼に値するように人格をみがくことである。それは、自分の受け持っている立場から、いうべきことは堂々と主張すると同時に、自分のしなければならないことを、常に誠実に実行する心構えである。社会共同の生活を営むすべての個人は、それぞれその受け持つ仕事を誠意をもってやりとげていく責任がある。人々が、おのおのその責任を重んじ、そのうえでお互に信頼しあい、協力しあうのでなければ、民主主義の理想はとうてい実現できない。その意味で、われわれは、日本人をこれまで支配してきた「縦の道徳」の代わりに、責任と信頼とによって人々を結ぶ「横の道徳」を確立していかなければならない。・・・

(2)【個人主義】(第八章

 

 

(2)【個人主義】(第八章 社会生活における民主主義、三)

 

 人間を個人として尊重する立場は、個人主義である。だから、民主主義の根本精神は個人主義に立脚する。軍国主義の時代の日本の政治家や思想家たちは、民主主義を圧迫した。したがって、その根本にある個人主義を、いやしむべき利己主義であるとののしった。しかし、これほど大きなまちがいはない。個人主義は、個人こそあらゆる社会活動の単位であり、したがって、個人の完成こそいっさいの社会進歩の基礎であることを認める立場である。すべての個人が社会人としてりっぱになれば、世の中は自然とりっぱになる。個人個人の生活が向上すれば、おのずと明かるい幸福な社会が作り上げられる。ゆえに、尊重さるべきものは、「一部の人間」ではなく、ましていわんや「おのれひとり」ではなく、生きとし生ける「すべての個人」である。その考え方のどこに、いやしむべき利己主義がひそんでいるであろうか。

民主主義に反対するものは、独裁主義である。ゆえに、独裁主義は個人主義を排斥する。そうして、その代わりに、全体主義を主張する。

全体主義は、個人を尊重しないで、個人をこえた社会全体を尊重する。民族全体とか国家全体とかいうようなものを、一番尊いものと考える。・・・

 独裁者は、国民にそういうことを教えこんで、国民が犠牲をいとわないようにしむける。そうして、これは民族のためだ、国家のためだといって、「滅私奉公」の政策を強要する。その間に、戦争を計画し、戦争を準備する。戦争ほど個人の犠牲を大量に必要とするものはない。だから、戦争という大ばくちをやろうとする者は、国民に、国家のために命をささげるのが尊いことだと思いこませる。道徳も、宗教も、教育も、すべてそういう政策の道具につかわれる。

 全体主義者は、民主主義をけなすために、民主主義は個人主義だから、民主国家の国民は国家観念がうすく、愛国心に乏しいという。愛国心に乏しいから、いくら軍艦や飛行機をたくさん持っていても、戦争には弱いという。それがどんなに大きなまちがいであるかは、今度の戦争でよく証明された。

 民主主義者は、国家の重んずべきことを心得ている。祖国の愛すべきことを知っている。しかし、国家のためということを名として、国民の個人としての尊厳な自由や権利を踏みにじることに対しては、あくまでも反対する。国家は、社会生活の秩序を維持し、国民の幸福を増進するために必要な制度であってこそ、重んぜられるべきである。国民がともに働き、ともどもに助けあい、一致団結して築き上げた祖国であればこそ、愛するに値する。民主主義が最も尊ぶものは、個人生活の完成であり、すべての個人の連帯・協力によって発達して行くところの社会生活である。国家は、さような社会生活の向上・発展を保護し、促進するために存在する政治上の組織にほかならない。・・・

 

 

 

 

 

 

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11月30日(1) 本日、「20世紀の戦争と社会」連続講義の最終日、その講師のお一人、千葉大学の三宅晶子教授は、教育基本法「改悪」反対運動の先頭に立っておられる方である。子供たちの教育は、十年後、二十年後の日本を方向付ける。ドイツにおける歴史教科諸問題を素材に、教育基本法抜本改悪問題にも言及されるのではないかと期待される。下記の呼びかけに、「防衛庁の省への昇格反対」がつけ加えられるとなおさらいいのではないかと思われる。国旗・国歌、愛国心教育は、まさに世界へ自衛隊を派遣し、本来任務として、従属的な米軍支援を行える体制をつくるためのものであろうから。そして、憲法「改正」(9条廃止、自衛軍と称する公然たる軍隊の創設)の抜本改悪への更なる大きな一歩を踏み出すものだろうから。

 

 

-----<緊急の呼びかけ> -----

2006年11月30日

教育基本法の改悪をとめよう!12・5国会前集会に1万人の結集を!

■教育基本法危うし〜いま行動を

 

 

<緊急の呼びかけ> 

 

 

教育基本法の改悪をとめよう!12・5国会前集会に1万人の結集を!

 

 

2006/11/29  大内裕和

 

          11月16日(木)の衆議院本会議において、野党が欠席するなか、与党(自民党・公明党)は教育基本法「改正」法案の単独採決を強行し、11月22日(水)から参議院特別委員会での審議が始まりました。

          11月24日(金)の参議院特別委員会において、伊吹文部科学大臣は教育行政に関して「教育は、法律の定めるところにより行うべきもの」と規定した政府の教育基本法「改正」法案について、「国会で決めた法律は、国民の意思だ。これと違うことを特定のイズム(思想)や特定の思想的背景を持ってやることを禁止しているのがこの条項だ」と述べました。議会で多数派を形成する特定の政治勢力が教育内容を支配し、それに逆らうことを禁じるという教育基本法改悪の狙いがはっきりと示されました。

          また巨額の税金を使った「やらせ」タウンミーティングの実態が明らかになりつつあります。政府の教育基本法「改正」法案提出の前提であった主権者の合意形成はなされておらず、法案提出の根拠そのものが崩壊しています。それにも関わらず参議院での審議が進められ、臨時国会での成立が狙われています。

          こんな暴挙が許されていいのでしょうか。「教育の憲法」である教育基本法が、与党の「多数の力」によって根本から改悪されようとしています。今こそ、教育基本法改悪反対をあらためて強く訴える必要があります。

           「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」(http://www.kyokiren.net/)は、参議院審議のヤマ場である12月3日(日)から10日(日)まで、「子どもたちは見ている!! 全国ツツウラウラ同時行動」を呼びかけました。この期間の12月5日(火)に「教育基本法の改悪をとめよう!12・5国会前集会」(18時から19時、場所:衆議院第二議員会館前)を行います。9月26日(火)の臨時国会初日から毎週火曜日に行われてきた国会前集会は、この秋の教育基本法改悪反対運動において大きな役割を果たしてきました。全国から毎回約300人〜500人が集まり、改悪反対の声を直接国会に届けてきたのです。12・5集会は10回目の国会前集会であり、参議院での法案成立を阻止できるかどうかの重要な時期に行われます。私は全国の皆さんに「教育基本法の改悪をとめよう!12・5国会前集会に1万人の結集を!」呼びかけます。

          全国連絡会主催の「教育基本法の改悪をとめよう!11・12全国集会」には8000名の人々が集まり、11月24日の福岡での集会には7000人、11月25日の北海道での集会には1万人を超える参加者があるなど、改悪反対運動はこれまでで最大の盛り上がりを示しています。これら全国の力を国会へ直接届けることが、今ほど求められている時はありません。

          「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」は、教育基本法改悪反対の一点でつながっている市民のネットワークです。呼びかけ人の小森陽一さん、高橋哲哉さん、三宅晶子さん、そして私の4人はこの約3年半、教育基本法改悪阻止を訴えて全国をまわってきました。教育基本法の改悪に並々ならぬ思いで反対されている人々が、全国各地にいらっしゃることを私はよく知っています。この3年半の闘い、さらに戦後、教育の自由と平等のために闘ってきた多くの人々の思いを無駄にしないためにも、ここで改悪阻止のために立ち上がることがどうしても必要です。

 

教育基本法の改悪に反対するすべての労働者・市民の皆さん!

「教育基本法の改悪をとめよう!12・5国会前集会」への参加をぜひともよろしくお願いします。

 

「日の丸・君が代」不当処分撤回!教育基本法改悪阻止!改悪案廃案を! 「改憲手続き法案(国民投票法案)」を廃案に!共謀罪反対!

 

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11月29日(3) 教育基本法「改正」(=抜本改悪)の審議に関する新聞記事とそれへの批判的コメントを得た。以下に掲載しておきたい。

 

12月8日は、1941年のその日に、帝国海軍が真珠湾攻撃を行って、日本政府が世界戦争に突入した日である。安部首相の祖父・岸信介はその対米戦争の中心人物(閣僚)であった。防衛庁の防衛省への格上げ(海外勤務を本来任務とする実質的な憲法違反体制の確立・・憲法9条改正への重要な一歩)も同時に行い、祖父と同じような道を歩むのか? ただし、今度はアメリカに追随し、日本全土のアメリカ基地をアメリカのいうまま使わせ、アメリカ陸軍司令部の動きにしたがって、アメリカが始める戦争にすぐに賛成し、派兵するような道を進むのか? すでにイラクへの自衛隊派遣で行っている憲法違反体制をさらに推し進めるのか?[1]

そうしたことを日本国民が阻止するのか?

現代版治安維持法としての「共謀罪法」も成立させることで、国民の自由な言論・出版、自由な市民活動も抑え込まれるのか?

政府与党は、「郵政民営化」一本やりで国民から獲得した水ぶくれの議席で、国民から負託されていない(真正面から議論されていない)憲法違反の諸法律を通してしまうのか?政府与党のやり方は、正々堂々たる民主主義のやり方か?

政府・与党による国民いじめ・「世論無視」の構造!

国民は、それを許してしまうのか?

 

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来週はやはり緊迫した状況になりそうです。与党は8日法案成立をめざす方針です。
 下記の朝日記事は、「成立へ」とありますが、最後までよんでください。8日までに採決をできない場合、「『時間切れ』による廃案になる可能性があ
る。」と分析しています見出しは「成立か?」だろ)。廃案に追い込むことは可能です
 しかも、財界の新聞、日経新聞も、「今国会の成立にこだわるべきではない」が55%で「今国会での成立が必要」は19%どまり、「改正する必要がな
い」も11%あったとの世論調査を発表しましたむしろ、しだいにわたしたちの主張は世論をリードしはじめているのです。
 というわけで、今日から来週の闘い、特に5日国会前と6日瀬戸キャンパスの集会はものすごく重要になってきました。
 
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教育基本法改正案、成立へ 与党、来週採決の構え
(『朝日新聞』200611290803分)

 安倍政権が最優先課題とする教育基本法改正案が、この臨時国会で成立することが確実となった。与党は来週中に参院教育基本法特別委員会の採決をめざす
方針を固め、28日、野党に採決前の手続きとなる地方公聴会を行うよう提案した。野党は審議を続けるよう求めているが、与党はずれこんだ場合は小幅の会
期延長も辞さないため、成立は動かない情勢だ。改正は1947年の制定以来初めて。教育が「個」から「公」重視となり、国家管理色が強まる方向に転じる
ことになる。

 改正案は「我が国と郷土を愛する態度を養う」「豊かな情操と道徳心を培う」「公共の精神に基づき、社会の発展に寄与する態度を養う」など、「公」を重
視した項目を「教育の目標」に盛り込んでいる。伊吹文部科学相は28日の参院特別委で「地域社会、教師、家庭をこの目標に沿って変えたい」と述べた。

 また、現行法で教育が「不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて」行われるとの条文が、改正案では「不当な支配に服することな
く、この法律及び他の法律の定めるところ」により行われると改められた。

 これまでこの条項は、教員側が教育行政の現場への介入に抵抗する根拠としてきたが、改正案は逆に、教育行政に異議を唱えた教員側が「不当な支配」とみ
なされる可能性もある。ただ、安倍首相は法律が改正されても「国家管理を強めることにはならない」と答弁している。

 特別委ではほぼ連日、1日平均6時間ペースで審議を続けている。30日には、政府主催のタウンミーティングの「やらせ質問」や必修科目の履修漏れ問
題、いじめ問題など教育関連の問題について、特別委で集中審議を行う。来週中には、審議時間は与党が採決のめどとしていた計70時間を超す見通しとなっ
ている。

 このため、自民党の二階俊博国会対策委員長ら衆参の国対幹部は28日、12月7日に参院特別委で安倍首相出席で締めくくり総括質疑をしたうえで採決
し、8日の参院本会議で成立させることをめざす方針を確認。それに向け、参院特別委の与党理事は28日、地方公聴会を12月4日に新潟、徳島など4カ所で開くことを野党側に打診した。

 一方、民主、共産、社民、国民新の野党4党は衆院での与党単独採決に抗議し、いったんすべての国会審議を拒否。沖縄県知事選後の22日から審議に復帰
している。

 民主党の郡司彰参院国対委員長は28日、与党方針の12月7日採決について「審議の過程で出てきた問題があり、まだ議論が必要だ」と記者団に語り、反対する考えを示し、野党間で地方公聴会を4日に開くことには反対することを決めた。

 ただ、衆院での経緯から、野党が再び審議拒否に転じることは難しく、地方公聴会の場所には同意しており、来週中には受け入れる見通しだ。日程が多少遅
れても、成立は動かない状況だ。

 しかし、採決が8日以後になると、13日まで首相が外遊するため、採決の前提となる首相出席の締めくくり総括質疑は、会期末前日の14日となる。野党が内閣不信任決議案や問責決議案を提出すると、「時間切れ」による廃案になる可能性がある。このため与党は、同じく重要法案と位置づける防衛庁の省昇格法案の成立時期もにらみ、1週間程度の会期延長も視野に入れている。

 

 

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11月29日(2) 日本の格差拡大化の現象、働く人々の人権の無視、労働基本権への侵害など、非民主主義的政策が、いたるところで推し進められている。それらへの抵抗(民主主義と人権、諸個人の自由と平和の擁護)は、多数派(沈黙・傍観・諦観の多数の中間派を含む意味での多数派)・経営サイドの論理で押しつぶされるかのようである。

いじめ問題は、実は小中高にだけ存在するのではなく、社会のいたるところで存在する。学校におけるいじめ問題は、社会全体の病理現象の衝撃的な露呈でしかない。心理科学研究会運営委員会の声明もそのことを指摘している。

大学もその例外ではない。

それは、「全国国公私立大学の事件情報」(本日付)に掲載された北陸大学の解雇問題でもみられることである。

時代にあわせた新学部構想もありうるだろう。しかし、それは憲法を頂点とする法律体系、その下位の法律としての労使関係諸法律を遵守したものでなければならないだろう。北陸大学で行われていることは、組合ニュースに見る学長答弁の論理の矛盾からしても、一方的な「整理解雇」であり、不都合なものの切り捨てのための経営陣・多数派(沈黙・傍観・諦観の多数の中間派を含む意味での多数派)による選別・差別にほかならないであろう。つまりは、「弱いもの」いじめ(マイノリティ排除)にほかならないであろう。組合サイドからの不当労働行為の申し立てがどのようになるか、注意して見守りたい。

 

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11月29日(1) 「全国国公私立大学の事件情報」によれば、大学関係7団体の国会行動が提起された。参加の意志と時間のある方のために、下記にも掲載しておこう。本学教員組合も全大教加盟組合なので、行動への参加(呼びかけ)があるかもしれないが、重複でも、念のため。

教育基本法「改正」情報センターの呼びかけ

         

 

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2006年11月29日

大学関係7団体、12月7日 教育基本法改悪反対の共同国会行動

■新首都圏ネットワーク

 ●【ご案内】教育基本法改悪反対共同国会行動への参加をお願いします。

 

 

教育基本法改悪反対共同国会行動への参加をお願いします。

 

 私たち、大学関係7団体は教育基本法改悪反対の共同国会行動を行います。

教育基本法「改正」案は、与党の強行採決により、衆議院を通過しました。

政府・与党は、「十分審議した」と強弁していますが、衆議院教育基本法特別委員会の審議では何故教育基本法をいま「改正」しなければならないのか、そもそもの「改正」理由さえ明確になっていません。本法案は、戦後日本の民主的教育原理を根本的に否定する性格を帯びているが故に、本質的な議論が必要不可欠です。にもかかわらず、政府・与党はこれを回避し続けました。加えて、厳密な逐条審議も十分になされていません。

 世論調査でも、「今国会成立にこだわらず、議論を深めるべきである。」という声が多数を占めています。 こうした状況の下で、私たちは教育基本法「改正」案に反対し、その廃案を求める立場から、参議院段階における共同の国会行動を行うことにしました。 多くの大学・高等教育関係者の方々が私たちの共同行動に参加されることを心より願うものです。

 

 <国会共同行動>

 1,日程 12月7日(木)午前11時〜午後5時

 

 2,行動内容

  ・大学・高等教育関係団体共同集会 午前11時〜12時30分

  (開会挨拶、議員連帯挨拶等、行動提起、各団体意見表明、要請班毎に打ち合わせ等)

  (昼食)

  ・議員要請・傍聴行動(当日の審議日程等により対応)午後1時15分〜4時15分

  ・総括集会(当日の審議日程等により変更あり)午後4時30分〜5時

 

 3,会場

   衆議院第二議員会館第4会議室(第二議員会館ロビーで通行証を配布します。)

   (議員要請・傍聴時は衆議院第二議員会館第1面談室をセンターとします。)

    http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm

 

 4,主催団体

   全国大学高専教職員組合、

   日本私立大学教職員組合連合

   全国公立大学教職員組合連合会

   全国大学高専教職員組合関東甲信越地区協議会

   東京地区私立大学教職員組合連合

   東京地区大学教職員組合協議会

   国立大学法人法反対首都圏ネットワーク

 

 

*************************************

全国大学高専教職員組合 

TEL 03-3262-1671 FAX 03-3262-1638

総務部 somu@zendaikyo.or.jp

http://www.zendaikyo.or.jp

*************************************

 

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11月28日 岩手大学の教職員の声明、数学者の声明など、教育基本法の抜本改悪案に反対し廃案を求める人々の主張は、現在の教育基本法の素晴らしさを再確認し、その世界に誇るべき現在の教育基本法の実現をこそ希望するものである。この声が、響合い、強めあい、広めあって、全国津々浦々から盛り上がる壮大な国民的合唱となって、政府・与党を心底震え上がらせ、野党を勇気付けて、廃案を実現することを願い、ここに掲載しよう。

 

わが大学の「ぷちしんぽ-教育基本法改悪反対-」(案内ビラ)が、上記の各大学等の声明などの情報と共に、「全国国公私立大学の事件情報」で紹介されていることを知った。それを通じてまた波が広がり、大きなうねりとなることを望む。

 

-----「意見広告の会」ニュース376------

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin at magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。


** 目次 **
1 岩手大学の取り組み
1−1 有志アピールへの賛同のお願い
           
アピール呼びかけ人17名
1−2 岩手大学有志アピール
      岩手大学教職員有志
2 教育基本法の改悪に反対するアピール
     教育基本法改悪に反対する数学の会  http://www.jca.apc.org/mathfp/
3 クラーク博士の精神 教育基本法に結実 北大の武士道展で紹介
           
北海道新聞20061126日付


***
1−1 岩手大学の教職員の皆さんへ
    教育基本法「改正」案の廃案を求める岩手大学教職員有志アピールへの賛同の
お願い

 大学教育にも大きな影響を与えることになる,政府提出の教育基本法「改正」案が,
よりいっそうの審議を求める国民の声を振り切って1116日に衆議院本会議にて与党単
独で可決,参議院に送付されました。政府・与党は1215日が会期末となる今国会で教
育基本法「改正」案を是が非でも成立させようとしています。
私たち「教育基本法『改正』案の廃案を求める岩手大学教職員有志アピール」呼びかけ
人一同は,以下のアピール文で指摘したように,「改正」案が内容的にも審議手続き的
にも重大な問題を含むものであることから,これが今国会で成立するならば,大学教育
を含む日本の教育に多大な悪影響を及ぼすと考えています。
したがって,私たちは,「改正」案の問題点を指摘し,これの廃案を求める意見を大学
内外にアピールすることは,学校教育に携わる大学教職員としての1つの社会的責務で
はないかと考えました。
以下のアピールに賛同して頂ける方は,1130日(木)午後5時までに,呼びかけ人ま
で,下記の賛同フォームないしメール・電話等々で御連絡頂ければ幸いです。
なお,このアピールにつきましては,12月初めに,呼びかけ人,及び賛同していただい
た方の名前の一覧を付して,岩手大学構成員へ宣伝するとともに,マスコミ・国会・各
政党・関係諸団体へ送付したいと考えています。よろしくお願いいたします。

【アピール呼びかけ人】
  代表 横山英信(人文社会科学部),他17

賛同フォーム

「教育基本法『改正』案の廃案を求める岩手大学教職員有志アピール」に賛同します。
氏  名(       )
所属部局(       )


1−2 
教育基本法「改正」案の廃案を求める
岩手大学教職員有志アピール


 岩手大学に学び,働く,学生・教職員の皆さん。岩手県民の皆さん。私たち岩手大学
の教職員有志は,学校教育に携わるものとして,現在,参議院に送付されている教育基
本法「改正」案が,その内容,審議手続きから見てあまりにも多くの重大な問題を含ん
でいると考え,国会に対してこれを廃案にするよう強く訴えるものです。

「改正」の目的はどこにあるのか
 現行の教育基本法は,日本国民をアジア・太平洋戦争に駆り立てた一因が教育勅語を
中心に据えた戦前の国家主義的教育にあったという反省を踏まえ,主権在民・基本的人
権の尊重・平和主義の3原則を根幹とする日本国憲法の理念を実現するため,国民を個
人=人間として尊重し,一人一人の豊かな人格を形成することを目的として制定されま
した。
 しかるに今回の教育基本法「改正」案は,この理念を180度転換し,子どもたちの健
やかな成長を保障するための教育ではなく,国家のための教育を行おうとしています。
これは,「改正」案が,第2条(教育の目標)において,「公共の精神」や「我が国と
郷土を愛する態度」を養うなど,その内容が多義的な文言を法律に明記することによっ
て,政府がその意味・内容を定め,国民に押しつけることになりかねないものとなって
いること,また,第16条(教育行政)や第17条(教育振興基本計画)において,政府が
教育に関する多様な意見に耳を傾けることなく,教育内容を上から定め,それを評価と
財源配分によって全国津々浦々まで徹底させようという内容になっていることなどに明
瞭に見てとることができます。これは大学における学問の自由にとっても大きな問題で
す。

今求められていることは現行教育基本法の理念に沿った教育行政ではないか
 現在の日本社会における子どもたちをめぐる様々な問題については,私たちも心を痛
めており,またこれに対する早急の対応が必要だと考えています。しかし,これらの問
題は,現行教育基本法が原因で起きたものでしょうか。
 子どもたちをめぐる問題は一般社会と切り離されたところに存在するわけではありま
せん。子どもたちの世界は大人社会の反映です。子どもたちをめぐる諸問題を根本的に
解決しようとするならば,競争第一主義,経済第一主義の中で人が人として尊重されて
いない今の日本社会そのものを見直すことが必要でしょう。
 また,教育の側に問題があるとするならば,その責任は現行教育基本法にあるのでは
なく,基本法の理念に一貫して背を向けてきた現行の教育行政にあると言うべきです。
教育現場で実際に行われてきた教育は,基本法の理念に沿った教育を望む多くの国民・
教職員の声を無視した,政府方針に沿った教育行政が色濃く反映されたものだったから
です。教育分野で今求められているのは,基本法を「改正」することではなく,基本法
の理念に沿った教育行政を行うことです。

教育基本法を「改正」する合理的な理由は示されたのか
 今国会で教育基本法「改正」案が上程されて以来,いじめ自殺や単位履修不足などの
問題が次々に発覚しました。これらは現在の教育をめぐる矛盾が集中的に現れた問題で
す。しかしながら,「改正」案の国会審議において,教育基本法の「改正」によってこ
のような問題が解決されるかとの質問に対して,政府は「基本法とは別問題だ」とする
だけでした。ここから見えてくるのは,基本法を「改正」しようとしている政府・国会
議員たちは実際に起きている問題にどう対処するかにはほとんど関心が無く,ただただ
教育への国家統制を強めたいがためだけに基本法を「改正」したがっている,という事
実です。
 また,この間の国会審議の中で,内閣府の「教育改革タウンミーティング」において
文部科学省が教育基本法「改正」に賛成する「やらせ質問」を行っていたことが発覚し
ました。これは政府による完全な世論誘導であり,民主主義の原則からも許されるべき
ことではありません。このような民主主義に反する行為を行っていた政府に,そもそも
教育の根幹に関わる法案を提出する資格などないと言っていいでしょう。
 政府・与党は,1115日の衆議院特別委員会での与党単独採決,16日の衆議院本会議
での与党単独採決にあたって,「前国会から100時間を超え,審議を尽くした」と言っ
ていますが,「現行教育基本法のどこが問題か」「なぜ,変えなくてはいけないのか」
について政府からの説得力のある説明はほとんどありませんし,先に触れたように現在
起こっている諸問題の解決と教育基本法「改正」は無関係だとも言っています。いまだ
,基本法を改正する合理的な理由は何1つ示されていないのです。

教育基本法「改正」案は廃案に
 このような中で,「この機を逃したら2度と改正ができなくなる」「成立させられな
かったら内閣の求心力が落ちる」「党のイメージダウンを避けるために,来年の統一地
方選挙,参議院選挙の前に成立させておきたい」などの理由で,今国会で「改正」案成
立を強行するなど言語道断です。
 世論調査を見てみても多くの国民は今国会での成立を望んでいませんし,また,11
15
日の衆議院特別委員会での採決にあたっては,多くの新聞が社説・論説で,「改正」
案の内容や国会審議の進め方について批判しています。
 私たち岩手大学教職員有志は,今国会において政府提出の教育基本法「改正」案を廃
案にし,教育をめぐる国会での論議については一から出直すことを求めるものです。




2 教育基本法の改悪に反対するアピール
     教育基本法改悪に反対する数学の会 http://www.jca.apc.org/mathfp/

以下は、佐分利豊氏(福井大学)のご投稿によるものです。

教育基本法の改悪に反対するアピール
 現在の教育基本法は、戦後、日本国憲法の精神に沿い、平和的な国家及び社会の形成
者を育てるための教育の大原則を定めた法律です。これを反古にしようと、「愛国心」
や道徳律を盛り込んだいかなる改悪案にも反対します。
 私たちは、この教育基本法の改悪に反対の意を、個々人のアピールをそえて表明しま
す。

2006
11月           
教育基本法改悪に反対する数学の会

賛同者とその個人アピール
赤沼 (東京都・高校) 戦争体験はないが,教育基本法とともに生まれ,教育基本
法に守られて学校生活を過ごし,今日に到っている団塊の世代である.教育基本法を骨
抜きにする差別・選別教育に体を張って反対し,私達を守ってくれた多くの恩師を子ど
もながら見てきた.体験的に言って,自分の子や孫には(もちろん日本の子ども達も含
めて)絶対に改悪された教育は残したくない.最悪のプレゼントだ.子や孫をもつ親の
率直な感想です.
秋山 茂樹(新潟大学) 愛国心はサッカーだけでよい。上から愛国を強要し、どこ
ぞの国の真似をしたいの?
浅田 明 (Freelance Mathematician) 従来 数学(者)の名前で政治的声明を出す
ことには,現在の世界・国歌の権力構造を支える知的差別体制を利用したものとして反
対してきましたが、教育基本法は 数学者として直接あっかわる教育・研究にかかわる
法律ですから,数学(者)の名前で声明を出す事には問題が無いと考えます。既に多く
の方が指摘されているように,今回の「改悪」は,「始めに国ありきの考え方にたって
いる」所に最大の問題がありますが、その他,あまり指摘されていませんが、伝統の尊
重を謳っているのが、かってナチスが非アーリア的として,抽象数学や相対性理論・ジ
ャズや無調音楽・抽象絵画を弾圧したことを思うと,革新的な研究や芸術を弾圧する危
険性があると思います。また,教師聖職論にたっているのも問題だと思います。
安藤 豊(元 東京水産大学) 憲法と教育基本法は、わが国の平和と繁栄の基礎で
す。世界に誇り得るものです。私たちの世代は、教育基本法をもとに教育を受けました
。これを大事にしてゆきたいものです。改悪には反対です。
石井 坦 この改悪案は、教育の国家権力による支配を当たり前のこととして正当
化する恐れがあると思います。そしてそうなれば、その推進者たちに、彼等の目標であ
る教師、生徒、さらには社会全体に対する国家主義の強制のために強力な武器を与える
ことになると思います。
石井 直紀(日本大学) 自分の生まれた所(国?)を少しでも誇りに思えるために
も、教育基本法や日本国憲法の改悪は反対です。
一樂 重雄(横浜市立大学) 教育基本法は,平和憲法と一体のものです.教育基本
法を先に「改正」するのは,順序が違います.既成事実を作ろうとする与党のやり方は
姑息だと思います.現在の格調高い文章を変える必要はまったくありません.
伊原 康隆(元 京都大学) 反対の主な理由: 日本政府は(特に昭和10年代)島
国的愛国心で国民をだまして突っ走った歴史の反省を十分しておらず、この「改正案」
はその教訓を生かしていないから。
上野 正 (元 東京大学) 与党案は,教育に対する国家や政府の関与が非常に強調
されていて、国家による教育の統制が進められる危険が大きい(16、17の二項目)
.これは重大なことです.
江口 正義(元 東京海洋大学) こんにちの教育の荒廃は、国や自治体が、教育基本
法をないがしろにするだけでなく、これを侵して、教育全般に干渉して生じていること
は、日の丸、君が代の強制一つをみてもあきらかである。憲法の理想の実現は教育によ
るとの自覚のもとに定められた教育基本法を尊重することこそ、何より大切なことであ
る。再び教育を国のために命を捨てる人間を育成する道具に戻してはならない。
遠藤 幹彦( 立教大学) 憲法や教育基本法のように、国の基本的な方向づけを与
えている法律を、軽はずみに変えるべきではないと考えます。
岡部 恒治(埼玉大学) 私は戦争につながる憲法の改悪に反対します。「教育の憲
法」である教育基本法の現在の改悪の動きは、それに連動し、教育を歪める方向に針路
を変えるものです。
小野 明(宮城県・高校)
垣内 伸彦(愛知大学) わたしは自国民を愛するのは当たり前で問題は他国民(他
民族の人々)を愛することが大切で、このことが盛り込まれることは現代的課題である
と考えます。現在の国会等の議論はわたしの考えとはかけ離れていると感じています。
異常です。
金子 いく子(福岡県・高校) すでに、教育現場は自由に物が言いにくい状況にな
っています。それを追認するかのような改悪はこれからの世代のためにも許せないこと
だと思います。中国の愛国教育を非難して、自国ではそれをしようというその論理のあ
り方は何なのだろうと不思議に思います。
笠原 乾吉(元 津田塾大学) 今の学校教育は多くの問題をかかえていますが、「日
の丸・君が代」の強制は悪い方向に働いていると思います。今の教育基本法の下で、「
日の丸・君が代」の強制などができるとは信じられないのですが、もしそれが改悪され
たらいったいどこへ行きつくのでしょうか。こわいことです。
上村 浩郎(数学教育研究会)
亀井 哲治郎(亀書房) たとえば東京都の教育現場における惨状について耳にしま
すと,現行の憲法および教育基本法の下でもこれだけのことがなされていることに,驚
きと怒りを覚えます。まして,「愛国心」が条文であれ前文であれ謳われて,強制の根
拠となる「改正」など,もってのほかです。改正案を見てみると,これまでになかった
「家庭教育」や「生涯教育」にも,国が口出しする根拠を与えるものになりそうです。
教育の場は,何よりも《自由》が基本であるべきです。いま,この国では,「教育」で
なく「調教」が横行し始めているようです。教育基本法の改悪=《調教基本法》の制定
に,心から反対します。
菊池 実(宮城県・高校) 教育基本法について,誰も小泉氏に投票していない.一
点豪華主義の小泉に国全体を見る能力はない.
岸本 量夫(元 信州大学) 私は平和憲法改悪の動きに対し「憲法9条を守り戦争の
ない21世紀への架け橋に」とする数学関係者のアピールに賛同し署名しました。今回
の教育基本法の改悪は平和憲法改悪の狙いと同じものです。教育基本法改悪に強く反対
します。1932年生まれの私は私の幼い三人の孫が平和と民主主義の社会で教育を享
受し、自由・自主的に発想しながら成長するよう強く望みます。
銀林 浩(元 明治大学) 教育基本法を作った安倍能成・南原繁両先 生に対して
、今日これを改悪しようとする企てを阻止することは、弟子の努めと心得ています。
黒木 哲徳(福井大学) 教育基本法に謳う理念や目的は高く普遍的であるべきだと
考えます。その基本法に,ことさら「愛国心」や「道徳心」などを盛り込むことは、時
の権力により個人の尊厳が侵害される道を開き、そのことは現憲法にも違反することだ
と考えます。教員養成にかかわる仕事をしている立場から、個人の尊厳を踏みにじり、
教え子を戦場に送ることにつながる改悪には賛成できません。
黒田 俊郎(武蔵工業大学) 与党案は権力に従順に従う人々を作ろうとする意図をも
ったものだと思います。与党案に反対します。
郡 敏昭(早稲田大学)今回の教育基本法の改変には、幼少年に幼稚な愛国心をす
り込み、国家権力がその思惑を強引に決定・実行していくのを目にしても、批判する力
を持たない人間を作っていこうとする意図が現れています。自衛隊の地位に関する議論
や海外派兵問題とあわせて考えるとき恐ろしい時代の来ることを感じます。
小柴 洋一(元 鹿児島大)何だか世の中が1930年代のドイツに似てきた.ドイツ
は数学史では輝かしい過去を持っている一面があります.歴史は繰り返すと言いますが
現代は民主勢力の大きさの違いもあります.歴史は繰り返させてはなりません.
小宮山 晴夫(岩手大学) 憲法違反の恐れのある教育基本法改悪に反対します。
齋藤 恭司(京都大学) 私は「戦争は 人の心に生まれる。人の心に平和の砦を築か
ねばならない」 という ユネスコ憲章と、「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国
家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を
重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければなら
ない。」 とした教育基本法の精神のもとに育ちました。この考え方が将来とも全ての
教育の基本であり続けてほしいと思います。
佐藤 文広(立教大学) 今回の改悪案は、自立した個人の集まりとして国や社会が
構成されていくという考え方をひっくり返して、はじめに国ありきの考え方にたってい
るので、反対します。
佐分利 豊(福井大学) 「国」を名のる一握りの人間による教育統制からは、学び
手一人一人にとって意味のある学びは生まれえません。学びを、戦争と貧困をもたらす
競争のためにということではなく、本来的に学び手自身のものとして取りもどすために
も、現行法の誠実な実施を求めます。
志村 道夫(東邦大学) これからの若者と子供たちの未来を育む教育基本法を守り
、決してその改悪を許してはならないと思ってます。
白岩 謙一(元 名古屋大学) 愛国心や道徳は国家が法律で押し付け規制するもので
はありません。個人の信条や良心に関することを規制する法律は憲法違反の恐れがあり
ます。全体主義国家化し、政府の政策を批判する者は非国民として断罪されるような国
にはしたくないものです。
白鳥 紀一(物理学) 「身捨つるほどの祖国はありや」という疑問を通り抜けなけ
れば、「愛国心」は本物になり得ません。愛国心を子供に教えようとする大人は、子供
が愛するに値する國を形成する努力をする以外にすることはありません。
瀬山 士郎(群馬大学) 子どもたちの未来を私たちが壊すことだけは絶対にしたく
ない.
高木 秀男(日本科学者会議福井支部)
高橋 鋼一(元 白百合学園) 教育権は、教育を為政者による調教の場とするために
ではなく、私たちが未来に生かすためのものです。
田口 雄一郎(九州大学) 改めて益なき事は改めぬをよしとするなり(徒然草 第百
二十七段)
竹内 茂(岐阜大学)
田中 茂(津田塾大学)
玉川 安騎男(京都大学) 教育基本法の改悪に反対し、ます。現代の教育にまつわ
る諸問題の多くは、むしろ現行の教育基本法に忠実でないことに由来していると思われ
ます。われわれが力を注ぐべきことは、現行の教育基本法の格調高い精神の実現だと思
います。
玉木 大(信州大学)
津久井 康之(専修大学) 教育は個人を通し、国民と世界に責任を持つ行為です。政
権や産業に奉仕する道は避けましょう。
角皆 宏(上智大学) 「教育は人格の完成を目指す。」とあるように、教育の主体
は学ぶ者である。教育基本法は、教育の主体たる学ぶ者が権力に利用されない為のもの
であって、権力が教育を支配し利用する為のものではない。特に、人の心を統制する為
に教育を用いてはいけない。
手嶋 吉法(理化学研究所) 東京都教育委員会が君が代斉唱時の不起立者に対して
処分したり、最近おかしな世の中になっています。今回の変更案からもきな臭い匂いが
プンプンするので、反対します。
永島 孝(元 一橋大学) 「少国民」として愛国教育を受けた苦難の日々の再来を
阻むべく、教育基本法の改正に反対します。
中野 潤(東京都立北豊島工業高校)
中村 憲 (首都大学東京) 個人の人格形成から国家の精神統合に教育目的を変質さ
せる動きが, 十分な議論なしに進められている状況を憂慮します.
中村 強  改悪された教育基本法は戦前の国民学校時代に帰りそうです。怖い世
にせぬ為に反対し改正させないことが急務です。平和・人権・教育と文化を考える会の
運動もこれにつきます。
永山 良樹(鈴峯女子中・高等学校 広島県私立学校数学教育研究会事務局)
浪川 幸彦(名古屋大学) 教育基本法改悪反対の署名に加わります。自分たちは,
思想の自由,経済活動の自由などを声高に唱えつつ,一般市民の良心にまで政治が立ち
入ろうとする動きはまさに「不当な支配」に当たるもの です。
西岡 國雄(中央大学) 現在の教育基本法の下でも,"日の丸/君が代問題での都教
育委員会""ジェンダー運動を故意にねじ曲げ,小中教育への介入"などなど,「強権
を振るう政治家がやりたい放題」の印象があります.教育基本法に愛国心などが盛り込
まれると,どこまで行く事やら.ぜひ反対しなければなりません.
野崎 昭弘(大妻女子大学) 世の中が「大声で叫ぶものが勝ち」というほうに流れ
て行くのは、とてもこわいことです。あとで後悔しないように、みんながよく考えてく
れることを、祈っております。
野田 隆三郎(元 岡山大学) 戦争賛美の教育に導く教育基本法改悪反対
橋本 喜一朗 (早稲田大学)
橋本 竜太(詫間電波高専) まやかしの「愛国心」を強要する形で個人の思想及び
良心に介入する。国家によるそのような国民いじめに法的根拠を与える「改正」は看過
できません。「この国に生まれてよかった」というのにふさわしくない国に変えられて
しまうことを強く懸念します。
広中 由美子(早稲田大学) 国家は先にあるのではなく,民主主義にのっとった国
民の意思の総体であろう.個々人が大切にしたくなる国家を作ることは望まれても,国
家が先にあって「愛せよ」と教えるような対象ではありえないと思う.
福富 節男(元 東京農工大学) 人の心や家庭のあり方に法律が入り込もうし,口を
はさむなどとんでもない.「国」を愛せよと言う資格を議員に認めたわけではない.
逸見 豊(高知大学)
牧野 哲(山口大学) 歴史の歯車を逆転して教育によって青年を戦争に動員する愚
行を繰り返させてはならない。
増島 高敬(自由の森学園・和光学園) 私は44年間教師の仕事をやってきて,
くに数学教育協議会という民間の研究・運動団体に加わって「憲法と教育基本法にもと
づく平和と民主主義の教育??」と当たり前のように考えてきたのですが、それらをほん
とに変えてしまう動きが余りにも急速に進んでいることに深刻な危機感を持ちます.あ
らためて何回目かに教育基本法の条文を全部読んでみて、すばらしいとも思いまたまっ
たく尊重されてこなかったとも思い、これをユネスコの学習権宣言や子どもの権利条約
という国際的な到達点 に立って活かし実現することこそがいま必要なのだと考えます
.今日の教育の様々な問題・病理は教育基本法の責任ではなくてそれが尊重されず実現
されてこなかった結果だと思うのです.(与党の教育基本法「改正」案は、非常に「上
手」に作文されていて、一見現行法と大して違わないような文章なのによく読み考える
と,意味するところや構造がすっかり変わってしまうところがたくさんあります.)
松井 幹夫(自由の森学園) 先制攻撃を宣言し、それを実行するための基地を強化
する米軍のために、数兆円もの血税を差しだそうとする政府・与党に愛国を語る資格は
ありません。彼らのための「愛国」など真っ平ご免です。憲法9条の平和理念のもと、
貧困のない、人々が慈しみ合える国造りの条件整備をこそすすめるべきです。
三井 斌友(名古屋大学) 憲法・教育基本法を改悪して、日本の未来を塞ぐことは
、決して許してはなりません。
守屋 悦朗(早稲田大学) 私の教え子に東京都の教員をしている者で、例の君が代
唱和強制問題で東京都と係争中の者がいます。このような、権力の教育への不当介入は
実に恐ろしいものだと思いますが、このたびの教育基本法の改定にも同じような危惧を
感じます。
谷口 彰男(日本大学) 今ある教育基本法は、基本的人権の尊重・主権在民・平和
主義を基調とする日本国憲法と一体の理念をもつ素晴らしい法律です。政府・与党の変
更案は、この法律の基本理念を損ない、政府・与党にとって支配のしやすい人づくりに
変質させようとしています。私は教育基本法の改悪に反対します。
柳原 二郎(元 千葉大学) 「世界を相手に戦争できたのは、戦前の教育が優れてい
たためだ」という議論 があります。このような暴論を許してはなりません。
山岸 昭則(福井大学) 未来を担う子ども達を育てている小・中・高校教師達をめ
ぐる昨今の状況は目を覆いたくなるものがあり、未来の教師をめざす学生諸君に教職に
つくことを勧められない。この状況をますます深刻化するのが今回の改悪。制定時「強
制しない」としながら強制を行っている国旗・国歌法を既成事実に、小泉首相は「愛国
心」教育は、「法令等に基づく職務上の責務」で拒むことはできないとし、それは教職
員の思想・良心の自由を侵害するものにあたらないと嘯いている。
山田 俊雄(立命館大学) 国や郷土を愛するなど思想信条また良心に関わる事柄を
、条文あるいは前文に掲げることは必ず個人の思想信条の自由を侵害する結果をもたら
すでしょう。
吉田 克明(日本大学) 政府の「改悪案」は、「徳目」を押し付け個人の思想信条
に踏み込み、国が法律で命ずる教育を行え、というもので国家権力の介入に道を開きま
す。このことは、日の丸・君が代を強制し、職員会議を管理者の指示伝達の場とする今
の東京都の現状を見れば明らかです。
渡辺 毅(元 大阪大学・岡山理科大学) 国会の論戦にあまり興味はありませんが
、「国家の品格」の著者の感想が聞きたい,と思います.
以上、68


3 クラーク博士の精神 教育基本法に結実 北大の武士道展で紹介
           
北海道新聞20061126日付
 「大志を抱け」と説いた、札幌農学校(現北大)初代教頭のクラーク博士。その教育
理念を継いだ新渡戸稲造らが、弟子に託した「クラーク精神」が実を結んだのが現行の
教育基本法だった−。そんなエピソードを、北大総合博物館(藤田正一館長)の「二十
一世紀の武士道」展で紹介している。

 クラークの説いた、自主自立と不撓(ふとう)不屈の精神、勤労の奨励は「フロンテ
ィア精神」といった北大精神の礎となった。その理念は「新渡戸先生の教育者、研究者
そして国際人として活躍された生涯に最もよく具現されている」(中村睦男学長)とい
う。

 新渡戸は旧制一高校長、東京帝大教授などを歴任。そこで薫陶を受けたのが、教育基
本法を起草した教育刷新委員会(一九四六年八月設置)のメンバー、委員長の安倍能成
(文部相、学習院長)ら三十八人。当時の文部省学校教育局長、日高第四郎は「三十八
人中、新渡戸先生と浅からぬ関係にあったと推定できる方々は、八人を下らない」と書
き記している(新渡戸稲造全集)。

 クラークは、学生を「若き紳士諸君」と呼び個を尊重。授業に加え勤労を課し、勤労
には報酬を与え責任を教えた。それが、基本法一条「人格の完成を目指し、(略)個人
の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた(略)」に結びついた。
 

 また、新渡戸や同期の内村鑑三は、軍を批判したり、教育勅語奉読式で最敬礼を行わ
なかったことで国賊扱いされたことがある。教育や学問が政治に介入された苦い経
験は、基本法一〇条「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責
任を負って行われるべきものである」に反映された。

 四七年三月に施行された基本法は六十年後のいま、変わろうとしている。藤田館長は
「その精神は一度も根付かないまま、改正論が起こってしまった。渦中にいると気づき
にくいが、いま歴史が動いている。戦後にようやく花開いた教育思想が再び、国家主義
に覆われようとしている」と危惧(きぐ)する。新渡戸や内村は、どう見ているだろう
か。


 新渡戸の著作「武士道」にちなむ「二十一世紀の武士道−北大に通底する精神の系譜
」は二十六日まで(午前十時から午後四時)、
北大総合博物館(札幌市北区北一西八)で。

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11月27日(4) 防衛庁の防衛省への昇格は単に名称変更ではなく、自衛隊の海外での仕事を「本来任務」にすることである。これが、憲法と整合するであろうか?憲法と整合しない下位の法律をつぎつぎと作り、それによって憲法をないがしろにする戦後保守政治の総決算がいよいよ最終局面にきているということだろう。このまま軍事力を公然と保持し、アメリカについづいして世界中に出かける国になっていいのであろうか?

国民は、まさに目の前で展開されたアメリカの侵略行為(大義なき先制攻撃としてのイラク戦争、捏造のイラク攻撃理由が暴露されているではないか)とそれが引き起こしたイラク内乱を見て、いかにアメリカに振り回された外交と自衛隊の海外派遣が危険な道であるか、感じないのだろうか?

 「郵政民営化」一本やりで行った解散総選挙で手に入れた多数(欺瞞的多数)をもって、郵政民営化とはまったく違う諸法律、すなわち、憲法破壊の諸法律をこれ以上成立させることを、国民は見過ごすのか? 

戦前のような天皇制絶対国家ではない現在の日本で、国民の責任は重い。

 

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ゆううつな話ばかりで申し訳ないです。
 自衛隊の海外での活動を「本来任務」とする防衛庁昇格関連法案が、成立しそうです。
 民主党の求める「国会答弁」程度で安全弁になるのでしょうか。もともと民主党内右派は大賛成だとか。
 こういうふうに民主党はすぐに妥協することがあるので、教基法でも要注意です。しっかり反対するようはげまして圧力をかけましょう。

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防衛省法案、今国会で成立へ1月にも省に昇格

 防衛庁の省昇格関連法案は12月上旬にも今国会で成立する見通しとなった。
 民主党が24日、官製談合事件の再発防止の徹底などの条件が満たされれば法案に賛成する方向で調整に入ったためだ。国民新党も賛成の方向で、反対は共産、社民の両党だけとなる公算が大きい。政府は、法案が成立すれば、来年1月から防衛省に衣替えし、防衛長官を防衛相とする方針だ。1954年に発足した防衛庁の名称変更は初めて。 民主党は24日の外務・防衛部門会議で、〈1〉官製談合の再発防止〈2〉自衛隊員の海外無断渡航や機密情報の漏えいなど不祥事の再発防止〈3〉イラクでの自衛隊の活動は、「本来任務」とせず、「付随的任務」として行う〈4〉麻生外相らの核保有論議容認発言に関する集中審議――の4条件が満たされれば、賛成する方針を決めた。政府の国会答弁や法案の付帯決議で4条件を担保することを検討している。民主党は29日の「次の「内閣」で最終的な対応を決定する。
(読売新聞) - 1125313分更新

 

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11月27日(4) 市大学生・教員有志による教育基本法「改正」(抜本改悪)反対のシンポジウムが開催されることになった。その案内ビラを受け取ったので掲載しておこう。このシンポジウムが、廃案の運動の盛り上がりに資することは間違いないであろう。

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横浜市大学内集会
 ぷちしんぽ〜教育基本法の改悪に反対!〜

ご案内
 与党・政府は、教育基本法「改正」案を衆院で強引に通過させ、いま参議院で成立させようとしています。
 この「改正」案は、個人の心の自由を奪い、個人に国家の思想を押し付ける教育を行なおうとするものです。
 このような法案の成立を許していいのでしょうか?
 法案はまだ審議中です。わたしたちが声をあげれば、国会に考えなおさせることができます。
 わたしたちは学内で「ぷちしんぽ」を開催し、専門家のお話を聞きながら、教育基本法の意味と「改正」案の問題点を考えます。
 ぜひ、参加していっしょに考え、意思表示をしてみましょう!

 日時 12月6日(水) 午後5時半から(1時間半の予定)
 場所 大会議室(商文棟1F・ビデオホールわき)
 主催 教育基本法の改悪に反対する市大学生・教員有志
 協賛 横浜市立大学教員組合


 プログラム
  講演: 中西新太郎先生(国際文化学部・国際教養学系教員)
  発言: 市大の学生から 職員から 教員組合から 学外大学人から 


***以下うら***
こんな問題点があります。
・強行な単独採決・インチキとごりおし
・権力が決めた価値観が個人に押しつけられます
・家にお金のない子の教育が見捨てられます

新聞社の社説から
(「改正」賛成派 『産經新聞』1116日)
「現行の教育基本法は昭和22年3月、GHQ(連合国軍総司令部)の圧力や干渉を受けながら成立した。とくに現行法の「教育は、不当な支配に服すること
なく」の規定は、文部科学省や教育委員会の教育内容への関与を排除する根拠とされ、問題となっていた。
 これに対し、政府案は「不当な支配に服することなく」との文言を残しているが、「この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」とする
くだりが加わった。このため、国旗国歌法や学習指導要領などを無視した一部の過激な教師らによる不当な支配は許されなくなる。
 また、政府案は家庭教育について「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」と規定している。いじめや学級崩壊、不登校などの問
題で、家庭の責任を問う内容になっている。」
コメント: 日の丸・君が代を生徒に押しつけたくないという考えは、「過激」でしょうか? 禁止すべきでしょうか? 思想信条の自由はどうなるでしょう
か?

(「改正」に批判的 『神奈川新聞』1121日)
教育基本法 改正の必要性があるのか
 
[・・・]
「わたしたちが教育基本法の改正案を疑問視するのは、それが奥深いところで憲法の改正につながる恐れがあること、基本的な法律であるがゆえに、その周辺
の法規も改正されることである。もう、その兆候はある。日の丸、君が代では犠牲者が出ている。
 教育は近代国家の基本ではないか。戦時中、軍国教育を支えた教育勅語に代わり、一九四七年に制定されたのが現行の教育基本法である。「教育は人格の完
成を目指す」「勤労と責任を重んじ、文化の創造と発展に寄与する」などとうたわれている。時代が進んだ今となっては、足りないところがあるであろう。し
かし、その分は国民自らが補えばいいのである。無理にいじることはない。
 現在、社会問題化している高校の必修科目の未履修問題。これなども各高校と教育委員会との「談合」の結果ではないのだろうか。今の教育基本法は「教育
は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」と記述している。愛国心、郷土愛などは自然に生まれてくる
ものだ。強制されるゆえんはないのである。」
コメント:いいとこついてます。

 

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11月27日(3) 神奈川新聞がいい社説(教育基本法「改正」=抜本改悪案批判)を出しているとの情報を得た。下記に掲載しておこう。神奈川新聞社説も、現在の教育問題が、実は、任命制の教育委員会と上から任命された高校の管理職との合作であることを指摘している。つまりは、現在の教育基本法をことごとくないがしろにしてきた戦後政府与党の問題性こそが、現在の教育問題に露呈しているのだ。

現在必要なことは、教育基本法の原点にたちかえり、それを再活性化することである。

政府与党によるその改悪、戦後改悪諸措置の総決算(総正当化)としての基本法自体の抜本改悪を許してはならない、ということだろう。

 

新首都圏ネットワーク全国国公私立大学の事件情報にも,たくさんの新聞の教育基本法「改正」(抜本改悪)批判の記事・論説が紹介されている。批判の論調の全体が啓発しあい、相互に呼応し、運動を盛り上げ、政府・与党の案を廃案に追い込む大運動となることを期待し、その末端に加わることとしたい。

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神奈川新聞がいい社説を出しています。ほかにも多くの地方紙がはっきりと与党を批判しており、朝日、毎日も単独採決を批判しています。
他方、読売と産経がはっきりと与党支持の社説を出しております。特に産経の社説は、学生諸君といっしょに読みましたが、こっけいなものです。
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神奈川新聞社説20061121日付

教育基本法
改正の必要性があるのか

 
 通常国会で継続審議となり、今の臨時国会で衆院を通過した教育基本法改正案は参院で審議されている。安倍政権は教育の改革を重点施策に掲げているが、なぜ、戦後教育の理念を定めた「教育の憲法」をいじりたがるのだろうか。

 
 何度、読み返しても改正の必要性はあるまい。むろん、愛国心や父母への孝行などは書いていない。そんなことは、おのおのの国民が判断することである。一編の法律に書かれているからといって順守されるべき筋合いもない。戦後も六十年余がたった。この辺は国民を信じてほしいものだ。だてに戦後の民主主義教育を受けて育ったわけではないのである。

 教育基本法の改正論議は今に始まったことではない。毎年のごとく、文部相(当時)が「愛国心、伝統文化への言及がない。家族への恩愛がない」などと言い、改正への論議を繰り広げてきた。臨時教育審議会でも改正を求める意見が出ていた。

 二〇〇〇年、当時の森喜朗首相が私的諮問機関の教育改革国民会議に見直しを諮問し、〇一年十一月に文部科学相が中央教育審議会に見直しを諮問したのがきっかけである。その主要点は「愛国心」「宗教教育」「教育行政」であろう。愛国心の表現については与党の自民、公明の間に「確執」があり、国土、 郷土を愛する心を育てるとの改正案で妥協した。

 
 現在の教育が完ぺきなものとは誰も考えてはいまい。学力低下がいわれる。学力とは何かが問われるべきなのに、この言葉は独り歩きを始めた。また、いじめも目立ってきた。教師の犯罪など無法も目にあまる。

 わたしたちが教育基本法の改正案を疑問視するのは、それが奥深いところで憲法の改正につながる恐れがあること、基本的な法律であるがゆえに、その周辺の法規も改正されることである。もう、その兆候はある。日の丸、君が代では犠牲者が出ている。

 教育は近代国家の基本ではないか。戦時中、軍国教育を支えた教育勅語に代わり、一九四七年に制定されたのが現行の教育基本法である。「教育は人格の完成を目指す」「勤労と責任を重んじ、文化の創造と発展に寄与する」などとうたわれている。時代が進んだ今となっては、足りないところがあるであろう。しかし、その分は国民自らが補えばいいのである。無理にいじることはない。

 現在、社会問題化している高校の必修科目の未履修問題。これなども各高校と教育委員会との「談合」の結果ではないのだろうか。今の教育基本法は「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」と記述している。愛国心、郷土愛などは自然に生まれてくるものだ。強制されるゆえんはないのである。

 

 

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11月27日(2) 「意見広告の会」ニュース最新号をコピーしておこう。ここで紹介している声明(反対と廃案を求める声明)はすべて共鳴するが、今回とくに、日本科学者会議の声明が、とりわけ総括的でかつ鋭いと感じる。

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「意見広告の会」ニュース375
  
*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin at magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
*迷惑メール防止のため@atに書きかえています。アドレスは@に直して下さい。


** 目次 **
1 日本科学者会議の声明
      http://www.jsa.gr.jp/
2 「教育基本法改定案に反対する大学人有志の訴え」
           
22大学有志
3 声明
      東京大学史料編纂所で働く有志

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1 日本科学者会議の声明
      http://www.jsa.gr.jp/

教育基本法改悪案の強行採決を糾弾し、参議院での慎重審議によって廃 案にすること
を要求する

 11月16日、自民・公明の与党は野党4党の欠席のまま単独で衆議 院での教育基
本改悪法案の採決を強行した。これは、教育基本法特別委 員会での予め採決日程を決
めての公聴会開催、採決強行に続く議会制民 主主義を否定する暴挙であり、断固糾弾
する。
そもそも政府案は、条文に多くの徳目を示して「態度を養う」としてい る。国の示す
規範を強制し、それに対する外形的な態度で生徒や教員を 評価することは、憲法が保
障する内心の自由の侵犯そのものである。
 また、大学を含むすべての教育機関を対象にした「教育振興基本計 画」を政府が策
定することになる。これは、憲法が厳しく制限する行政 の教育への介入を、下位の法
律で強行することにほかならない。これ は、専門家としての教員の自立性を奪い去り
、学校の自治・自律的運営 を不可能にする。「競争」と「評価」を利用して、「規制
」と「財政誘 導」によって国家目的に沿う教育を推し進めるものである。
 このように、政府案は「教育の国家統制法」であり、憲法と現行教育 基本法のめざ
す目的と理念を真っ向から否定し突き崩すものである。
 この法案は、先の通常国会の審議でも十分な提案説明がなされず、国 家百年の計に
ふさわしい慎重で十分な審議を求めた多くの国民・専門家 の声に応えていない。しか
も、臨時国会における衆議院でも、逐条解釈 による検討さえなされなかった
 一方、直面する教育問題として深刻な、子どものいじめ・自殺問題 が、政府の「教
育改革」によってどう解決されるのかも解明されなかっ た。さらに、政府主催のタウ
ンミーティングでの政府主導の「やらせ」 もあきらかになった。これらは、政府のい
う規範意識とは何か、また、 そもそも教育基本法改正の国民要求が存在するのかとい
った、法改正の 根本を問う問題である。
 ところが、自民・公明両党は、法案やその前提にかかわる深刻な問題 に真摯に向き
合うことなく、数をたのみに衆議院で単独採決を強行し た。しかも、参議院で与党の
みで本会議を開催し、教育基本法特別委員会の設置と法案上程を強行した。このよう
度重なる暴挙は、自民・公 明両党が、憲法に準ずる教育の根本法を論じ「改正」す
る資質を欠くこ とを鮮明にした。また、一連の強行は安倍首相の強い指示によるもの
されるが、この暴挙は教育基本法改悪案を「教育再生の第一歩」と位置
づける安倍内閣の本性を、あらわに示したものである。私たち日本科学者会議は、教育
と学術研究の民主的発展をめざして研究 し活動してきた立場から、日本国憲法を守り
、現行教育基本法に沿っ て、平和をつくり、個人の価値が尊重され、その人格の完成
をめざす教 育の実現を求めるものである。
 衆議院での審議を通じて明らかにされた政府がいう規範意識の反民主主義性の問題
、いじめや子どもの自殺の問題、「未履修」問題で浮き彫 りにされた受験対策に偏重
せざるをえない中等教育のひずみなど、教育基本法の「改正」に先立って解明・解決
しなければならない問題は山積 している。私たちは、参議院でこれらの課題を慎重か
つ徹底して審議す るとともに、政府提出の教育基本法案を廃案にすることを要求する


2006年11月22日

日本科学者会議常任幹事会


2 「教育基本法改定案に反対する大学人有志の訴え」
           
22大学有志

「教育基本法改定案に反対する大学人有志の訴え」にご賛同ください。

 教基法改定を憂慮する大学人が、各自の大学で自発的に声をあげ、ネットワークを形
成し、22大学560人を越える有志が集まりました。
 また、去る1114日(火)には「教育基本法改定案に反対する大学人有志の訴え」(
呼びかけ人 内海愛子、小林正弥、竹内久顕、千葉眞)として記者会見もおこないまし
た(15日付朝日新聞等で報道)。すでに、学会や研究団体等の多くが、教育基本法改
定への反対を表明しておりますが、大学の内部で有志が学問分野を超えて署名を集めた
のは初めてだろうと思います。このたびの反対アピールは、各大学の教職員・研究者等
の有志が、学問分野の違いを越えて、個々の信念と大学人としての良心に従い、発した
ものです。現今の状勢に対して、研究と教育に対する責任を有する大学人としての訴え
です。
 「大学人グループ」の同様の動きで新聞などで取り上げられたものには、北海道地区
14大学や、神奈川県下大学人と横浜国立大学(神奈川新聞等で報道)があります。こ
れらの動きの新聞報道を見ると、「大学が動いた」ということが注目されております。

 そこで、大学で研究教育に携わっていらっしゃるみなさまにも同様の動きを起こして
いただくよう、提案させていただきたいと思います。方法は2つ。
(1)各大学で教育基本法反対のアピール文を作成し、署名をあつめて、このネットワ
ークに参加する(下記【データ】1のケース)。この場合、必要な情報を竹内までお知
らせいただくことで、ネットワークに加えさせていただきます。また、既に私どものほ
うで集約している他大学のアピール文などをお送りいたしますので、双方でネットワー
クを拡大していきましょう。
(2)アピール文の作成までに至らない場合、「○○大学有志」あるいは「個人名(
大学)」として、東女大有志アピールへの支持を表明する(下記【データ】2のケー
ス)。「東京女子大学教職員有志のアピールを支持します」いうメッセージをお送り下
さい。このネットワークのはじまりが東女大アピールだったので、今のところこういう
形にしておりますが、東女大以外の大学との共同アピールを出すべく準備中です。

【連絡先】  
  〒167−8585 東京都杉並区善福寺2−6−1 東京女子大学 竹内久顕研
究室(教育学)
  TEL 03−5382−6669(大学研究室)
  E−mailtakeuchi-edu@memoad.jp

【データ】
1.22大学565名の有志が、各大学等のアピール文に賛同署名しております(11
月13日現在)。
*国際基督教大学(93名)、恵泉女学園大学(63名)、東京女子大学(85名)、
敬和学園大学(14名)、千葉大学(15名)、横浜国立大学(31名)、横浜市立大
学(14名)、神奈川県下大学人(19名)、京女9条の会(5名)、北海道地区14
大学(220名、北海道大学・北海道教育大学・北星学園大学、北海学園大学等14大
学)

2.東京女子大学教職員のアピールに対して、33大学45名から賛同書名をいただい
ております(11月10日現在)。
*明治学院大学(9名)、共愛学園前橋国際大学(3名)、帝塚山学院大学文学部(3
名)。他30大学30名の個人

3.また、私たちの「訴え」に対して、「日本平和学会」会員有志63名からの賛同署
名もいただいております(11月11日現在)。

PS】本来であれば、大学以外の教育機関や市民の方々にも広げるべきところですが、
2〜3名で集約や事務的作業を進めておりますので、残念ですが手が廻りません。この
ネットワークの動きに賛同していただける方は、それぞれの持ち場で同様の動きを作っ
てください。特定の誰かや団体が動かすのではなく、個人個人が主体となってネットワ
ークを形成しつつ、共に頑張りたいと思います。



3 下記、声明を参議院教育基本法改正特別委委員宛他に送付しましたので、ご紹介し
ます。
      東京大学史料編纂所で働く有志

 教育基本法改正に反対する声明
私たちの東京大学史料編纂所は、100年以上前より、明治以前の我が国の歴史を研究し
、その成果を
史料集としてまとめる仕事をしています。私たちは、我が国の中の様々な地域・集団の
伝統文化を次代に伝える重要な国家的使命を帯びていると自負するものです。
そのような立場にある私たちから見て、今回の教育基本法改正案のうち、第2条第5項
の言う「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」態度を
養う、という内容は、非常に危険な問題があると考えます。
今から60年前、日本史研究は、狂信的なナショナリズムである一部の「皇国史観」研
究者によって、多くの人々を惑わし、傷つけ、そして死に追いやった苦い過去を持って
おります。そのような過ちに二度と陥らぬためには、様々な見方や考え方を認め、でき
るだけ客観的な歴史事実を明らかにせねばならない、と私たちは信じています。その歴
史事実の中には、当然国家が犯した様々な過ちも含まれます。そして過去の過ちを深く
反省することを通してこそ、国際社会から信頼され、また私たち自身誇れるような国が
作れるものと考えます。
しかし改正案第2条第5項のように、「国を愛する心」それ自体が優先されるならば、
物事の一面のみの、表面的な「美しい」面のみしか国民は学ぶことができなくなるでし
ょう。やがては、私たちの使命である客観的な歴史事実を追究することもできなくなる
恐れがあります。それは、憲法の定める学問の自由や精神の自由を、損ねるものです。
また我が国の国際的評価を貶めるものとなりましょう。ついには、だれにもコントロー
ルできない狂信的ナショナリズムを招く危険すらあるのです。
このような問題点がある以上、私たちはこの改正案には反対です。
私たちは、伝統文化を尊重するという理念は今の教育基本法でも十分実現できると思い
ます。教育基本法前文には、「普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造をめざす」と
あります。ここで言う「個性豊かな文化」とは、国際社会の中での我が国固有の伝統文
化と、また国内諸地域・集団ごとの伝統文化も含まれていると考えます。そのような様
々な伝統の尊重なしには、個性的な文化は創造できないからです。いまの基本法前文の
精神に基づいて、伝統を尊重した教育を行うことは十分できるのです。
改正案を廃案にし、いまの基本法のもとで、様々な伝統を尊重するとともに、歴史事実
を真摯に受け止め、自省する国民を形成することを目指すこと。このことを私たちは、
強く求めます。

2006年11月24日

東京大学史料編纂所で働く有志(教員・職員) 51名
横山伊徳・須田牧子・田中博美・藤原重雄・松方冬子・木村由美子・佐藤孝之・保立道
久・井上聡・清水亮・黒嶋敏・高松百香・小野将・稲田奈津子・小宮木代良・前川祐一
郎・近藤成一・粕谷幸裕・高橋典幸・山口和夫・木村直樹・箱石大・高橋敏子・久留島
典子・林譲・西田友広・榎原雅治・高橋慎一朗・松井洋子・菊地大樹・相京眞澄・齋藤
愛・千葉真由美・渡辺江美子・鶴田啓・犬飼ほなみ・山家浩樹・遠藤珠紀・佐々田悠・
綱川 歩美・田中葉子・若林晴子・荒木裕行・及川亘・遠藤基郎 (他5名)


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11月27日(1) 教育基本法「改正」(抜本改悪)案をめぐる国会審議で、政府の憲法無視の態度がますます明確になりつつある。憲法違反の地裁判決がでたにもかかわらず、そのことに一切の配慮もしないやり方、国家制度における裁判所の違憲立法審査や違憲審査を否定するかのような政府答弁(学習指導要領などを「国民意思」で決めたものと史、その適用をめぐって違憲判決が出ていることを無視する態度である。政府与党の態度が仮に多数派であるとしても、少数派の態度を尊重する姿勢がかけらもない答弁である。少数派=弱者をいじめるやり方が、教育基本法の審議においてもまかり通っているといえよう。小・中・高等におけるいじめの構造は、政府・与党がその模範を示しているといえるであろう。

 

現在の教育基本法の体制においてすら、このようであるとすれば、愛国主義の道徳項目を盛り込んだ教育基本法が通ってしまえば、政府与党のやりたい放題、憲法無視の教育体制が着々と構築されることになろう。

 

戦後すぐの時点から、現在の教育基本法の実質的無視をさまざまのルートで行ってきた日本政府と与党の態度、今審議されている抜本改悪の教育基本法がまさにそうした戦後の教育基本法廃止に向けての保守層の努力の総決算であること、こうしたことを明らかにしている論説(本学元教授・佐藤真彦先生が掲載された堀尾氏の解説)にリンクを張らせていただこう。

この論説を読めば、公立学校の魅力・活力がなくなってきたのは、教育基本法(教育現場の自主・自立・民主主義、自由でのびのびした教育現場のあり方)を無視・抑圧する国家統制がありとあらゆる方法で実行されてきたことによることが分かる。

 

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11月23日(3) 下記のような情報があった。東京地裁で、日の丸・君が代の強制に対し、憲法違反の判決がでたが、そんな判決など無視する態度が安部首相である。「政府の強制」、国家(権力)の強制は、「不当な支配」ではないと強弁し、政府・国家といった強大な権力者ではない教員組合などの反対の行動は「不当な支配」だと強弁する。安部氏は、恐るべき憲法違反の答弁を平気で行っていることになる。安部首相の憲法や教育基本法の解釈の不当さを国民がどこまで認識するか、国民に突きつけられた問題である。現在の憲法に対する違反を平気で正当化すること、学習指導要領など憲法の支配に服するべき下位の諸法律をたてに国民の内面に対する強制は、憲法違反であること、こうしたことが地裁判決だけではなく、国民的認識とならなければならないだろう。

 

「国旗・国歌に対する敬意」は、法律や権力によって押し付けられるべきものではないこと、そもそも「敬意」とは、内面的自発的であるべきことを、安部首相は否定する。すでにここに、安部首相(国家機関の頂点に立つものとして最高の権力者だが)の権力的・国家統制的態度が露呈しており、恐るべきことである。国民がどこまでそれに気づくか。

   

 

-----教育基本法改悪阻止メーリングリストより------

 

今日、参院特別委員会で教基法案の審議が始まりました。質疑のなかで、政府の方針がまたはっきりしました。ネット上の報道によれば、首相、文科相の答弁
は次の趣旨のことを述べています。

1)日の丸・君が代は法的義務として学校で行なわせる。

2)日の丸・君が代を政府が強制することは、教基法が禁じる「不当な支配」ではない。
  反対する教職員組合・団体等の影響は、「不当な支配」として排除する。
  このことが、法案では明確になる。

また、NHKテレビニュースの報道によれば、

3)学校では、愛国心自体の評価はできないが、愛国心を育てるための学習をする「態度」を評価させる

と首相が述べています。この方針のとおりに教育がなされれば、学習・教育内容が大きくゆがむでしょう。
たとえば、生徒のによる南京虐殺事件の自主研究は評価されず、「明治天皇の偉業」などを研究すると評価されるということになりそうです。

明日以降の新聞でも、審議内容をすみずみまでよくチェックしてみる必要があるでしょう。ただし、新聞社がつけた見出しだけでは、ほんとうの意味がわから
ないので気をつけてください。

 Y.

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教育基本法改正 参院で審議開始 安倍首相が意義強調 
 
  
 参院教育基本法特別委員会は22日、安倍晋三首相が出席して教育基本法改正案の実質審議をスタートした。首相は現行法について「教育水準の向上を図
り、一定の役割を果たしたが、占領下でできた成立過程も指摘せざるを得ない」と述べ、公約である「戦後体制の見直し」の観点から改正の意義を強調した。
舛添要一氏(自民)への答弁。
  
 国旗・国歌に関しては「日の丸や君が代に一部の国民が拒絶反応を持ち、それを強要した。学校教育の現場で大きな影を落としていた」と、反対運動を展開
した教職員組合を批判した。
  
 伊吹文明文部科学相は高校での履修単位不足やいじめ問題に関連し、「教育委員会に対し調査、指導する権限がない。教育の根幹にかかわる問題としてぜひ
論議してほしい」と述べ、文科省の権限を強化する必要があるとの認識を示した。【平元英治】
 
(毎日新聞) - 11221711分更新
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安倍首相「国旗国歌への敬意重要」=教基法改正案、参院で実質審議入り

 安倍晋三首相は22日午前の参院教育基本法特別委員会で、学校の卒業式などでの国旗掲揚と国歌斉唱について、「自国の国旗国歌への敬意、尊重の気持ち
を涵養(かんよう)することは極めて大事」と述べ、「政治的闘争の一環として国旗の掲揚や国歌の斉唱が行われないことは問題」との考えを強調した。
 自民党の舛添要一氏が、一部の学校では国旗掲揚などが行われていないことを「法律違反」と指摘したのに対する答弁。伊吹文明文部科学相は、国は教育委
員会に対し要請や指導をするが、現場が従わない場合の権限が無い点を挙げ、「これをどうするか、与野党を超えて、教育の根幹にかかわる問題として議論し
てほしい」と述べた。 
(時事通信) - 1122132分更新
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参院特別委、教育基本法改正案の審議再開
2006
11221947
 教育基本法改正案の衆院採決をめぐり審議がストップしていた臨時国会は22日、参院教育基本法特別委員会での同改正案の趣旨説明と質疑に野党4党が出
席、1週間ぶりに与野党そろっての審議が再開された。9月の東京地裁判決で、日の丸・君が代をめぐる通達が「不当な支配」にあたるとされたが、伊吹文部
科学相は、国の教育行政は「不当な支配」に該当することはないとの認識を明確にした。

 教育基本法には「教育は、不当な支配に服することはない」とした条項があり、これまで教職員組合などが教育行政による教育現場への介入を阻止する
「盾」と位置づけていた。東京地裁判決では、学習指導要領に基づき国旗掲揚・国歌斉唱などを強要する通達や処分は「不当な支配」に当たると判断された。

 しかし、伊吹氏は、国会で決められた法律、政令、大臣告示は「国民の意思として決められた」として、教育行政は不当な支配にはあたらないと強調。逆
に、この条項は、教育行政に対し「政治結社、イズム(主義)を持っている団体の介入を排除する」規定であるとの認識を示した。今回の改正で、「(教育
は)法律により行われるべきだ」との文言を追加したことで「法律的に明確になった」とも述べた。

 一方、安倍首相は、改正案が公共の精神、道徳心を盛り込んだ点を挙げ「戦後60年を経た大きな変化の中で、新しい時代にふさわしいものに変えていく時
がやってきた」と、改めて成立に強い意欲を示した。また、小学校6年、中学校・高校3年、大学4年の「6・3・3・4年制」について「構造改革特区の試
みや小中一貫教育などの様々な取り組みが行われている。成果を分析・検証しながら、検討していきたい」と述べ、見直しを検討する考えを示した。
(朝日新聞)

 

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11月23日(2) 教育基本法改悪阻止、憲法改悪阻止のためのシンポ

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神奈川県大学人有志各位

 シンポジウムのご案内です。
  山根徹也(横浜市大)

シンポジウム
「「美しい国」の国会で 今、憲法が
 −国民投票法、教育基本法、そして共謀罪ー」
・主催:横浜弁護士会・人権擁護委員会
・場所:横浜市開港記念会館 2階/6号室
   (みなとみらい線・日本大通り駅1番出口出てすぐ)
・日時:11月23日(木)11時から13時

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11月23日(1) 東京女子大の教育基本法改悪反対アピールに連帯し、それへの賛同状況、その全国的賛同者・連帯募集のご紹介。

 

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東京女子大学の竹内久顕(教育学)です

 

 

「教育基本法改定案に反対する大学人有志の訴え」にご賛同ください(転載転送歓迎)。

 

 

 教基法改定を憂慮する大学人が、各自の大学で自発的に声をあげ、ネットワークを形成し、22大学560人を越える有志が集まりました。

 また、去る11月14日(火)には「教育基本法改定案に反対する大学人有志の訴え」(呼びかけ人 内海愛子、小林正弥、竹内久顕、千葉眞)として記者会見もおこないました(15日付朝日新聞等で報道)。すでに、学会や研究団体等の多くが、教育基本法改定への反対を表明しておりますが、大学の内部で有志が学問分野を超えて署名を集めたのは初めてだろうと思います。このたびの反対アピールは、各大学の教職員・研究者等の有志が、学問分野の違いを越えて、個々の信念と大学人としての良心に従い、発したものです。現今の状勢に対して、研究と教育に対する責任を有する大学人としての訴えです。

 「大学人グループ」の同様の動きで新聞などで取り上げられたものには、北海道地区14大学や、神奈川県下大学人と横浜国立大学(神奈川新聞等で報道)があります。これらの動きの新聞報道を見ると、「大学が動いた」ということが注目されております。

 

 

 そこで、大学で研究教育に携わっていらっしゃるみなさまにも同様の動きを起こしていただくよう、提案させていただきたいと思います。方法は2つ。

(1)各大学で教育基本法反対のアピール文を作成し、署名をあつめて、このネットワークに参加する(下記【データ】1のケース)。この場合、必要な情報を竹内までお知らせいただくことで、ネットワークに加えさせていただきます。また、既に私どものほうで集約している他大学のアピール文などをお送りいたしますので、双方でネットワークを拡大していきましょう。

(2)アピール文の作成までに至らない場合、「○○大学有志」あるいは「個人名(○○大学)」として、東女大有志アピールへの支持を表明する(下記【データ】2のケース)。「東京女子大学教職員有志のアピールを支持します」いうメッセージをお送り下さい。このネットワークのはじまりが東女大アピールだったので、今のところこういう形にしておりますが、東女大以外の大学との共同アピールを出すべく準備中です。

 

【連絡先】  

  〒167−8585 東京都杉並区善福寺2−6−1 東京女子大学 竹内久顕研究室(教育学)

  TEL: 03−5382−6669(大学研究室)

  E−mail:takeuchi-edu@memoad.jp

 

 

【データ】

1.22大学567名の有志が、各大学等のアピール文に賛同署名しております(11月13日現在)。

*国際基督教大学(95名)、恵泉女学園大学(63名)、東京女子大学(85名)、敬和学園大学(14名)、千葉大学(15名)、横浜国立大学(31名)、横浜市立大学(14名)、神奈川県下大学人(19名)、京女9条の会(5名)、北海道地区14大学(220名、北海道大学・北海道教育大学・北星学園大学、北海学園大学等14大学)

2.東京女子大学教職員のアピールに対して、33大学45名から賛同書名をいただいております(11月10日現在)。

*明治学院大学(9名)、共愛学園前橋国際大学(3名)、帝塚山学院大学文学部(3名)。他30大学30名の個人

3.また、私たちの「訴え」に対して、「日本平和学会」会員有志63名からの賛同署名もいただいております(11月11日現在)。

 

PS】本来であれば、大学以外の教育機関や市民の方々にも広げるべきところですが、2〜3名で集約や事務的作業を進めておりますので、残念ですが手が廻りません。このネットワークの動きに賛同していただける方は、それぞれの持ち場で同様の動きを作ってください。特定の誰かや団体が動かすのではなく、個人個人が主体となってネットワークを形成しつつ、共に頑張りたいと思います。

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11月22日 教育基本法「改正」(抜本改悪)が、愛国主義の注入、「正義」の戦争の正当化を通じて、戦争のできる国家体制を作り出そうとするものであるとすれば、防衛庁の防衛省への格上げも、その方向性を強めるものであろう。この格上げ法案に関しては、提案者の与党だけでなく、民主党の多くも賛成とか。危険極まりない情勢にある。

 

さらにまた、市民の自由な言論・出版を抑え込むことができる現代版治安維持法としての「共謀罪」法案も、かつての治安維持法が戦争のために威力をもち、戦争反対の人々の弾圧・口封じに利用されたことを考えれば、一連の戦争のできる国家体制に向けての政府与党の方向性と照応するものであろう。それは、現在の憲法を廃棄する方向でもあろう。まさにそれ(憲法「改正」)を安部首相は公然と述べている。

「共謀罪」法も、政府与党が強行採決に持ち込もうとする動きがあるという。「共謀罪」法案の廃案運動の盛り上がりが、教育基本法「改正」案の廃案運動と連動して期待される。「共謀罪」法関連HPを作り、危険を確認し、反対の声に連帯することにしたい。

 

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11月21日(2) 本学のTOEFL500点問題は、全国的にNHKやフジテレビでも報道されたという。高校や中学における必修科目の未履修問題とも関連し、また全国の受験生の関心事でもあることから、そのような取り上げ方となったのであろう。高校世界史問題もそうだが、そもそも実態・学生生徒の現実からかけ離れた無理なことを「上から」「外から」決めるから、こうしたことが発生するのである。制度設計の官僚主義、上位下達主義、センセーショナリズムなどが、問題の背景にあるだろう。センセーショナルな「全員任期制」の打ち上げ(大学教員任期制法の曲解と立法趣旨・付帯決議に反した適用)、その現在への継続としての昇任者差別(教員組合団体交渉要求書、参照)も、根っこは同じである。

 

そもそも、TOEFL500点進級基準をどこで決めたのか?(この問は、だれが、どこで、いつ審議して、変更を決定するのか、あるいはこのままでいくとの態度をとるのか、という問題と関連する。その意味で決定的に重要な問いであろう。)

 

教員組合をはじめとする現場教員の幾多の反対を押し切って500点進級基準を前提にしたままで、これまで本格的検討が行われなかったのはなぜか、こうしたことが問題となる。現場の教員は沈黙していたのではない。

 

現場の教員が現在の500点基準を抜本的に見直すように求めていく方法としては、代議員会での検討、そこでの決議、といったことがあろう。だれが、どこで決めるか分からないままで放置しておくことは許されないであろう。その審議と決断は、学生の将来計画などを考えるとき、時間的余裕はないと思われる。この問題でこそ、現場教員の責任と権限のありかたを再建しなければならないだろう。代議員会の教授会機能の復権、教育研究事項に関する自治の再建である。

 

現場教員が担うカリキュラム体系全体との整合性、各コースの独自性など、この2年近くの実績・学生の実態を踏まえて、なすべきことがあるだろう。現場教員はその責務を果たすべきであろう。代議員でもない一般の教員の一人としての、こうした意見表明(しかるべき教員関係者への意見具申)も、その責務の果たし方の一形態だと、私は考えている。そうした下からの意見形成の積み重ねと決議。それを教育研究審議会や経営審議会(その背後の市当局)があくまでも無視するなら、それはそれで問題と責任の所在が、全国的に、全受験生に、明確になるであろう。代議員会は少なくともきちんと議論は積み重ねておく必要があるであろう。

 

制度設計において、一律の500点を進級基準としたのが問題である。普通の大学、普通の学生の単位認定のあり方、進級基準のありかたを、本学でも再導入することが求められるであろう。すなわち、たとえば、500点は「進級基準」ではなく、あくまでも卒業までの到達目標として設定しなおし、学生諸君がその500点基準を自発的に突破するような学習環境・条件・設備を整える、そのような学習環境整備のための基準として500点を活かすということであろう。

しかし、進級や成績の基準としては、普通の科目と同じく、難易度に応じた段階的評価を行う。すなわち、秀(90点以上)・優(80点台)・良(70点台)・可(60点台)、60点未満不可が通常の科目評価であれば、秀(90点以上に相当するTOEFL基準を550点以上に設定)、優(80点以上90点未満に相当するTOEFL基準を500点以上―550点未満に設定)、良(70点以上、80点未満に相当するTOEFL基準を450点以上、500点未満に設定)、可(60点以上70点未満に相当するTOEFL基準を400点以上450点未満に設定、あるいは380点以上−450点未満くらいに設定するのが入試形態の多様化・専攻コースの多様性に対応し、実態にあっているのか?)とするといったことが考えられよう。1年半以上のデータに基づく妥当な線をだすことは、いまや難しくはないはずである。「自分はプラクティカル・イングリッシュについては可の段階で結構、他の科目群に力を注ぎたい」という学生がいれば、それを無理やり強制して、500点にまで引き揚げる必要はないであろう。

こうした抜本的(いや、ごく普通の)基準設定(進級と成績認定)に変更することにより、難問(らしきもの)は解決する。

 

プラクティカルな英語力を恒常的に維持・リフレッシュする、ないし増進する意欲ある学生、それを必要と感じる学生には、学内に整備された(?)学習環境・学習条件を活かして500点基準をクリアするまで、特別補習・実力増進クラスを用意してあげる。さらに、その上、秀のクラスの力をつけようとするものにも、学内にそうした特別訓練・実力養成クラスを設置して応援する、といったことが考えられよう。この方式によってこそ、プラクティカルな英語力充実科目以外の、専攻として意欲的に取り組める科目群(専攻・選択コースの科目群)に自分が処理しうる時間を使おうとする人は、それが可能となろう。これはごく普通のことである[2]

こうしたことこそが、英語担当教員集団の最初からの提案だったと私は理解する。そして、プラクティカル・イングリッシュとは違う英語力の本学的充実、英米文学研究の深化といったことはさらに英語担当の専門教員がおこなうことになろう。

現場で教育を担う教員は、さまざまの建設的意見を持ち、発言している。それが総合的に集約されるシステム、これが構築(再建)される必要がある。

 

現実の事務的(経営サイドにおける)進行に関して言えば、プラクティカルイングリッシュについては、来年度からプラクティカルイングリッシュセンターなる部局がその管理運営を一括して行うこととなり、そのセンター長(学務教授)の人事もすでに終了しているという。また、すでにそのセンター長となる人物が来年度の計画[3]を進めているとされる。この部局の設置については、代議員会もあずかり知らぬところであり、報告すら受けていないようである(この点、代議員会議事録(報告記録)などを確認する必要がある)。

そのような秘密の、現場の学内教員のコンセンサスを一切欠如したやり方で、はたして学生教育はできるのか?

進級基準、カリキュラム体系(各専攻コースの学問体系とその編成、時間配分)などということは、教育の本質に関わることであり、その問題について、学生を教える教員がいっさい知らないところで決めることができるのか? 一方的に過重な負担を負った学生に直面しながら、正常な各専攻コースの教育は行えるのか?

学校教育法はどうなっているのか?

代議員会が一切知らないところで、進級基準の変更などはできるのか?

そこまで教員集団を無視できるのか?

 

 

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11月21日(1) 朝日新聞(本日付)によれば、沖縄知事選挙では、自民党は独自の世論調査を行い、衆議院での教育基本法単独採決が影響しない、沖縄県民の関心は経済問題にある、教育基本法問題は関心の中心ではない、教育基本法改正に賛成が40%などという調査結果を踏まえて、強行採決を断行したという。仮にそうだとしても、賛成が「40%」というような半数以下の割合で、教育基本法というような憲法的法律を単独強行採決していいかどうかが問われる。本当に国民の納得を得た憲法的理念的法律であるならば、憲法と同じように、すくなくとも3分の2の多数の支持を得たものでなければならないだろう。そうでなければ、国民的安定性を持った確固とした基本法とはならないであろう。

参議院での今後の議論の展開、国民世論の動向などが重要となる。

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11月20日(4) 教育基本法「改正」(抜本改悪)の衆議院通過で、参議院の審議は、かりにまったくしないでも(野党が審議拒否を続け、衆院でのように委員会・本会議で与党単独採決の場合)、法案が「自然成立」するとされる。

【立花隆】踏みにじられた教育基本法審議 安倍アナクロ強権政治の誕生 【nikkei BP net】 阿修羅(2006.11.17)

 

その「自然成立」(与党・単独採決の強行)を見通した政府与党の衆院での強行採決だったというのが立花氏の主張であろうか。それは、60年安保の時の岸の手法だと。

 

沖縄県知事選挙で勝てば、すぐさま、安部首相は「教育基本法の採決が承認された」と週末のいくつもの選挙結果の都合のいい部分だけ(勝利した沖縄県知事選挙だけ)をつまみ食いする。その際、福岡市長選挙など、政府与党系が敗北している現実(選挙結果)には触れようとしない。そもそも、現在の衆議院の議席状況が「郵政民営化」一本やりの(教育基本法という憲法的問題に関しては目をくらませる)欺瞞的総選挙だったことには眼も向けようとしない。「勝てば官軍」。

これまで教育基本法「改正」(抜本改悪)反対の多くの議論が主張してきたように、今回の「新基本法」も、仮に参院での与党の単独(強行)採決によってこのまま成立しても、憲法違反の諸法律と同じく、憲法違反ということで、違憲立法だということを明確にしていくことが求められるだろう。

逆に、政府与党は、邪魔になる現在の憲法自体を変えようとしている。すなわち、自衛隊の自衛軍への格上げ、その前提としての防衛庁の防衛省への格上げ、その先の憲法自体の改悪へと公然とすすんでいる(安部首相はまさにそれを公言している、閣僚や党内幹部の核武装論議も容認している)。

教育基本法で問題が終わるのではない。

日本国民の意識全体が根本から問い直されている。

安部自民党公明党連立政権の憲法改悪の路線を根本から覆すためには、現在の教育問題や失業問題・格差拡大社会(ワーキング・プア拡大社会)などを作り出した政府与党を窮地に追い込み、来年の参議院選挙、そしてそれに続くであろう衆議院選挙で、政府与党勢力を少数派に落とすことが必要であり、その国民的自覚が必要だろう。民意を無視すればどうなるか、それを示すことができるのは国民であり、その意思表明としての選挙においてである。

教育基本法のような重大な法律を、国民的議論として展開させないで、改悪の結果だけを掠め取った以上、しかもその内容が憲法違反である以上(民主党の見地からしても憲法と教育基本法とは一体的なものであり、新法案が少なくとも現在の憲法とは整合しないものであろう)、新しい教育基本法がはじめから傷物であり、基本法に値しないものとなることは明白である。基本法の基本法たるに相応しい格調の高いもの、政府・行政当局・および下位の法律・学習指導要領などを縛る規範としての基本法ではなくなる現実(このまま成立すれば)、これが重要であろう。

その意味では、ますます現在の憲法自体の重要性・重みが増したということであろう。現在の憲法しか、政府与党の横暴・民意無視を規制する法律はないということであり、現在の憲法を守り、活性化させること、その運動と思想の国民的水準(その高さと強さ)がますます重要になる、ということだろう。

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11月20日(3) 「全国国公私立大学の事件情報」に、市大新聞ブログの記事(学長インタヴュー)が掲載されており、それを通じて、本学の学費改定(値上げ)が市議会で認められたことを知った。この学長の答弁(新聞記事の発言、その日本語・・新聞記者が大体において正確に発言を記録しているとして)をみるとき、はたして、TOEFL500点の一律基準の学生への強制が日本の大学で妥当なのかどうかを改めて感じる。

それはさておき、この間、国際総合科学部の教員の大幅な減少から考えるとき、少なくとも国際総合科学部に限っていえば、教育研究面の条件(その低下、教員数の大幅な減少)から推測する限り、果たして値上げなどできる状況にあるのか、不思議である。とくに、商学部、国際文化学部、理学部の3学部に関しては、廃止されることがきまっているなかで、この3年間、どれだけ、暖かい教育条件が提供されたのか。彼らが入学した時に約束されたカリキュラム・教授陣がどれだけ維持されたのか。「学費改定」では、廃止される3学部に関しての配慮も見られない。わたしだったら、3学部の学生諸君については、据え置きで当然だろうと思う。

また、「任期制」強要問題とも関係し、教員の「やる気」がどうなっているか、見えないところで低下しているのではないか、といった要因も考慮する必要がある。学生諸君が充実した教育を受け、その結果が社会に出て発揮されるという長期的な成果(本当の成果)こそが検証されるべきだが、それは、2年か3年の中期計画では視野に入ってこないし、その中期計画だけを前面に掲げているような人の眼には見えないし、そもそも思考の中、問題関心の中にも入ってこない。学費改定の理由書・学長の説明はどうなっているか?

教員組合はどのように対応しようとしているのか? 団体交渉でのやり取りに期待したい。

かつてならば、学費改定は教育研究の条件整備で非常に重要な問題なので、教授会において議論され、少なくとも意見聴取は行われていた。今回は、そのようなことはなかった。そもそも教授会マターではない、ということなのだろう。だが、それは本当か?教育や研究の条件・環境に関して、その現場を担う教員・研究者の声がきちんと聴取されないで、うまくいくのか? 

 

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11月20日(2) 現在の「格差社会」化の原点に、国鉄解体・民営化の新自由主義政策があったことは明確だが、その強権的やり方で、たくさんの国鉄労働者が不当な差別・不当労働行為に苦しみ続けてきた。それは、国際社会も認知し、批判し、是正を勧告しているところである。働く人々を不当に差別する社会では、フェアな市場競争はできない。世界的なフェアな競争条件を確立し、整備しながら、市場競争も行っていく必要がある。かつて、日本はエコノミックアニマル、ダンピングの批判を浴びた。働く人々に対する不当労働行為は、まさに、労働条件・生活条件の不当なダンピングの一形態である。無権利の多くの労働者が、不当に悪い条件で働かされることは、労働コストの不当な切り下げであり、その不当なコストダウンで海外での競争力を強化していることになるからである。

社会を席巻している新自由主義の大学版が、強権的な大学改革であり、その現象が、不当極まりない「全員任期制」のやり方であって、教員組合が繰り返し主張しているような不当な(違法性の高い)昇任人事における任期制契約の強要 (不利益措置の強制は、強要以外の何ものでもない)である。下記で問題となっている国鉄職員に対する不当な差別と本質的には同じ問題である。

本学、教員組合も、その意味では、下記のような国鉄職員の運動に連帯すべきものであろう。学問の自由、言論の自由、大学自治(再獲得・実質的再建)は、それを保障する現在の憲法を現実生活の場で守り、活かし、発展させ、実現していく運動・思想とのベクトルの総合に依存しているであろう。

 

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鉄建公団訴訟原告団等、ILO結社の自由委員会報告に関する声明

1047名の不当解雇撤回、国鉄闘争に勝利する共闘会議(国鉄闘争共闘会議)
 ●ILO結社の自由委員会報告に関する声明(20061117日)

ILO結社の自由委員会報告に関する声明
20061117

鉄建公団訴訟原告団
国鉄闘争に勝利する共闘会議
鉄建公団訴訟原告弁護団

1、2006年11月15日、ILO理事会は、国労・全動労申立に係るJR採用差別に関する申立事件で、「政府に対し、この長期化した労働争議の関係当事者すべてが満足する解決に到達させる観点から、このようなILO支援の受け入れを真剣に検討するよう要請する」との結社の自由委員会報告を採択した。

 国鉄改革による国労組合員等に対するJR採用差別事件が発生した1987年4月から既に20年の歳月が経過せんとする今日、ILOにおいて「全ての関係当事者が満足する解決に到達させる」ため、政府に対するこのような報告を採択して頂いたことについては、心から敬意を表し感謝をするものである。

2、政府は、国鉄改革に際して、国会の場では「組合差別はしない」「1人も路頭に迷わせない」と言明して、国鉄改革関連法を成立させておきながら、その実、国鉄のなした国労に対する露骨な不当労働行為を容認し、1990年4月には、採用差別を受けて清算事業団に収容された国労組合員等1047名が、再就職の斡旋もされないまま再度解雇された深刻な事態を放置してきた。憲法に基づいて不当労働行為救済機関として設けられた政府機関の一つである地方・中央の各労働委員会自身が採用差別という不当労働行為の存在を認め、救済命令を発したのにこれをJRに遵守させる指導もせず、それどころか1998年5月東京地裁が国鉄改革法23条の解釈でJRの責任を否定するや、JRとともに不当労働行為の存在自体を否定し、「JRに法的責任なし」を前提とする「四党合意」によって、存在した不当労働行為責任を不問に付する、国労に屈服を迫る政治解決に奔走してきたのが実情である。
 上記ILO報告が特に「東京地裁の2005年9月15日付けの判決に留意する」としているように、国鉄改革の過程で不当労働行為の存在したことは司法の場においても明らかにされており、政府は今次ILOの採択した報告に基づいて、「全ての関係当事者が満足する解決」に到るための交渉の場を設置し、真摯に解決のための労をとるべきである。

3、他方、ILO報告において、当事者である国労が「司法だけによる解決がそぐわない問題がある」ことを前提としつつ、「交渉を通じた政治解決を探ることを強く望んでいるとの表明」をし「その実現に向けて関係当事者を一堂に会させる上で国労がILOに援助とアドバイスを要請」したという点は重大な問題である。
 国労本部は、1998年5月東京地裁判決が、国鉄改革法23条の形式的解釈でJRの責任を否定するや、存在した不当労働行為の責任を曖昧にし、被解雇者切り捨てに等しい「四党合意」を推し進めようとした。これに抗して、旧国鉄並びに清算事業団の不当労働行為責任を承継した鉄建公団(今日の鉄道運輸機構)の責任を追及し、不当労働行為の存在を認めさせたのが鉄建公団訴訟であり、ILO報告が留意するとする2005年9月15日の東京地裁判決である。存在した不当労働行為を明らかにし、その責任追及の姿勢を放棄したところに「全ての関係当事者が満足する解決」はあり得ない。それにも拘わらず、国労本部は同判決が示唆した上記最高裁判決から3年の時効間近になってなお600名近い被解雇者の救済のために訴訟に立ち上がろうとしていない。
 このような経緯に鑑み、国労本部の姿勢に強い危惧の念を表明するものである。

4、我々は、20年目を迎えようとしている「JR採用差別事件」に対して、当事者の筆舌に尽くしがたい苦難を思えば、4者(鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構原告団、全動労争議団、国労闘争団全国連絡会議)、4団体(国鉄闘争に勝利する共闘会議、全日本建設交運一般労働組合、国鉄労働組合、国鉄闘争支援中央共闘会議)のこれまで積み上げてきた共同行動、とりわけ当事者4者の団結を強化し、裁判闘争、大衆闘争に全力を挙げ、今次のILO報告をも活かして、被解雇者1047名のJR採用差別事件の早期解決に向けて更に奮闘する決意を表明するものである。

以上

[関連情報]
ILO結社の自由委員会報告仮訳(第297回理事会で採択)
全労連・全日本建設交運一般労働組合、【声明】日本政府はILO報告に基づき、ただちに解決交渉の場を設けよ(20061117日)
国労、声明(20061116日)
鉄建公団訴訟 第1回控訴審(東京高裁第17民事部係属) 1120
[報道]
JR採用差別 ILO、解決へ援助 日本政府に受け入れ迫る
国労不採用問題で勧告 日本政府にILO
国労不採用問題で勧告 日本政府にILO
ILO、国労不採用問題で7度目の勧告
国労組合員不採用問題、ILOが日本政府に勧告
国労組合員不採用:日本政府に異例の関与要請 ILO

 

 

 

 

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11月20日(1) 教育基本法の「改正」(抜本改悪)案を廃案に追い込むべく、運動が高揚している。各地の弁護士会も反対意見を出した。「全国国公私立大学の事件情報」から、それをコピーし、連帯の表明としておこう。

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2006年11月20日

自由法曹団、教育基本法特別委員会及び衆議院本会議での強行採決に強く抗議する声明

■自由法曹団

 ●教育基本法特別委員会及び衆議院本会議での強行採決に強く抗議する声明

 

 

教育基本法特別委員会及び衆議院本会議での強行採決に強く抗議する声明

 

 与党は、2006年11月15日教育基本法特別委員会で、引き続き、同月16日衆議院本会議で、野党の全議員が欠席のまま教育基本法「改正」案を強行採決した。これは多くの国民の声を無視した暴挙であり、民主主義に反するものである。同時に教育基本法案には、多くの問題があり、これらについて十分な審議がなされるべきものである。にもかかわらず、与党が政治的力関係だけに頼って強行採決をなしたことに、強く抗議する。

 

1.世論を捏造する「やらせ質問」の解明をしないまま、教育基本法「改正」法案を採決することは許されない。

 

 教育基本法は、日本国憲法と密接に関連し、教育法体系の根本理念を定める準憲法的な性格を有する法律である。教育基本法は、教育の根本的目的が子どもの自由かつ独立の人格としての成長にあることを示し、国家に対して、その目的を達成するための教育の実践を命じる立憲主義の精神をもつ基本法である。したがって教育基本法を改正するためには、国民の民意に十分に耳を傾け、その意向が国会審議の進行にも十分反映して進められるべきことは当然のことである。

 

 政府は、2003年から今年9月までに全国8ヵ所で教育改革タウンミーティングを開き、それをもって「国民的理解を深めてきた」と説明してきた。しかしながら5ヵ所のタウンミーティングで、内閣府を通じて文科省が事前に用意していたいわゆる「やらせ質問」がなされていたことが明らかになっている。更に少なくとも65人のタウンミーティング質問者等に対し5000円の謝礼が支払われていたことを塩崎官房長官が認めるという、ゆゆしき事態となっている。これは明らかに政府が、「国民」は教育基本法「改正」案に賛成しているかのように世論を捏造するものである。国民の「信を失った」文科省・政府は(『毎日新聞』2006年11月12日付社説)、この問題の原因を解明することなく、同法の「改正」を行う資格はない。

 

2.現行教育基本法を「改正」する必要のないことは、ますます明らかになっている。

 

 政府は「やらせ質問」を認めた際、その理由について、「教育基本法に関する意見がなかったので、議論を活性化するため」と説明しているのであるが、政府が2006年4月28日通常国会に本法案を提出して以来、国会審議の中で、現行教育基本法「改正」の必要性・立法事実について説得力ある説明ができないことと照らして考慮すれば、法改正の必要性がないことが、ますます明らかになっている。

 

 国民は、いじめや不登校問題の解決、少人数学級の実施や高校全入制度の実現を含めた、子ども達が安心できる「居場所」のある学校生活の実現、親の経済力によって学力に格差がつけられないようにする施策等を望んでいるが、これらは教育基本法「改正」によって実現できることではない。これらは、現行教育基本法をその理念に基づいて運用することによってこそ実現できるのであり、かつ、そのことが急務となっている。

 これらのことからすれば、今なすべきことは、教育基本法の理念を生かし、これに基づく施策を強化することなのであって、教育基本法を「改正」する理由は全くない。

 

3.教育基本法「改正」案には、多くの問題点があり、廃案にすべきものである。

 

 同法は現行法10条1項の改定、「改正」案17条の教育振興基本計画の策定の義務付けなどを通じ、国家権力にとって都合の良い法律と時々の恣意的な政策を持って教育内容への無制限の介入が可能となる。また、愛国心をはじめとする20にも及ぶ徳目教育をなすことを法定化することにより、国家権力によって「あるべき」国民の姿をも作り出そうとしている。

 

 現在においても、国は、卒業式等における国旗掲揚国歌斉唱の強制、愛国心を評価する通知票の導入を行っており、教育基本法が「改正」された暁には、このような国家による教育への介入が激化していくことは自明である。これらは、国家権力にとって都合の良い「あるべき」国民の姿をつくりだそうとするものである。憲法と一体となり自律的な「人格の完成」を目指すべき教育は、その本質から覆されることになる。

 

 憲法9条の改悪を中核とする自民党新憲法草案が発表され、我が国の軍事国家化が進められようとしている今、「あるべき国民」をつくりだそうとする教育基本法「改正」は、このような新憲法草案と一体となって、我が国を「戦争する国へ」と導くものであり極めて危険なものである。

 

 また、法案のもとで進められる国家による教育内容への介入は、教育における「平等」や「機会均等」を変質させ、能力主義の徹底や競争のさらなる激化に道を開くものでもある。法案は義務教育期間「9年間」の定めを削除し、これを弾力化することも認めている。さらに、教育振興基本計画に基づく「成果」による予算配分、教員評価制度などの一連の教育「改革」、全国一斉学力テストの実施などは、国家が子ども・親・教師・学校を巻き込んだ競争・格差を拡大する計画を立案し、それを協力に推し進めることを意味するものである。教育における格差は現在よりも、ますます増大されていくことになる。

 このような問題を持つ教育基本法「改正」案は、本来廃案にすべきものである。

 

4 教育基本法「改正」案について、この間、「一から議論をやり直す時だ」(『毎日新聞』2006年11月12日付社説)に代表されるマスコミの論調、教育・教育法及び関連する多くの学会声明、元校長・教頭の有志の意見、日本弁護士連合会や40単位弁護士会等の声明、その他多くの団体が法案に反対の意見を表明してきた。また、直近のNHKの世論調査によると、この法案に賛成の人の中でも、66%の人が「今国会に限らず慎重にすべき」と答えている。更に国会前では多くの国民が、法案に反対の態度を連日表明している。

 にもかかわらず与党はこれらの世論をまったく無視して、専ら与党の政治的力関係だけに頼って教育基本法特別委員会並びに衆議院本会議で強行採決をなしたのである。

 

 私達は、この暴挙に強く抗議し、教育基本法「改正」案の参議院での廃案をめざして全力をあげて今後もたたかうことをここに表明する。

 

2006年11月16日

自由法曹団団長 松 井 繁 明

 

 

 

 

Posted by 管理人 : 掲載日時 2006年11月20日 00:02 | コメント (0) | トラックバック (0)

URL : http://university.main.jp/blog3/archives/2006/11/post_2308.html

 

各県弁護士会、教育基本法改正に反対する会長名声(11月以降)

■仙台弁護士会、教育基本法改正に反対する緊急声明(2006年(平成18年)11月15日)

■秋田弁護士会、教育基本法改正に反対する会長声明(2006年(平成18年)11月14日)

■東京弁護士会、教育基本法「改正」法案の衆議院採決に関する会長談話(2006年11月16日)

■第二東京弁護士会、教育基本法の「全部改正」案衆議院通過に抗議する声明(2006年(平成18年)11月16日)

■新潟弁護士会、教育基本法改正に関する会長声明(2006年(平成18年)11月8日)

■岐阜県弁護士会、教育基本法改正に反対する緊急会長声明(2006年(平成18年)11月16日)

■奈良弁護士会、教育基本法改正に反対する会長声明(2006年(平成18年)11月13日)

■福岡県弁護士会、教育基本法改正に反対する会長声明(2006年(平成18年)11月15日)

 

それ以前のものは下記に掲載されている。

■弁護士会・法曹関係者声明(教育基本法「改正」情報センター)

 

 

Posted by 管理人 : 掲載日時 2006年11月20日 00:01 | コメント (0) | トラックバック (0)

URL : http://university.main.jp/blog3/archives/2006/11/11_3.html

 

同大・立命・京大の教職員組合、共同アピール「教育基本法『改正』案の強行採決に断固抗議する」

■京大職組

 ●三組合共同アピール「教育基本法『改正』案の強行採決に断固抗議する」

 

 

三組合共同アピール「教育基本法『改正』案の強行採決に断固抗議する」

 

 京都大学職員組合は11月16日に、同志社大学教職員組合、立命館大学教職員組合と共に、「教育基本法『改正』案の強行採決に断固抗議する」共同アピールを発表しました。

 

 

教育基本法「改正」案の強行採決に断固抗議する

 

 11月16日午後、教育基本法「改正」案が自民、公明両党などの賛成によって、衆議院の教育基本法特別委員会につづき本会議においても強行採決されたことに私たちは断固抗議します。

 今の臨時国会では、必要科目の履修漏れや「いじめ」問題による痛ましい事件の続発、さらにはタウンミーティングでの「やらせ」質問が焦点になりましたが、教育基本法の「改正」が現在の教育問題の解決にどう結びつくのか、論議を深めるべきです。それにも関わらず、強行採決に踏み切った政府・与党の責任は極めて重大です。

 私たちは、市民の声を反映した教育制度と教育内容を実現することを強く求めるとともに、教育基本法「改正」案の廃案を求めるものです。

 

2006年11月16日

同志社大学教職員組合 執行委員長 出原 政雄 

立命館大学教職員組合 執行委員長 木田 融男 

京都大学職員組合 中央執行委員長 小田 滋晃

 

 

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11月17日(2) 教員組合ウィークリー(11・17日号)を受け取った。重要な諸事項で団体交渉を申し入れたようで、当局のしっかりした回答を求めたい。

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横浜市立大学教員組合週報

   組合ウィークリー

2006.11.17

 

もくじ

    11月定例(拡大)執行委員会報告

    団体交渉申し入れ書

    教育基本法に関する緊急アピールについて

 

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 11月定例(拡大)執行委員会報告

11月16日(木)に11月定例執行委員会(拡大執行委員会と合同)が開かれました。以下はその議事概要です。

 

1.サークル助成金について

テニスサークルより助成金の申請があり、10,000円の助成をおこなうことを承認した。

2.113日に開催された「全大協・労働セミナー」に参加した本宮書記長より報告があった。

3.団体交渉について

1130日(木)に団体交渉がもたれることになり、「団体交渉申し入れ書」の内容について話し合いをおこなった。1117日に当局に提出された「団体交渉申し入れ書」については、2ページ以降に全文を掲載します。

4.教育基本法に関する緊急アピールについて

1115日、全大協より「教育基本法『改正』に反対し、国会での拙速強行を行わないことを求める緊急アピール」に対する賛同の要請があり、委員長の判断で賛同することとしたとの報告があり、執行委員会としてこれを了承した。このアピールの内容は5ページ以降に掲載しています。

 

 

 

 

 

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教員組合に皆様の声をお寄せください

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発行 横浜市立大学教員組合執行委員会

 〒236-0027 横浜市金沢区瀬戸22番2号

 Tel 045-787-2320   Fax 045-787-2320

 E-mail : kumiai@yokohama-cu.ac.jp

組合HP:http://homepage3.nifty.com/ycukumiai/index.htm

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団体交渉申し入れ書

20061117

公立大学法人 横浜市立大学 

理事長 宝田 良一 殿

 

横浜市立大学教員組合

執行委員長 岡 眞人

 

団体交渉申し入れ書

 

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

当教員組合は、教員の教育・研究条件の向上を図るとともに、教育現場から本学の真の改革を目指すべく取り組みを継続しております。貴職におかれましても、建設的な労使関係の形成に向けてご高配を賜りますようお願い申し上げます。

さて本年4月の団体交渉での議論、およびその後の折衝や大学当局の大学運営のあり方を踏まえ、この度下記の事項に関して団体交渉を申し入れることにいたしました。ご多用の折恐縮ですが、議題の重要性にかんがみ、11月中を目途に可及的速やかな対応を要請いたします。

 

 

 

一.賃金等に関する要求

(1)2006年度の定期昇給凍結解除による給与等の早急な是正について

11月1日の折衝で、当局は2006年度の凍結分を2007年度からの経験年数を入れた新給与制度で考慮すると述べたが、2006年度中に被る不利益が考慮されるか不明確である(2006年度中の退職者に対しても同様)。2006年度について実質的な定期昇給をおこない、給与凍結により生じた給与等における逸失分を補填するための具体的方法を明示することを求める。

(2)2007年度からの新給与制度について

(イ)新給与制度の具体案を早急に提示し、組合との協議に入ることを求める。

(ロ)11月1日の折衝で当局が示した新給与制度モデルにおいて、年俸、賞与、退職金、年金等に関し、不利益変更とならないように要求する。

(3)「入試手当」について

11月1日の折衝で、「入試手当」を2006年度以降も支給することが示されたが、その確認を求める。

(4)退職手当規程の整備について

10月11日と11月1日の折衝において当組合が指摘した現行の退職手当規程の不備を早急に是正することを求める。

 

二.教員昇任人事および関連事項に関する要求

(1)昇任人事について

昇任審査で資格要件を満たしていると判定された教員が、任期の定めのない雇用契約から任期つきの労働契約への変更に同意しないことを理由として、昇任発令を受けられないという事態が発生している。任期の定めのない者の昇任に際して、新たに任期つきの雇用契約に応じなければ昇任を認めないという考え方は社会通念から著しく乖離しており、違法性が高いことを当組合は繰り返し指摘してきた。この事態は当該教員自身に多大な不利益をもたらしているだけでなく、本学の教育研究組織構造に歪みと混乱を生じさせているので一刻の猶予も許されない。昇任有資格者と認定された者に対して、任期制受け入れの諾否に係らず速やかに昇任の発令をすることを求める。

(2)再任条件の明示について

任期つき雇用契約に同意した者、あるいは任期つき雇用契約への変更について検討しようとする者にとっては「再任」の基準・条件は必須の情報である。当局は繰り返し「普通にやっていれば再任される」と説明してきたが、「普通」の具体的内容は明示されていない。このような状態が続く中で、昇任や採用人事が進められていることは異常事態といわざるを得ない。労働条件に関する必要不可欠な情報を明示しない労働契約は無効である。この点について当局がどのように認識しているか、明確な説明を求める。

(3)「助教」制度について

学校教育法改正による「助教」制度の新設に伴う諸問題について、当局の基本認識と対応準備状況を明らかにすることを求める。

(4)教員任期の期間の見直しについて

9月22日の教員評価制度説明会において松山課長が、「労働基本法と照らし合わせて助手の任期期間は5年も可能である」と述べたが、その検討状況について説明を求める。

 

三.教員評価制度に関する要求

8月15日に当組合が提出した「教員評価制度に関する質問事項」に対する9月1日付当局回答(以下、「当局回答」とする)の内容は、質問内容に対応した回答を避けている点が多々見られるとともに、回答内容に曖昧さが残るなど、きわめて不十分なものと言わざるを得ず、この回答内容をもってしては到底納得しうるものではない。このような状況では、本格的な試行をおこなう上で必要な前提条件が整ったとは言えない。にもかかわらず、今回当局が「試行」を強行したことは極めて遺憾であり、今回の「試行」は本来的な意味での試行と認めることはできない。

ここに改めて、以下の点につき質問をおこない、それに対する誠意ある回答を求める。

(1)学問の自由の保障との関係について

「当局回答」は、「学問の自由」と大学側の目標設定が矛盾することはないという「楽観的な」前提に基づく議論にすぎない。我々は両者が矛盾することもありうることを踏まえ、その場合において「学問の自由」が担保される制度的な保障の具体的な提示を求めている。この点に関し、再度説明を求める。

(2)目標設定について

「当局回答」の中で、「何らかのアウトプット(効果)が期待できるはず」との断定をおこなっているが、そのことが、教育研究を主な内容とする教員の職務に鑑み、少なくとも短期的にどこまで妥当性を持つか疑問と言わざるを得ない。この点に関して説明を求める。

(3)評価方法について

「当局回答」の内容は、評価制度実施説明書に示される評価の点数化および総合化が、評価制度の目的として謳われている「教員一人ひとりの恒常的能力向上」とどのように結びつくのかに関し、依然として明確な説明となっていない。また、「恒常的能力向上」という設定自体に疑問を感じざるを得ない。仮に「能力向上」を目的とするのであれば、点数化や総合化といった方法ではなく、むしろ各評価対象事項に関する具体的なかつ詳細な評価結果内容の説明を評価者がおこなうことこそが、「能力向上」実現につながるはずであり、そのための制度的な担保が必要となろう。以上の点に関する説明を求める。

(4)評価の公正性について

評価制度の公正性の検証、公正な評価を担保するための評価者の研修、医学部などで見られる教育研究費の適正な配分の未達成状況の改善などに関する質問に対し、「当局回答」では今後の対応努力だけを述べるにとどまっている。さらにこうした点にかかわり、国際総合科学部のある科目の開設に際し、大学当局内での連絡不全から適切な開講条件が整えられず、担当教員が過度な負担と不安を強いられている状況も判明している。また、評価結果に対する個々の教員の異議申し立てが制度的にどのように担保されうるのかという点についても、依然として不明瞭なままである。こうした事項にかかわる整備や問題点の解消は、評価制度実施における大前提となるべき問題であろう。以上の点に関する説明を求める。

また、各教員の専門と遠い評価者による評価は、そもそも公正性も実質的な効果も期待できない。本来の目的に適合した評価をおこなうためには、ピアレビューが評価の基礎となるべきであり、煩雑な評価方法の見直しが不可欠である。評価の意味と方法についての根本的な議論が、労使の間でなされなければならないと考える。この点について確認を求める。

(5)処遇への反映について

評価結果の処遇への反映に関する事項は、これまで当局も確認しているように、当組合との協議事項である。ところで上記(3)に関連して、評価結果の点数化・総合化が、各教員の「能力向上」のための手段としての整合性に疑問がある以上、それは評価結果の処遇への反映を念頭においたものと考えざるをえない。このことは、処遇への反映のさせ方に関する協議と切り離して評価制度の実施を論じることはできないことを意味している。この点についての確認を求める。

また、9月22日に瀬戸キャンパスでおこなわれた「教員評価制度の説明会」の場で、教員から出された、「2007年度の評価結果を2008年度の処遇に反映させることがあるか」との質問に対して、馬来副学長はそのようなことはないと言明した。あわせて、この馬来副学長の発言内容の確認を求める。

(6)評価制度導入手続きについて

評価制度導入手続きにかかわり、評価制度案の教授会での審議の必要性、試行期間を実際のタイムスケジュールにあわせて設定することの必要性を質したが、「当局回答」はこうした質問に対し全く応えたものとなっていない。また、試行結果の検討、試行を踏まえた手直し手順、それが各教員や当組合に提示される手順等に関する「当局回答」の内容も、依然曖昧なものにとどまっている。以上の点に関する明解かつ具体的な説明を改めて求める。

また、評価制度に関する上記のような、事前に整理・解消すべき多くの問題点が残されている以上、制度が目指す本来の目的を適切に実現するためにも、今後の十分な検証、手直し、事前準備が必要であり、処遇への反映はもちろん、それを留保したとしても、本学の混乱を避けるためにも拙速な制度導入は控える必要がある。この点に関しての確認を求める。

 

          以 上


教育基本法に関する緊急アピールについて

 

教育基本法「改正」に反対し、国会での拙速強行を
行わないことを求める緊急アピール


 安倍内閣は、戦争と戦力を禁じた日本国憲法を「改正」し、5年を目処に「自主憲法」を制定することを明言してスタートした。そして「自主憲法」のつくる体制=レジームづくりに結びつけるものとして、教育基本法「改正」を最優先の課題の一つに挙げている。

こうした安倍内閣の改革プログラムは、平和・人権・民主主義の原則立つ日本国憲法の変質を企てる極めて危険なものであり、それと連動した教育基本法「改正」であることに対し、各種世論調査にみられるように、拙速な法「改正」に対する疑問、批判する世論は広がりつつある。
 安倍内閣は、その発足時に教育再生会議なるものを立ち上げ、現下のいじめ自殺や教科未履修問題などへの応急的な対応策を打ち出そうとしているが、こうした教育問題、課題に教育基本法「改正」を結びつけることの根拠の無さ、その拙速さを指摘する意見がほとんどである。教育再生会議の設置とその検討の原則、役割と教育基本法「改正」法案の原則との関係の不明さがあり、矛盾なども明らかである。

全大教中央執行委員会は、514日、与党提出の教育基本法「改正」案が、「戦争をする国」を担う人づくりへの地ならしとしての「愛国心」形成を法律で強制するものであり、教育への国家介入を正当化させ、現行の教育基本法を「教育国家管理基本法」に変質させるものであると批判し、反対の立場を明らかにした。また、1011日には日本私大教連と共に「教育基本法案の廃案を求める共同アピール(声明)」を発表している。しかし、教育基本法「改正」の必要性は前国会においても国民に対して明らかにされていない。今は拙速に法「改正」をするのではなく、いじめ自殺、高校必修科目の未履修問題の背景、「君が代」強制違憲判決(東京地裁)等について、国会において徹底して議論されるべきである。
 国会で教育基本法「改正」が強行されることがあれば、わが国の教育、とりわけ私たちの担う大学・高等教育の危機は深まり、その使命を果たすために必須の条件である学問の自由の精神が脅かされることになる。

こうした危惧の念を共有する私たちは、この「改正」法案の不当性を再度、強く指摘したい。国会がこうした教育の危機をより深刻化し、大学・高等教育機関等の役割を歪め、国家従属を導く「法案」を強行する愚行を行わないことを強く求めるものである。

2006
1115


全国大学高専教職員組合

中央執行委員長

大西  広

北海道大学教職員組合

執行委員長

藤本 正行

北海道大学水産学部教職員組合

委員長 

木村 暢夫

北海道教育大学札幌校教職員組合

委員長

後藤  守

北海道教育大学函館校教職員組合

委員長

遠藤 芳信

北海道教育大学釧路校教職員組合

委員長

荒川  繁

北海道教育大学岩見沢校教職員組合

委員長

佐藤  有

帯広畜産大学教職員組合

委員長

高澤 俊英

室蘭工業大学職員組合

委員長

若菜  博

北見工業大学教職員組合

委員長

原田 康浩

小樽商科大学教職員組合

委員長

荻野富士夫

弘前大学職員組合

委員長

荒川  修

秋田大学教職員組合

委員長

佐藤 修司

山形大学職員組合

委員長

上田 弘毅

岩手大学教職員組合

委員長

横尾 恒隆

東北大学職員組合

委員長

関本英太郎

宮城教育大学職員組合

委員長

太田 直道

福島大学教職員組合

中央執行委員長

初澤 敏生

宇都宮大学職員組合

委員長

内野康人之

群馬大学教職員組合

委員長

山西 哲郎

茨城大学工学部教職員組合

執行委員長

東 美和子

茨城大学農学部職員組合

執行委員長

久留主泰朗

高エネルギー加速器研究機構職員組合

執行委員長

栗木 雅夫

山梨大学教職員組合

委員長

鈴木 俊夫

信州大学教職員組合

中央執行委員長

野口 俊邦

新潟大学職員組合

中央執行委員長

野中 昌法

埼玉大学教職員組合

委員長

岩見良太郎

東京大学職員組合

委員長

空閑 重則

筑波大学教職員組合・東京

委員長

高橋 宏和

電気通信大学教職員組合

委員長

奥  浩昭

一橋大学教職員組合

委員長

古茂田 宏

東京農工大学職員組合

委員長

辻村 秀信

東京芸術大学教職員組合

委員長

杉木 峯夫

東京都立大学・短期大学教職員組合

委員長

大串 隆吉

東京海洋大学海洋科学部教職員組合

委員長

塩見 一雄

東京学芸大学教職員組合 

委員長 

関沢 正躬

横浜市立大学教員組合

委員長

岡  眞人

金沢大学教職員組合

執行委員長

大谷 吉生

静岡大学教職員組合

委員長

梅澤  収

富山大学教職員組合

委員長

広瀬  信

福井大学教職員組合

委員長 

小野田信春

名古屋大学職員組合

委員長

小畑  郁

愛知教育大学職員組合

委員長

澤  武文

名古屋工業大学職員組合

委員長

日野 安昭

岐阜大学職員組合

中央執行委員長

廣田 則夫

三重大学教職員組合

委員長

西川  洋

滋賀大学大津地区教職員組合

委員長 

澤田 和明

滋賀県立大学教職員組合

委員長

森脇 克巳

京都大学職員組合

中央執行委員長

小田 滋晃

京都教育大学教職員組合

委員長

巻本 彰一

京都工芸繊維大学職員組合

委員長

大倉 弘之

和歌山大学教職員組合

委員長

小林 民憲

奈良教育大学附属学校園教職員組合

委員長

堂上 禎子

大阪大学教職員組合

委員長

城戸 良弘

大阪外国語大学教職員組合

委員長

佐々木 猛

大阪教育大学教職員組合

委員長

高橋  

大阪府大学教職員組合

中央執行委員長

大久保博志

大阪市立大学教職員労働組合

執行委員長

野田 昌吾

神戸大学教職員組合

委員長

横山  良

鳥取大学教職員組合

委員長

奥山 育英

岡山大学職員組合

委員長

鈴木 茂之

島根大学職員組合

中央執行委員長

竹永 三男

山口大学教職員組合

委員長

鴨崎 義春

徳島大学教職員労働組合

中央執行委員長

石村 和敬

愛媛大学職員組合

委員長

竹内 康博

香川大学教育学部教員組合

委員長

山下 明昭

高知大学教職員組合

中央執行委員長

種田 耕二

高知女子大学教職員組合

委員長

山根久之助

九州大学教職員組合

執行委員長

清水 良文

福岡教育大学教職員組合

委員長

三谷  尚

九州工業大学教職員組合

執行委員長

西垣  敏

佐賀大学教職員組合

委員長

半田  駿

大分大学教職員組合

委員長

前田  寛

宮崎大学教職員組合

委員長

今井富士夫

熊本大学教職員組合

委員長

鈴木 桂樹

鹿児島大学教職員組合

委員長

米澤 弘夫

琉球大学医学部附属病院職員組合

委員長

島崎 順之

旭川工業高等専門学校教職員組合

委員長

遠藤  剛

苫小牧工業高等専門学校教職員組合

委員長

八田 茂実

小山工業高等専門学校労働組合

委員長

祇園寺則夫

木更津工業高等専門学校教職員労働組合

委員長

山下  哲

福井工業高等専門学校教職員組合

委員長

前島 正彦

豊田高等専門学校教職員組合

委員長

勝谷 浩明

富山商船高等専門学校教職員労働組合

委員長 

岡本 勝規

鳥羽商船高等専門学校教職員組会

委員長

伊藤 文雄

舞鶴工業高等専門学校教職員組合

委員長

舩木 英岳

和歌山工業高等専門学校教職員組合

委員長

冨上健次郎

奈良工業高等専門学校職員組合

委員長

梅原  忠

津山工業高等専門学校教職員組合

委員長

鷲田 廣行

米子工業高等専門学校教職員組合

委員長

松原 光男

松江工業高等専門学校教職員組合

委員長

堀江 克明

広島商船高等専門学校教職員組合

委員長

澤田 大吾

呉工業高等専門学校教職員組合

委員長

門前 勝明

弓削商船高等専門学校職員組合 

委員長 

多田 光男

大島商船高等専門学校教職員組合

委員長 

岩崎 寛希

徳山工業高等専門学校教職員組合

委員長 

渡辺 勝利

宇部工業高等専門学校教職員組合

委員長

日高 良和

有明工業高等専門学校 教職員組合

委員長

山口 英一

都城工業高等専門学校教職員労働組合

委員長

河野 行雄

大分工業高等専門学校教職員組合

委員長

佐藤 達郎

 

 

 

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1117日(1) 本学学生・教員有志アピールをはじめ、全国でたくさんの教育基本法「改悪」反対アピールが出ている(「全国国公私立大学事件情報」本日付)。単独強行採決にも、全国から反対,批判の声が沸き起こっている。本学アピールなどの記者会見発表も、各新聞において掲載され、反響を呼んでいるようだ。さらなる輪の広がりを期待したい。

 

-----毎日新聞神奈川版20061116日付-------



教育基本法改正:県内の大学教授ら、反対訴え

 横浜国大や関東学院大など県内の大学の教授や学生ら大学人有志33人が15日、与党が今国会での成立を目指している「教育基本法改正案」に反対するア ピールを発表した。ファクスなどで全衆院議員に送り、引き続き賛同者を募る。

 アピールは、いじめや自殺、履修漏れなどが取りざたされる中、「教育現場の問題は、改正の理由にはならない」「『わが国と郷土を愛する』と法的に義務 付けるのは、心の自由を奪う」などとして、改正案に反対。逆に「教育基本法の精神を生かすべきだ」と主張している。山根徹也横浜市大助教授は「数人だが、学生がアピールに参加するのはここ最近なかったこと。改正の動きに対する危機感の高まりが表れている」と話した。

 横浜国大の有志と横浜市大の有志はそれぞれ、単独の声明や緊急アピールも発表して、改正案の廃案や慎重審議を求めている。【稲田佳代】

 

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1116日 教育基本法「改悪」の委員会強行採決(教育関連の重大問題続発にもかかわらず、その問題と基本法との関連なども審議しないままの採決)に対する抗議の意思表明の一つのあり方が、紹介されているので、直接国会などにいけない人、ファクスなどを出せない人の意思表示の方法として,紹介しておこう。

 

----------兵庫県高教組--------

憲法・教育基本法改悪反対! 
抗議・要請メール

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1115日(3) ヒューマン・チェーンの訴えを掲載しておこう。

本日は、「20世紀の戦争と社会」の連続講義の日にあたり、木畑洋一東大教授、廣田功新潟大学教授(東京大学名誉教授)の二つの講義があり、その招聘関係者なので、学生諸君にはぜひこの講義を聞いてほしいのだが、他方で、多くの学生諸君が「ニューマン・チェーン」の連帯の輪に結集することをも期待したい。

  

ある学生さんは、「過去の戦争について学ぶことは本当に大事だけど、未来の戦争を止めるのはもっと大事!!だと決意し、・・・昼間から座り込みに参加して、緊急集会にも参加したいと思います。・・・・さん、着いたら連絡ください。他にも参加者は連絡ください!それから、これる人はなるべくもう一人、二人と連れてくると大きな力になるんじゃないかしら!」と。

 

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●○「ヒューマン・チェーン」(人間の鎖)第2波のお知らせ○●

 

激しい攻防が続いています。今日、明日が最大の山場かも知れません。安倍内閣も院内外のたたかいによって窮地に追い込まれています。

一歩も引かないたたかいをやるっきゃない!!

1人が3人誘ってください!

8日の第1回目の「ヒューマン・チェーン」(人間の鎖)は、2300人の人がつながり、地底から湧き上がるような怒りのコールが、国会を包囲しました。マスコミも注目し、報道しました。

個人の尊厳・民主主義・平和を、私たちは、ぜったい手放すわけにはいきません。廃案をめざして、すべての力を結集しましょう。19日をめざして奮闘する沖縄の人々と共に、新国家主義の安倍内閣を打ち倒しましょう。

第2波の「ヒューマン・チェーン」(人間の鎖)を下記のとおりおこないます。

 

※「ヒューマン・チェーン」(人間の鎖)の呼びかけ人は、

   1800名に達し、とりあえず募集を打ち切りました。

 

  教育基本法改悪反対!

   ―少年法改悪反対、改憲手続き法と共謀罪の新設反対―

  ★「ヒューマンチェーン」★(人間の鎖)

     

  実施日程● 11月16日(木)午後5時開始〜6字半まで

    場所● 衆議院第2議員会館前集合 (地下鉄丸の内線国会議事堂前下車)

  キャンドル・ ヒューマン・チェーン/コール&リレートーク

 

    教育基本法改悪は、少年法改悪、憲法改悪や共謀罪新設などと

   一体のものであり、平和と民主主義を踏みにじり、「戦争国家」に

   突き進むものです。

   これらの法案を廃案に追い込むために、今こそ、さまざまな分野、

   立場を超えたすべての力を、国会に結集しましょう!

   ―――――――――――――――

   ・教育基本法「改正」反対市民連絡会

  ・子どもと教科書全国ネット21

  ・子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会(「子どもと法・21」)

  ・「子どもたちを大切に…今こそ生かそう教育基本法」全国ネットワーク

  ・許すな!憲法改悪・市民連絡会

  ・共謀罪の新設に反対する市民と表現者の集い実行委員会

  ◎問い合わせ先

    高田(tel:03−3221−4668)

    東本(tel:090−1859ー6656)

    日本消費者連盟(tel:03−5155−4765)

 

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1115日(2) 郵政民営化問題でも、結局は国会解散という(憲法違反も指摘される)やり方で民意を確認してからでなければ、法案は通過しなかった。今回の教育基本法は、まさに、問題の本質的重要性(日本の国民と国家の今後60年―70年を方向づけるであろう法案、憲法に次ぐ重要な法案)からすれば、きちんと民意を確認する作業が必要であり、総選挙を行うべきほどのものである。

「郵政民営化一本やり」で獲得した議席を使って、教育基本法のような重要な法律を採決するなどもってのほかである。民意無視もはなはだしい。民主主義否定である。自由民主党などという党名は捨て去って、「国権党」、「国家統制党」とでも名乗るべきだろう。教育学界等が提案するように、教育基本法改正調査会でも設置して、全国的に調査検討をすすめ、民意をきちんと確認するべきものである。

 

教育基本法「改正」案に反対する点(慎重審議その他も含めて)は、多くの新聞の論調である。

 

------「全国国公私立大学の事件情報」--------

20061115

教育基本法「改正」関連の社説・論説一覧(主に11月以降)

下記の新聞社の社説・論説は,教育基本法の早期「改正」に根本的に疑問を呈している。

■やらせ質問 民意をなめるな  あきれつつ、腹が立つ(朝日新聞11/09社説)
http://www.asahi.com/paper/editorial20061109.html
■教育基本法改正 一から論議をやり直す時だ(毎日新聞11/12社説)
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20061112ddm005070122000c.html
■教育基本法案、採決急ぐ状況ではない(北海道新聞11/05社説)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/backnumber.php3?&d=20061105&j=0032&k=200611053822
■やらせ質問 これで「教育改革」とは(北海道新聞11/10社説)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/backnumber.php3?&d=20061110&j=0032&k=200611104887
■教育基本法改正/学校現場の問題解決が先だ(河北新報11/11社説)
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2006/11/20061111s01.htm
■教育基本法改正案/審議を十分に尽くすべき(東奥日報11/10社説)
http://www.toonippo.co.jp/shasetsu/sha2006/sha20061110.html
■教育基本法改正 議論は深まっていない(秋田魁新報11/01社説)
http://www.sakigake.jp/p/editorial/list.jsp
■やらせ質問 あきれ果てる情報操作(岩手日報11/01論説)
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2006/m11/r1111.htm
■教育基本法 この現実を見て議論を(東京新聞11/01社説)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20061101/col_____sha_____002.shtml
■週のはじめに考える 教育現場からの議論を(東京新聞11/12社説)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20061112/col_____sha_____001.shtml
■やらせ質問 世論誘導は許されない(東京新聞11/11社説)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20061111/col_____sha_____003.shtml
■社説=教育基本法 採決を急いではいけない(信濃毎日新聞11/08社説)
http://www.shinmai.co.jp/news/20061108/KT061107ETI090004000022.htm
■教基法改正 緊急課題はほかにある(新潟日報11/08社説)
http://www.niigata-nippo.co.jp/editorial/index.asp?syasetsuNo=255
■教育現場からの議論を(中日新聞11/12社説)
http://www.chunichi.co.jp/00/sha/20061112/col_____sha_____000.shtml
■やらせ質問  国民をぺてんにかけた(京都新聞11/11社説)
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20061111.html
■教育基本法改正 成立ありきの審議でなく(山陽新聞10/27社説)
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2006/10/27/2006102708332451002.html
■やらせ質問 直接対話裏切る愚挙だ(山陽新聞11/10社説)
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2006/11/10/2006111008403740003.html
■教育基本法改正案/拙速避け、慎重審議を (山陰中央新報10/31論説)
http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=333854033
■やらせ質問 教育行政への信頼は地に落ちた(愛媛新聞11/10社説)
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017200611107334.html
■教育基本法改正案 「いま、なぜ」もまだ不明確だ(愛媛新聞10/31社説)
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017200610317230.html
■教育基本法改正   論議はまだ不十分だ (徳島新聞11/14社説)
http://www.topics.or.jp/Old_news/s061114.html
■【教基法改正】論議は深まっていない (高知新聞11/12社説)
http://www.kochinews.co.jp/0611/061112editor.htm
■姑息に世論を誘導するな やらせ質問(西日本新聞11/11社説)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/column/syasetu/20061111/20061111_001.shtml
■やらせ質問発覚(宮崎日日新聞11/11社説)
http://www.the-miyanichi.co.jp/column/index.php?typekbn=1&sel_group_id=6&top_press_no=200611112301
[やらせ会合] 国民の信頼を裏切る許し難い行為だ(南日本新聞11/11社説)
http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=200611&storyid=1215
[教育基本法] 学校現場の混乱にまず対処すべきだ(南日本新聞11/01社説)
http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=200611&storyid=1035
■[教育基本法改正]強行採決は避けるべきだ(沖縄タイムス11/14社説)
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20061114.html#no_1
■[「やらせ」質問]これで教育改革なんて(沖縄タイムス11/11社説)
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20061111.html#no_1
■賛成発言依頼・許されぬ政府の世論誘導(琉球新報11/08社説)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-18701-storytopic-11.html

下記の2社だけは論調が異質。

■[福島県知事選]「教育基本法とは何の関係もない」(読売新聞11/14社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20061113ig91.htm
■【主張】教育基本法改正 民主は修正協議に応じよ(産経新聞10/26社説)
http://www.sankei.co.jp/news/061026/edi000.htm

 

 

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1115日(1) 久しぶりに、「意見広告の会」のニュースを掲載しておこう。

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「意見広告の会」ニュース371

  

*ニュースの配布申し込み、投稿は、

  qahoujin at magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。

迷惑メール防止のため@atに書きかえています。アドレスは@に直して下さい。

 

 

** 目次 **

1 教育基本法 国会情勢が緊迫

           子どもと教科書全国ネット21  11/14

2 教育基本法改正案の廃案を訴える緊急声明

           東京学芸大の教職員を対象とした試み

3 「ヒューマン・チェーン」(人間の鎖) 第2派のお知らせ

            教育基本法「改正」反対市民連絡会など

4 鹿児島国際大学不当解雇事件 敗訴学園側が上告

     「鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会」事務局より

5 11.25NHK裁判結審シンポジウム開催

          VAWW-NET ジャパン事務局

 

 

***

1 教育基本法 国会情勢が緊迫

 

国会情勢が緊迫してきました。

明日(15日)は、午前中に中央公聴会が開催されます。

意見陳述人を公募するということが昨日の午後わかったので、急遽、申し込む人の手配

をしました。

私も速達で申し込みを送りました。

私は今日名古屋で講演していましたが、それが終わって、名古屋駅に着いたときに、衆

議院の事務局から電話があり、申し込みをいただいたが採用されなかったと連絡があり

ました。

決まった陳述人は以下の人たちです。この顔ぶれは中々いいと思います。

民主党が、西原さん、広田さんを推薦したことに拍手したいですね。

 

1 鹿野 利春 石川県立泉丘高校教諭 (与党推薦)

2 出口 治男 弁護士・日弁連教育基本法改正対策協議会会長 (野党推薦)

3 松下 倶子 独法国立青少年教育振興機構理事長 (与党推薦)

4 西原 博史 早大社会科学総合学術院教授 (民主推薦)

5 広田 照幸 日大文理学部教授 (民主推薦)

 

ところが、今日の理事懇談会で、与党側から明日15日午後、安倍総理が出席して、4時

間のの締めくくり総括質疑を行い、採決するという提案がありました。

野党側は、中央公聴会前に採決の日程を決めるのは論外であり、絶対に認められないと

反対しました。

結論を持ち越して、各党に持ち帰って議論することになりました。

明日朝、午前830分か理事会が開催されます。そこで攻防が行われます。

与党は、明日午後1時から、委員長職権で教育基本法特別委員会を開会するとしていま

す。

 

明日、15日に与党が単独で強行採決をする危険性が強まっています。

野党側は一致してそれに反対することでたたかっています。

政府・与党は追い詰められています。彼らの暴挙をさせないために、国会に向けたいっ

そうの働きかけを強めましょう。

 

俵 義文(TAWARA Yoshihumi

E-mail tawara@dog.email.ne.jp

HP http://www.ne.jp/asahi/tawara/goma/

〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜*〜〜

私が事務局長を努める

子どもと教科書全国ネット21

пF03-3265-7606 Fax03-3239-8590

E-mail kyokashonet@a.email.ne.jp

HP http://www.ne.jp/asahi/kyokasho/net21/

 

#関連情報に、以下の内容のメールもいただきました。

 

参院本会議で審議入り(趣旨説明)するプランです。安倍首相は

その直後(17日午後)、APECに出発します。

よって、

★15日正午〜、16日の国会前動員を強化してください!

★教基法特別委の森山眞弓委員長(自民、栃木2区)に、委員長権限による委員会開催

―採決議事の強行はやめよと、FAXでどんどん申し入れてください。

fax.03-3597-2753 tel.03-3508-7527 地元fax.028-643-3266

 

 

2 教育基本法改正案の廃案を訴える緊急声明

            東京学芸大の教職員を対象とした試み

 

教育基本法改正案の廃案を訴える緊急声明への賛同のお願い

 

皆さまもご存知のように,現行の教育基本法の精神を大きく転換させる全面的な「改正

」案が国会で審議されています.政府与党は今国会(会期末は1215日予定)での成立

を目指し,今週中にも衆議院の通過という見通しも出てきております.今回の「改正」

については,内容にも進め方にも大きな問題があります.緊迫した情勢の中で,私たち

は,教員養成系大学の教職員としての意見を社会にアピールすることはひとつの責任で

はないかと考えました.そこで,添付するような「教育の国家統制を強化する教育基本

法改正案の廃案を求める緊急声明」を呼びかけ人と賛同していただいた方の氏名を付し

て,政府,国会や各政党,文科省,マスコミなどしかるべき機関に送付したいと考えて

おります.

 

賛同していただける方は,1127日(月)までに,末尾の賛同フォームをこのメールに

対する返信メールでお送りください.また,書面で賛同の意志を呼びかけ人まで伝えて

いただいてもけっこうです.

121日には公表できればと思います.

 

なお,1129日に教育基本法問題についての講演会を開催いたします.1730分から講

義棟C-201教室にて行いますので,是非ご参加ください.ちらしなどを別途配布いたし

ます.

 

なお,本メールは,学内でアドレスを公表されている構成員全員に配布させていただい

ております.外部へ公表する際は,氏名のみとし,50音順に並べさせていただく予定で

す.個人情報につきましては,十分に注意して取り扱わせていただきます.

 

1人でも多くの皆さまの賛同をお願いいたします.

 

20061113

 

呼びかけ人(五十音順)

 伊藤 良子 (教育実践研究支援センター)

 大竹美登利 (総合教育科学系)

 小川  潔 (自然科学系)

 川手 圭一 (人文社会科学系)

 木村 茂光 (人文社会科学系)

 小嶋 茂稔 (人文社会科学系)

 坂井 俊樹 (人文社会科学系)

 関沢 正躬 (自然科学系)

 高橋  智 (総合教育科学系)

 滝沢  清 (自然科学系)

 田中 喜美 (自然科学系)

 藤井 健志 (人文社会科学系)

 藤本光一郎 (自然科学系)

 三石 初雄 (教員養成カリキュラム開発研究センター)

 山口源治郎 (総合教育科学系)

 

 

□□□□□□□□□□□ 声 明 文 □□□□□□□□□□□□

 

教育の国家統制を強化する教育基本法改正案の廃案を求める声明

 

先の国会で継続審議となった教育基本法改正案の審議が1030日衆議院教育基本法特別

委員会で再開された.政府与党は今国会での教育基本法改正案の成立を目指すと言って

,情勢は緊迫の度を加えている.我々は教育に深く関わる東京学芸大学の教職員として

,以下のような観点から教育基本法改正案を廃案にするよう強く求める.

 

1.現行の教育基本法は,第二次世界大戦の反省に基づき,憲法と一体となって国民一

人ひとりの自主的・自律的な人格形成の営みを保障しているものであり,その意義はま

すます増している.「改正」案は,現行法の根幹を180度転換し,国家による教育の統

制を強化するものである.しかし,現行教育基本法の根幹を変更しなければならない理

由はいまだに十分に説明されていない.

 

2.政府文部科学省の提出した「改正」案は,第2条(教育の目標)において,法律で

強制すべきではない「愛国心」や「公共心」などの徳目が掲げられているほか,第16

(教育行政),第17条(教育振興基本計画)において,国が教育内容の国家基準を設定

し,その達成度の評価とそれに基づく財政配分を通して教育内容を事実上統制する仕組

みが盛り込まれている点など,大きな問題がある.

 

3.教育基本法は「教育の憲法」とも呼ぶべき重みをもつ法律であり,その影響は学校

での教育にとどまらず,非常に広く深い範囲に及ぶ.しかし,国会の審議や,国民的な

議論は極めて不十分であるといわざるをえない.国会において徹底的な審議が行われ,

国民の前に問題点が明らかにされなければならない.

 

4.学力問題や格差問題に加えて必修科目未履修やいじめなどに関する話題が連日報道

され,教育の問題は大きな関心を集めている.しばしばそれらの問題解決と教育基本法

の「改正」が関連して語られることもある.むしろ,現在の教育の抱えている問題は,

現行法

の精神が教育行政や教育現場において軽んじられていることに起因していると考えるべ

きである.

 

以上

 

 

3 「ヒューマン・チェーン」(人間の鎖) 第2派のお知らせ

            教育基本法「改正」反対市民連絡会など

 

8日の第1回目「ヒューマン・チェーン」(人間の鎖)は、2300人の人がつながり

、怒りのコールで国会を包囲しました。

 

激しい攻防戦が続いています。

一歩も引かないたたかいをやるっきゃない!!

1人が3人誘ってください!

第2派は、1万人の「ヒューマン・チェーン」(人間の鎖)です。

 

個人の尊厳・民主主義・平和を、私たちは、ぜったい手放すわけにはいきません。廃案

をめざして、すべての力を結集しましょう。第2派の「ヒューマン・チェーン」(人間

の鎖)を下記のとおりおこないます。

※「ヒューマン・チェーン」(人間の鎖)の呼びかけ人は、

   1800名に達しています。

 

    教育基本法改悪反対!

 ―少年法改悪反対、改憲手続き法と共謀罪の新設反対―

   

  ★「ヒューマンチェーン」★(人間の鎖)

     

  実施日程● 11月16日(木)午後5時集合〜

     

     場所● 衆議院第2議員会館集合

                  (地下鉄丸の内線国会前下車)

       

          午後5:00 <集合> 

                  キャンドル・ ヒューマン・チェーン

                        コール&リレートーク

                <呼びかけ人&国会議員など>

             

 

  教育基本法改悪は、少年法改悪、憲法改悪や共謀罪新設などと

  一体のものであり、平和と民主主義を踏みにじり、「戦争国家」に

   突き進むものです。

   これらの法案を廃案に追い込むために、今こそ、さまざまな分野、

   立場を超えたすべての力を、国会に結集しましょう!

   ―――――――――――――――

  ・教育基本法「改正」反対市民連絡会

  ・子どもと教科書全国ネット21

  ・子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会

   (「子どもと法・21」)

  ・「子どもたちを大切に…今こそ生かそう教育基本法」

                           全国ネットワーク

  ・許すな!憲法改悪・市民連絡会

  ・共謀罪の新設に反対する市民と表現者の集い実行委員会

 

   ◎問い合わせ先

    高田(tel:03−3221−4668 fax:03−3221−2558

 

    東本(tel:090−1859ー6656)

    日本消費者連盟(tel:03−5155−4765

                 fax:03−5155−4767)

 

 

4 鹿児島国際大学不当解雇事件 敗訴学園側が上告

     「鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会」事務局より

 

  鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会・会員およびご支援頂いた皆様

 

鹿児島国際大学不当解雇事件は,1027日に福岡高裁宮崎支部におきまして,原告・三

教授の訴えを認める判決を下しました。しかし,学園理事会(理事長・菱山泉,理事・

伊東光晴ら)は,1111日,これを不服として最高裁に「上告受理申立」を行いました

(「上告受理申立書」の提出。「上告理受理申立理由書」の提出はまだと思われます)

 

この裁判は,地裁への仮処分提訴(200245日)からすでに4年半を経過し,その間5

つの裁判が闘われましたが,全て原告三教授の完全勝訴となってきました。学園理事会

が,控訴審で完全敗訴になった今に至っても,確実に棄却されるとわかる最高裁「上告

受理申立」をあえて行うことは,裁判の引き延ばし以外の何ものでもない極めて不当な

行為と考えます。

 

まずは,速報メールにて,ご連絡申し上げます。

下記に,マスコミ報道を掲載いたします。

 

今後とも引き続き,三教授の原職復帰まで,ご支援のほどよろしくお願い申し上げます

 

「鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会」事務局

札幌学院大学

片山一義

 

KTS・鹿児島テレビニュース(1113日)より

http://www.kts-tv.co.jp/news/index.php?idnumber=11195

 

鹿児島国際大学教授訴訟、大学側が上告

 

 教員の採用をめぐり不正をしたなどとして懲戒解雇された鹿児島国際大学の3人の教

授が、大学側に解雇無効を求めていた裁判は一審、二審とも原告の教授側が勝訴してい

ましたが大学を経営する津曲学園は高裁の判決を不服として13日、最高裁に上告しま

した。

 

MBC 南日本放送(1113日)より

 

国際大の解雇無効訴訟で学園が上告

 

 大学の教員採用の際に不正を行ったなどとして解雇された鹿児島国際大学の田尻利教

授ら3人の教授が「解雇権の濫用にあたり解雇は不当」だと訴えている裁判で、先月、

福岡高裁・宮崎支部がこの3人の訴えを認め、「解雇は無効」とする判決を言い渡しま

した。これに対し、学園側は「極めて遺憾である」として、きょうまでに最高裁に上告

しました。

 

 

5 11.25NHK裁判結審シンポジウム開催! 是非ご参加ください!

 

■政治圧力に公共放送が屈しようとしている今、問題の原点に立ち返って検証

しましょう

 

11.25NHK裁判結審シンポジウム

☆NHK番組改ざん裁判の勝訴を目指して!

 

NHK番組改ざんの真相と、問われる公共放送の責任

 ―裁判で明らかになった真相と責任―

 

 提訴から6年目を迎えたNHK裁判控訴審は1011日に結審し、来年の129日、

NHKが政治家に会ったその日に判決が言い渡されます。

 NHKは最後まで「政治圧力はなかった」「通常の編集だった」と主張し続けました

。このまま「何事も無かった」として終わらせることはできません。

 

 シンポジウムでは5年を越える裁判で明らかになった事実を明らかにし、裁判の意味と

意義、公共放送の責任を様々な立場から検証し、裁判闘争の総決算を行います。ふるっ

てご参加ください!!

 

 日時:1125日(土)133017001300開場)

 会場:文京シビックセンター 26階スカイホール

 交通:東京メトロ後楽園駅・都営線春日駅下車すぐ

 

 プログラム

 

 ■第一部:「裁判で何を問い、何を明らかにしたか?

NHK裁判弁護団

  (飯田正剛弁護士・大沼和子弁護士・日隅一雄弁護士・

  中村秀一弁護士・緑川由香弁護士)

 

 ■第二部:パネルディスカッション「裁判の意味と意義を考える」

  ・なぜ、裁判を闘ったのか? ・・・西野瑠美子(原告)

  ・女性国際戦犯法廷と番組改ざん ・・・川口和子(弁護士)

  ・NHKの自律と制作現場の表現の自由・・・田島泰彦(上智大学教授)

  ・メディアの危機とNHK番組改ざん事件・中野敏男(東京外国語大学教授)

  ・NHK番組改ざん問題で問われた表現の自由の公共的価値

 ―メディアと市民と政治権力の三極構造の中で―・・醍醐聰(東京大学教授)

 

 問合せ先・主催:「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン) 

 

 VAWW-NET ジャパン事務局 

 

*************************************************

       戦争と女性への暴力日本ネットワーク

           VAWW-NET Japan

 Violence against Women in War-Network Japan

       112-0003 東京都文京区文京春日郵便局留

             TEL/FAX 03-3818-5903

      E-mail vaww-net-japan@jca.apc.org

 Poste Restante, Bunkyo-Kasuga Post Office,

       Bunkyo-ku, Tokyo 112-0003 JAPAN

          TEL/FAX +81-3-3818-5903

 http://www.jca.apc.org/vaww-net-japan/

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1114日 本学元教授佐藤真彦氏のHPで、名古屋市公聴会における高橋哲哉氏(東大教授)の教育基本法「改正」(=抜本改悪)反対の内容を知った。素晴らしい内容なので、以下にリンクを張っておこう。

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教育基本法、改悪すると「国家道徳洗脳基本法」になる(高橋哲哉) 阿修羅(2006.11.10

 

http://www.asyura2.com/0610/senkyo27/msg/1348.html

 

教育基本法、改悪すると「国家道徳洗脳基本法」になる高橋哲哉
http://www.asyura2.com/0610/senkyo27/msg/1348.html
投稿者 heart 日時 2006 11 10 01:00:20: QS3iy8SiOaheU

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/91f9142302290e07607c3ce85c065ee1保坂展人のどこどこ日記より転載。

高橋哲哉氏意見陳述(教基特名古屋地方公聴会)

教育基本法 / 20061109

昨日の教育基本法特別委員会における高橋哲哉さんの意見陳述は、多くの人に耳を傾けてほしい内容だった。「衆議院テレビ」で普段の国会審議はインターネットで見ることが出来るが、地方公聴会はそもそも映像記録されずに後から見ることが出来ない。議事録が後ほど公表されるが、それまでしばら時間がかかるので、高橋哲哉さんの許諾を得て、本日皆さんに読んでいただくことにする。
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「名古屋市公聴会における意見陳述」        高橋哲哉

私は政府提出の教育基本法案に反対する立場から、私見を述べさせていただきます。

 安倍晋三首相は、今臨時国会の最大の課題にこの教育基本法改正を掲げておりますが、今なぜ現行法を改正しなければならないのか、その理由は今もって不明です。教育に関する基本法の改正であれば、本来、児童・生徒、教職員、保護者など教育現場の当事者たちから求められ、その必要に応じて行なわれるのが筋ですが、今回はそうではありません。最近発表された東京大学基礎学力研究センターの調査でも、全国の公立小中学校の校長の66%が教育基本法改正に反対という結果が出ています。今回の教育基本法改正は教育的理由からではなく、政治的意図から出ている点に大きな問題があります。

 安倍首相は、「戦後体制(レジーム)からの脱却」という政権課題の柱の一つとして教育基本法改正を掲げ、「占領時代の残滓を払拭することが必要です。占領時代につくられた教育基本法、憲法をつくりかえていくこと、それは精神的にも占領を終わらせることになる」(『自由新報』05年1月4・11日号)などと主張しています。しかし、教育基本法があたかも占領軍の押し付けによって生まれたかのようなこの議論は、根拠のない偏見にすぎません。

 私はここで、教育基本法の生みの親に当たる政治哲学者、南原繁が1955年に書いた「日本における教育改革」(『南原繁著作集・第8巻』)という文章を、安倍首相のみならず、政府案に賛成するすべての皆さんにぜひ読んでいただきたいと思います。

南原繁は、東京帝国大学の最後の総長、新制東京大学の初代の総長であり、当時貴族院議員を兼務し、「教育刷新委員会」委員長として教育基本法案作定の中心人物でありました。南原はこの文章で、教育基本法が「アメリカの強要によってつくられたものであるという臆説」が流布されており、「一部の人たちの間には、日本が独立した今日、われわれの手によって自主的に再改革をなすべきであるという意見となって現われている」が、これは「著しく真実を誤ったか、あるいは強いて偽った論議といわなければならない」と断じています。南原によれば、教育刷新委員会の六年間、「一回も総司令部から指令や強制を受けたことはなかった」のであり、教育基本法もこの委員会で当時の日本の指導的知識人たちが徹底した議論を行なってつくりあげられたものなのです。

安倍首相の、「教育基本法は占領時代の残滓だからつくりかえねばならない」という主張は、すでに50年前、南原によって、「著しく真実を誤ったか、あるいは強いて偽った論議」として斥けられたものにほかなりません。

 南原によれば、教育基本法の根本理念は、「われわれが国民たる前に、ひとりびとりが人間としての自律」(ママ)にあります。教育の目的が「人格の完成」に置かれているのは、「国家の権力といえどももはや侵すことのできない自由の主体としての人間人格の尊厳」が中心にあるからです。これは、安倍首相が「教育の目的」を「品格ある国家をつくることだ」と言って、「国家のための教育」を打ち出しているのと反対です。

ここから南原は、国家を頂点とする教育行政権力の役割を教育条件の整備に限定し、「不当な支配」を禁止した現行法第10条の意義を強調します。「戦前長い間、小学校から大学に至るまで、文部省の完全な統制下にあり、中央集権主義と官僚的統制は、わが国教育行政の二大特色であった」。したがって、教育をそこから解放して自由清新の雰囲気をつくり出すためには、「まず文部省が、これまでのごとき教育方針や内容について指示する代わりに、教育者の自主的精神を尊重し、むしろ教育者の自由を守り、さらに教育のため広汎な財政上あるいは技術上の援助奉仕に当たるという性格転換を行なったことは、特記されなければならない」。

 ところが政府法案では、現行法第10条の教育行政の役割限定の部分が削除され、さらに教育が「国民全体に対し直接責任を負って行なわれるべきものである」という部分も削除されて、教育は「国」と「地方公共団体」の「教育行政」が、「この法律及び他の法律の定めるところにより」行なうべきものとなっています(第16条)。第17条の「教育振興基本計画」と相まって、教育の主体をこの国の主権者である「国民」から「国家」へと変えてしまう改正案です。政府法案では、教育の主体と教育の目的も国家になる。国家による国家のための教育、国家の道具としての教育をつくりだそうとする法案だと言わざるをえません。

 法案の第2条「教育の目標」に「愛国心」が入ったのも、この枠組みの中にあります。安倍首相は一貫して教育基本法に「愛国心」を入れたいと言ってきましたが、その安倍氏が「国が危機に瀕したときに命を捧げるという人がいなければ、この国は成り立っていかない」(2004年11月27日)と述べていることは何を意味するのでしょうか。

戦後の日本政府が教育と愛国心を初めて結びつけたのは、1953年の池田勇人・ロバートソン会談のときでした。朝鮮戦争後の日本の再武装に当たって、日本国民の間に「防衛のための自主的精神」を育てるために、「教育と広報」によって「愛国心」を養う必要があるとされたのでした。今回も、六年の任期中に憲法9条を変えて「自衛軍」を保持し、集団的自衛権の行使を認めていこうという安倍首相の下で、教育基本法に「愛国心」が入れられようとしているのは偶然ではありません。安倍首相の認識は、「お国のために命を投げ出しても構わない日本人を生み出す。(教育基本法改正の目的は)これに尽きる」と述べた西村眞吾議員の認識と同じです。国家が愛国心をはじめ多数の道徳規範を「教育の目標」として定めた法案第2条は、21世紀の教育勅語とも言うべき趣があり、それによってこの法律は、国家道徳洗脳基本法と称されても仕方のないものになってしまうでしょう。

南原は、1955年に、こうした動きに明確に反対していました。「近年、わが国の政治は不幸にして、一旦定めた民族の新しい進路から、いつの間にか離れて、反対の方向に動きつつある。その間、教育の分野においても、戦後に性格転換を遂げた筈の文部省が、ふたたび往年の権威を取り戻そうとする傾向はないか。新しく設けられた地方教育委員会すら、これと結びついて、文部省の連絡機関となる惧れはないか。[〜]全国多数のまじめな教師の間に、自由や平和がおのずからタブーとなりつつある事実は、何を語るか。[〜]このような状況のもとで、その意識していると否とを問わず、ふたたび「国家道徳」や「愛国精神」を強調することが、いかなる意味と役割をもつものであるかは、およそ明らかであろう」。

じつは南原は、「国家道徳」や「愛国精神」によってではなく、現行の教育基本法の理念によってこそ、真理と正義、自由と平和を希求する「真の愛国心」が呼び起こされる、と考えていました。そして、次のように述べていました。

「新しく定められた教育理念に、いささかの誤りもない。今後、いかなる反動の嵐の時代が訪れようとも、何人も教育基本法の精神を根本的に書き換えることはできないであろう。なぜならば、それは真理であり、これを否定するのは歴史の流れをせき止めようとするに等しい」。

政府提出の教育基本法案は、現行法の精神をまさに「根本から書き換え」ようとしています。主権者である「国民」による「子どもたち」のための教育を、「国家」による「国家」のための教育に変えようとするものです。私たちは、「いかなる反動の嵐が訪れようとも、何人も教育基本法の精神を根本的に書き換えることはできないであろう」と南原繁が述べた意味を、よくよく考え直してみる必要があります。教育は国家の道具ではありません。子どもたちも国家の道具ではありません。私は、教育と子どもたちを国家の道具にしてしまいかねない政府法案に反対します。

 

 

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1113日 明日の共同記者会見に関する情報を得た。東京女子大や恵泉女子大では、学長・元学長も記者会見に臨むそうである。本学関係者はそれぞれ仕事の都合で会見に臨むことができないが、本学の学生・教員有志アピールは、竹内氏を通じて、当日公表される予定である。

 

昨日(12日)、1時半から日比谷で全国集会、ひきつづき、東京駅付近までデモがあったそうである。

参加者によれば、参加人数は8000人超で、今回の教基法改悪反対でのとりくみでは最大級のようである。

参加者のなかでは労働組合の比率が高いようだが、市民運動や個人もかなりの数がいたようである。また、デモの先頭は「あんころ」の若い人たちが創意工夫して作っているサウンドデモのグループだったようで、頼もしい。シュプレヒコールはなく、かわりにDJが流す音楽といろいろな人のトークでデモが行われたようである。「お一人様歓迎」ということで、一人か数人で来た飛び入りの人が入れる開放的なもんだったようである。まだまだ問題自体が知られていないようで、銀座・東京駅付近の通行人はぼう然とながめているだけの人が多かったということである。ただ、なかにはデモの人間からちらしを受け取ってしげしげと読んでいる人もいたそうである。多くの市民がまったく知らない状態で、教育の憲法、教育の基本法を変えてしまうなどもってのほかである。郵政民営化以上に重要な法案が、教育基本法であり、まさにその改廃をめぐっては、全国的な議論こそが求められる。

 われわれのアピールについて、私のHPに掲載して、関心ある人々に見てもらおうとしたが、その記事が、「全国国公私立大学の事件情報」の管理人の目に留まり、掲載されている。(本日付http://university.main.jp/blog/
 この情報HPhttp://university.main.jp/blog/)を経由して、すくなくとも、数百人の大学関係者・大学問題に関心のある人々がわれわれの市大有志アピールに目に留めたと思われる。一つのアピールが数百人から千人の目に留まり、たくさんの同種のアピールが同じような輪を広げ、こうした輪が重なり合い刺激しあって、全国津々浦々に広がっていくこと、廃案の力を全国で盛り上げることに資することを期待したい。

 

-----共同記者会見(1114日国会で)情報------

東京女子大学の竹内久顕です

 

本学有志の教育基本法反対アピールへの支持・賛同を多くの方々からいただきました。

 

ありがとうございました。

他大学でも有志が結成されてそれぞれが反対アピールを出し、それぞれがネットワークで結ばれて連携していくという形で集約を進めております。

21大学515名の有志が集まり、またこの動きに対する日本平和学会会員有志の賛同署名も63名の方々からいただきました。

 

そこで、次の段階に移ることに致しました。

 

1.マスコミへ向けての記者会見

14日に衆議院議員会館で行ないます。

東京女子大学学長、恵泉女学園大学学長・元学長をはじめ、国際基督教大学・関東学院大学・千葉大学教授による会見を行い、各大学のアピールを公表します。

また、その時に、会見には出席できない他大学のアピール文も紹介いたします。

 

2.議員への請願

与党リベラル派の某大物議員が面談に応じてくださいましたので、これらのアピールおよび署名をもって、強行採決回避を訴えてまいります。

 

今週前半に以上の行動を行ないます。

そこで、私が把握しているもの以外に、各大学で出された反対アピール文と署名(人数だけで構いません)がありませんでしょうか。

至急ご連絡いただければ、会見と請願のときに、あわせて紹介させていただきます。

 

竹内の連絡先はここ→ takeuchi-edu@memoad.jp

 

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1111日 昨日、本学の学生・教員有志は、6月の声明の趣旨を踏まえ、緊迫した情勢下で、国会における各大学の共同記者会見(14日正午)の場で公表する教育基本法「改正」案に反対の声明を採択した。さまざまの大学のアピールなどと連携し、一般市民の目にも止まること、反対世論の高揚に資すること、廃案を勝ち取ることに資することを期待したい。

 

------横浜市立大学学生・教員有志アピール1110日)-------

わたしたちは教育基本法「改正」反対です!

                        横浜市立大学学生・教員有志アピール



 いままさに政府・与党は、国会で教育基本法「改正」案を可決させようとしています。わたしたち横浜市立大学学生・教員有志は、この法案の問題点をとも に検討した結果、この法案の成立を許してはならないという結論に達しました。それは、この法案が以下のような大きな問題をはらんでいるからです。

・ 「愛国心」の押しつけ/心の自由の否定
 愛国心を持つかどうか、持つ場合はどのようなかたちで持ったり示したりするかは、個人が自由に判断すべきことであり、人格の自由な発展を掲げる現行の教育基本法は、それを保障しています。
 ところが、「改正」案は、どのような愛国心を持つべきかまで政府が強制できるようにするものです。「日の丸」・「君が代」の強制もねらいに含まれます。
 法案は、自由な人格の形成を否定し、心の自由を奪おうとしているのです。

・ 政府・政治権力による、教育の全面的な支配
 現行法においては、政府が教育の内容を支配することを禁止しています。

 ところが「改正」案では、どのような価値観を持つべきかすら決めて、現場に強制することを可能とします。
 そうなれば、大学も無事ではありません。「改正」案のような法のもとでは、今でも脅かされている学問の自由と大学自治の原則が踏みつぶされるでしょう。
 さらに、家庭・地域などを通じて、全面的に教育が統制されることになります。

・ さまざまな差別・格差/男女平等原則の否定
 現行の基本法は等しく教育を受ける権利を保障しています。ところが「改正」案は、能力主義的な差別を行い、平等に教育を保障することをやめて、格差を拡大しようとしています。また、現行法にある、男女平等の原則のために男女共学を保障する条文を、「改正」案はそれを削除しており、男女平等の原則を否定しようとするものといえます。

・ 平和主義の否定/憲法改悪・戦争する国民づくり
 現行の基本法は「前文」において、「われらは、さきに、日本国憲法を確定し」と述べ、憲法の「理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものであ る」として、憲法の原則との結びつきを明示しています。ところが「改正」案は、この部分を削除して、日本国憲法との関係づけを断っています。また、現行法が「真理と平和を希求する人間の育成を期する」として、憲法がうたう平和主義の理想との結びつきを強調しているのに対して、「改正」案は、この部分の「平和」ということばを「正義」に置き換えることによって削除しています。このような点を見ても、「改正」案は、憲法の理念、平和主義原則を切り捨てようとしているといわざるをえません。 


 政府・与党は、憲法9条を変更して、戦争する国家体制を築こうとしています。そのような戦争への道をはばむ教育基本法をまずは変えてしまい、戦争する国民を作り出そうとするのが、この「改正」案のねらいなのです。

 こんな法律を作らせていいのでしょうか?

法案に反対を!
 わたしたちは、こんな法案は許せないと思っています。この法案に断固反対します。
 そしてすべての人に、いっしょに法案に反対し、廃案を求めるよう訴えます。

2006
1110


横浜市立大学学生有志(9名)
横浜市立大学教員有志(一楽重雄・上杉忍・浮田徹嗣・乙坂智子・金子文夫・木下芳子・倉持和雄・滝田祥子・中西新太郎・永岑三千輝・藤山嘉夫・村田隆一・山根徹也・吉岡直人)

 

 

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119日 「全国国公私立大学の事件情報」によれば、市大新聞ブログで報道された「TOEFL500点進級基準」問題は、ついに一般新聞の関心をも呼ぶことになったようだ(東京新聞中日新聞)。(東京新聞Pdf

 

「英語力を強化する」ことと、「進級条件にTOEFL500点を設定すること」との教育的学問的な面での乖離・不整合の問題は、すでに英語教員、教員組合等、教育と研究を担うものからは繰り返し提起されてきたことである。ところが、こうした現場教員の声を無視するシステム(行政当局による中期目標主義・・・大学との関係は?どこでどのように決めたか?)では、教育研究を担う現場教員の声は無視され続けてきた。ここにきて、現場教員の主張の正しさが証明される情勢となった[4]

しかし、誰が、どこで、この現実をどのように検討し、説明責任を果たし、決定するか? これを今後見据えていかなければならない。

 

「英語力強化」それ自体に誰が反対しようか。その一面的画一的なやり方、現場教員の声無視のやり方が、批判されているのである。

問題は、大学のカリキュラム体系のなかでの位置づけであり、それぞれの専門教育との関連である。教員が繰り返し主張してきたように、バランスの取れた英語力強化の方法・手段でなければならない。

大学のカリキュラム体系(それに相応しい時間配分、単位認定のあり方)と実情の双方を無視した外部試験(教育現場の教員からの単位認定権の剥奪)による「進級条件」の設定というしばり(鞭)で無理やり勉強させようというのが、はたして大学らしいやり方なのか、その根本が問い直されているというべきだろう。

そこには、今回の「改革」のやり方(新しい制度・学則、任期制の強制など教員への圧迫)における問題点が集約的に露呈している、とみるべきであろう。

 

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117日 新聞報道(誘導)によれば、教育基本法で「野党」は徹底的に反対しないという。「野党」といっても、民主党が真の野党ではないということであろう。いや、テレヴィなどで見かける民主党議員は、穏和な自民党議員よりはるかに極端なナショナリズムを喧伝している。

教育学界、歴史研究者、その他の意見でも明確に主張されているように、民主党の考え方、その具体化としての民主党案も、政府与党の案と同じ根本的な問題点を持っている(Cf.教育学会歴代会長連名の教育基本法「改正」案に対する声明826。つまりは、現在の教育基本法からすれば、政府与党案も民主党案も同じ土俵の上にある、ということである。民主党のなかで現教育基本法を擁護する立場が貫徹していない以上、国会の数の上では、押し切られるのは必然ということになる。

しかし、現在の憲法と一対になった現在の教育基本法の国家主義的ナショナリズムを基調とする根本改悪は、日本の教育システムを根底から覆し、憲法「改正」、軍事力(自衛軍と称する軍隊)の保持、国際紛争への公然たる介入・派兵へと大きく前進することになろう。

かつて、ヒトラーの軍隊は、Wehrmachtであった。その意味は防衛力・防衛軍。

「防衛」、「自衛」を掲げていても、誰が、どのような考え方で軍隊を握るかによって、「防衛軍」(自衛軍)は、侵略軍になる。しかも、ヒトラーの軍隊も最初から侵略を行ったのではなく、政権安定後の19399月からである。最初から、1933年の政権掌握直後から、侵略戦争を開始したのではない。最初はナショナリズムを前面に掲げ、「国民的高揚」を喧伝した。「普通の大国」として、軍事力をもつことを正当化し、徴兵制をしいた。「普通の大国」を誰が否定できようか。しかし、・・・

それは、「極端の世紀」、冷戦体制を廃棄した世界の平和的進行を逆戻りさせることにつながろう。間違ったアメリカの政権の戦争にますますのめり込み、抜き差しならない泥沼の負担を背負い込まされることになろう。日本の自由と民主主義は息苦しいものに削減されることになろう。アメリカ国民の反ブッシュの圧倒的勝利を期待しよう。

それと連動して小泉政権(それを引き継ぐ安部政権)の根本的問題性(ブッシュ政権が始めたイラク戦争への軽薄な賛成、自衛隊派遣などの根本的問題性)が浮かび上がることを願うのは、他力本願でなさけないことだが。

 

自力でということなら、やはり下記のようなことになろう。

 

------「全国国公私立大学の事件情報」--------- 

【緊急アピール】教育基本法の改悪に反対するすべての皆さんへ

■【緊急アピール】教育基本法の改悪に反対するすべての皆さんへ

 

 

【緊急アピール】教育基本法の改悪に反対するすべての皆さんへ

 

 

教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会

呼びかけ人:大内裕和、小森陽一、高橋哲哉、三宅晶子

2006116

 

今週が国会のヤマ場となります。

 先週、教育基本法問題に関する衆議院特別委員会の審議が始まり、11月8日には公聴会が開催されます。採決は今週末から来週はじめが危ぶまれており、政府・与党は、遅くとも14日の衆議院本会議で採決することを狙っています。厳しい情勢が続きますが、ここまで採決を食い止めてきたのは改悪に反対する運動の力です。大変な危機状況ではありますが、一方で私たちはこの局面に立ち向かう態勢が整いつつあることを実感しています。

 

運動の力で改悪を阻止しましょう。

 なんとしても今国会での改悪法案の成立を阻止しましょう。特に今週の運動の盛り上がりが決定的に重要です。1112日(日)に予定している「教育基本法の改悪をとめよう!11.12全国集会」に一人でも多くのみなさんの参加をお願いします。この集会を成功させることが、改悪阻止のために絶対に必要だと私たちは考えています。私たちの運動の力で、改悪を阻止しましょう。

 

7日(火)に、国会前集会を行います!

 全国連絡会では、臨時国会の開会日から、毎週火曜日に国会前集会を開催してきました。初日には750名、以後毎週400名以上が参加し、国会前での運動を盛り上げてきました。今週も同じ日程で開催します。ぜひ多くの皆さんのご参加をお願いします。

 *教育基本法の改悪をとめよう!11.7国会前集会

  日時:11月7日(火) 午後6時〜7時   場所:衆議院第2議員会館前

 

10日(金)には座り込みます!

 もっとも採決の緊張が高まってくるであろう10日には、「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」で国会前に座り込みます。呼びかけ人も都合のつくかぎり座り込みに参加します。審議の続く国会前を改悪反対の声で埋め尽くしていきたいと思います。一緒に座りこみましょう。

 

12日(日)は全国集会を開催します!

 採決前夜となることが予定される12日には、これまでで最大規模の集会を開催したいと考えています。全国連絡会は、「教育基本法改悪反対」の一点を一致点にこれまで6回の全国集会を開催してきました。今回はこれまでにないつながりと、若い世代の参加の多い集会になります。ここまで改悪を食い止めてきたすべての人が集まること、そしてそこへ新しい人も参加できる場所をつくることができれば、教育基本法の改悪阻止にとって何よりも大きな力になると思います。すでに参加を予定されている方にはいっそうの取り組みを、はじめての方には、ぜひ一人からでもご参加くださることを、心よりお願い申し上げます。

 *教育基本法の改悪をとめよう!11.12全国集会

  日時:1112日(日) 午後1時半〜3時半 ※終了後銀座デモパレード

  場所:東京・日比谷野外大音楽堂(地下鉄「霞ヶ関」「日比谷」下車3分)

  内容:ホームページ「あんころ」(http://www.kyokiren.net)をご覧ください。

 

13日(月)は国会要請を行います

 12日の全国集会の結果をうけ、改悪反対の全国の声を、すべての国会議員へ直接に届けたいと思います。

1112集会アピールと全国連絡会リーフを持って、国会議員全員の国会事務所を訪ね、改悪法案を廃案にするよう直接訴えます。可能ならばご自身の手紙などをお持ちください。

*当日集合場所・時間(9:3012:00

集合:午前9時30分「TKP霞ヶ関」第2会議室  東京都港区西新橋1-6-5 虎ノ門立川ビル2

          (東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅 9番出口 りそな銀行脇の道を入る)

集合場所で、マニュアルと配布物を分担します。ここから、首相官邸前を通って国会へ!

 

 これから2週間、できるかぎりの良心と勇気をもって私たちが行動するならば、教育基本法改悪を阻止することは可能です。一人ひとりの力を合わせて、この最大のヤマ場を乗り越えましょう!

 

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116(2) ブッシュの戦争の大義は何か? フセイン元大統領の1982年の大量殺害事件が、アメリカのあの大規模なイラク攻撃を正当化するか?

 フセイン政権の独裁制、その元での大量殺害事件の数々は世界の民主主義勢力によって断罪されるべきものだが、それにしても、アメリカのあの「アル・カイダ」、「大量破壊兵器」を口実とした2003年の攻撃をどうして正当化できるのか? 大義とされた「大量破壊兵器」は存在せず、アルカイダとの関係も存在せず、アメリカの攻撃を正当化するものとされた重要な情報が捏造だったことはすでに世界的に明らかになっている。その大義なき戦争と占領で、911の被害者数を何倍も越える死者、そしてジョージ・ソロスのいうように「何百万人」の人々へのダメージ。ソロスもいうようにイラク侵略Invasion of Iraqは、大きな誤りだったのだ。The Age of Fallibility: Consequences of the War on Terror.

 ソロスのいうように、誤りを認めてはじめてまともな解決への道がある。

 

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116(1) 教育基本法「改正」(=根本的改悪)の国会審議が、大きな山場を迎えた。改悪反対、法案を廃案にの全国民的大運動が期待される。今回の法律が通れば、大学にいたるまでのすべての教育段階で、国家統制が強まり、愛国主義の押し付けがまかり通ることになろう。日の丸、君が代の強制などとは比べものにならない甚大な影響をわが国の自由と民主主義に与えるであろう。独立行政法人化によって国公立大学ですでに進行している自治破壊が、大手を振ってまかり通ることになろう。

-------今できることを! 全国連絡会からみなさんに緊急の呼びかけ-----

先週、教育基本法問題に関する衆議院特別委員会の実質審議が始まり、8日には地方公聴会が開催されます。採決は今週末から来週はじめが危ぶまれており、与党は14日の衆議院本会議を採決のタイムリミットと見ているようです。改悪に反対する運動の力がここまで採決を食い止めてきました。そして今、わたしたちは大きな山場を迎えています。
 全国連絡会呼びかけ人の三宅晶子さんから「みんなで山場を乗り切って、自由の平野を見に行きましょう!」と呼びかけがなされています。また、6日には呼びかけ人4名から緊急アピールが発せられました。この2週間がんばって、強行採決させなければ、教育基本法改悪をとめる可能性が大きく広がります。今できることを、全力でやりきりましょう

 

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112(3) ジョージ・ソロス氏のメーリングリストに参加したら、下記のようなメッセージが届いた。ブッシュのイラク戦争が大義なき侵略戦争だったと考えるものとして、ソロス氏の見地は共感できる部分が多い。

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Dear Michiter Nagamine,

Thank you for joining my mailing list. President Bush is once again invoking the "war on terror" to justify failed policies. You may be interested in reading this editorial I published in the Wall Street Journal in which I argue that "the war on terror" is a dangerously misleading metaphor. Please read my editorial below.

We need to deal with the terrorists, but not by attacking the wrong enemies and creating innocent victims. It is not our will that is being tested on the streets of Baghdad, but our understanding of reality. For a longer discussion of these and other issue, you can read my new book, The Age of Fallibility: Consequences of the War on Terror.


If you would like to read excerpts from my new book, please visit my website.

Please share this message with your colleagues. If you received this message from one of your colleagues, you can add yourself to my new mailing list here.

Thank you,
George Soros

Wall Street Journal
"A Self-Defeating War"
By George Soros

By George Soros -- The war on terror is a false metaphor that has led to counterproductive and self-defeating policies. Five years after 9/11, a misleading figure of speech applied literally has unleashed a real war fought on several fronts -- Iraq, Gaza, Lebanon, Afghanistan, Somalia -- a war that has killed thousands of innocent civilians and enraged millions around the world. Yet al Qaeda has not been subdued; a plot that could have claimed more victims than 9/11 has just been foiled by the vigilance of British intelligence.

Unfortunately, the "war on terror" metaphor was uncritically accepted by the American public as the obvious response to 9/11. It is now widely admitted that the invasion of Iraq was a blunder. But the war on terror remains the frame into which American policy has to fit. Most Democratic politicians subscribe to it for fear of being tagged as weak on defense.

What makes the war on terror self-defeating?

* First, war by its very nature creates innocent victims. A war waged against terrorists is even more likely to claim innocent victims because terrorists tend to keep their whereabouts hidden. The deaths, injuries and humiliation of civilians generate rage and resentment among their families and communities that in turn serves to build support for terrorists.

* Second, terrorism is an abstraction. It lumps together all political movements that use terrorist tactics. Al Qaeda, Hamas, Hezbollah, the Sunni insurrection and the Mahdi army in Iraq are very different forces, but President Bush's global war on terror prevents us from differentiating between them and dealing with them accordingly. It inhibits much! -needed negotiations with Iran and Syria because they are states that support terrorist groups.

* Third, the war on terror emphasizes military action while most territorial conflicts require political solutions. And, as the British have shown, al Qaeda is best dealt with by good intelligence. The war on terror increases the terrorist threat and makes the task of the intelligence agencies more difficult. Osama bin Laden and Ayman al-Zawahiri are still at large; we need to focus on finding them, and preventing attacks like the one foiled in England.

* Fourth, the war on terror drives a wedge between "us" and "them." We are innocent victims. They are perpetrators. But we fail to notice that we also become perpetrators in the process; the rest of the world, however, does notice. That is how such a wide gap has arisen between America and much of the world.

Taken together, these four factors ensure that the war on terror cannot be won. An endless war waged against an unseen enemy is doing great damage to our power and prestige abroad and to our open society at home. It has led to a dangerous extension of executive powers; it has tarnished our adherence to universal human rights; it has inhibited the critical process that is at the heart of an open society; and it has cost a lot of money. Most importantly, it has diverted attention from other urgent tasks that require American leadership, such as finishing the job we so correctly began in Afghanistan, addressing the looming global energy crisis, and dealing with nuclear proliferation.

With American influence at low ebb, the world is in danger of sliding into a vicious circle of escalating violence. We can escape it only if we Americans repudiate the war on terror as a false metaphor. If we persevere on the wrong course, the situation will continue to deteriorate. It is not our will that is being tested, but our understanding of reality. It is painful to admit that our current predicaments are brought about by our own misconceptions. However,! not admitting it is bound to prove even more painful in the long run. The strength of an open society lies in its ability to recognize and correct its mistakes. This is the test that confronts us.

Mr. Soros, a financier, is author of "The Age of Fallibility: Consequences of the War on Terror" (Public Affairs, 2006).


You will be hearing from us on national and global issues that affect us all.

Best Regards,
The George Soros Team

GeorgeSoros.com
888 7th Avenue
New York City
New York 10106
United States

 

 

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112(2)  「全国国公私立大学の事件情報」(本日付)本学元教授佐藤真彦氏HP経由で、立花隆の「メディア・ポリティクス」を知った。歴史的な兵器産業・武器移転・武器輸出問題フォーラムで研究しているので興味深い主張に目が留まった。以下の部分である。

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http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060929_dna/index2.html

 

 

 

新総理 安倍晋三が受け継ぐ“妖怪”岸信介の危険なDNA

安倍が総理に就任することが決定的となった約1カ月前に、法制局の高官(阪田雅裕内閣法制局長官)が辞任したのは、安倍のこのような行き方(解釈改憲でこのような重大事を変更してしまう)に抗議してのことだといわれている。

 

9条があるおかげで、日本には武器輸出禁止の原則があり、日本の産業技術は軍事利用されないことになっているが、9条がなくなったら、日本の産業のかなりの部分が部分的な軍需産業になっていくだろう。

 

いまは、日本の科学技術全体が、研究面でも応用面でも軍事利用の方向に向かうことがないように厳重な歯止めが二重三重にかかっている。しかし、9条がなくなったら、各大学に軍事関係の講座ができたり、防衛庁(省)の予算をもらって、軍事研究をしたりといったことが平気で行われるようになるだろう。

 

つまり、9条が改正されると日本の経済も、学術研究も、相当部分が軍事を中心にまわりだすということである。

 

経済の軍事化で失われる日本の繁栄

戦前の日本の国家予算は、平時でも5割以上が軍事目的で使われており、戦時になると、それが75分にまではね上がったりした。

 

経済の軍事化は、いったんはじまってしまうと、どんどん肥大化していき、一国の経済が軍事中心にまわりだすようになる。

 

冷戦下のソ連がその典型で、すべてが軍事中心で動いたため、ソ連では、民生部門にあらゆる意味でリソース(物財も人材も、資金も、資源も、エネルギーも)まわっていかなくなり、ついには国家がたちいかなくなって滅んだのである。

 

アメリカでも経済の軍事化が激しく進んでおり、いまでも、国家予算の約半分が軍事部門に向けられている。

 

あの長きにわたった冷戦の間、日本だけが、9条のおかげで、経済の軍事化の波をかぶらないですんだ。そこに日本の経済的繁栄の根幹があった。

 

日本はすべてのリソースを民生部門にふりむけることができたから、世界の民生品市場で日本の商品が圧倒的勝利をおさめることができた。

 

しかし、安倍が考えているような方向(憲法改正、経済の軍事化容認、日米安保の強化=アメリカの行くところどこでもついていく)に日本が向かってしまうと、日本は軍事立国の方向に向かってしまう。それは当然に周辺諸国に無用の警戒感、敵対感情をもたらし、これまで日本の繁栄を築いてきた日本に対していつも好感あふれる国際環境にとりかこまれていることという大切な条件も掘りくずしてしまう。そうなると、日本はこれまでの繁栄の基盤を次々に失ってしまうことになる

 

next: 安倍の外交ブレーンが堂々と語る核武装論…

 

 

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112(1) 先日、市大新聞ウェブログのTOFFL問題の記事に関連してコメントしたが、その私の記事、およびそれに関連する教員組合等の諸文書がまとめられて、「全国国公私立大学の事件情報」(本日付)に掲載された。教員サイドはそのときどきに問題の所在を明らかにして来ていることが分かる。しかし、中期目標だ、ということで押し通してきたというのが現状だろう。

 

専門家集団による下からのきちんとした議論を踏まえない制度設計の問題が、ここに端的に露呈している。繰り返し述べてきたことだが、これは数多くの教授会党の反対決議・反対声明にもかかわらず、「全員任期制」などという制度をぶち上げ、それを強行することと同じやり方である。教員の数は少ないので、社会の人々学生諸君にはその深刻な影響はわからないかもしれないが、問題の本質は、TOFFL問題と同じである。10年以上―15年ほども旧制度での昇格・昇任を目指して業績を蓄積してきた人に対して、その長期間の努力の最終段階での制度変更(不利益変更)によって、任期を明示した契約書にサインしない限り昇任を発令しないというやり方も、「お上」の決めたことをなんとしてでも押し通そうとするやり方である。しかも、教員組合が繰り返しその違法性を指摘してきたにもかかわらず、それを強行しているのである。

不利益措置に納得しない当該の人は、裁判を起こすことも選択肢としてあろうが、耳にしている情報が正しければ、そのような裁判での長期的(と予想される)な精神的物的負担の大きさ(したがって研究教育への大変なしわ寄せ)を考えて、自制しているに過ぎない。昇任が発令されないことの不利益(社会的経済的精神的)をあえて耐え忍んで、研究教育にまい進しているのである。

こうしたやり方は、新任人事においても影響を及ぼしていると見なければならないであろう。最近の公募にどれだけの人が応募しているのか、過去の公募(任期制などを打ち上げなかった時期の公募)とどのように変化しているのか、追跡検証しなければ分からないが、目に見えないところで、制度設計の問題性が蓄積している可能性がある。それは単に目に見えないだけで、客観的にはマイナスの効果が累積しているのである。

しかも、制度の安定性を示すためには、制度設計の段階で打ち上げていたテニュア制なども明確にして、任期制で採用された人々に対する客観的で公平な基準(その審査の透明性・説明責任の所在・妥当性)も示さなければならないのだが、いまだにその進捗状況は不明のままである。任期制を受け入れた(受け入れざるを得なかった)教員の人々の不安は次第に大きくなってこよう。

 

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111日(2)教育基本法「改悪」案の審議の最新情報。国会前では連日、「改悪案」反対、廃案にせよ、採決反対の集会があるようである。

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「あんころ」の昨日のブログは次のように報告しています。
>
明日も審議は続きます。与党は1110日にも、衆議院での採決に持っていこうという構えのようです。審議が進めば、教育基本法改悪の問題点はさらに明らかになっていくし、ウソもどんどんばれていきます。一日でも審議を延ばすことができれば、教育基本法改悪法案を廃案への展望が開けてきます。ここが踏ん張りどころです。次の国会前集会は、特別委員会の採決阻止をかけた集会になります。なんとか1000人以上集まりたいですね。

 

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111(1) 指導要領という「法律」を根拠に、国歌斉唱を義務付けることは合法だという。とすれば、そうしたことを可能にする「法律」が、憲法違反ということになる。憲法9条に違反する武力を「自衛隊」として維持してきたことと同じ問題がある。安部政権は、まさにそうした憲法違反の下位の法律体系を正当化するために、上位の憲法自体を改正しようと公言している。こうした安部政権の公然たる意図に対して、国民が反対しないのならば、その負の効果は国民が背負うことになる。

ヒトラーは『わが闘争』で生存圏拡大、東方大帝国建設の戦略を明確に提示していた。それは隠され秘密にされていたものではなかった。その点でヒトラーは選挙民を騙したのではない。

そのヒトラーをひとたび権力の座につけてしまった結果があの悲劇である。

ただし、ヒトラー政権誕生前のナチ党の最高得票率は19327月選挙で30数%、第一党とはいえ圧倒的多数ではなかった。だからこそ、ヒトラー首相誕生直後に国会を解散し、選挙に打って出た。「最後の選挙」にするために、圧倒的勝利を勝ち取るために。そのためには手段を選ばなかった。圧倒的勝利のためには、19333月選挙の投票日直前、2月末に国会放火事件を引き起こし、ワイマール憲法を事実上停止し、共産党をはじめとする左翼諸政党を弾圧する必要があった、そうした上でなおかつ50%を越えることはなかったが・・。

武力的に左翼政党をつぶし、全権委任法を手に入れて、ナチ党以外の諸政党を存在できなくした後、すなわちナチ党の一党体制を樹立した後、国民投票などを演出し、国民的熱狂を獲得していった。しかもその国民的熱狂は、ヴェルサイユ体制の不当さが国民的認識として確立していたものだからであった。ひとたび戦争に突入すれば(電撃戦勝利の一時期を除き)、国民的熱狂は冷めていく。

 

9条改正、憲法改正を自分の任期中に実施することを一貫して公言している安部晋三政権は、現在の憲法(平和主義・民主主義・自由主義)を守り発展させ、活かそうとする人々にとってはとうてい看過し得ない。

それは、郵政民営化とは、まったく次元のことなる大問題である。「郵政民営化、YesNoか」の一点張りで国民の票を掠め取った上で、選挙では国民の意思を問いもしなかった教育基本法「改悪」、防衛庁の防衛省への格上げ、そして憲法改正へ、と安部政権の進む道は明確である。

これが許されることか?国民は、これを許すのか?

 

-----全国国公私立大学の事件情報」本日付のニュース------

 

国歌斉唱は職務上の義務 教基法特別委で伊吹文科相

http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006103101000280

 

 

 伊吹文明文部科学相は31日午前の衆院教育基本法特別委員会で、東京都教育委員会が教職員に国旗国歌を強制したのは違憲とした9月の東京地裁判決に関連し「学習指導要領は法律の一部であり、これに従って学校現場の管理指導をするのは当然だ」と述べ、教職員には入学式や卒業式で国旗掲揚や国歌斉唱をする職務上の義務があるとの認識を示した。……

 

 



[1] 日米安保条約体制、最近の周辺事態法に至る諸法律で、日本ががんじがらめにされている。それを抜け出し、自立性・独立性を再獲得していく道は、容易ではない。

 

[2] 「オンリーワン」ではあろうが、一律のどこできまったか分からない基準への固執は、真珠湾攻撃に突き進む日本軍のようなものであろう。

 

[3] (何の?・・・進級者の数・基準も分からないで何を計画?

 「進級」などというものはなんとでもできるあいまいなものにしてしまうのか?

専門ゼミなど二年分を一年でやってしまえるとでも?

英語に関しては外部試験の基準なので形式的に厳しく、専門科目(ゼミなど)については内部基準で大甘で? 

 

[4] 実情を無視した外的縛りは、すでに思わぬ問題現象も引き起こしているようである。その問題に対処するにあたって厳しい基準だけではたしていいのか?