第16回
ミニテスト
前回ミニテスト解答へのコメント・・・特に、移動型ガス室に関する史料(治安警察部局の極秘資料)に関連して。
現代史、現代政治史、現代社会史、現代経済史・・・・現在の利害と直結してくる。利害と真実との関係。
歴史認識の欠如
・・・体験者世代・・・・加害者側(責任のある側)・・・忘れ去りたい、記憶を抹消したい
→過去を否定したい、なかったことにしたい・・・否定論の潮流(勢力)。
・・・歴史の勉強をしていない・・・・無知・・・加害者側の思うつぼ
・・・過去を隠したい人々は、過去の真実が暴かれたり、
過去の真実を次の世代が勉強したり研究したりしてほしくない。
過去の自分・自分たち・自分の国や民族のいいことだけを知ってほしい、
過去のいいことだけをたくさん見つけ、記憶してほしい。
→過去の美化
これらに対して、被害者側・・・過去の真実をできるだけ明らかにし、
過去の被害、過去の失敗、負の遺産をきちんと見据えて、
現在と将来を作り出していこう・・・真実探究解明の潮流(勢力)。
重要資料(史料)・・・秘密文書・・・・加害者側は、隠そうとする。戦争末期に、ドイツでも日本でもかなり多くの資料が焼却された。
しかし、戦争末期には、加害者側は、右往左往、逃げることに精いっぱいで、焼却などできなかったものも多い。
また、戦争に負けると思わない段階では、重要資料を疎開させ、保存した。・・・ドイツの場合。
ドイツの諸官庁の膨大な資料(秘密文書)が、米英ソの進駐軍によって、没収された。
その中型とくに重要なものが探し出され、戦後のニュルンベルク裁判で利用された。
日本進駐後に米軍が没収した文書は、極東軍事裁判(東京裁判)のためにも。
アメリカが没収した大量の文書は、すべてマイクロフィルムに収められたのち、1960年代になって、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)に返還された。
西ドイツは、それ以降、秘密資料がドイツの加害責任を明らかにするものであることを十分承知の上で、
また、アメリカとの約束にしたがって、研究者に全面的に公開し、自由な研究を可能にしてきた。
現在の所蔵文書の区分:
コブレンツのドイツ連邦文書館(戦後ドイツの中央諸官庁の文書9
ベルリンのドイツ連邦文書館(1860年代から1945年までの諸中央官庁・ナチス関係諸組織の文書)
フライブルクのドイツ連邦文書館(軍事文書館…軍関係文書)
前回感想等へのコメント:革命的な科学的発見とノーベル賞、
科学の戦争への利用、科学者の戦争への協力・・・科学者は何を行い、何を行えないか?
一般国民の戦争への協力は?
科学を戦争の道具にするのはだれか?
科学者か政治家か?
補足説明メモ(前回配布のメモ)
(テキストに収められた地図)
@独ソ戦・・・ドイツが侵攻した地域
A絶滅収容所(固定型ガス室)の場所
B東方ドイツ人の追放地図
全面敗退・ヒトラーの最後
全ドイツの連合国による占領・・・ドイツ無条件降伏…1945年5月8日
分割ドイツ・・・・分断ドイツ
テキスト8章ファシズムと第二次世界大戦(PPT)