経済史講義メモ(20040218ff

更新:04/04/01

 

下記の書物・HPが、最近の世界政治・世界経済および現代世界経済史の動向を解読するうえで興味深い。

 

 ごく最近の世界経済・日本経済の動向については、財務省や日銀のさまざまの報告書類を読むのがいい。

 一例:最近の金融経済情勢について(325)・・資料として添付された沢山の図表が興味深い。とくに印象的なのは、図表2「世界のGDP等に占める各国・地域のシェアの推移」である。EUと日本の割合が減少し、アジアの割合が顕著に高まっている(90年に12%だったのが、03年見込みで20%へ、04年予想で21%へ)。

GDPにおいて、すでに95年に日本(8)は中国(9%)に追い越され、03年見込み(7)では中国(13)の半分近くになっている。03年見込み、04年予想で、中国のGDPは日本の倍近くになっていることである。中国の人口が日本の約10倍であるので、単純な判断はできないが、注目すべきことであろう。

この中国を含む急速な経済発展の諸国(BRICs=BrazilRussiaIndiaChina-s)の経済成長が強調されている。

上記講演(文書)の中では、図表の22「企業戦略のターゲット」に関する説明がないが、今後の経済発展を考える上では、これこそ非常に重要な示唆を与えている。

 

1.         伊丹敬之(いたみ・ひろゆき)『経営と国境』白桃書房、20041月刊(同じ著者の『人本主義企業』日経ビジネス文庫、2002[最初は1987]、およびも『経営戦略の論理(第三版)』日本経済新聞社、2003年も重要)

2.         手塚和彰『怠け者の日本人とドイツ人―停滞を生んだ国民性―』中公新書ラクレ、20043月刊[1]

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3.         チャルマーズ・ジョンソン『アメリカ帝国への報復』集英社、20006月刊(200110月第2刷)原著、Chalmers Johnson, Blowback:  The Costs and Cosequensec of American Empire, 2000

4.         トムグラム「チャルマーズ・ジョンソン、帝国の治外法権を語る」

5.         チャルマーズ・ジョンソン「3件のレイプ犯罪―駐留米軍地位協定と沖縄」同『日本政策研究所』報告書97号・20041月刊

6.       トムグラム「チャルマーズ・ジョンソン、地球を覆う米軍基地戦略を語る」『トム・ディスパッチ』2004年1月15日 

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7.         エマニュエル・トッド著石崎晴己訳『帝国以後』藤原書店(20034月第1刷)、2004215日第6(フランスでは20029月刊行)・・・現在の世界では、チャルマーズ・ジョンソンの指摘するように、アメリカ合衆国が世界強国・「帝国」−衰退過程にあるとはいえ−としての地位を維持し、全世界に軍事基地網を張り巡らしている。

8.          スチーブン・ローチ著中岡望訳『超大国の破綻−アメリカの一極構造の危機と世界デフレ』中央公論社、20039月初版、200311月再版

9.         ユルゲン・ハーバーマス、ジャック・デリダ、ジョヴァンナ・ボッラドリ著藤本一勇、澤里岳史訳『テロルの時代と哲学の使命』岩波書店、20041月刊 

10.   JMM(JapanMailMedia)編集長:村上龍http://ryumurakami.jmm.co.jp/media.html

 

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11.   平和と地域統合―西アフリカの場合―「世界銀行週刊ニュース」WORLD BANK WEEKLY WEB UPDATE - March 22 , 2004

 

 NEWS
West Africa's New Challenge -- Making Peace Pay 
After years of suffering from the devastating effects of conflict and poor
governance, West Africa's 245 million people have some hope for a more
prosperous future. With the return of democracy to Nigeria, a fragile
peace settling into Liberia, and a reconciliation process underway in Cote
d'Ivoire, glimmers of optimism are beginning to bloom in a region that has
seen its living standards plunge amid years of conflict. Improving the
region's prospects to capitalize on these newfound chances for stability
is at the top of the agenda for leaders who gathered in Ghana for a summit
of the Economic Community of West African States. The organization played
an important role in resolving some of the political crises in countries
such as Liberia and Sierra Leone and is now a focal point for hopes of an
increased level of integration in the region, based on initiatives being
promoted by the New Partnership for Africa's Development
. A principal
subject of discussion is establishing a free trade area and removing
roadblocks that make commerce expensive and slow on the heavily traveled
Abidjan-Lagos road.
http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/NEWS/0,,contentMDK:20180526~menuPK:34457~pagePK:34370~piPK:34424~theSitePK:4607,00.html

12.    

 



[1] タイトルの「怠け者」というのは、内容に即してみれば、また実際の状態に照らしても、不適切な表現のように思われる。

 ドイツの労働時間の少なさがどのような歴史的事情で発生し維持され、また逆転使用しているのか? EUの東方拡大、東方の低い賃金の労働者の流入やそれとの競争、世界的競争の激化の事情

 日本の一方における「過労死」的長時間労働と、他方におけるフリーターンの大量存在、年金制度崩壊の危機などを総合的に考える必要がある。