2008年度 講義メモ
この講義の受講者には興味あると思われる特別講義の紹介
ぜひ参加してほしい。また、その感想を書いてほしい。本講義の出席として認め評価する。
ハルトムート・ケルブレ教授・特別講義
(国際学術セミナー・2008年度第二回:4月17日・木・5限・16:10-17:40)
私の3月の出張旅行をひとつの素材・手がかりに、ドイツ・ナショナリズムの史的展開を概説。
ドイツ・ナショナリズムの極端な形態としてのナチズム・ヒトラーの思想構造
(拙稿「アウシュヴィッツへの道」(1)(2)を第1・第2の教材として配布・感想文等。
マジョリティ(国家内の支配的民族)とマイノリティ(国家内の被支配的民族)のナショナリズム・・・
その転変(支配民族から被支配民族へ、被支配民族から支配民族へ)
(第3の教材・・・拙稿「両大戦間期のズデーテン問題」『地域と国家』所収論文を教材として配布・感想文等)。
民族追放=ナショナリズムによる追放の一形態としての東欧ドイツ人追放・・・1千数百万人
(第4の教材・・・疎開・難民化・被追放民に関する拙稿)
ゴールドハーゲン論争・・・「ミクロ的展開」に関する歴史学研究の動向論文(配布)
・・・ミクロ的展開は、民族主義的(ユダヤ主義的)ホロコースト理解という問題性
故郷を追放された1千数百万の人々の意識は?(「ドイツ戦後復興の人間的基礎」の論文・・・配布)
人物評価(価値・業績の見方)は、対立的政治状況においては、対立する陣営において、まったく逆になる
(クラウス・バルビーの場合:映画『敵こそ、我が友』2008年7月公開)
闘い・戦争(その諸形態・諸対立)とナショナリズムの諸形態(戦争論)
イラク戦争は? アメリカのイラク支配は?(スティグリッツ『アメリカの戦争経済』)
「独ソ戦・世界大戦の展開とホロコースト」(ロシア史研究会2007年11月大会「共通論題」報告)(配布)
(『ロシア史研究』No.82,2008年5月15日刊)
歴史的人物の評価の転変とナショナリズム
(英雄「アルミニウス」と反ナポレオン・ナショナリズム)
「国」とは何か? 時代による変遷
(ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンの時代は?)
最近20年ほど(冷戦体制解体後)の間のグローバリズム
それに対する反発のあり方の諸形態のひとつ・・・反米ナショナリズム、反中国ナショナリズム、その他。
スティグリッツ『世界に格差をばら撒いたグローバリズムを正す』
グローバリズムの無差別な影響を制限する各国各地域の自律性・自立性の度合い
休講:6月27日、ウィーン出張(6月25−30日)のため
ウィーン大学現代史研究所・国際会議「両大戦間期の中欧・南東欧戦略構想」(出張記録/参加記録)