(ゲーテ・インスティチュートGoethe-Institutより、翻訳助成を受けた2009/2リスト,2ページにKaelble, Sozialgeschichte Europas)
[付記:2010年4月28日に、日本図書館協会(協会HP英文)により、選定図書に選ばれた。]
専門ゼミ

                                                   更新:2010年4月
                                                    学年歴

地 図

「ヨーロッパ社会演習」
(2年演習Ⅰ・Ⅱ: 3年演習Ⅲ・Ⅳ:4年卒論演習Ⅰ・Ⅱ)


1.担当教員:永岑 三千輝(Nagamine Michiteru

2.
担当教員への連絡(質問等)の方法・・・e-mail:nagamine@yokohama-cu.ac.jp
、研究室(文科系研究棟439)等で


ゼミの場所:
2年・火・206教室、  3年・水・4時間目・ゼミ13、    4年卒論ゼミ・水・5時間目・ゼミ13


------今年度のゼミ共通テキスト------
ハルトムート・ケルブレ著・永岑三千輝監訳・
金子公彦・瀧川貴利・赤松廉史訳
ヨーロッパ社会史-1945 年から現在まで』
日本経済評論社、2010 年3月刊行


2010年度講義開始にあたって、まさにその直前の3月末、
ケルブレ著『ヨーロッパ社会史 1945年から現在まで』を日本経済評論社から刊行した。
ゼミの全体の共通の土俵形成のため、共通テキストとしては、これを使いたい。
(「ヨーロッパ社会」や「ナショナリズム論」の主要参考図書としても指定している)


3.        ゼミの概要


ヨーロッパ社会の現状と歴史を議論し、調査・研究します。

気概としては:
  ゼミのみんなで力をあわせて、「ヨーロッパをまるごと理解しよう」。現在のヨーロッパ社会の認識においても、ヨーロッパの歴史の認識についても。
  「真理は全体である(Das Wahre ist das Ganzeダス・ヴァーレ・イスト・ダス・ガンツェ)」(ヘーゲル
  
しかも、単に知識にどとめるのではなく、そこから日本・日本人の進むべき道を発見し、打ち固めていこう、その素材を豊かにしようというところです。

調査・研究は具体的な事件・問題を出発点に:
  しかし、認識あるいは理解、調査研究は、具体的な問題、限定された問題からしか、進めることはできません。
 その際には、一人一人の個性、一人一人の好みや関心が出発点となるでしょう。
 山に登るにも、どこかの道を選び取り、自ら選んだ道をたどるしかないでしょう。頂上に達すれば、・・・?
 (アインシュタインの『物理学はどう創られたか』では、理論(知識)の発達・進化に関して、どうかかれているでしょうか?)

具体的な問題とは:
  みなさんは、ヨーロッパについてどのような関心を持っているでしょうか?
  旅行? 中世都市? ロマンチックな城の数々? 音楽? 文学? 歴史? 経済? ユーロ? 移民問題?

ヨーロッパについて、日々の新聞の記事で一番多く目にするのはなんでしょうか? 
 あるいは、あなたが一番良く読むヨーロッパに関する記事は?

そのひとつとしてのヨーロッパ統合:
 そのひとつが統合ヨーロッパですね。
 戦後6カ国で出発したヨーロッパ連合(EU)は、現在では27カ国にまでなりました。
 現在、その存在感をますます世界的にアピールするようになっています。

しかし、20世紀前半のヨーロッパは?:
 20世紀前半、ヨーロッパは二度にわたって世界大戦で死闘を繰り返しました。
 その過程で、ヨーロッパは世界の中で相対的に地盤沈下しました。

歴史の悲劇を新たな発展の土台として:
 しかし、第二次大戦後、ヨーロッパ諸国の人々は、たくさんの困難や利害対立を乗り越えて協調・協力・統合の道を歩んできました。その統合の力で、
21世紀の世界でますます名誉ある地位を打ち固めていこうとしています。また、アメリカ的市場至上主義に対抗する「社会的ヨーロッパ」をつくりあげ、充実しようとしています。

統合の到達点:
 EU憲法の批准ということではたしかに一時的に停滞しましたが、リスボン条約でそれなりにハードルをクリアしました。
 
 ユーロ誕生まで第二次大戦後、半世紀以上かかったことを考えれば、ナショナリズムが排外的に激化することを阻止し、現在の難問を時間をかけて解決し、言語・文化・民族・人種・宗教など歴史総体の「多様性の中での統一」をさらに進化させ、あるいはいっそう深化させていくことが期待されます。


行動の指針や素材を発見するため:
 ヨーロッパ社会の歴史と現状、過去と現在の苦難とひとびとによるその克服の諸相(苦難克服の過程で鍛えられた文化の豊かさ・すばらしさ・個性)は、日本が21世のアジアでどのような態度を取っていけばいいのか、日本とヨーロッパの関係はどうあるべきか、日本の針路、日本人のとるべき行動を選択するための貴重な素材を提供していると考えます。


国際文化の創造:
 そうしたヨーロッパ社会の到達点や問題点について、ゼミ参加者の多様な関心を基礎にしながら議論を積み重ね、歴史と社会の立体的な認識を深めることができれば、そしてその立体的な認識が国際文化創造の力となればと考えています。ヨーロッパ社会のさまざまな分野に多様な角度から関心のある人が集まって議論できるとすばらしいと思います。

  以上の関連から、アジア統合の将来について、あるいはアジアと世界における日本の進むべき道について、ヨーロッパと比較しながら研究してみようという人も、いっしょに議論できれば、議論は実り豊かになるでしょう。


共通のテキストで議論していくほか、ゼミ参加者の希望にしたがいテーマや本を適宜えらんで、報告と議論を実り豊かなものにしたいと思います。そして、個々人が自分の追求するテーマをあたため、調査研究を進め、その成果を最後にはゼミの論文(卒業論文)としてまとめることになります。



なお、私の研究室HPにも、ゼミナールおよび関連講義に関していろいろと公開しておりますので、興味のある人は、つぎのアドレスにアクセスしてみてください。

研究室HP: http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/







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学期ごとのゼミのまとめの論文と
      集大成としての卒業論文・・・・形式(参考資料)

(論文の書き方:参考書リスト
  
  
注意参考文献・引用文献の明記(準備過程できちんとメモをしておくことの大切さ)・・反面教師としてのいくつもの事件(最近の事件の例)




***** 演習Ⅰ、Ⅱ(2年生)*****


第一回:自己紹介・各人の興味・テーマ・問題関心など。
     役割分担(報告者・司会・書記)

     みんなで協力し、みんなで問題を出し合い、議論し、認識を深め、自分が探究調査すべきテーマ(自分がやってみたいと思うテーマ、調べてみたいと思う問題、掘り下げていってみたい問題)を明確にしていく。

     意欲的参加・・・日常的に、何が調べるに値する問題か、自分が調べたい問題かを考える・・・その成果をゼミの場でみんなに報告・紹介。

     みんなで議論(新聞・雑誌・図書などの知識を素材に)→問題の探索→発見→調査→報告→さらに議論→文献調査→報告

     英語に慣れ親しみ、英語力の増強を常に意識的に行うための工夫とゼミの研究(テーマ設定・テーマないし問題選択・文献選択)との関連付け



***** 演習Ⅲ・Ⅳ(3年生)*****

2年生の前期と後期で培った問題意識、各学期ごとの総括論文を踏まえ、さらに発展ないし展開させるテーマを選び出し、調査研究。


***** 卒論演習Ⅰ・Ⅱ(4年生)*****

2年間の総括を踏まえ、さらに専門的資料やデータを調査研究。

卒論の目安:400字原稿用紙で100枚程度(A4で30数枚)。

形式・・・・・A4で30数枚程度(A4一枚あたり・・・一行40字×30行=1ページ1200字=400字原稿用紙で3枚)。

卒論に向けて:英語文献など外国語文献にもチャレンジを

 

 左:世界文化遺産12世紀創建のマウルブロン修道院 右: 9世紀創建の東寺・教王護国寺、世界文化遺産「古都京都の文化財」の一部


----------2009年度後期----------

10月9日(金曜)12:50-18:00)。
河野ゼミとの共同卒論中間報告会






----------2009年度前期----------

2009年5月15日 学外ゼミ(金沢自然公園・動物園)と懇親会


海外フィールドワーク・準備
飛行機予約
ホテル予約
現地移動手段等予約
一人当たり旅費計算


「木組みの家」Fachwerkhaus, Fachwerkhäuser


20090823-0906ベルリン出張(マックス・プランク協会文書館での史料調査





--------2008年度後期----------

後期最初に卒業論文中間報告会(松井ゼミとの合同)
日時
10月1日(水曜日) 4-5時間目、松井ゼミ
    10月10日(金曜日) 3,4,5時間目、永岑ゼミ

場所:二日とも「いちょうの館」の「多目的ホール」


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2008年10月28日-11月6日フライブルク軍事文書館調査
同時に、都市開発調査(フィールドワークの可能性の検討)


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2008年12月11日(木曜日)1:30-4:00いちょうの館
ブカレスト大学教授ムルジェスク氏の講演
「ルーマニアのEU加盟の歴史的意義」
(公開・英語)

その後質疑応答。

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2008年12月12日(金曜日)2:30-5:40
ムルジェスク教授との合同ゼミ
「ルーマニア史の諸問題について」
(公開ゼミ・英語:サマリー

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2009年2月8日から22日
ミュンヘン・ドイツ博物館の文書館調査

2009年3月11日-12日 卒論ゼミ合宿

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2009年3月15日から22日
ベルリン・マックス・プランク研究所文書館調査



2009年2月と3月の出張記録(ドイツの原爆開発史料調査)
-ヨーロッパ社会のいくつかの側面-

--------------------2008年前期------------------------
       

私の報告(出張について):2008年3月13日―21日 シュツットガルト

2008年5月9日2,3,4年ゼミ生合同・親睦エクスカーション:八景島シーパラダイス(15周年を祝っている)

 








    
幸福の鐘

                                



丘の上公園:バラ園
 

モモイロペリカン



  
島廻りの船上(後方に潮干狩りで休日には人があふれる海の公園、その後方に称名寺・金沢文庫の山)


島廻りの船上から



休講:6月27日、ウィーン出張(6月25-30日)のため
ウィーン大学現代史研究所・国際会議「両大戦間期の中欧・南東欧戦略構想」出張記録






7月25日ゼミ最終日:前期打ち上げ・バーベキュー懇親会




 
海の公園・バーベキュー場

(後方は、八景島シーパラダイス




------------2007年度-----------------

前期

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2007年6月の校外ゼミ:金沢自然公園・動物園
(写真は動物園展望台から大学、野島、海の公園、八景島シーパラダイスなどの方向をみる)



-------------2007/Ⅰ
(2年前期)---------------
20070502 
-------------2007/Ⅲ(3年前期)---------------
補:2007年6月―7月ベルリン出張説明
補:2007年8月―9月ミュンヘン出張説明

後期
-------------2007/Ⅱ(2年後期)---------------
-------------2007/Ⅳ(3年後期)---------------
補①:2008年1月3日―10日シュツットガルトルートヴィッヒスブルク文書館への出張


ゼミでもしばしば報告・討論の対象となる世界遺産(日本は、世界でも遺産保護の条約参加が遅い。「日本は1992年に125番目の締約国として世界の仲間入りを果たしました」)。(日本の世界遺産登録リスト


そのひとつが、シュツットガルト近くにあることを旅行ガイドで知り、日曜日、思い立って、訪れてみることにした。

ルートヴィッヒスブルク駅からカールスルーへないしハイデルベルクHeidelbergへの鉄道路線で20分ほどのミュールアッカーMühlacker駅下車700系の路線バスで20分ほど)で、バス停Maulbronn-Kloster。(Pforzheim駅からバスでアクセスも可能だが、乗り継ぎなどしなければならず、不便)

世界遺産マウルブロン修道院(12世紀に建立)
ヘルマン・ヘッセ、ケプラー、ヘルダーリンなど、世界的偉人(文豪・科学者)が学んだ付属学校(神学校)があるところ。

その帰途、ルートヴィッヒスブルクには4時過ぎに着いたが、S5路線で4つ目(終点、時間は10分ほど)のマールバッハMarbachが、シラー生誕の町。冬の早い夜が迫るなか、見に行った。


補②:2008年3月13日―21日 シュツットガルト・ルートヴィヒスブルク(ドイツ連邦文書館支所)への出張。

    歴史博物館(旧王宮)の展示物で、ローマから「野蛮」とされたゲルマンの地で、ローマ建国時代と同じころに発展していたハルシュタット文化の沢山の鉄器類、陶器類の出土品を見たのが印象的。

補③:2年次ゼミ生・・・京都合宿2008年3月22日―24日






-------------2006/Ⅰ---------------

(20060421)
(20060428):
(20060512):
(20060519):
(20060526):
(20060602):
(20060609):
(20060616):
(20060623):
(20060630):

 
そろそろこの3ヶ月間のまとめの作業に入る段階。

 これまで、ヨーロッパ諸国の多様な英字新聞から、ヨーロッパ社会の現状とその問題点(それは現代世界の諸問題にリンクしているが)を示すニュースの発掘、その内容の紹介、そのテーマに関する補足調査の報告が毎回行われた。

 この習慣化によって、ゼミ生諸君は、ヨーロッパ諸国の英字新聞から報告に値するニュースを探し出すのが面白くなり、すくなくとも英字新聞を読むのが苦痛ではなくなったのではなかろうか? 
 臆することなく、英字新聞に日常的に触れるということが習慣化できたとすれば、この3ヶ月の試みは成功だったのではないか?


 内容的に見て、その折々のゼミ報告へのコメントで触れたように、ゼミ生諸君のヨーロッパ社会(その現状と問題点)に対する関心は非常に多様で、実に興味深く、「えっ、そんなことがあったの」といった驚嘆すべき論点や深めるべき論点を数多く含むものだった。

 普通の日本の新聞で報道されるよりも前に、刺激的・問題提起的事件をゼミ生報告で得たことも多い。
 さらに、日本の新聞が誤って報じていることを英字新聞で発見・確認することもあった。

 ゼミ生が取り上げたニュース・問題群は、系統的に(ニュース・文献などで)調査・研究を行い、立体的に認識を豊かにしていくべき問題ばかりだった。

 次のステップに踏み出すために、ゼミ生諸君ひとりひとりに、こうした3ヶ月の経験を文章でまとめてもらうことになる。
 

(20060707):
(20060714):
総括報告
(1学期のまとめとそれを踏まえた2学期への展望・計画・研究課題の設定)
 
各人がレジュメ(A4一枚)をもとに、3ヶ月間に調べて報告したことをまとめた。整理してみると、おのずとそれぞれの人が関心を集中している問題があることが分かった。各人は、自分にとっての主要テーマ・重要ポイント・関心の的の整理を踏まえて、秋学期のそれぞれの重点課題・テーマを設定している。

:オフィスアワー
(コンパ)

9月23日(土曜日・9時から18時、その後、簡単な懇親会)
松井ゼミ・本宮ゼミとの合同卒論中間報告会

--------------2006/Ⅱ----------------

第一回 論文作成技法
     論文の書き方(データ・文献の集め方と引用の仕方)・注のつけ方(注の種類)などに関して説明。
  
 自分のテーマで調べ、考えぬいて、データや史料を整理し、ひとつのまとまった論文に仕上げていく上で、先人の仕事(論文、著書など内外の学界の本格的なものから、新聞や雑誌の記事なども含めて)からの引用は、論文という建築物(「積み木」)のパーツ、構成部分、要素として必要不可欠。
 
だれの、どの論文・どの本の、どこから引用したかを明記することは、論文作法の第一。
 
 ゼミの論文といえども、
事実と論理にもとづく科学的な(学問的な)作品である以上、「科学者の行動規範」が、学生にも求められる。要は、借りたものは、だれから、どこから借りたかを紛れのないように明確に示す嘘や捏造はだめ、という簡単な原理に尽きる。

 科学的研究(問題とする対象の事実と論理を明らかにする作業)をはじめたばかりの学生諸君が、先人・他人から借りるものがほとんどというのは当然のことであり、借りること自体を恥じることはない。いやむしろ、できるだけたくさんの史料・論文・著作などに当たって、いいデータ、すぐれた論理を見つけてくることが必要だろう。そして、その出所をはっきり書き記すことが必要である。

 その根本さえ守れば、あとは、美的修正とか全体の統一・一貫性といった形式面の整理が必要なだけである。

 根本と枝葉を間違えないようにしよう。

第二回 各人の第二学期の予定(テーマ設定など)

第三回 個別報告(二人)
       ①外国人労働者の雇用条件・若者の失業など、雇用構造問題
       ②スウェーデンにおける環境政策
      
第四回 個別報告(二人)+一名の研究テーマ・計画説明
       ③ヨーロッパ全域の移民問題-長期的パースペクティヴとスウェーデン等の現状
       ④ベルギーにおける言語問題・フラマン対ワロン (グーグルアースを利用して説明) 

     現在のヨーロッパ社会の移民問題の新著(2006年、Oxford)から、重要統計・興味深い統計を抜粋配布。

第五回 個別報告(二人)


第六回

第七回

第八回

第九回

第十回


第十一回


第十二回


第十三回


第十四回


第十五回








---------2005年度までの案内・概要等:2005年度の2年生、3年生、4年生のゼミ
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