開設から2002年最後の日誌まで。
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2002年12月25日 「市大消滅」か、「市大改悪=専門学校化」か。
親しい人が、「市大が消滅する」との風説を流しているページが私のHPとリンクされていると教えてくださった。私のこのHPの記事から、「市大の消滅」を直ちに結論することはできないと思うが、どうだろうか。
私の危機感は次のようなところにある。現在進められようとしている「改革」では、これまでの伝統ある市立大学の「さまざまなよい点が消滅する」のではないか。あるいは、商学部について言えば、これまで経済・経営・社会学・法律・語学=人間科学からなる総合的社会科学部として発展してきた内実が変えられ、「魅力がなくなる」、「大学らしくなくなる」のではないか。これまで横浜市立大学には、評議会審議事項として人事権や予算見積もりに関する権利が規定されていた。そうしたことが奪われようとしている。実際に「凍結」という措置がこれを推進しようとしている、といった危機感も繰り返し述べてきた。それは、大学の自治を根本からあやうくするものであり、大学「改革」という名の改悪によって、創造的批判的な大学・学問研究の本質を欠如した専門学校のような大学が作られてしまうのではないか。こうした危機感が私の主張を貫くものである。
しかし、市大そのものが消滅する、というのは私の理解では現在のところはないように思われる。
むしろ、現在、大学人は、これまでの大学自治の不十分さを取り除き、創造的で批判的な大学をこそつくりだすべきではないか、ということである。大学の使命と価値は、真理の探究にある。人類が認識した真理は不断の科学技術の発展によって膨大なものになっている。その継承と次の世代への伝達、すなわち教育機能が大学の一つの重要な使命であり課題である。しかし、大学の使命は人類の科学的到達点の継承とその普及だけにあるのではない。
むしろ大学の本質は、本学学則第一条が示すように、人類が到達した科学的真理認識を批判的創造的に発展させ前進させることであり、それに努めることである。すなわち新たな真理の発見、新たな科学的真理認識の創造こそは大学の使命である。
そこでは、わが国憲法が人類の幾多の悲劇とおろかさの経験を踏まえて保障し守っている学問研究の自由が大前提となる。真理のみに忠実で、その他のいかなる権威や利害からも自由であること、その最大限の自由の保障、大学人のそれぞれがみずから真実であり真理だと確信することに忠実で、その科学的確信を自由に表明する制度的保障なくしては、大学と学問・科学の真に生き生きとした創造的発展はない、ということである。
そのような自由が、現在議論されている大学機構改革、制度改革では十分に保障されないのではないか、それどころか人事権・予算権という核心的な部分での従来の不十分な権利・制度的保障さえも剥奪されようとしているのではないか、これこそを問題としている。その予兆として、「設置者権限」を振り回す事務局責任者の横暴な振る舞いがあるのではないか、という危機感がある。今までも、「設置者権限」を振り回されて、言いたいこと、言うべきことを主張しなかった傾向が―最近の顕著な事例が評議会からの事務局責任者指揮による事務局員総退場に関して―大学人の中に見られるだけに、恐るべきことが起き、また起きようとしていると感じるのである。
「市大の消滅」ではなく、今まで市大にあった「大学の自治」「学問研究の自由」すらもなくなるのではないか、それでは市大という大学は形式的に存続しても、その内実では大学でなくなるのではないか、という危機感がポイントである。
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2002年12月19日 「独立行政法人化阻止全国ネットワーク」(代表:山住正己東京都立大学名誉教授)に関する情報を得た。国立大学の法人化問題を既定事実のように考えがちだが、現在行われていることは法律に基づくものではなく、立法問題としては、まさに今から正念場ということで、自分のこれまでの認識を再検討することを迫られた。上記ページを見て、紹介と呼びかけにこたえ、現在進められつつある大学自治破壊・学問の自由破壊・憲法規定違反の可能性のある国立大学の「独立行政法人化」には反対すべきではないか、と考えるにいたった。国公立の大学がいかにあるべきか、研究教育のための時間で手一杯の感があるが、しかし時間の許す限り真剣に考えていく必要性を感じた。研究教育の自由が保障されるかどうかの根本問題だから。そして、研究教育の自由こそは大学の使命実現の不可欠の前提だから。
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2002年12月18日 評議会を変えるかどうかは、改革のあり方をめぐる決定的問題。
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2002年12月17日 「がけっぷち」危機意識の学生諸君の「あり方懇談会」・矢吹教授の中国論
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2002年12月16日 商学部に「75周年記念事業」に割くべき人員・余力・意欲はあるか?
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2002年12月13日 「学問の自由と大学の自治の敵,橋爪大三郎「あり方懇」座長の危険性」−総合理学研究科・佐藤真彦教授の鋭い指摘。
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2002年12月12日 「人事凍結策」のつけ=負担増の記録(事件発生にそなえて)
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2002年12月11日 教授会も学生も無視した強硬政策のオンパレードは何が原因か? それは何をもたらすか?
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2002年12月9日(2) 平商学部教授「第三回あり方懇談会傍聴記」(引用者強調文書)
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2002年12月9日 市大卒業生が定年退官教授不補充問題で要望書提出。
(cf. http://www2.big.or.jp/~yabuki)。
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2002年12月6日 教授昇進規定などに関する議論だけで延々夜の8時過ぎ
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2002年11月29日 事務機構「改革」は大学の研究教育条件の改悪ではないか?
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2002年11月26日 公立大学協会の動向への寄与・主体的関わりは?
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2002年11月25日 「異常事態」責任追求の放置は何を意味するか?
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2002年11月21日 研究開発型ベンチャーの創造性の前提は?
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2002年11月20日(2)「あり方懇談会」の議事録問題:橋爪座長の年来の主張
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2002年11月20日 教員組合声明・要望書: 学長・事務局長に提出
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2002年11月15日 「グローバル地域」コース: 学府・院構想:
地方交付税と大学財政(商学部は黒字)
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2002年11月13日 声明文の処理
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2002年11月12日 あり方懇談会委員への学生意見送付。
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2002年11月8日 総合理学研究科の歴史的決議
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2002年11月6日 市長宛て声明文
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2002年11月1日(2)「大学のあり方懇談会」第2回議事録の問題性
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2002年11月1日 評議会で出された学長声明の深刻な問題性
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2002年10月31日 事務局総退場という異常事態に関する学長声明
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2002年10月30日 緊急の臨時評議会開催と教員組合の学長宛要望書
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2002年10月29日 「あり方懇談会」提出統計資料を元にした学生諸君の意見を踏まえた叩き台としての意見‐民主的手続きによる総合的将来構想を構築する必要がある。
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2002年10月25日 市立大学の存在意義・財政状態・地域貢献等に関わる学生諸君の意見
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2002年10月24日 学内開催の「あり方懇談会」の雰囲気
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2002年10月21日 評議会からの事務局総退場という異常事態=無法状態
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2002年10月19日 評議会における事務局責任者の職務放棄、学長命令不服従(事務分掌規則違反)に関し、教員有志の声明(上記アピール1を参照されたい)を公開。多くの方が賛同メールを一楽先生まで寄せられることを期待する。学長、評議会各位の学則諸規程にしたがった毅然たる態度を期待し、ある良心的教員から寄せられた痛烈な意見を紹介。
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2002年10月18日 非常勤講師労働組合が組合結成通知書を公式に大学側(総務課長、人事係長)に手渡したとの情報・・・大学の教育のため連帯を。
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2002年10月17日 前代未聞の異常事態:評議会開催中に事務局責任者の指揮で事務局関係者一斉退場。
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2002年10月15日 教員組合集会の議論にもとづく事務機構改編問題に関する学長・評議員への要望書…学長・評議員各位の法(法体系)と各種ルールにのっとった適切な対応を期待。
関連資料:遠山茂樹名誉教授の最終講義における関口泰初代横浜市立大学学長の大学論:われわれは何をなすべきか?
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2002年10月11日(2)「社会構造論」の重要性:「あり方懇談会」の座長・橋爪大三郎教授の「社会学講義」の説明
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2002年10月11日 教員組合主催の勉強会・組合集会の結論: 評議会における審議事項としての慎重審議を学長・評議員に要望することになった。
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2002年10月10日 商学部臨時教授会見解・・・「評議会で慎重審議を!」
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2002年10月9日 「科学する者の当然の態度」とは? ノーベル賞の小柴教授の言説
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2002年10月7日 本学の改革を進めるスタンスはいかにあるべきか? 参考文献:橋爪大三郎他著『僕の憲法草案』、橋爪大三郎『民主主義は人類が生み出した最高の政治制度である』など。
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2002年10月4日 大学の事務機構改革案の批判−大学の使命との関連、研究教育条件の向上はどこに?−
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2002年10月3日 大学HPの大学組織図とその問題性:意思決定機関の無視は何を意味するか?
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2002年10月2日 木原研究所の外部資金導入の失敗問題
「凍結」、「非凍結」に関する判断の恣意性
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2002年10月1日 平商学部入試委員長の訴え:公開質問状:「凍結」「非凍結」の恣意性(学部教授会自治破壊)と学部諸業務の困難性
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2002年9月30日 橋爪大三郎『世界がわかる宗教社会学入門』と本学部の「社会構造論」後任人事
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2002年9月26日 本学の改革のあり方と橋本著『選択・責任・連帯の教育改革【完全版】との関係
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2002年9月25日 本学の改革のあり方と古沢由紀子著『大学サバイバル』、橋爪大三郎氏の『その先の日本国』など。
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2002年9月24日 石井寛治著『情報化と国家・企業』と大学・研究者の使命
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2002年9月19日 「あり方懇談会」のメンバーの主張は何か? 著書など研究の必要性
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2002年9月18日 事務局(事務局長・総務部長等いわゆる「2階」)と大学の評議会・教授会の関係:研究教育の現場・担い手の責任
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2002年9月17日 大幅予算カットと非常勤等のカリキュラム問題・人事補充問題
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2002年9月13日 非常勤講師組合の結成大会の知らせ
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2002年9月12日 歴史・社会・語学関係教員の将来構想を巡る議論:
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2002年9月11日(特別付記) 大学改革構想は公然たる論争をつうじて構築されるべきである。
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2002年9月11日 「大きな転換」なるものの内容はなにか? それは真の設置主体=横浜市=横浜市民の付託に応えるものか? 横浜市は大学が抱えている現代的使命をどのように把握しているか? 本質論議の重要性:
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2002年9月10日 あるべき改革構想は何か−現場を無視した改革構想はなにをもたらすか? 最近の事例
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2002年9月6日 定例教授会の到達点:第三学科構想か、教養学部・専門学部構想か?
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2002年9月3日 出張と研修の混乱の責任の所在は?・・・8月海外出張の経験から:帰国後に出張費を支払う不当性・非合法性
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2002年8月2日 矢吹教授の訴え、緊急アピール等その全国的な反応,それをどうとらえるべきか?
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2002年8月1日 「設置者権限」を振りかざした「凍結」政策の背後にあるものは何か?
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2002年7月31日 歴史関係者会議で出た構想
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2002年7月29日 公式報告書「入試過誤調査委員会」報告批判(本日誌の7月23日記載)の私の見地
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2002年7月25日 不当な欠員補充人事「凍結」への批判
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2002年7月24日 「学長見解」に関する緊急アピールに賛同: 本当の「設置者」はなにか?
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2002年7月23日 入試過誤調査委員会報告書(A4全文12ページ)、その入試管理委員会での承認=公式発表文書として情報公開対象の文章
一読後の批判的感想:背景説明などに積年の幣、商学部の負担の大きさにいっさい言及なし。これが同じ大学内部の人の書いたレポートか、という驚きと悲しみ。大学内部でさえ、他の学部と比べての商学部の大変さ・過労状態が理解されていないのだ。「改革」などというもの=負担の増えるものに前向きになれない人がいても、不思議ではない。
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2002年7月22日 「学長見解」の性格は何か?
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2002年7月19日 理念の欠如した「凍結」案説明の「学長見解」批判
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2002年7月16日 事務局による人事「凍結」の恣意性・・・「設置者」権限は,正当に行使されているか?本庁はいかなる理念をもっているか?教育現場の混乱を知っているか?
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2002年7月11日 非常勤講師料の不当な削減方式と連動したリカレント講座等の謝金廃止・名目的な涙金「研究交付金」支給について・・・長年確立した慣行の一方的破棄の法律上・信義上の問題性・・・「生涯学習推進委員会」は、講師謝金を決定する権限・廃止する権限はなく、学長「命令」(?)をただのまされただけ・・・教授会、教員組合などが今後きちんと交渉すべき問題。
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2002年7月8日 「体育」の選択科目化の選択は? 後任は現代社会・現代経営・現代企業にとってのスポーツとスポーツ産業の重要性を研究教育する人材が適切では?その現代的人事は学部の独自性・個性を形成し、大学全体の人材を多様化し豊かにすることになるのでは?
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2002年7月6日 今後の課題:発展的構想の構築。その見地は、一方における社会的要請と他方における学部・大学院の伝統・独自性・特色の有機的建設的結合。試されているのはその総合力。
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2002年7月5日 長時間かけ慎重に商学部の教授会意思を明確化、建設的意見を積み上げて公募を決定。・・・昨日の商学部定例教授会で経済学科の「社会構造論」公募(要綱)承認、公募手続きを粛々と進めることとなった:・・・残るは関係部局の手続きと学長決裁: 優秀な現時点でベストの人材をえるため、公募時期を失することなく、関係部局と学長の公募関係事務の適正迅速な処理が求められる。
経営学科の「体育」後任に関しては、学科会の議論をまって7月18日午後一時半から臨時教授会を開催し決定することとなった。それまでに科目の説明要件(意義・カリキュラム体系での位置、学部大学院の発展方向との関係等)を明確化。
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2002年7月3日 大学創設学部・商学部は創立75周年記念とともに消え去るか?
分裂と内紛のうちに自己崩壊するか?
それとも知恵を出し合い、学部の総力を結集し21世紀にふさわしい発展を実現するか?
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2002年6月27日 「わかんねーんだよな」この傲慢不遜な言葉・態度は何を物語るか?
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2002年6月26日 大学人に求められていること・・・現行諸法規・諸規則にのっとった毅然とした態度と政策。
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2002年6月24日 合理的計画と構想力の欠如した「人事凍結」案の暴言
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2002年6月19日 本学の非常勤講師依存300.5コマ全体のコマ数の28パーセント強。
講師料支払いに関する事務当局の傲慢な態度・・・訴訟も射程に!
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2002年6月17日 当面の財政赤字を大学改革の前提にすべきか?
大学の歴史的発展を踏まえた二一世紀的な構想とは? 商学部は少人数教育こそ真の意味で実現させるべきである。
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2002年6月15日 「大学改革のあり方」懇談会の意味と位置−21世紀における大学の発展方向の合理的分析の必要性−
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2002年6月14日 国際文化学部でも事務局の「凍結」発言で紛糾
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2002年6月11日 大学の教育研究を混乱させる人事「凍結」の暴言について−本学の大学の改革努力はどこまできているのか? どのような枠組みか? 慌てず、その確認が必要。
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2002年6月10日 大学の現実の教育研究をしっかり考えない軽薄な風潮・拙速主義について。
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2002年6月7日 教授会「定年退官教員補充人事凍結」の発想が紹介され、長時間、紛糾−大学改革に関わる基本方針・大学改革のあり方をめぐる問題は評議会で審議を尽くすべき。責任所在の不明確な「凍結」構想は許されない。
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2002年6月3日 大学教員と事務局の相互協力は何によって達成されるべきか?
原則:大学学則の基本精神、論理とデータ・資料に基づくオープンな議論
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2002年5月30日
「学生数に応じた地方交付税交付金の割り増し」は、どう処理されているか?商学部予算配布等にあたって正当に考慮されているか? ・・・和田淳一郎さんの問題提起(「学内行政」欄など)、それに対するの私の見解
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2002年5月25日 図書館・図書費問題
図書委員・随さんからの情報(「大学図書館で起きていること」5月24日受領)・・・内容:図書費またまた大幅削減、図書費配分の問題点、その他。
・ 最近は毎年のごとく図書委員から報告される図書費削減の大なた! 文科系図書の貧弱な予算。その上、それへの一律削減。
・ 思いあまった今年の随委員の情報
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